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2018年03月02日
藤田まこと主演「必殺仕事人・激突!」第16話「夢次、江戸のテレクラでバイトする」
3月2日の午前9時から、テレ玉(テレビ埼玉)で、藤田まこと主演「必殺仕事人・激突!」の第16話 「夢次、江戸のテレクラでバイトする」が放送されました。
放送当時の世相を劇中に反映させて時代を皮肉ることが多い「必殺シリーズ」ですが、ここではサブタイトルにあるように、テレクラが登場しました。
分かる人には、いつごろ放送されたか分かってしまいますし、そんなものが流行っていたなあー、と思い出す人もいるでしょう。
もちろん、「テレクラ」などというものがそのままドラマ中で登場するわけではありません。「照蔵屋」という店の名前で登場します。そして、店に入った男たちは男専用の部屋に案内され、女は女専用の部屋に案内され、「糸電話」を使って会話します。
そこでの会話で意気投合した男女は外に出て、「出会い茶屋」へいったりします。
そんな店があるという噂が江戸中に広まり、中村主水(藤田まことさん演じる)の姑のせん(菅井きんさん演じる)やりつ(白木万理さん演じる)は興味をもちますが、口では「いかがわしい」などと言い、主水には取り締まるように言います。
主水は、「照蔵屋」はそういう「場」を提供しているだけなので取り締まれないのですよ、とせん・りつに言います。
さて、この回で悲劇に見まわれるのは、「照蔵屋」を利用した或る男。知り合って出会い茶屋にて関係を結んだ女(一色彩子さん演じる)の身の上を聞くと、備前屋という大店の女房だという。そんな大店の女房がなぜこんな危険な遊びを、と思ったら、夫が乱暴者で暴力に悩まされているという。
男は備前屋を憎みます。
その後、備前屋が何者かに殺されます。奉行所の同心・鏑木が目を付けたのは、「照蔵屋」を利用し備前屋の女房と称する女と出会ったあの男でした。
男は捕まります。「おれはやってない!」と主張しますが、拷問の末「備前屋の女房にそそのかされたんだ」と言います。で、備前屋の女房も捕まります。
備前屋の女房は身に覚えがないと無罪を主張しますが、面通しで見た備前屋女房が確かに「照蔵屋」で知り合った女だ、と言ったため、二人は磔の刑に処されます。
男は刑場でも「おれはやってない!」と叫びます。一方、備前屋の女房は諦めたかのように無言のままで処刑されます。
実はこの話にはからくりがありました。
備前屋の主人が殺され、女房が刑死。それで備前屋がつぶれるわけではなく、番頭が跡を継いで大店の主人として収まってしまったのです。
あの番頭を強請る男が現れました。強請りの男は、偶然、備前屋が殺される現場を見たのです。備前屋殺しの真犯人こそ同心・鏑木で、鏑木は番頭と結びついていたのです。
そして、彼らの指示で男を陥れたのが、備前屋女房とうり二つの女でした。
話が展開されていくうちに、このうり二つの女こそが備前屋女房の双子の妹だという事が分かります。そしてこの女は仕事人・夢次(中村橋之助さん演じる)をも誑かして利用しようとします。
備前屋とその女房、そして「照蔵屋」を利用して備前屋の女房(じつは双子の妹の方)と知り合った男を死に至らしめた三人は仕事人の仕事の標的となります。
何の罪もないのに刑死した備前屋女房と、双子の姉を「同じ血が流れているのに大店の女房に収まって」と嫉妬・憎悪し自分の身の上を「いいことが何もなかった」と嘆く女。その両方を一色彩子さんが演じ分けています。