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2024年03月20日

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 [ ハンス・ロスリング ]



★★★★★
本の概要

事実に基づく世界の見方を教えてくれる本。世界にまつわる多くの勘違いを是正することも目的としている。
データに基づいた様々なチャートが用いられている。
世界について勘違いしやすいことに関するクイズも多く掲載されている。
章ごとの最後にまとめセクションがある。
同様の目的のために設立されたギャップマインダー財団の創立者であるハンス・ロスリングと、その共同創立者である息子夫婦による共著。
2021年1月6日時点で、日本で累計100万部に達したとのこと。
感想など

気になっていた本をやっと読めた。最初から最後まで、大変興味深かった。とても多くのことを学べた。世の中に対して持てる希望も増えた。
世界の人々に関して、これまで我々がどれほどまでに勘違いしていたのかということを突き付けられた。賢人的な肩書の人々でさえ多くの勘違いをしていたという事実。

一番印象的だったのは、やはりギャップマインダー財団およびこの本による独自のチャートだ。事実データに基づいているのはもちろんのこと、感覚的にとても理解しやすい。

この本のメインたる、人間がいかに様々な「本能」にとらわれているか、というところもかなり興味深かった。原始時代とかには役立ちまくったであろうこれら「本能」も、この現代社会においては社会に対する事実誤認の原因になってしまう。
自分自身を冷静に振り返ってみたら、これら「本能」は確かに自分の中にあると感じた。だからこそ「ファクトフルネス」への意識が必要なのだ。

また、データを用いた本でありながら、「数字だけに頼ってはいけない」とちゃんと警告してくれているのもありがたい。

現状のマスメディアやジャーナリズムについても納得できた。センセーショナルなニュースだけが飛び交ってしまうのは、もはや仕方がないということを。
だからというのもありギャップマインダー財団が立ち上げられたのだろうし、このような読書等を機に一人一人が事実に基づく世界観を持ち始めることが大事なのだろう。
インターネットが広がっている今、他にもそういった取り組みはあると思う。ギャップマインダー財団もそうだろうし、公平な事実を求める人たちからお金を集めて運営されることが一つの道なのだと思う。

現代の特に社会的なことについては、自分の中の情報を随時アップデートすべきということも改めて分かった。
私は約20年前に国際関係学部を卒業したが、その時に学んだ時事情報や国・地域情報だけではもはや古すぎるということだ。当たり前と言えばそうなのだが、ついついこれまでのイメージだけで決めつけたがってしまうのも人の「本能」。
とはいえ随時アップデートというのも大変だ。そんなとき、ギャップマインダー財団のこういったチャートなどが素早い理解と知識獲得に役立つのだろう。
こういった社会学の分野に限らず、様々な分野において、そういった知識アップデートの効率化により役立つツールが世の中でどんどん出てくればよいと思う。

翻訳品質についても、とても読みやすかった。

なお、脚注には複数のURLが掲載されている。
これらURLの中で一番良かったジャンプ先は、ハンス・ロスリング氏自身による説明の動画ページだ。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクっぽい(^O^) 快活でユーモアに溢れていらっしゃる。
脚注内の他のチャートへのリンクについて、2024年の時点ではリンク切れ状態だったり、改訂中のためにコンテンツが無いページもいくつかあるが、2019年が初版なのでやむを得ないだろう。

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