2023年10月01日
夜光貝のひかり
★★★★★
本の概要
文研じゅべにーるシリーズの本。
将来の夢をあきらめた少年が旅先の奄美大島で幽霊の少女に出会ったことから、物語は動きだす。
感想など
物語の時期と同じような、晴天が続く8月の日中、数日かけて少しずつ読んでみた。
若者の夢、出会いと別れ、そして戦争が、この本の大きなテーマなのだろう。
幽霊であることを除けばごく健全な少女といった感じのルリと、同じく健やかな印象ながらも悩みに潰されそうになっている、思春期に差し掛かりのサッカー少年。そしてその少年を温かく見守る島の大人たち。
彼等や島唄、そして本の表紙にも描かれている晴れた空と青い海と白い砂浜が、物語の根底に潜む深い悲しみや切なさを優しく昇華してくれるかのようだ。
私がこういった、いわゆるジュブナイル小説というものを読んだのは、おそらく30年ぶりくらいだ。その頃は、主人公の少年と同じ小6だったと思う。
読んでみて、大人だってこういう本を読んでもよいのではないかと思った。むしろ、普段忙しくしがちな大人こそ読むべきなのではないか。
自分の子供らにもぜひ読んでほしいと思っている。
実はこの本を読んだきっかけは、シンガーソングライターの熊木杏里さんがラジオ番組で紹介していたから。この本は、熊木さんの歌「風の記憶」がイメージソングなのだとか。
もともと大好きな歌だったので、それとつながりある小説だったらぜひ読んでみたいと思い、手に取ってみた。読んで良かった
タグ:夜光貝
posted by myreading at 00:51| 文学・小説 --- 児童文学