札幌市が発表した大規模建築物の耐震診断結果の公表。
このなかで駐車場が1件あるのだが、結果は以下の通りでIs値は0.6をかなり下回る0.06。
http://www.city.sapporo.jp/toshi/k-shido/taishin/documents/zidosya.pdf
しかし、この駐車場のオーナーは、これとは別に一級建築士に診断をしてもらい震度7クラスにも耐えられるというお墨付きを得ているというのだ。
どちらかが間違っているということになる。
ちなみに、札幌市が公表した数字は、実は、この駐車場のオーナーが札幌市に報告をしたもの。診断に当たっては札幌市からも補助金をもらっていることはほぼ間違いない。
となると、一級建築士の診断、が怪しいということになる。
札幌市の補助金による報告書については、耐震診断については認められた診断方法に基づくものということになっており、多少の幅が出るということはあり得るのだが、0.06であることを見落とすというのは考えにくい。
詳細なものがないから何とも言えないのだが、このIs値というのはあくまで建物ごとでしか出ておらず、その際も最小値しか出さない。
例えば駐車場の1Fの柱一本が必要な強さが無く、他の部分は問題がないような場合でも建物一棟についての結果として表示がされる。これがIs値のみを公表するということの分かりにくさだ。
一級建築士が別途調べて大丈夫と言われたというのだが、それにはきちんとした根拠が必要だ。
構造一級建築士であればまだ信用できるのだが・・・
ちなみに、3段階に分類するような結果にはなっておらず、一般の人には「その建物がどの程度危険なのか」を判断することは困難なんて言うのだけれども、以下に見方の表がきちんと札幌市のホームページに掲載されている。
このなかで「<」「>」の記号の意味が分かる人なら3段階の分類は可能。
http://www.city.sapporo.jp/toshi/k-shido/taishin/documents/mikata.pdf
文系だからと言って、数字が分かりません・・・って。
「<、>」の意味が分からないのだろう。
そうした人が見ても結果の理解はできない。
そもそも、旧耐震基準には合致している建物。
大地震が来ると倒壊の危険性が高いとは言っても、ここでの倒壊というのは柱一本だけというケースも含まれ、建物全体が倒壊することは意味していない。
むしろ、こうした評価方法の限界をきちんと一級建築士に聞いて、分かりやすくまとめたらどうかと思う。
風評被害だ。
Yahoo!より、
震度6強で倒壊危機 札幌の有名建築物と今後の計画・対応
4/26(木) 16:00配信 NEWS ポストセブン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180426-00000013-pseven-soci
記事より、
・「耐震診断結果」は他の自治体も公表しているが、東京都のように倒壊・崩壊の危険性がある建物を「Is」値(壁構造や柱の強度、経年変化も考慮した診断結果)など各種指標を用いて3段階に分類するような結果にはなっておらず、一般の人には「その建物がどの程度危険なのか」を判断することは困難
・週刊ポストは一級建築士らの協力を得て、建築物のすべて、または一部が「震度6強以上で倒壊、崩壊の危険性が高い(I)」と判断された建物(幼稚園、学校、住宅、工場等を除く)のうち、Is値が低いものをリストアップ
・Is値は数値が高いほど“頑丈”とされ、「0.6以上」なら倒壊・崩壊の「危険性が低い(III)」、「0.3〜0.6未満」は「危険性がある(II)」、「0.3未満」は「危険性が高い(I)」と判断される
・Is値の低かった全国の建物の中から、北海道・札幌市の有名建物を調査。今後の対応策も含めた各施設の声を紹介する。
●定山渓グランドホテル瑞苑(1963〜)
●定山渓ホテル(回答なし)
●ディノス札幌中央ビル(回答なし)
●琴似商店街第一駐車場(回答なし)
●札幌パークホテル(1964〜)
※( )内は竣工年
・こう話す所有者もいる。「900万円もかけて一級建築士に耐震診断してもらい、『震度7でも大丈夫』というお墨付きをもらったばかり。行政から強制的に指導されない限り、対応するつもりはありません」(琴似商店街第一駐車場代表)
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