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2024年01月18日

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。 コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする (だいわ文庫) [ カレン・フェラン ]



★★★★
本の概要

経営コンサルタントと大企業のマネージャーとして計約30年のキャリアを持つ著者が書いた本。コンサルタントがよく用いてきた様々な経営理論やツール群の問題点を指摘し、代わりに、本当は何が大事なのかを説く。
感想など

タイトルに惹かれて買ってみた。
惹かれた理由は、自分の中に潜む、コンサルタントという職業に対する猜疑心がそのままタイトルに凝縮されているように感じたから。
読んだら期待通り面白かった。訳文もとても読みやすく、おかげで原文の著者に親しみが持てた。
出だしも見事に謝罪から始まるのには、なんだか文学的な趣さえも感じた。

著者自身は若い頃のコンサル仕事への反省はあるものの、実際に「御社をつぶした」わけではないそうで、むしろ元からわりとまともな感覚を持っている模様。
しかしそれでも、「すべての経営コンサルタントを代表してお詫びします」とのこと。その内訳が、本の中に丁寧に書かれている。

私はコンサルタントでも経営層でもない。それでも内容はとても面白く感じられ、痛快な部分も多く、共感できるところも多かった。また、語られている内容は、組織の中で働く人ならば実際の考え方として役立てられるようにも思う。
著者の、既存の理論への知識と理解度、現場での実践経験とフィードバックや観察と思考、そしてその両群から得られた考察と試み、どれもがとても興味深い。

共感の点では、本の序盤から私がかなり共感できたのは、新卒コンサルタントのことだ。
新卒の就職先として近年コンサルタントが人気であると聞いたのはいつだったか。しかし、フルタイムの社会人すらほぼ未経験なのにもかかわらずいきなり、もしくはせいぜい1,2年以内にコンサルタントを自分ができると思う神経に対して、大変失礼ながら長らく疑問を感じてきた。私自身が凡庸以下であるために優秀で志が高い学生の気持ちが分からずにそう感じてしまっているという可能性もけっこうあるのだが、それにしてもそんなに人気というのには、やはりなかなか納得しがたい。会社説明会の内容がよほど良いのだろうか。
もちろん、中には非常に優秀な学生がいて、いきなりそういうことがまともにできてしまう人も中にはいるだろう。また、経験や勉強や修行のためだと割り切ってなろうとする人もいるだろう。それならまだ少しは分かる。
でも、応募する多数の新卒者がそうだとは全然思えない。そういう科目の勉強が得意な人もいるだろうが、実践は科目の勉強とは違う。
この本は、そういったことに対してもずばっと指摘したり、そういうことによって引き起こされてきた問題の事例を挙げているところも魅力だ。

私は実際のコンサルタントを多く知っているわけではない。しかし読みながら、職場にいたそういった人たちや、現場で体験したドンピシャな事例などがそこそこ思い浮かんできて、とても面白かった。

この本で指摘される様々な問題のことをまとめて一言で言い表すなら、「机上の空論」だろう。それを振りかざす人、それに振り回される人。そういう人々が現実や数値化しにくい大事ものを見過ごす代わりに、表面的には説得力のありそうな疑似解決策のようなものに頼り切ってしまうことで、様々な弊害が引き起こされてきたのだろう。
やはり、エンロン事件は代表事例として紹介されている。

とはいえ、コンサルタントや経営理論やそういったツール群の全てが否定されているわけではない。使える理論もあるし、うまく活用すればよいのだと言うことも書かれている。
道具と同様、選び方と使い方が大事ということだろう。
そのために役立ついくつかの表もこの本には掲載されている。「コンサルタントが役に立つとき、役に立たないとき」表、「危険なコンサルタントの見抜き方」表、「正しい理論、まちがった理論」の真偽判定表、コンサル的表現に騙されないようにするための「専門用語を解読する」表など、どれも見やすく、必要なときに見直せば役立ちそうだ。

コンサルタントのここ数十年の歴史もちらっと垣間見ることができたし、読み物としても学習書としても面白かった。

2023年09月21日

「いまの会社、辞めようかな」と思ったら準備しておく24のこと

「いまの会社、辞めようかな」と思ったら準備しておく24のこと [ 平秀信 ]



★★★★
本の概要

タイトル通り、「いまの会社、辞めようかな」と思ったら準備しておく24のことについて書かれている。起業を成功させるための準備が主たる内容ではありつつも、読んでいて、会社を辞めないという選択肢にたどり着くことも十分にあり得るとされる。会社で勤めを続ける場合と起業する場合、いずれにしても重要となることが多数書かれている。
読み進めながら行う複数のワークを含んでいる。
サラリーマンの後に複数の起業を行った著者による本。
他社や他組織への転職については触れられていない。あくまで、サラリーマンか起業家か、の本。
感想など

今勤めているところを辞めようかなと思っていたとき、たまたまこの本のタイトルが目に入ったので買ってみた。

結局のところ私はそこを辞めていないのだが、この本に書かれていることにはとても勉強になったし、共感するところも多かった。もしこの先、本当に起業・独立したいと思った場合にも役立つだろう。
また、サラリーマンのまま過ごすにしてもやはり自己鍛錬を継続することは重要だということが、改めて分かった。いつ辞めても困らない状態にしておくことは大切だろう。
その辺りのことにとても共感できた。私のような氷河期世代の人は、特に共感するのではないだろうか。

起業するにあたり必要となる具体的なスキルとしては、「ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)」やコピーライティング等に触れられている。
また、会社を辞めた後のライフスタイルについても書かれている。

ワークはけっこうな分量がある。真面目に取り組むと、最低でも数時間を要するだろう。しかしその分得るものはあろう。
これらはやりっぱなしではなく、この本に書かれている通り、一定の頻度で見直す必要がある。
ただし、ビジネスの自己啓発本を他にも読んできた場合には、それらのワークと内容が重複する部分も多いだろう。しかしこういったワークが初めての人は、楽しんで取り組むことができるのかも。
いずれにしても、このようなワークはやりっぱなしではなく随時見返すことで初めて効果が得られるように思う。

コロナ禍前に書かれた本ではあるが、インターネット前提の内容となっているため、その辺りはまったく問題ないと思う。

なお、この著者も
に影響を受けたとのこと。その本の影響力の大きさも改めて感じた。
タグ:成功

2023年08月31日

システムを「外注」するときに読む本

システムを「外注」するときに読む本【電子書籍】[ 細川義洋 ]



★★★★★
本の概要

システムを外注する際のノウハウが述べられている。それもドラマ仕立ての物語形式で。随所に図やチェックリストなどのグラフィックも用いられている。重要な文が初めから強調表示されているタイプの本。
発注側のシステム担当者、プロジェクトマネジャー、CIO、経営者の視点からの内容となっている。プロセス内のすべてが対象になっているわけではないが、多くの要素が対象となっている。
感想など

システムを外注するための、信頼性が高くまとまったノウハウに触れたことがなかった。しかしこの本ならそれらが書かれているような気がしたので、読んでみた。

まず、物語の要素が面白い。登場人物にはかなり個性的な面々が多い。
以前にも簡易な会話形式のノウハウ本を読んだことがあるが、それにはほとんど物語性が無かった。しかしこの本は会話形式というだけではなく、ドラマのようなストーリーが展開される。
故に、単なるノウハウ本や簡易な会話形式のみのものと比べてリアリティがある。なので、イメージが湧きやすく、ノウハウを自分の中に落とし込みやすい気がする。

フロー図一つとっても単なる教科書的な内容ではなく、筆者の知識や経験に基づいた、実際に使えそうな内容となっている。

ITの技術的なことにはほとんど触れられていない。あくまで、人間、組織、管理、業務、などにスポットが当てられている。それほど重要なのだろう。
ただし、発注側の関係者はIT技術的なことは知らなくてもよいということではなく、知らなければ最低限のことくらいは勉強する・させる必要がある、ということも示唆されている。

システムを外注するときには実際に役立ちそうな本なので、必要に応じてまた読んでみたい。特に各種チェックリスト系や図表はかなり役立ちそうだ。
タグ:システム

2023年07月05日

ざんねんなオフィス図鑑

ざんねんなオフィス図鑑【電子書籍】[ 沢渡あまね ]



★★★★★
本の概要

組織の中の今となってはド非効率な仕事のやり方の数々を、嘆かわしくも面白く川柳で表現しながら解説している。愛嬌あるイラストが多い。
感想など

以前から気になっていたので読んでみた。

全てに共感でき、すべてが滑稽だった。この本と同じような思いを常日頃から抱いている人にとっては、超ドストライクな内容に違いない。私も間違いなくその一人だ。
嘆いているのは自分だけではないと少しは安心できると同時に、こういうことでさえも面白おかしく表現できる著者らのセンスには感服した。

20世紀から見れば超ハイテク未来なはずのこの2023年。それでも、「最近電子メールというのを使ってみたけどよく分からないし使いにくいからFAXに戻しました」という話を身近かつ仕事関係で立て続けに聞いたのなら、こういう本くらい読まないとやってられない。実話です。
しかしそれくらいならまだかわいい。もっと酷い非効率はたくさん起きている。

モダンで優良な職場では別だろうが、この本に書かれているようなことは意外と多くの組織にておそらくいまだに実際に起き続けていることだろう。

私はほぼペーパーレスでクリアデスクな職場をなまじ経験したことがあるせいで、余計に気になってしまうのかもしれない。しかしそのように良し悪しの落差を経験できたことについては、むしろ感謝すべきなのかも。とはいえ、今後も残念なオフィスのままでは嫌だし、改善されない限りは組織として今後立ち行かなくなるだろう。
今ではリモートワークやフリーアドレス、副業や複業、その他様々な効率化要素が、空間的にも時間的にも新たな形態として登場してきているし、ITツールについても高機能AIやどんどん使いやすくなるXaaSもある。
しかし何もしなければ、するところとの差は開く一方だ。

この本の総括としては、ITのワークフローシステムの活用や組織文化の変革が提言されている。
最近読んだ他の本『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』にも書かれていたけど、こういうことに気付いた従業員が自分の活動範囲内で変えていくだけでは到底足りないのだろう。
とはいえ、そういった人は諦めずに効率化への努力を続けていればいつか明るい道が開けることと信じたい。

2021年08月02日

企画立案からシステム開発まで 本当に使えるDXプロジェクトの教科書

企画立案からシステム開発まで 本当に使えるDXプロジェクトの教科書【電子書籍】[ 下田 幸祐 ]



★★★
本の概要

DXプロジェクトの教科書。パンの配送サービスの開発を例に、DX プロジェクトの概要、構想フェーズから設計とテストまで、および発注プロセスについて、図を交えながら解説されている。登場人物の会話シーンも少しあり。
感想など

DX というものに将来関わることになるのではないかという漠然とした不安から、この本を手に取ってみた。 と言っても、DX という言葉の定義さえもちゃんと理解しないまま読み始めたのだが。
実際、 DX という単語には様々な解釈があるとのことだが、こちらの本では一定に定義した上で話が進められている。

内容は、まず従来の基幹系システム開発との違いが説明されている。
話の途中でも、これらの比較が所々でなされている。このため、いわゆる DX プロジェクトだけではなく、従来のシステム開発にもこの本は役に立つのかも。
さらに、私は従来の基幹系システム開発にさえもちゃんと全体として関わったことはないので、二重の意味で勉強になった。

プロジェクトの流れを全体的に網羅している感じ。ただし、技術的な部分については概要に留まっている。でもその方が全体の流れを掴むには良いのだろう。そこを書き始めたらきりがないし。
実際に DX プロジェクトに携わった際には、この本を改めて読みながら進めるとよいのかも。

書籍としては、個人的には横方向の日本語文章があまり好きではないので、そこは好ましくなかった。あと、ロジカルではありつつも、少し頭に入りにくい文章だなと感じた。また、登場人物のプチ会話シーンなどは、いかにもビジネス教科書的な会話で微妙だった。
しかしながら、著者の経験と知識に基づいた本題の内容については、造詣が深いと感じた。

2021年01月03日

チーズはどこへ消えた? (扶桑社BOOKS)

チーズはどこへ消えた? (扶桑社BOOKS)



★★★★
本の概要

世界的なベストセラーとなっているビジネス書。
内容は3つの部分に分かれている。メインの話は2つめの部分。これは劇中劇かつ童話のような形態をとっている。
1つめと3つめの部分については、そのメインたる2つ目の話についてリアリティのある登場人物たちが語り合うという、ちょっと面白い形式になっている。
原書は1998年に出版されている。
感想など

読みやすくそんなに多くない分量なので、すぐに読了した。大切なことが物語風に展開されるため、頭にすっと入りやすかった。
行き詰ったときやそうなりそうなときに恐れずに変化に対応することの大切さや面白さを、シンプルに疑似体験できた。

これは1998年に出版されたので、ちょうど家庭にもPCが急激に普及してきた時期と重なるのかな、と思った。それに類する変化への対応を迫られている登場人物が文中に出ていたというのもあり。

この話自体はとても有用だと思う。
特に日本ではこの種の教訓がもっと広まらないといけないのではないか。日本の労働生産性は、2019年、OECD加盟37カ国中21位だという。その原因の一つは、やはり依然として変化をむやみに嫌ってしまっていることにあるのではないか。

と言いつつ、一方で逆の懸念も感じた。
それは、「とにかくじゃんじゃん変化さえすればいい」、みたいな行き過ぎた思考も増えてしまっているのではないか、という懸念。
この本は、物事を真面目にこなしはするけれど保守的であるがゆえにうまくいっていない、という人々を暗に対象にしているように思う。しかし、そのことを変に解釈してしまい、基本や準備をやらないまま、とにかく変化がカッコいいとかスピーディに変えまくることがすげえんだ、みたいな短絡思考になってしまっている場面もけっこうあるのではないだろうか。それにより、保守的な人はそれに反発してますます保守的になる。そんなストレスフルなサイクルが、少なくとも日本の労働現場では長年繰り広げられてこなかったか?そんな気がすごくする。
この本では直接は言及されていないかもしれないけど、やはり基本は大事だし、バランスや周囲への説明も大事だろう。その上で、踏み込むところは早めに勇気をもって踏み込む。それがこの本の言いたい事のように思う。
登場する小人のホーがヘム自身に気づいて欲しいという態度は、そういう調和も意識してのことなのかもしれない。

ところでこの本を読みながら思い出したのが、NHKの番組「すイエんサー」。
この中のコーナーで、モデルの女子から成るすイエんサーガールズと、理系の大学生が、科学的な工作の課題を時間内で競い合う、というのを何回か見たことがある。すイエんサーガールズは、たいていほぼ直感で手を動かしつつみんなで楽しく盛り上がりながらこなしていくのにくらべ、理系大学生の方はホワイトボードで話し合ったり頭の中で計算や計画をしているうちに時間がなくなり、最終的にすイエんサーガールズの工作品の方が勝つというパターンを何回か目撃した。
これは変化を恐れるなということとは違うかもしれないけど、『チーズはどこへ消えた?』の迷路の中にいるネズミと小人の状況によく似ている気がした。これは、ある一定の状況下では考える前に手を動かせ、習うより慣れろ、考えるな感じろ、みたいな方策の方が有利な場合がある、というもう一つの教訓になっているのかも。この本でそのことが明示されているわけではないけど。

ともかく、変化すべき状況なのにその変化を恐れる自分がいた際には、もう一度読み返してみたい本。

続編もあるみたい。

迷路の外には何がある? ??『チーズはどこへ消えた?』その後の物語 チーズはどこへ消えた? (扶桑社BOOKS)



そういえば、『仕事は楽しいかね』という似た雰囲気の本のことも思い出した。内容もそうだけど、優しげな表紙絵の感じや語り口がこの本を連想させる。

仕事は楽しいかね? (きこ書房)


2020年07月27日

新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!

新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!



★★★★☆
本の概要

ITILとは、Information Technology Infrastructure Library のこと。それはITサービス運用管理のベストプラクティス集。
そのITILを、IT管理部門以外の仕事場にも適用するといいよっていうお話。コアの内容はITIL Version 3 に基づいている。
小説っぽいストーリーを軸に説明がなされていく。小説の項と解説の項が交互に展開されていく感じ。
感想など

そこそこ面白かった。ITILについてマイルドに説明されつつ、それをIT以外の事務部局に実際に当てはめていく様を、小説を読むような感じで楽しめる
ITILを全く知らなかった人でも、ITILの考え方ややり方をだいたい理解できるようになっていると思う。
というか、ITILのホームグラウンドたるITの領域に関することがここではほとんど出てこないので、その分なおさら分かりやすくなっているんだと思う。

私自身、以前からITILはIT以外のところにもかなり使えるんじゃないかと感じていた。なのでこの本をたまたま見かけたとき、なんだか気が合いそう&絶対に読んでみたい!と思った。
そして、自分が関わっている事務部局の業務プロセスにも実際に当てはめて効率化したいという意欲が湧いてきた。
ちなみに私はITIL Version 2 に関する資格を大昔に取得していたけど、正直内容は細かくは覚えていなかったため・・・今回は初心に返り読んでみた。以前は無骨な説明文や図で覚えたが、この本は比較的分かりやすい説明+物語や登場人物によりイメージが浮かんでくるので、内容が頭に入ってきやすいと感じた ただしITIL資格に対応しているわけではないので、資格をとるならそれ用の参考書などで別途勉強する必要あり。

スピードや効率化がますます叫ばるようになってきている昨今、ITILなどの手法はより一層存在感を増してきているように感じれらる。
それを様々な職場が実現するためには、このような分かりやすい本は重宝されるのではないだろうか。

実際世の中には、ITILのIの字レベルのことすら理解されなかったり、未だに前時代的な属人技&力技や偏ったこだわり精神論や、臨機応変という名の無策または気分策や、一部のベテラン勢のみが手慣れすぎているアナログ的手法だけで仕事を進めている事務職場も、まだまだ多いような気がする。というか多いでしょ これだと今や引き継ぎや交代に厳しいし、たとえ一見うまく回っているようでも実は効率化できる余地がありまくっているのにそれらが放置されててもったいない、という状況になっているのではないか。
そんな閉塞的と言えそうな状況を打破するためには、このようなある程度名の知れた既存の手法にまずは習ってみるのが一番よいのではないだろうか。

またこの本のいいところは、自分の現場に使える部分からつまみ食いすることをちゃんと推奨してくれていること。
私の体験談になってしまうが、ITILを完璧にもしくは過剰に当てはめようとし過ぎてかえって逆の無駄だらけでぎくしゃくしてしまっている職場に在籍してしまっていたことがある。管理表の中の入力項目も無駄に超多すぎて、入れるだけで超苦労するとか。効率化無視もきついが、その真逆の完璧主義or過剰もまた同様かそれ以上にきつい。
なので、無理せず必要な部分だけをつまみ食いするという精神は、この手の手法を用いる上ではかなり重要なことだと強く思う。

続編っぽい本

新米主任 ITIL使ってチーム改善します!


タグ:ITIL

2020年04月21日

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法



★★★★☆
本の概要

本のタイトルの通り、「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む」ための本。
30歳のサラリーマンを主人公にした物語形式で、転職に必要なことを学べるようになっている。
感想など

私もこれまでに「このまま今の会社にいていいのか?」と何度も思ったことがある。転職の経験はあるものの、いまだにその考えが思い浮かぶことは少なからずあるので、この本を手に取ってみた。
他にも転職やキャリアに関する本は読んだことがあったが、この本はこれまで読んだ中で「転職」そのものに関しては一番深く切り込んでいるなあと感じた。

物語形式になっているので、分かりやすく、面白い。主人公が、この本を手に取るであろう人たちと同じような悩みを持っているため、共感もできるし、目線も近いだろうから、話が頭に入ってきやすいと思う。
また、物語の中で転職について指南してくれる黒岩という人物も、ちょっとでき過ぎ感はあるが、なかなかいい味出してる。
一個人の転職にとどまらず、転職がより一般化することによる会社や社会への効用についても触れられている。

様々な考え方を授けてくれるため、読みながらちょっと頭が追い付かなくなりそうに感じることもあった。しかしありがたいことに、最後に「まとめのノート」というのがついているので、そこを読めば内容を頭の中で整理・復習しやすい

できれば、20代の頃にこの本に出合っていたかったかも。私は30代後半なので、もしかしたらこの本のメインターゲットよりも年上なのかもしれない。おそらく20代〜30代前半の人が、この本のメインターゲットなんだろう。とはいえ、少しでも仕事ライフをより良くしたく、またそのために転職することを選択肢の一つに入れている人であれば、年齢あまり関係なく役立つ内容だとは思う
少なくとも私は、やはり転職も現実的な視野に入れたい!そしてその時はこの本に書かれている考え方に沿ってみたい!と思えた。あと、実際に転職しなかったとしても、その気になればいつでも転職できるという状態にしておくことが良いことだと、改めて認識できた。
タグ:転職

2020年02月06日

フリーランス&“複"業で働く! 完全ガイド (日経ムック)

フリーランス&“複"業で働く! 完全ガイド (日経ムック)



★★★★☆
本の概要

フリーランスや副業や複業を始めるにあたって心得るべきことが、基本的なことからお金や法律に関することまで、網羅的に書かれている。
各種専門家による説明や、実際にフリーランスや副業複業に従事している人々へのインタビュー記事も多い。業種は多様。
ムックであり、全てカラーで、図解やイラストが多い。
感想など

フリーランスや副業を始めたく、まずは全体的なことや今の実情を知りたいと思ったので、読んでみた。

フリーランスや副業や複業を始めたい人が、取っ掛かりとして読むと良さそう。既に始めている人にとっても、最近の様子や自分以外の人たちの状況を知るのに良さそう。

内容は広く浅めなのかもしれないが、殆どのキーワードは順を追って押さえてあるように思う。2018年時点の最新事情となっているようなので、その辺りも安心できそう。
図解も分かりやすかった
また、一人だけの著者の説明ではなく、多くの人の知識や知恵や見解、体験談を読めたのが良かった。
フリーランスや副・複業における良い所も悪い所も書かれているが、明るめのデザインや写真などのおかげか、気分はやや上がりめになれるのかも。

この本は、今後の自分の活動に応じて随時見返すべきだろうと思う。ただし、各カテゴリーをより深堀りするためには、違う媒体から必要に応じてさらなる情報を得ることは大事だろう

2020年01月02日

トライアル現場主義!―売れる翻訳者へのショートカット

トライアル現場主義!―売れる翻訳者へのショートカット



★★★☆☆
本の概要

翻訳者の登竜門とも言える「トライアル」。これを実際に出題・採点する側としての考えが、オープンな雰囲気で分かりやすく掲載されている。
5つの英日トライアル問題文とその添削・解説を軸に、トライアルに関する概要、採点・評価方法、著者の意見・アドバイス、翻訳者が持つべきマインド的なこと、コラム、FAQなどが掲載されている。
他にはあまりない、翻訳の「トライアル」採点・評価のリアルについて書かれた、トライアル受験者向けの本。
感想など

翻訳のトライアルに合格したかったので、読んでみた。
翻訳トライアル採点現場の実態のようなものを、初めて垣間見れたと思う。

一番ありがたかったのは、評価方法の内訳について書かれた項かも。グラフ付きで分かりやすかった。
翻訳にまつわる所ではよく言われていることだろうが、やはり正確さありきだということが改めて分かった。

掲載されているトライアル問題については、実際に翻訳してみてから、添削・解説の部分を読んでみた。この本に書いてあったとおり、やはり自分で一度訳してから添削・解説を読んだほうが、身になりやすい思う。

ただし思うに、この著者が良しとしている翻訳は、正確でありながらも、日本語として読む際のフィーリング的なものもわりと重視していそう。意訳っぽい文や、原文に無い付け足しへの許容の度合いが、私が思う平均的なものよりも、やや高いように感じた。
(注)翻訳のプロでもなくトライアル採点者でもない私が思う平均というのは、あくまで他の教本や他の講師の方々から聞いたことを合わせた内容から推測する平均のことだけど・・・。

とにかくそういう内容を読んだ上でさらに思ったのは、やはり採点者も人間であり、ベストな翻訳とは何かということや採点結果は、翻訳会社や採点者によって変わってくることは確かだろう、ということ。これが所謂、採点者側と受験者側との間に「相性」が生じる所以なのかもしれない。
そしてそれは、翻訳が「職人技」とたまに呼ばれることとも関係しているんだろう。
結果、「正確さ」と「読みやすさ」という相反するものの両立の難しさと挑戦しがいみたいなものを、読みながら改めて感じることができた。

しかし留意すべきこととして、この本が書かれたのは2005年なので、それから15年が経っているということ。(2020年時点)
機械翻訳や翻訳ツールなどの高度化に伴い、もしかしたらこのようなトライアルの現場も少しずつ変わってきているのかもしれない。世の中の、言語や翻訳に対する考え方や手法にも、この間に多少変化があったかもしれず、そのことからトライアル採点現場が影響を受けている可能性もあるのではないか。
そのことを踏まえた上で、トライアルにおける基本的な考えの一つとして読んでみるといいのかも
タグ:トライアル

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