<福島原発>地下貯水槽廃止へ 汚染水、全量地上へ移送
毎日新聞 4月10日(水)21時22分配信
東京電力福島第1原発の地下貯水槽で放射性汚染水が漏れている問題で、東電は10日、貯水槽7基の汚染水を地上のタンクにすべて移すと発表した。6月までにほぼ完了し、その後、貯水槽は使用しない。
【とんでもない量が】福島第1原発:汚染水漏れ120トン 冷温停止後、最悪
漏えいが確認されているのは1〜3号貯水槽。移送は準備が整う14日から開始する。同日時点の汚染水は、1号6000トン▽2号1100トン▽3号8400トン▽4号3000トン▽6号8100トン。5、7号は使っていない。
計画では、漏えい量が多い1、2号の汚染水を優先的に移す。1号の汚染水の一部と2号の汚染水は廃液タンクに、1号の残りはろ過水タンクに移す予定で、いずれも5月初旬までの完了を目指す。3、6号の汚染水は5月後半に敷地内に増設する1万9000トン分のタンクへ6月までに移す。放射性物質濃度が低い4号の水も5、6号機建屋近くのタンクに移す。
一方、東電は10日、最初に漏えいが見つかった2号貯水槽で原因調査を始めた。事態が深刻な1、2号には小型ポンプを取り付け、漏れた汚染水を貯水槽に戻し漏えいを防ぐ。また、漏えいによる環境影響を調査するため、30地点で監視する。
広瀬直己社長は10日、福島県楢葉町の福島復興本社で記者会見し、「(昨年7月に実質国有化されて以降)社会に与えた影響が最も深刻な事故と受け止めている。あらゆる資源を総動員して、対処しなくてはならない」と話した。【鳥井真平、蓬田正志、岡田英】
◇解説 解決の兆し、依然見えず
福島第1原発の地下貯水槽からの汚染水漏れ問題で、東京電力は保管計画を見直し、貯水槽にある汚染水をすべて地上タンクに移すことに方針転換した。だが、タンク増設が完了するまでに約2カ月かかり、その間は漏水のリスクは抱えたままだ。汚染水問題が解決する兆しは依然見えない。
この問題では、7基ある貯水槽はいずれも同じ構造で、1〜3号で漏れが判明。東電は「貯水槽がすべて使えないと保管先がなくなる」と主張し、漏えい度合いが大きい1、2号から地上タンクに移し、他の貯水槽は継続使用するとしていた。しかし、原因が特定できない状況で、別の貯水槽を使うことを福島県などが強く懸念。東電は10日、38基のタンク(各500トン)を新設する用地を「見つけた」として、全貯水槽の汚染水を移す計画を公表した。「早い段階で示すことができればご心配をかけずに済んだ」と釈明したが、対応が後手に回っていることを改めて裏付けた。
東電はトラブルに備えて予備タンクも用意する計画だが、総容量は明示できないまま。対応策は万全と言えず、綱渡りの状況は続く。
最初の計画がずさんだと全てに影響を及ぼす。
多くの無駄ができ、この分は電気料金に原価として費用に含まれてしまう。
原子力規制庁はこうした最初の段階でよく監視をすべきだろう。
原子力規制庁も、そろそろ一度頭を下げるときがきているような感じである。
しかし、規制庁は増員とセットで記者会見をする必要がある。
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