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2013年06月24日

八幡堀から家棟川へ

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(iPadのiPhotoジャーナルで作成)
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a.残暑きびしい9月はじめの八幡堀、

b.自転車を押しながら水辺を歩いて西の端まで来ました、

a.仏光寺別院の立派な伽藍(ガラン)が西の目印、ここで八幡堀の遊歩道も終わりになる、

b.このあたりで白蛇が泳いでたんすね、のびのびと、



a.そう、「ヘビ泳ぐ、八幡堀をのびのびと」、ちなみに、ここが歴史的町並みの端っこで、ここから先は田畑が主役になる、

b.八幡堀の外れの空き地にひっそりたたずむレンガ作りの廃墟、

a.「夏すぎて夏草つるむ廃墟かな」、

b.さて、ここからどう進みましょう、

a.水茎町の並木を撮影したいので、あえて、騒々しい湖岸道路を走って、岡山の坂の途中に停まりたい、



b.遠くに見えるあれがその並木道か、背景の近江富士や手前の農道もいい、

a.こんな交通量の多い道で、停車して撮影できることを幸せに思う、

b.自転車乗りの特権ですね、まさかこのためだけに、歩いて来る気にはなれないし、バイクや車を停めたら、大事故か大渋滞まちがいない、

a.さて、撮影も終われば、静かな道が良いに決まってる、湖岸道路を左にそれて、われわれは名もない用水路にそって田園に分け入ろう、

b.お盆を過ぎると、黄金色(コガネイロ)に色づき始める稲穂、

a.9月も上旬になると、しっかり実って重々しい、

b.ここからは見えないけど、あの雲や山の手前にはびわ湖がずっと広がってるのか、なんだかぜいたくな気分だ、

a.ふつうは川かため池ぐらいだもんな、あるとしても、それが端から端まですべて琵琶湖、

b.「干拓地、びわ湖の広さ、暗示する」、

a.干拓地そのものも琵琶湖のように見えないか、

b.どういうこと?

a.まだ実を付けない軽い稲穂が風になびくと、さざ波が立ってミドリの湖面のように見える、

b.ふりかえると、岡山の上に意味ありげな雲が浮かんでる、



a.かつて水茎岡山城のあった山だし、城主の熱い思いが雲を呼んだのかもしれんなあ、

b.じゃあ、この雲がいずれ城の形になるとか、

a.そうなったらおもろいけど、なるわけないし、先へ進もう、

b.じゃあ、せめて川柳の中で実現させときましょう、「城跡にうかぶ白雲、白雲城」、



a.「堰堤碑(エンテイヒ)ここも内湖の名残かな」、

b.それにしても立派な材木を惜しげもなく使ってます、

a.中身の文章より見事な木目の方に目が行ってまうわ、

b.ここもかつては内湖だったんですね、

a.内湖、つまり、びわ湖のおまけ湖、

b.おまけ湖のほうが響き良いなあ、

a.そのおまけ湖に堰堤つまり小さなせき止めダムを設けて、水量を調節してたんだな、

b.日照りのときは水をたくわえ、雨が多すぎれば琵琶湖に放流、

a.明治の終わりにびわ湖で初となる堰堤がここ野田地区に誕生、その記念碑というか、木材だから記念板っていうのか、

b.そう思うと、この木目鮮やかな太い柱が、干拓地に突き立てられた記念の杭打ち(クイウチ)のようにも見えてくる、

a.「今は無き内湖にとどめの杭を打ち」、

b.良くも悪くもここで暮らす農家の人々には生死に関わる切実な問題だったんだな、

a.良くも悪くも農業を人類最初の自然破壊と考える学者もいるくらいだから、そりゃ自分たちのやりやすいようにやるだろう、全力傾けて、

b.そんなかつての内湖も今は家棟川(ヤノムネガワ)という川筋に変わり、岸にそってさびれたサイクリングロードが伸びています、

進行方向の逆をながめる

a.この寂れたサイクリングロードをたどろう、

b.こんな道が良いんすか、

a.これはこれでなにか味がある、なんだろう、打ち捨てられたような孤独な感じ、でもどこか自然のすぐそばに居るようでけっして悪くない、

b.「荒れた道、晩夏のびわ湖、干拓地」、



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