それは、保険。
火災保険だから台風による水害は関係ないと思っている人が多い。
だが、実際には水害に対応しているケースがほとんどだ。
事例として以下、NHKの真備町についての報道。
欠落しているのは高いとか言われている保険の料金。
これは通常家という財産を持っている以上は必要なものだ。
これさえ払えないということは、家を持つのは無理ということでもある。
いずれにしても保険は大切。それが分かる記事であり、参考になる。
NHKNEWSWEBより、
“災害列島ニッポン” 〜あなたの備え 見直してみませんか?〜
2019年10月16日 18時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191016/k10012134451000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001
記事より、
「まさか自分がこんな目にあうとは思わなかったーー」
災害現場を取材するたびに、耳にするこの言葉。
台風19号の被災地でも、こうした声が相次いでいます。
浸水した住宅は16日午後6時までに1万6000棟超。全半壊や一部損壊は1600棟以上に及んでいます。
川の氾濫で多くの人が家を失った被災地で起きている、皆さんに知ってほしい現実です。(岡山放送局記者 周英煥)
「水害補償の火災保険」で自宅再建
台風19号と同じ、多くの住宅が浸水の被害を受けた去年7月の西日本豪雨の話です。
岡山県倉敷市真備町では川が決壊し、町の3割が水没しました。全壊や半壊と判定された住宅は、約5400棟にも上ります。
新田南団地に暮らす平野正明さんは、豪雨から5か月後の去年12月、全壊した自宅と同じ場所に家を建て直しました。
被災直後は「どうやって生活を建て直せばいいのか」と途方に暮れたという平野さん。再建を後押ししたのは、“保険”でした。
平野さんが加入していたのは、水害も補償される火災保険。
自宅を建てた約30年前、この保険の加入が住宅ローンを組むための条件でした。約1000万円の保険金のほぼ全額を充てることで、自宅を再建できたといいます。
当時、倉敷市真備町にはまだ浸水のハザードマップはなく、平野さんには被害にあうリスクがあるという認識は無かったそうです。結果的に「無意識の備え」に救われました。
「もし、保険に加入していなかったら、いまも自宅を再建することはできていなかったと思います。リスクに備えることの大切さを身にしみて感じました」(平野さん)
この団地で自宅を再建、または再建することが決まったのは14世帯。
私たちは、平野さんを含む10世帯に話を聴くことができました。そのほとんどが「水害補償の保険があったから、再建できた」と証言しています。
一方、同じ水害でも資金繰りがつかず、建て替えたくてもできない人がいます。
1年以上、「みなし仮設住宅」での避難生活を余儀なくされている守屋学さんです。
自宅はほぼ水没。カビが広がり、家じゅうにこびりついた泥は取り除くことができません。
建て直すことを望んでいますが、さまざまな支援制度を利用したり、義援金を受け取ったりしても、まかなえるのは最大で400万円。家を新築するのに必要な1500万円には遠く及びません。
実は守屋さんも40年前、平野さんと同じように、自宅を増築するタイミングで水害が補償される火災保険に入っていました。
しかし15年前、ローンを完済したタイミングで解約してしまっていたのです。
すでにハザードマップはあり、守屋さんはそれを目にしたこともあったそうですが、被害にあうとは想像もせず保険を解約したんだそうです。
もうすぐ70歳になる守屋さん。自宅を建て直すには、トラックの運転手の仕事を続けるしかないといいます。
「ハザードマップで覚えているのは、避難場所がどこかというようなことだけです。保険を解約しなければよかったという後悔はありますが、いまとなってはどうすることもできません」
保険の有無が、住宅再建資金の確保に大きく関係していた被災地。
それは、個人の生活再建だけでなく、地域の復興にも大きくかかわっていました。
私たちはこの1年で倉敷市に提出された、家を建てる際に届け出る書類、「建築計画概要書」をすべて閲覧。いつ、どこに、新たに住宅が建てられたのかを調べました。
真備町の中でも特に深く浸水したエリアがある※7つの地区で見てみると、6月末までに511棟の住宅が新築されていました。
よくみると、点が密集している場所と、まばらな場所があることがわかります。
その違いを生んでいるのは、いったい何なのか。
※「7つの地区」=川辺、辻田、有井、箭田、下二万、尾崎、妹。倉敷市が床上から1メートル80センチ以上浸水していることが確実と判断し、その中の建物を一括して全壊と判定したエリアを含む地区
それは、「地区が造成された時期」でした。同じ地区をとらえた航空写真です。左が平成19年以降、右が昭和50年前後に撮影されたものです。
見比べてみると、点が密集している地域は、昭和50年前後には、おおむね田んぼや畑だったものが、その後、住宅地として開発されたことがわかります。
倉敷市真備町は、昭和の終わりから平成の初めにかけて、ベッドタウンとして急速に宅地開発が進みました。
新築の進捗率が特に高かったのは、ほとんどがこうした場所でした。比較的新しい地域だったため、ローンの返済がまだ終わっておらず、結果的に保険に加入したままの人が多くいたと考えられます。
内閣府が3年前に行った調査では、「今後10年以内に自宅が水害の被害を受ける可能性がある」と答えた人が44.5%いた一方、家の建物、または家財について「水害の損害を補償する火災保険や共済に加入している」と回答した人は31.1%にとどまりました。
建物の被害を補償する保険に加入していない人の理由は「水害は起こらないと思うから」が43.4%、「保険料が高い」が17%、「水害の保険や共済があることを知らなかった」が14.1%でした。
去年、大手損害保険会社が行った調査では、「ハザードマップを見たことがない」あるいは「見たことはあるが、自宅近くの水害リスクの確認までしていない」と答えた人は、72.3%に上っています。(2018年6月〜7月 損害保険ジャパン日本興亜株式会社調べ)
実際、津波と土砂災害については、東日本大震災と2014年の広島市の土砂災害をきっかけに、住宅を売買したり賃貸契約を結んだりする際に不動産業者などが行う「重要事項説明」で災害想定区域かどうかを説明することが法律で義務づけられています。
事前に災害のリスクを分かったうえで判断し、いざというときの行動につなげてほしいという思いが法制化につながりました。
しかし、毎年のように発生する洪水や内水氾濫による浸水については、そうではありません。
岡山県はことし6月、不動産業者でつくる業界団体と協定を締結して協力を要請しました。また全国知事会は、浸水リスクの説明を義務化するよう国に提言しました。
しかし、国は業界団体への協力要請にとどまり、義務化にまでは至っていません。
住宅再建の悩みは豪雨災害に限らず、台風や地震、津波の被災地でも大きな問題として立ちはだかっています。
今回の台風19号でも多くの命が犠牲となり、住宅が失われ、再建に向けた支援が不可欠な状況です。
“災害列島”の日本に暮らす以上、災害のリスクから完全に逃れることはできません。日本中の人たちが、災害の恐ろしさを痛感しているいまだからこそ、問いかけたいと思います。
「あなたの住む場所には、どんなリスクがありますか?」
「その備えで、本当に十分ですか?」
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