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2014年12月18日

五木寛之の「青春の門」の感想(四)

【前回(三)の続き】

信介は、織江のマネージャを辞めて、
北海道江差に来ていた。
織江のマネージャは、若い中畑という
新人が担当することになった
ためである。
北海道に来た理由は、丸谷玉吉の遺骨
を江差の鴎島の海に散骨するためだった。
そこへ、岸森猛志という全学連の学生が
後を追ってくる。全学連の活動資金
1200万円を信介が運んでいると
考えていた。
風が荒れ狂う中で、鴎島の崖から遺骨の
入った袋を海に投げようとした瞬間、
背後から岸森が取り上げようとして、
はずみで、崖から落ちそうになる。
信介は、今にも崖から転落しそうな
岸森に手を差し伸べて、助けようと
するが、じぶんもずるずると
落ちそうになる。そこへ漁師の
海野清造が二人を崖っぷちから
引き上げて助ける。

信介は困った人を助けるという
男っけがある。
伊吹重蔵という父親ゆずりの
正義感が根っこにあるようだ。
そして恐れない勇気も内在して
いる。
しかし、女に対しては普通の
男と変わらない。

江差で、まだ高校生の立原襟子と出会う。
彼女は海野清造から歌(民謡)を習っていた。
崖で二人を助けた海野は、じぶんの家に
連れてきて、食事を出す。
料理を運んできたのが、襟子だった。
信介は、襟子を見た瞬間、心がときめく。
それもそのはず、彼女は母親に似て、
美人だった。


立原襟子

丸谷玉吉の骨は、江差にある禅宗正覚院
という寺の丸谷家の墓に埋葬されることに
なった。
その寺に修行に来ていたアメリカ人のジョン
という青年に出会う。
そして、ジョンから信介は刺激を受け、
外国(アジア)に出たいという衝動に
駆られる。

信介と岸森は正覚院で暫く厄介になることを
決め、生活する。
信介はタダ飯食いを嫌い、ジョンがやっていた
寺の仕事(家の中と境内の清掃)を毎日
真面目に働いた。
岸森は全く寺の仕事をしなかったが、食費は
寺に入れていた。そして夜になると、襟子の
母親百合江が経営しているバー「トスカ」に
通うようになる。
そして、岸森と百合江はいつしれず深い仲となる。

岸森からの連絡がないため、怪しんだ全学連
の者たちが、岸森と信介を追って来た。
百合江のスナックに侵入し、暴行脅迫の上、
百合江に岸森へ電話させて呼び出し、
1200万円の在処を追求し、拷問する。

信介にも電話し、岸森を助けたいなら、
出てこいと引っ張り出す。
信介は待ち合わせ場所に行くと、
二人出てきて、ボディチェックをした上、
信介に目隠し、連れて行く。

岸森と同様に1200万円の在り処を
質問される。
岸森と同様に拷問を受ける。

拉致した全学連の者たちは、信介の
縄を解き、岸森を開放する。
岸森は拷問で目をやられていた。
二人はやっと「トスカ」にたどり着き、
百合江は、岸森が帰ってきたことに、
泣きながら喜ぶ。
そして、岸森を海野清造とジョンが交互に
背負って眼科医院に連れて行く。

信介、襟子、母親百合江の3人は、店から
自宅に向かう。
そして、医院にいる海野から具合を
知らせる電話が百合江にあった。
百合江は、二人を残して医院に向かう。

信介と襟子はブランデーを飲みながら、
これからのことなどを話した。
深夜だったため、襟子は眠気がきて、
その場で仰向けに寝た。
「目の下に17歳のやわらかな女の体が
果実のようによこたわっている。」
信介はそれを見て、からだの奥が熱くなる。
二階が襟子の寝室だったので、両手で抱いて、
上がり、ベッドの上に寝かせる。

襟子は、「今は二人でくっついていたい」
と言う。
信介は、「おれは、この娘を自由にしたい!」
と思った。
その瞬間、先のことは、何も考えようと
しなかった。
二人はベッドのなかで、もつれ合う。

信介は行く先々で、女と知り合う。そして深く
関わりあう。織江がいるにも関わらず。

五木寛之は、主人公の信介を、理性を持ち、
教養があり、喧嘩も強い、そのような
理想の男に作り上げていない。
むしろ逆だ。決して教養も理性も喧嘩も
普通だが、義母タエから教えられた、
正義感がある。
また、同時に浮気心が止められない男の
本能をむき出しにする弱さも併せ
持っている。
そのあたりが、読者の心を惹きつけるので
あろうか。

失明した岸森は、百合江と一緒に暮らす
ことになった。
将来はジャズ喫茶を経営する夢を抱いていた。
目を失明しても、百合江との暮らしに
満足している岸森の姿を信介は実感する。


(「挑戦編」上)



posted by フィロ at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書

2014年12月17日

からだにいい料理・青梅の「奥多摩釜めし」

先日、青梅の「奥多摩釜めし」に行ってきた。
今回で2回目になる。
車で吉野街道を走り、梅郷から橋を渡って
左に行くとまもなく「奥多摩釜めし」に
到着した。
電車でも行くこともできる。JR青梅線
日向和田駅から徒歩8分で着くことができる。
店の前の駐車場は、10台ぐらい
留められそうだ。


駐車場

店の正面に大きく「奥多摩釜めし」と表示している。

店正面

外から見るお店の感じは、古びた食堂のように
見える。でも中に入ると趣がある。
店の入口に入る。


店の入口

入口が2階になっており、長いテーブルが
置いてあり、食事ができるように
なっている。


2階

その先に進むと、階段と通路が
あり、そこの下駄箱に靴を入れる。


下駄箱

そして、その先が1階の大きな座卓がある
食事処だ。
窓からの眺めも良い。


窓から見た自然

大きな座卓に通されると、メニューが出される。
このお店の目玉商品は「奥多摩釜めし定食」だ。
価格は1,750円だが、その価値はある。
メイン料理が出される前に、
サービス盆が出てくる。


サービス盆

左から、ブドウ糖で煮た青梅「御命菓」、
「里芋」、「温泉たまご」が並ぶ。
梅は5年も掛けて熟成させたもの
らしい。たまごはヒナドリの初卵を使用
している。
なんと、こっている料理だろう。
特に、「煮うめ」はほのかな甘さとわずかな
酸っぱさが、バランスよく口の中で調和
しているようなうまさがある。
そして、メイン料理が出てくる。


奥多摩釜めし

「釜めし」ご飯は植物エキスで炊いたご飯、その上に
人参、ごぼう、れんこん、まいたけ、その他
具沢山だ。
「水炊き釜」は深海魚の出し汁を使用している。
味が薄いように見えるが、飲んでみると
コクがあり、深い味だ。
具として鶏肉、きのこ、豆腐、野菜など。
ここの料理で出されている野菜は
全て無農薬の有機肥料野菜が使われ
ている。
しじみの味噌汁は5年味噌を使用。
盆の中央にある料理は「アガリスクの
兄弟というきのこ」の素揚げだ。
あっさりしてうまい。
酒のつまみに最高だ。
漬物は7種類が盛られている。
野菜料理が中心のせいか、全体的に
あっさりした味覚だが、それぞれ
微妙にうまい。
いつの間にか平らげ、お腹一杯に
なる。
出されたお茶は、「太陽光線をたくさん
受けた新芽を微粉茶にして、栄養効果と
薬理作用を考えた珍品」とのこと。
店主からの説明だ。
健康にする料理を研究開発した結果の
料理が「奥多摩釜めし」に凝縮されて
いる。

からだに良いというので、家内は
「萬代之茶」


萬代之茶

「御命菓」

御命菓

を家で、健康のために使いたい
と言って購入した。


「奥多摩釜めし」は肉、魚料理の
こってりした料理ではない。
野菜がメインのあっさりしていて、
味が深い料理だ。
一度は味わう価値があると
思った。



posted by フィロ at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 料理

2014年12月13日

高倉健の「幸福の黄色いハンカチ」を観て

ご存知のとおり高倉健さんが他界されました。
放送局では、高倉健さんの特集が編成され、
「幸福の黄色いハンカチ」がTVで
放映されました。その感想です。


「幸福の黄色いハンカチ」

刑務所から出所して食堂に入り、
ビールを飲むシーンが出てくる。
その時の演技は、観る者に何かを感じ
させずにはおかない見事な演技だった。
主人公は、食堂に入ると、ラーメンと
カツ丼、そしてビールを頼む。
出されたビールを両手で掴み、
じっと見て、それから両手で一気に
飲み干す。

刑務所にいた数年、アルコールとは
縁のない生活であったため、
最初の一杯は本人しか分かり得ない
特別の一杯だったことを、
訴えていた。
ビールの後、ラーメンを食べるが、
勢いよく食べだす。観ていて、美味そうに
食べている様子が、リアルに伝わってくる。
短い単純なシーンだが、その演技は
高倉健独特の演技力がなせる
深い味わいのある技だった。
映画関係者の裏話では、高倉健は
そのワンシーンのために、前日は絶食して
臨んだそうだ。

出所後に炭鉱で働くが、
スーパのレジをやっていた
女性(倍賞千恵子)に一目惚れする。


高倉健、倍賞千恵子
(高倉健写真集より引用)

そして二人は結婚し、
幸せな生活を送る。ところが、
子供を流産することで、主人公(高倉健)は
自棄っぱちになる。
夫婦喧嘩し、外に出たところ、
チンピラと出会い、喧嘩となる。
そして、一人を殺害してしまう。
刑務所から離婚の書類を
作成し、ハンコを押して
役所に出すよう妻に指示する。

刑務所を出る前に、ハガキを
妻宛に出す。
内容は、家に向かうがokで
あれば、目印として庭の(高い)
ポールに、「黄色いハンカチ」を付けて
欲しい。そうでない場合は、
何もつけないでくれ。
そのまま引き返すから、と。
既に再婚しているだろうという
思いがあった。


刑務所を出て、偶然観光に
来ていた若い二人(武田鉄矢、
桃井かおり)と車で一緒に
行動することになり、若い
二人に実はと言って、ハガキ
のことを話す。


武田鉄矢、桃井かおり
(高倉健写真集より引用)

若いふたりは、強引に説得し、
夕張炭鉱の住居に向かうが、
主人公は、自分の我儘から離婚
の書類まで押し通したので
黄色いハンカチは、決して
付いていることは無いだろう
と思い込む。
段々と家に近づくにつれて、
前を見ることができない。

そして、家の近くで、車に同乗
していた若い女性が気づく。
黄色いハンカチが、ポールの
先端から地面までつないでいる紐に、
びっしりと「黄色いハンカチ」が付いて
いることを。
興奮して主人公(高倉健)に話す。

主人公は、恐る恐る顔をポールの
方に向けると多数の「黄色い
ハンカチ」が目に飛び込む。

驚きと喜びの入り混じった
表情で立ち尽くす。
その先には、洗濯物を
干していた、妻(倍賞千恵子)
がいた。二人は喜びと
愛情を実感する。

高倉健が、妻が待つ家に向かう
時の気持ちの演技が印象的だ。
ハムレット的な迷いだ。
行くべきか、行かざるべきか、と。
愛する人のところへ行く心情、
心の機微を見事に現している。

見ていて、引き込まれていく。
日本映画の名作の一つに
間違いない。


posted by フィロ at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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旅行が好きで、1年に2〜3回ぐらい旅行(温泉)に出かけています。それ以外の趣味として、読書、映画、音楽、海を見ることなど。
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