こうした公共団体は騒ぐことによって、交付税をもっともらいたいなどの考えがあってワザと騒いでいるのだ。
Yahoo!より、
ふるさと納税で住民税の減収1766億円に
7/29(土) 8:23配信 読売新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170728-00050219-yom-pol
記事より、
ふるさと納税は、出身地など応援したい自治体に寄付すると、居住する自治体の個人住民税などが控除される仕組み。都市部で減収が大きく、都道府県別では東京の466億2052万円が最も多く、神奈川、大阪と続いた。地方へ集まる寄付で本来入るはずの税収が減る都市部からは反発も出て・・・
とある。
ただし、東京都など限られたリッチな公共団体以外は、ふるさと納税分がそのまま税収が減という言い方はちょっと適切ではない。
以下、説明してみようと思う。
会計検査院検査報告データベースより、
http://report.jbaudit.go.jp/effort_study_mag/j54d02.pdf
ふるさと納税制度の現状と課題
上記の資料によると、
ふるさと納税制度のもとでは, 寄附を受け取った地方団体の収入が増加し, 寄附をおこなった個人が居住する団体の収入が減少する。このような変化は,各地方団体の財政状況に影響を与えるわけだが,地方団体間の財政調整をおこなっている地方交付税においてもふるさと納税制度による影響を考える必要がでてくる。ふるさと納税研究会の報告書では,地方交付税の扱いについては,従来の地方交付税制度のもとでも寄附金は基準財政収入には算入されないということを考慮して, ふるさと納税による寄附金も基準財政収入には算入する必要はないとしている。さらに,従来の寄附金と同様に,寄附金による税収減少額の 75%が基準財政収入に反映されるべきとしている。結局,ふるさと納税制度では,個人住民税の税収をはるかに上回るほどの寄附を集めた団体であっても, 交付税が削られることはなくなったわけだ。 ふるさと納税による税収流出については,地方交付税の交付団体については税収減少額の 25%が自治体の負担となり,不交付団体については税収流出の補填がおこなわれないことになった。
ということ。
つまり、ふるさと納税では減収になる公共団体がでるのは前提としているので、
・ふるさと納税で得た増収分=寄付金であり、交付税は減らさない
・ふるさと納税による減収分=減少額の75%は基準財政収入の減とみて交付税で補てん
という仕組みとしているのだ。このことにより、ふるさと納税による減収分の25%が実際の減収分となる。
より正確には、ふるさと納税でこの減収分の25%をカバーできているのであればプラスマイナス0。ただし、返礼品などのコストは除くので、3から4割は自らふるさと納税などの寄付金を得ることが必用ということである。
このように少なくとも他の公共団体にふるさと納税として減収と騒いでいる額については、結果的にはその額の4分の1が実際に減収した額であり、さらに自らふるさと納税を受け入れた分によってそれぐらいはカバーする努力が求められているということである。
そして、数字として、公共団体において、実際にふるさと納税で入る額がふるさと納税で他の公共団体へ建て行く額を下回っていても大騒ぎする必要はないのである。
ただし、不交付団体=税収が豊かで交付税措置が必要がない東京都など数少ない公共団体については補てんがされないために、超リッチな公共団体はマイナスばかりといって不平を言うことがある。
こうした不交付団体はごくわずかであり、横浜市でさえ交付団体だ。
従って、神奈川や大阪がふるさと納税で税収減だと言っても、ほとんどが交付団体であるため、その減収額の4分の1のふるさと納税も集めることができないほどに無能なのか?という話になるだけだ。
こうした事実をきちんと報道をするのがマスコミの役割だと思うのだが、大騒ぎする公共団体の言い分だけを報道するだけなのだ。
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