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2015年04月27日

五木寛之の「青春の門」の感想(七)

前回は、信介たちも大阪から函館に戻り、
みんなが西沢の事務所に顔を揃えたところで、
旅立ちを前にしての乾杯をしたところで終わった。

信介たちは、ロシアに向けて出発の時がやって来た。
影之原隆元が手配した濃紺のリンカーンで
公安の安川伍郎が迎えに来た。
走るルートを見せたくないとの理由で、みんな目隠しを
された。
港に着き、ボートに乗せられ、次に船に乗り込んだ。
そこには、影之原やカオルもいた。
再会を確認し、ブランデーで乾杯する。
立原襟子は影之原と気が合い話に夢中になっている。
襟子がブランデーを飲みたいとカオルのところへ
来ると、信介は「若い娘が酒なんか飲んで、
でれでれするな」と注意する。

信介は襟子が影之原と気があって話し込んでいるのを
嫉妬したのであろう。
信介にはそういうところがある。否、男性はみな
同じかもしれない。

ジョンは、カオルにモスクワ官僚とシベリア独立派との
対立の話をする。
日本政府は、このカードをうまく利用しようと
している、と話す。
影之原隆元はその黒幕だ。

ジョンのこの話は、面白い。
真実ははどうか分からないが。

モスクワがシベリアの資源を収奪していた、
とは考えようでは納得できる。
この収奪を面白くないと考える一派がシベリア
共和国樹立を目論んでいたかもしれない。
モスクワの官僚が独立派に圧力をかけて
押さえ込んでいたに違いない。

戦後間もない一時期に、ソ連において
このような状況があったとは。
もし事実であれば。
隠された歴史秘話ではないか。

船はソ連警備艇に誘導されてある基地に到着する。
そこで信介も含めみんな面接(取調べ)を受けた。
取調官は政治委員だ。取調官は事前に面接者の
十分な情報を把握していた。
では何故面接したか。
ソビエト内部に案内するにあたり、とりわけ
思想面と人とのつながりをより深く把握
しようとしたのではないか。
また、真実を説明をするかしないか、
これにより人物判断をしたのではないか。

取調官は、日本人一行をハバロフスクへ案内する、
と言った。

その後、日本人一行を乗せた列車は荒涼とした大地
シベリアを走り続けていた。


(「青春の門」第八部風雲篇・連載第11〜15回
「週刊現代」1993年11月)



posted by フィロ at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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