2014年11月03日
京へのいざないU 関西でアートの日々♪
11月1、2日で京都、奈良に行ってきました。
ここのところ毎月の京都訪問です。
今回はまず第50回記念 京都非公開文化財特別公開のうち、知恩院 大方丈・小方丈・方丈庭園の拝観に行きました。
徳川家が菩提所として整備した知恩院の伽藍。
大(おお)方丈・小(こ)方丈は1641年に3代家光が建立しました。
大方丈の中心となる鶴の間奥の仏間には、快慶作と伝えられる本尊阿弥陀如来像が安置されています。
方丈庭園は3年後にでき、今も江戸期の名所図絵とほぼ同じ姿をとどめています。大方丈は、春に続いての公開。今回は12年ぶりに小方丈も公開されました。
現在山門が工事中でいつもと違う風景にびっくり。
まず大方丈、尚信の鶴の絵はあいかわらず美しい。
上段の間の豪華な滝の流れ落ちる豪華な障壁画。
小方丈は今回初めてです。6室から成り、大方丈と同様、襖には狩野派の絵が描かれていますが、大方丈のものとは対照的に淡彩で落ち着いた雰囲気に包まれています。
絵の保存状態がとても良く、水墨画の世界の魅力を堪能しました。特に入ってすぐ左側の文人画風の山水図、山が海になだれ込むような感じで、雄大でよかったです。
ここはいつもは「華頂山」の掛軸がかかっていますが、今回は昇り竜、下り龍の掛軸が。作者や描かれた時期は不明だそうです。
雨の日でしたが、やや薄暗い中、江戸時代の建物を歩いていると、時代劇のワンシーンの中にタイムスリップしたようでした。
ランチのあと、平成知新館オープン記念展 京へのいざない第U期展示を見に行ってきました。
「仏画 密教信仰の名品」では、孔雀明王像が良かった。正面からまっすぐ見据える孔雀が迫力でした。
星曼荼羅図 (久米田寺)これはおもしろいです。西洋占星術の影響か、ふたご座、かに座、てんびん座などが描かれています。東洋の星座もよく似た構成なのでしょうか?
「中世絵画 美を尽くす」では、四季花鳥図屏風(雪舟) 丹頂鶴と紅椿。他は特に色彩を持たない。上の方には叭叭鳥。太湖石、オシドリがにやりと笑ったり、と不思議な情景ですね。ぎっしり書き込んである、という印象です。
似たような絵はたくさんあり、これだけが真筆といわれていますが、どうなんでしょう?
「桃山絵画」では、永徳と等伯の対決!が見ごたえがあります。
花鳥図襖(聚光院方丈障壁画) 狩野永徳 力強い墨絵で、梅は大木、鶴は牧谿鶴。聚光院では現在複製画で、全場面を見ることができますが、そのときはあまりいいとは思わなかったのですが、今回実物を見て、筆の力強さ、構成の見事さ、永徳の力量を再認識しました。
対して、枯木猿猴図 長谷川等伯(龍泉庵)。右は木に母子猿。左は掴まった枝から腕を伸ばす猿。どちらも等伯の好きな(?)牧谿猿。枯木から生えている枝が生きているような大胆な筆遣い。
どちらも見ごたえありましたね〜。
その他通期展示の京焼、仏像(特に金剛寺)もこれでもか〜!というくらい名品揃い。もう1日あっても足りないくらい。
これで平常展だから驚きです。
鳥獣戯画は入場1時間待ちでようやく拝見できました。歴史ある鳥獣戯画が、4年もの長い間、修復作業されて、甲乙丙丁の4部作がすべて公開されるというビッグイベントとあって、京都国立博物館 明治古都館にて10月7日から開催され、連日、長蛇の列のようです。
とにかく兎も猿も蛙も、実に生き生きと描かれていて、今にも動き出しそう!本当に理屈抜きに心から楽しめる絵画です。後期巻きなおしがありますので、また来たいなと思いますが、この行列は考えてしまいますね。。。
面白かったのは、消しゴムなどなかった時代、うっすら下絵を描いて、ホワイトでその線を修正しているのがちゃんと見えること。
平成知新館では、鳥獣人物戯画 墨一色で描き出された動物と人の姿 [ハイビジョン](上映時間:約38分)も上映されます。日程があえばお見逃しなく。http://www.kyohaku.go.jp/jp/event/mov/index.html
「京へのいざない」は量質ともに今年bPの展覧会でした。
この後はどのような展示があるのでしょうか。しばらく京都通いは続きそうです。
ここのところ毎月の京都訪問です。
今回はまず第50回記念 京都非公開文化財特別公開のうち、知恩院 大方丈・小方丈・方丈庭園の拝観に行きました。
徳川家が菩提所として整備した知恩院の伽藍。
大(おお)方丈・小(こ)方丈は1641年に3代家光が建立しました。
大方丈の中心となる鶴の間奥の仏間には、快慶作と伝えられる本尊阿弥陀如来像が安置されています。
方丈庭園は3年後にでき、今も江戸期の名所図絵とほぼ同じ姿をとどめています。大方丈は、春に続いての公開。今回は12年ぶりに小方丈も公開されました。
現在山門が工事中でいつもと違う風景にびっくり。
まず大方丈、尚信の鶴の絵はあいかわらず美しい。
上段の間の豪華な滝の流れ落ちる豪華な障壁画。
小方丈は今回初めてです。6室から成り、大方丈と同様、襖には狩野派の絵が描かれていますが、大方丈のものとは対照的に淡彩で落ち着いた雰囲気に包まれています。
絵の保存状態がとても良く、水墨画の世界の魅力を堪能しました。特に入ってすぐ左側の文人画風の山水図、山が海になだれ込むような感じで、雄大でよかったです。
ここはいつもは「華頂山」の掛軸がかかっていますが、今回は昇り竜、下り龍の掛軸が。作者や描かれた時期は不明だそうです。
雨の日でしたが、やや薄暗い中、江戸時代の建物を歩いていると、時代劇のワンシーンの中にタイムスリップしたようでした。
ランチのあと、平成知新館オープン記念展 京へのいざない第U期展示を見に行ってきました。
「仏画 密教信仰の名品」では、孔雀明王像が良かった。正面からまっすぐ見据える孔雀が迫力でした。
星曼荼羅図 (久米田寺)これはおもしろいです。西洋占星術の影響か、ふたご座、かに座、てんびん座などが描かれています。東洋の星座もよく似た構成なのでしょうか?
「中世絵画 美を尽くす」では、四季花鳥図屏風(雪舟) 丹頂鶴と紅椿。他は特に色彩を持たない。上の方には叭叭鳥。太湖石、オシドリがにやりと笑ったり、と不思議な情景ですね。ぎっしり書き込んである、という印象です。
似たような絵はたくさんあり、これだけが真筆といわれていますが、どうなんでしょう?
「桃山絵画」では、永徳と等伯の対決!が見ごたえがあります。
花鳥図襖(聚光院方丈障壁画) 狩野永徳 力強い墨絵で、梅は大木、鶴は牧谿鶴。聚光院では現在複製画で、全場面を見ることができますが、そのときはあまりいいとは思わなかったのですが、今回実物を見て、筆の力強さ、構成の見事さ、永徳の力量を再認識しました。
対して、枯木猿猴図 長谷川等伯(龍泉庵)。右は木に母子猿。左は掴まった枝から腕を伸ばす猿。どちらも等伯の好きな(?)牧谿猿。枯木から生えている枝が生きているような大胆な筆遣い。
どちらも見ごたえありましたね〜。
その他通期展示の京焼、仏像(特に金剛寺)もこれでもか〜!というくらい名品揃い。もう1日あっても足りないくらい。
これで平常展だから驚きです。
鳥獣戯画は入場1時間待ちでようやく拝見できました。歴史ある鳥獣戯画が、4年もの長い間、修復作業されて、甲乙丙丁の4部作がすべて公開されるというビッグイベントとあって、京都国立博物館 明治古都館にて10月7日から開催され、連日、長蛇の列のようです。
とにかく兎も猿も蛙も、実に生き生きと描かれていて、今にも動き出しそう!本当に理屈抜きに心から楽しめる絵画です。後期巻きなおしがありますので、また来たいなと思いますが、この行列は考えてしまいますね。。。
面白かったのは、消しゴムなどなかった時代、うっすら下絵を描いて、ホワイトでその線を修正しているのがちゃんと見えること。
平成知新館では、鳥獣人物戯画 墨一色で描き出された動物と人の姿 [ハイビジョン](上映時間:約38分)も上映されます。日程があえばお見逃しなく。http://www.kyohaku.go.jp/jp/event/mov/index.html
「京へのいざない」は量質ともに今年bPの展覧会でした。
この後はどのような展示があるのでしょうか。しばらく京都通いは続きそうです。