しかもスープの開発は3年。
そんなものなのだ。
そしてスープの秘密は、タマネギとニンジンを入れること。
Yahoo!より、
「天下一品」来年創業50年 木村会長「こってりは変えない」今後は「老人ホームを造りたい」
12/24(木) 16:16配信
京都新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/149c5fadb37c360ea2313dba9f275b446c1c5fc5
記事より、
どろっと麺に絡みつく鶏がらベースのこってりスープ。多くのファンの胃袋をつかんで離さない京都発祥のラーメン店「天下一品」が、来年で創業50年を迎える。1台の屋台から出発し、全国234店、年商約200億円のチェーンを一代で築き上げたのは、天下一品グループの木村勉会長(85)だ。こってりスープが「元気の秘訣」と言う木村会長に、名物スープの誕生秘話や今後の展望について聞いた。
―15年間勤めた画廊が倒産し、屋台を始めたそうですね。なぜ屋台を引こうと考えたのですか。
「長くボーイやバーテンダー、サラリーマンをやってきた。木屋町や祇園で働いている同僚たちの店に行っても給料をもらうだけ。宮仕えはもう十分。自分で店を持ちたいと思ったけど、お金がない。それで屋台を始めた」
「屋台を作るのに何十万円とかかるが、手元には3万7千円しかなかった。鍋三つ買ったらぱあや。そんなんでは何もできない。そこで板金屋をしていた私の友人に『困ってんねん、助けてくれや』と持ち掛けた。『わし大工ちゃうし無理や』『そんなん言わんと助けてえな』と。そんなやりとりの後に作ってもらった」
―スタートから波乱ずくめです。
「ラーメンを作るにはネギが欠かせないでしょ。普通、市場でネギを買おうと思ったら一束ごと。でも一束を買うお金がない。1本だけ売ってと頼み歩いて買った。麺の仕入れもそう。そんな苦労をしていたのは今からでは想像できないだろう。私にはその頃、子どもがいたから。子どもに不自由させたくないという気持ちがあったから頑張れたと思う」
―こってりスープの誕生の経緯は。
「ラーメンといえばしょうゆ味。普通の味だったら、一度来たお客さんも次に食べに来てくれない。もっとおいしいものを、と思ったのが3年以上かかり、こってりになった」
「子どもの飲み残したラーメンのスープを『どういう味なんだろう』とこっそり飲んだりして研究していた。『甘みが足りないからもっと野菜を入れなければ』とタマネギを増やしたり、ニンジンを増やしたり。四苦八苦しながらだった」
―屋台を引き始めてから4年後には京都市左京区一乗寺に「北白川本店」を構えます。
「本店ができる前にこってりスープは完成していた。でも、鍋が小さいから、作っても20杯分のスープにしかならない。それでは商売にならなかった」
―こってりを本店で食べた客の反応はいかがでしたか。
「おいしいなぁと感心していた。屋台の初日は11杯しか売れなかったのに比べると、本店がオープンした時は何百杯と売れた。お客さんはタクシーの運転手が多かった。どこにでもある味を出していたらあかん。これだけ濃度のあるスープはいまだにないでしょう。よそにない味をいかに出すか。これが大事やわな」
―天下一品でこってりを注文するのはお客のおよそ7割だそうですね。
「お客さんの半数以上がリピーター。屋台の時から通っていてくれたりする。ありがたいこと。でも50年近くたつと、お客さんも年取ってきはる。運動不足でこってりを食べられないと言うわけ。だから『運動しなさい』とお客さんに言っている(笑)」
―それでは最後に、こってりスープの調理法については。
「大量の鶏がらや野菜などを煮込んでいる。ようけ入れたらいいもんではなく、大事なのはタイミングと量。レシピを知っているのは社内でも数人だけ。作り方はって? それは企業秘密や(笑)」
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