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2018年03月09日

映画「伊賀忍法帖」







 3月4日の午前4時10分から、CS放送の日本映画専門チャンネルで、真田広之主演「伊賀忍法帖」が放送されました。
 ヒロイン役を演じたのがまだ新人だった渡辺典子さん。これがデビュー作でした。
 渡辺典子さんは当時映画製作に夢中になっていた角川春樹氏に見いだされたかたちで、薬師丸ひろ子さん、原田知世さんに続いて、「角川三人娘」として強く推されてデビューしました。「伊賀忍法帖」の内容をみると、デビュー作としてはたいへん難しい役に挑んだものだと思います。
 まず、戦国時代の梟雄・松永弾正久秀(中尾彬さん演じる)が登場します。
 松永弾正は身分低い出ながら三好家に仕え頭角をあらわし、風雲に乗じて成り上がり、天下にその名をとどろかすばかりか、将軍足利義輝を殺すわ主の三好を殺した(とされる)わ、奈良の東大寺の大仏殿を焼くわ、と、織田信長さえあきれたほどの梟雄ぶりで、下克上の申し子のような存在です。
 それでいながら彼は茶の湯に通じ、城づくりでも初めて天守閣をつくるなど、能力的に優れた面もありました。
 また、戦場でも女を連れて行き輿の中で女を抱くなど、好色なことでも有名でした。
 その好色な松永弾正が、主君・三好義興(松橋登さん演じる)の妻・右京太夫(渡辺典子さん演じる)の美しさに目を奪われ、我が物にせん、との妄念にとらわれます。
 そんな弾正の前へ突如現れたのは、謎の妖術使い・果心居士(カシンコジ)。
 果心居士(成田三樹夫さん演じる)は、弾正のために、「惚れ薬」を作る、と提案する。
 そして、果心居士の弟子という、人間業とは思えない妖術を使う忍法僧が動き出す。
 場面かわり、忍者の本場・伊賀の里で若い男(真田広之さん演じる)と女(渡辺典子さん演じる)が惚れあっている。男の名は忍者の城太郎、女の名は篝火(かがりび)。篝火の役も渡辺典子さんが演じているので、この時点で一人二役です(しかしそれだけでは済まない)
 二人の前に、果心居士の弟子の忍術僧たちが現れ、襲い掛かる。「惚れ薬」を作るために、篝火の体が必要なのだった。
 瀕死の重傷を負った城太郎が気づいたときには、もう、篝火はさらわれていた。
 篝火は弾正の居城・信貴山城に連れていかれた。そして、弾正の目の前で、弾正に仕える女・漁火(いさりび)とともに首を刎ねられる。仰天し怒り狂う弾正だが、忍術僧は女二人の首をすげかえ、胴体とつなぎ合わせ、生き返らせるのだった。
 漁火は美保純さんが演じています。
 妖術により、首から上が篝火で首から下が漁火という、「鬼火」という女(顔が篝火なので渡辺典子さんが演じていることになる)と、首から上が漁火で首から下が篝火という女が出来上がりました。
 忍術僧は「惚れ薬」を作る為といって、首から上が漁火で首から下が漁火の女を犯します。
 この女はのちに、城を抜け出して城太郎のもとへ行き、おそるべき事実を告げます。首から下が篝火ですが、篝火としての心が残っていたのです。
 城太郎は復讐の為、弾正や忍術僧に戦いを挑みます。
 そして、城太郎を柳生新左衛門(松永弾正に仕えているはずの)が助けたり、いろいろな人物がからみます。
 柳生新左衛門とは、後の柳生石舟斎宗厳(やぎゅうせきしゅうさいむねよし)のことで、千葉真一さんが演じています(服部半蔵役ではない)。
 服部半蔵役は田中浩さんです。
 忍法僧役には、風祭ゆきさん、ストロング小林さん(このときの役名から「ストロング金剛に改名したといわれている)、佐藤蛾次郎さん、浜田晃さん、福本清三さんが演じました。
 すべて「ハマリ役」だと思いました。
 山田風太郎さんの作品が原作ですので、原作の内容から、アクションシーンだけでなく、どうしても残酷なシーンやエロティックなシーン、グロテスクなシーンが出てきます。
 ただ、大衆に見せる映画としての都合上、エロ、グロは出しながらも原作そのままにすることは抑え、限界程度に出した感じです。
 ロケ地選定、アクションシーン、特撮映像、配役、いろいろな点で、うまくいっていると思いました。が、ラストは「分かるような分からないような?」と思った人も多いのでは?
 と感じました。
 





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