2016年01月12日
超初心者向け知的財産のお話 その57
かえるくんです
商標権のお友達的存在・・・の一応、最後です。
【地域団体商標と地理的表示(GI)】のお話です。
地域団体商標と地理的表示は別物ですが、同時に取得する
ケースもあるので併せてお話します。
【地域団体商標制度】は地域ブランド作りを応援するために
平成18年にスタートした制度です。
通常は認められない「地域名+商品名」という商標を認めて
早期に商標として登録できるのが特徴です。
地域団体商標の登録要件として以下3点が求められます。
@商標が【地域名+商品名」であること(商標の構成)
A生産者団体が農協、漁協等の組合、商工会、商工会議所
NPO法人であること(登録主体)
B地理的表示が生産者団体及びその構成員が使用する商標
として需要者間で広く知られていること(周知性)
具体例では
北海道・十勝清水町農協の【十勝若牛】
青森県・プロジェクトおおわに事業共同組合の【大鰐温泉もやし】
広島県・府中家具協同組合の【府中家具】
などがあります。
商標の一種であるのでマドリッドプロトコルも利用できます。
【地理的表示(GI)保護制度】は生産地と結びついた特性をもつ
農林水産物等の名称を品質基準とともに登録し地域の共有財産
として保護する制度です。こちらは特許庁ではなく、農水省です。
地理的表示の登録要件は
@産品が農林水産物、飲食料品等であること
Aその産品が生産地と結びついた特性を有していること
B産品が有する特性や生産方法を明確に定め、団体が品質管理
をしていること
Cその産品が一定期間(概ね25年)継続生産された実績があること
です。
登録されれば、GIマーク(義務)を産品に付与することになります。
取り消しにならなければ、半永久に不正使用に対しては国が取締まり、
禁止してくれます。国のお墨付きが受けられるんです。
ですが、デメリットというか注意点もあります。
@地域共有の財産となるので団体などで独占できません
A指定産品の生産工程管理業務が義務付けられます
国からのチェックを受けます。
BGIマークを必ず付与しなければなりません
以上、2つの制度について、お話しましたが両方併用することもできます。
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