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2016年06月04日

旅の本(観光都市江戸の誕生 安藤優一郎 新潮社)

これは面白いです、東海道の旅などというタイプではなく、逆に江戸がいかにして日本随一の観光都市になっていったかを主に神社仏閣を中心にいろいろな面から解説していく本になります。

このブログにも書いてきた都内のいろんな有名な名所が登場しまして、私も行った癖全然知らなかった各名所の由来がいろいろと解説されています。

江戸は参勤交代等の影響もあり、地方から多くの単身赴任的な武士が上がってきており、彼らにとっては江戸はまさに空前絶後の大都市、その中で江戸で遊び歩いていた様子が残った史料は多いそうです。その為、江戸のガイドブックなども出版されるなどそういった人間向けの出版事業も盛況だったとか。

ほか江戸時代は江戸の都市化から自然がなくなり、結果蛍のスポットや花見スポット等自然を堪能できるスポットがはやったそうで、結果飛鳥山等の花見スポットが流行、飛鳥山は今でも公園として整備され、博物館も置かれています。

また一大イベントとして御開帳があり、多数の秘仏が開帳され、それを見に人が集まった結果賽銭や物販で寺に大きな収益があったということが解説され、その為寺はこぞって開帳を行ったようです、さらに地方の寺も江戸で出開帳を行うために江戸に集まってきたようです、が江戸中期以降になると徐々に食傷気味になり開帳は衰退、結果赤字になる地方の寺も出てくる始末、さらに病が流行したりすると大赤字になることもあったそうです。各寺は人を集めるために見世物小屋や飲食店等を整備して、そういったものでも集客力を上げていったとか。浅草はそういった中で一大観光名所としてのし上がったということです。

成田山も佐倉藩主が自らの評価を上げたい思いもあって、積極的な出開帳を行ったり、市川團十郎が成田山で祈った結果子供を授かったことから恩を感じたこともあり、彼が成田山内で芝居を行う、出開帳の際には村民も動員したパレードを行い人を集める等の方法で、一大ブランドを確立したとか。

さらに武士たちも神仏を公開するなどして人を集め、資金源にしたりほかの大名と格を争ったりするなどの行動があり、中にはインチキ等も行われたとか。

都内の名所の歴史がわかる本で、今まで行ったところの歴史がわかり非常に面白かったです。


その他扱いにしていた書籍関係についてもカテを独立させました。
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