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2014年07月21日

親ロシア派 フライトレコーダーを回収か


ウクライナ東部の親ロシア派の指導者は、マレーシア機が墜落した原因の解明に不可欠なフライトレコーダーとみられるものを回収したことを明らかにしましたが、国際機関に直接引き渡すと主張し、原因の調査を巡ってもウクライナ政府と対立する事態となっています。

マレーシア機が墜落したドネツク州の親ロシア派の指導者、ボロダイ氏は20日会見し、マレーシア機の飛行データを記録したフライトレコーダーとみられるものを回収し、中心都市ドネツクにある親ロシア派の管理する建物で厳重に保管していることを明らかにしました。そのうえで、ボロダイ氏は「ICAO=国際民間航空機関の専門家だけに引き渡す」と述べ、ウクライナ政府ではなく、国際機関に直接引き渡す考えを強調しました。
ウクライナ政府は、墜落の原因究明に不可欠なフライトレコーダーが親ロシア派の手に渡れば、撃墜の証拠が消されるおそれがあると懸念しており、原因の調査を巡っても双方が対立する事態となっています。
一方、ウクライナのグロイスマン副首相は20日、墜落現場近くの鉄道の駅に冷凍車両を待機させ、これまでに遺体で見つかった219人のうち192の遺体を収容したものの、親ロシア派の妨害で列車を動かすことができないと述べました。そのうえで、「国際社会とともにロシアのプーチン大統領に圧力をかけ、列車が動くのを待つ」と述べ、プーチン大統領に対し、改めて親ロシア派への働きかけを強めるよう求めました。
ウクライナ大統領 親ロ派を非難

ウクライナのポロシェンコ大統領は20日、ドイツのメルケル首相と電話で会談し、親ロシア派の武装集団がマレーシア機撃墜の現場付近でクレジットカードなど、犠牲者の私物を盗んでいると指摘しました。
そのうえで、ポロシェンコ大統領は「人間の道徳を踏み外した形で遺体を扱っている」と強く非難し、ウクライナ大統領府によりますと、メルケル首相も同調したということです。
さらに、両首脳はロシアから親ロシア派の武装集団に武器が渡るのを防ぐため、国境での監視が重要だという考えでも一致したということです。
EUもロシアに厳しい制裁を

アメリカのケリー国務長官は20日、アメリカNBCテレビのインタビューで、マレーシア機の撃墜に使われた地対空ミサイルについて、「ロシアから運び込まれたことを裏付ける証拠がある」と述べ、ロシアが親ロシア派の武装集団に提供したものだという見方を示しました。
そのうえで、ケリー長官はアメリカが先週、ロシアの国営石油会社や金融機関などを対象に追加制裁を行ったことに触れたうえで、「今回の旅客機の撃墜は、ロシアに融和的だったヨーロッパへの重大な警告だ」と述べ、EU=ヨーロッパ連合もロシアに対してより厳しい制裁を科すべきだという考えを示しました。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140721/k10013162931000.html



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