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2016年04月17日

頴川美術館の名品

渋谷区立松濤美術館で開催中の「頴川美術館の名品」に行ってきました。
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頴川家は、江戸時代から廻船業や山林業をいとなみ、長崎・上方文化の発展に寄与した大阪の商家でした。4代目頴川徳助(1899〜1976)は、家業を継ぐ中で歴代家蔵の美術品を通して審美眼を養いましたが、伝来の名品は戦災により、灰燼に帰してしまいました。戦後、家業の復興に尽力するかたわら、美術品の収集に努め、美術品は本来個人に属すべきものではないと、1971年に財団を設立、1973年に兵庫県西宮市に美術館を開館しました。長次郎赤楽茶碗の代表作である重要文化財「無一物」を中心とする茶道具の名品、伝能阿弥筆「三保松原図」(重要文化財・前期展示)をはじめ、平安から近世にかけての日本絵画の名品など、135点を紹介されています(絵画は前期後期で展示替え)。東京でまとめて展示されるのは約30年ぶりのことです。室町から江戸、近代絵画のほか、書跡、茶道具、ないし工芸品などの優品が一同に展観されています。

室町時代の伝能阿弥の「三保松原図」は見応えがあります。6幅の掛軸画。重要文化財です。文字通り三保の松原をモチーフとしていますが、元は6曲の屏風絵でした。対になる富士山の作品もあったそうです。パノラマで捉えた雄大な駿河湾、小舟も浮かんでいます。松林はやや濃い墨です。等伯の松林図のような筆使いでで大気は牧谿のような湿潤、金泥で淡い光を表していました。
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土佐光起の「春秋花鳥図」はポスターにもなっていますが保存状態良好です。一面の金地を背に広がる大屏風。右は春です。柳に桜が咲き誇ります。反対の左は秋。松に紅葉が描かれていました。水の青みは深く、胡粉の盛られた桜の花びらも際立って見えます。紅葉の朱も美しく、とても華やかな作品です。鳥の動きも見事で光起の力量を実感する作品です。
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池大雅や谷文晃、そして中林竹洞、山本梅逸、椿椿山と続きます。うち中林竹洞とと山本梅逸の作品は絵画の中でとても気に入りました。文人画が多いのは上方の美術館だからでしょうか。
江戸時代の大阪を錦絵に表した「浪花百景」も10点弱ほど展示。天保山や京橋、そして堂島の米市場などが舞台です。元は100枚揃いのシリーズ。歌川国員と六花亭芳雪、そして中村芳瀧の3絵師による合作です。広重の名所江戸百景の構図の影響が伺えます。

月夜山水図 長沢蘆雪
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長春錦鶏鳥図 中林竹洞 江戸時代 19世紀yjimage中林  長春.jpg
花卉双鳩図 中林竹洞 弘化4年(1847)
叭々鳥図 尾形乾山 江戸時代 18世紀
高士観瀑図 祥啓 などもよかったです。

後期も中国絵画の名品が出展されるので楽しみにしています。

「頴川美術館の名品」 渋谷区立松濤美術館
会期:4月5日(火)〜5月15日(日)
休館:4月11日(月)、18日(月)、25日(月)、5月9日(月)。
時間:10:00〜18:00 
 *毎週金曜日は19時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般500円、大学生400円、高校生・65歳以上250円、小中学生100円。
 *10名以上の団体は2割引。
 *渋谷区民は毎週金曜日が無料。(要各種証明書)
 *土・日曜日、休日は小中学生が無料。
場所:渋谷区松濤2-14-14
posted by はまやん at 20:44| アート
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