2018年06月22日
覇穹封神演義 20話感想 雰囲気はいいが佳境に水を差す2シーン同時進行
20話 星降る時
20話配信(Abemaビデオ)
あらすじ
聞仲との戦いで黄竜真人と慈航道人が封神される。金鰲島は動力炉が破壊された影響で周囲の星が落下し、十二仙はその隙に聞仲に攻撃を仕掛ける。
禁鞭の攻撃で十二仙が次々と封神されるが、普賢真人が接近に成功し、聞仲を巻き込んで自爆する。
一方人間界では紂王の身体に異変が起きる中、周を筆頭とした諸侯の兵が牧野に向けて進軍する。
感想
アバンは天化が傷を気にするシーン。おそらく道徳真君が最期を迎えるエピソードなので天化とのつながりを描いておこうということなのだろう。先週に続いてカットした趙公明編をあったこととして回想しているが、まあ「趙公明の召使いと戦った時――」という天化のナレーションが入っているので良し悪しはさておき新規にも理解は可能だろう。
しかしそこからが混乱を呼ぶところで、天化の回想から戻って今度は魔家四将戦のシーンへ移動。こちらも趙公明編同様カットしたエピソードなうえナレーションもなく、しかも天化視点だったはずなのに道徳真君のモノローグが入りいつのまにか道徳視点に切り替わっている。回想を経由して天化→道徳のラインから劇中現在に戻ってくるのは工夫が効いていると言えなくもないが理解の阻害を招くようならマイナス効果と思う。
仙界大戦がクライマックスにもかかわらず人間界の様子へ。しかも長い。原作が息もつかせぬ展開だっただけにここで一呼吸置くのは違和感がある。普賢の自爆で引くための尺調整と、仙界大戦後の展開のチラ見せと、聞仲の誤ちの強調と、この構成になった理由はいろいろ考えつくが個人的には仙界のほうを一気に進めて欲しかった。あと、本来は聞仲死後に殷が一気に崩壊する構図なのにこの改変により殷=紂王を放ったらかしでお空でドンパチやってる聞仲がだいぶ愚かに見える。愚直でダメな男ではあるだろうがそういうんじゃないんだよなあという思いがある。
「さらばじゃ馬鹿弟子 達者での」「師匠!」
「は…離すでちゅ!」「何言ってんのよ赤ちゃんのくせに!」
土行孫が喋った!おそらく今後出番はなさそうだしこの一言のためにCVを付けたのは評価したい。CVはなんと日野聡さん。ラシック様なにやってんの。蝉玉も道行天尊の命を救うファインプレー(?)である。ストーリーに絡むここがあるから蝉玉は出るだろうと事前に予想する声が多かった気がする。
「おっしょーさま!僕もお供します!」
んんん??本来ここは普賢の弟子である木吒の出番だが武吉に変わっている。一言のみの土行孫にきっちりCVを設定したのだから木吒もそうするべきでは?唐突なキャラ登場を気にしたのかも知れないがそれは正直今さらである。相変わらず改変方針がダブルスタンダードで論理性に欠けるように思う。
「師表たる崑崙十二仙の名にかけて!聞仲、お前を倒す!」
一言ずつ発言して最後に全員で吠える、先週のような合唱より表現としてカッコいいと思う。
道徳最期の咆哮がアツい。CVは森久保祥太郎さんでいろんな作品で拝聴するが個人的にはクリミナル・マインドのドクター・リードなど頭脳派の役がおなじみでこういう暑苦しいキャラクターは新鮮だった。天化のカットが入るのはオリジナルだがいい演出。
「みんな、一点集中だ!各個で戦っては…!」
太公望の作戦に反し各個で戦う十二仙。師表としての責任感や自己犠牲の精神が大きかったのはもちろんだが、十二仙は太公望より普賢のほうを信頼していたと見ることもできる。そう考えると大戦序盤の通天砲対処のあたりでは十二仙が太公望の指揮を疑問視するシーンもあった。それをなだめた玉鼎真人がこの場に生きていれば結果は変わったかもしれない。まあそもそも、構えた瞬間にやられるほどの実力差を見るに集中しても瞬殺されるだけのような気もするが。だとすると「聞仲をなめるでないぞ」という太公望のセリフが自身にも刺さる。
クライマックスだけあってすべてのカットが美しい。哀しげでスローな女性ボーカルのBGMが雰囲気を高めている。太上老君のカットを挟むのは関連性として強引な気もするがそれ以外は良かった。前回と今回、どちらも原作では2週連続で”引き”の名場面なのでアニメでも両方引きで使いたい気持ちはわかるのだが、漫画とアニメでは1回のスパンが違うため、今週は人間界の様子を挟むなど水を差す構成になってしまっているのが残念。
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