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2018年03月01日

会社法論証集

財産引き受けの無効主張と信義則 最判昭和61年9月11日 百選6
 本件営業譲渡契約は無効であって、契約の当事者であるY会社は、特段の事情のない限り、右の無効をいつでも主張することができる

百選10
 権利行使者としての指定を受けてその旨を会社に通知していないときは、特段の事情がない限り、原告適格を有しない

百選12
 共有に属する株式についての議決権の行使は、当該議決権の行使をもって直ちに株式を処分し、または株式の内容を変更することになるなど特段の事情のない限り、株式の管理に関する行為として、民法252条本文により、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決せられる

百選14 蛇の目ミシン事件
 会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で、当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は、120条1項に言う「株主の権利の行使に関し」利益を供与する行為と言える。

百選21
 甲株式会社が同社のすべての発行済み株式を有する乙株式会社の株式を取得することは、会社法155条の定める除外事由のある場合又はそれが無償によるものであるなど特段の事情のある場合を除き、同条により許されない。

百選23
 非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し、客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたと言える場合には、その発行価額は、特段の事情のない限り、「特に有利な金額」には当たらない。

百選30
 299条の趣旨は株主に出席の機会と準備の機会を与えることであるから、招集通知を欠いても全員出席総会において株主総会の権限に属する事項について決議をしたときは当該決議は有効に成立する。
 代理人が出席することによる全員出席総会となるときは、代理人を選任した株主が会議の目的たる事項を了知して委任状を作成し、かつ、当該決議が会議の目的たる事項の範囲内のものである限り、その決議は有効に成立する。

百選38
 役員選任の総会決議取消の訴えが係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によって取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消しを求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなったときは、特段の事情のない限り、訴えの利益を欠く。

百選41
 このような取締役会の招集決定に基づき、このような代表取締役が招集した株主総会において新たに取締役を選任する旨の決議がなされたとしても、その決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り、法律上存在しない。

百選54 MBOに関する取締役の責任 429条1項
・取締役は会社と委任契約上の善管注意義務(330条、民法644条)・忠実義務(355条)を負う。
・MBOは会社と取締役の利害が相反しうるが、経営再建に資するため、その実行が経営判断として著しく不合理と認められるなどの事情がない限り許容される。
・ただし、取締役は株主の共同の利益を図ることに対して善管注意義務を負うから、善管注意義務の内容として、MBOに際し公正価値移転義務及び適正情報開示義務を負う。

百選62
 株主総会で総額が定められ取締役会で個々の取締役につき具体的に定められた報酬額は会社と取締役との契約内容となり双方を拘束するから、事後的にある取締役の報酬額を変更しても当該取締役の同意がない限り当該取締役は従来の報酬額の報酬請求権を有する。

百選70
 429条は、株式会社が経済社会で重要な地位を占めており、また株式会社の活動は取締役の職務執行に依存することを考慮し、第三者保護の趣旨で、取締役が悪意重過失で任務懈怠を行い、その結果第三者に損害が生じた場合には、任務懈怠と損害の間に因果関係がある限り、直接損害であるか間接損害であるかを問わず、取締役が損害賠償責任を負う規定である。民法709条とは請求権競合となる。

百選72
 取締役を辞任した者は、積極的に取締役としての行為をあえてした場合を除いては、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて取引した者に対しても429条1項の責任を負わないが、不実の登記を残存させることを明示的に承諾していたなどの特段の事情がある場合には、商法14条・会社法9条の類推適用により善意の第三者に対して取締役でないことを対抗できない結果、429条1項の責任を負う。

百選100 ブルドックソース事件
 公開買付けの公告に対し、急きょ定款を変更して差別的行使条件付新株予約権無償割り当てを行った。
訴訟提起
 原告としては、247条2号の「著しく不公正な方法」に当たるとして新株予約権発行差止請求と発行差止の仮処分(民保23条2項)を求める。
論点
1)株主平等原則に反しないか。
前提
 前提として差別的な内容の新株予約権の無償割り当てに対しても109条1項の趣旨が及ぶ。
規範1(相当性)
 特定の株主による経営支配権の取得に伴い会社の企業価値が毀損され、会社の利益引いては株主の共同の利益が害される場合には、その防止のために当該株主を差別的に取り扱ったとしても、当該取り扱いが衡平の理念に反し、相当性を欠くものでない限り、株主平等原則の趣旨に反しない。
規範2
 そして、企業価値を毀損するか否かの判断は最終的には株主自身により行われるべきであり、(適正手続を欠くとか判断の前提となる事実が虚偽・不存在であると言った)重大な瑕疵がない限り株主の判断は尊重されるべきである。
あてはめ1(必要性)
 本件は〇〇%というほとんどの株主が企業価値を毀損するものと判断しており、また本件の手続にも適正であるから重大な瑕疵があるとは言えない。
あてはめ2
 また、〇〇であり原告に経済的保障がなされているから、本件取り扱いが相当性を欠くとも言えない。
結論
 従って、本件新株予約権無償割り当ては109条1項に反しない。
2)109条に反しない以上、「著しく不公正な方法」による発行とも言えず、247条2号にも反しない。

102頁
 会社の承認を得ない譲渡制限株式の譲渡は、譲渡の当事者間では有効だが、会社に対する関係では無効であり、会社は譲渡人を株主として扱う義務がある。

113頁
 名義書換えは譲渡の対抗要件に過ぎないから、会社のほうから名義書換え未了の譲受人を株主として扱うことはできる。

125頁
 権利行使者は自己の判断で株主権を行使することができ、たとえ共有者内部における合意に反していたとしても、その権利行使は有効である。

 106条但書の趣旨は、株式の共有者が民法251条・252条の規定に従って株主権を行使する限り、106条本文の定める方法によらなくても会社が同意すれば当該株主権の行使を有効とすることである。そのため、共有者の株主権行使が民法の共有の規定に従わずにされた場合は、会社が同意しても当該株主権行使は有効とならない。

126頁
 106条1項但書による会社の同意がない場合であっても、(権利行使者の指定・通知がないことを理由に)会社が権利行使を拒否することが信義則に反すると言えるような特段の事情があるときは、共有者の1名による権利行使が認められる。

132頁
 株式の分割については、株式併合の場合(182条の3)と異なり、株主の差し止め請求権を認める旨の明文規定は存在しない。裁判例は210条も類推適用されないとしている。しかし、株式の分割も「著しく不公正」なものとなる場合があるから、210条を類推適用すべきである。

株主総会
163頁
 適法な株主提案を会社が取り上げようとしない場合には。株主は、会社を被告として、株主提案を取り上げることを求める訴訟をすることができ(民法414条、民執172条)、仮の地位を定める仮処分もできる(民保23条2項)。

171頁
 書面投票された議決権の会場提案議案の賛否をどうするか。@会場提案議案が原案と対立し、原案の修正を求めるものなら、合理的意思解釈により開錠提案議案に反対と扱うべきであり、Aその他の場合は棄権と扱うべきである。
 

173頁
 代理人の資格を株主に制限する旨の定款規定は、株主総会が株主以外の第三者によってかく乱されることを防止し、会社の利益を保護する趣旨と認められ、合理的理由による相当程度の制限と言える。

181頁
 取締役等による説明は、平均的な株主が、議題について合理的な理解及び判断をするために客観的に必要と認められる程度に行えばよい。

取締役会
219頁
「重要な」財産の処分に当たるか否かは、当該財産の価額や会社の総資産に占める割合、当該財産の保有目的、処分行為の態様、会社における従来の取扱い等の事情を総合考慮する。

225頁
 取締役の一部の者に対する招集通知を欠く場合でも、その取締役が出席してもなお決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるときは、(その瑕疵は決議の効力に影響がないものとして)決議は有効になる。
※招集通知の欠缺以外の手続上の瑕疵も同様 学説は反対

230頁
 362条4項の取締役会決議を欠いた対外的行為は、内部的意思決定を書くにとどまるから原則として有効である。ただし相手方が決議を経ていないことについて悪意重過失の場合は無効である。

 362条4項が重要な業務執行について取締役会の決議を要求するのは会社の利益保護のためだから、当該決議を欠くことを理由に取引の無効を主張できるのは原則として会社のみである。

248頁 退職慰労金
 @内規や慣行によって一定の支給基準が確立しており、A当該基準が株主にも推知しうるものになっている場合には、単に一定の支給基準に従って退職慰労金を支給し、具体的な金額、支給期日及び支給方法は取締役会の決定に一任する旨の決議をすることが許される。

249頁 使用人兼務取締役
 使用人として受ける給与の体系が明確に確立している場合には、株主総会において別に使用人として給与を受けることを予定しつつ取締役報酬のみを決議することは許される

259頁 経営判断
 取締役の経営判断には善管注意義務がある(330条、民644条、355条)。もっとも、経営はリスクを伴うから、結果責任を問うと経営が委縮し結果として会社株主の利益にならない。そこで経営判断については取締役に広い裁量が認められ、その判断の過程、内容に著しく不合理な点がない限り善管注意義務違反にならない。

 「法令」(355条)とは、取締役を名宛人としてその義務を定める規定に限らず、株式会社を名宛人とし株式会社がその業務を行うに際して遵守すべきすべての規定を含む。

263頁
 取締役会は会社の業務執行を監督するから(362条2項)、取締役会を構成する取締役は代表取締役の業務執行一般につき監視義務がある。

264頁 信頼の原則
 各取締役は、他の取締役または使用人が担当する職務については、その内容につき疑念をさしはさむべき特段の事情がない限り、適正に行われていると信頼することが許される。

265頁
 取締役は善管注意義務・忠実義務の一内容として内部統制システム整備義務を負う(362条4項6号)。もっとも、その整備には費用や知見が必要だから、体制の内容決定には取締役の広い裁量が認められ、当該体制を整備しなかった取締役の判断が著しく不合理な場合にのみ義務違反となる。

資金調達
466頁
 非上場会社において、取締役が客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって払込金額を決定したと言える場合は、特段の事情がない限り、有利発行には当たらない。

募集株式の発行等の差止め
486頁 法令・定款違反
 「特に有利」な払込金額とは、株式の公正な価額に比べて特に低い金額を言う。市場株価があるときは市場株価に近接していることが必要である。

買占め事例
 買占めがある場合であっても原則として市場株価を基準として払込金額を決すべきであり、ただ、その市場株価が「異常な投機」による一時的なものと認められる場合に限り、払込金額の算定基礎から排除できる。

買収・提携事例
 高騰前の市場株価を基礎にしても有利発行には当たらない。

489頁 著しく不公正な方法
 支配権争いがあるなかでも特に@当該経営支配権争いの帰趨が近く株主により決せられると見込まれ、かつAその際には現経営陣が敗れる可能性も相当程度あると言える場合に、取締役会が現経営陣を支持すると見込まれる第三者に対して募集株式を発行することは特段の事情(そうしないと会社が倒産するなど)のない限り不公正発行になると解すべき。

@Aに当たらない場合→主要目的ルール
 公開会社に経営支配権争いがある場合において、現経営陣の支配権維持・確保を主要な目的として新株発行が行われる場合は、原則として不公正発行となる。その判断は、@募集株式発行が支配権争いに及ぼす影響A資金調達の必要性、相当性を考慮して行う。
 もっとも、株主全体の利益保護の観点から当該新株発行を正当化する特段の事情がある場合、具体的には買収者による経営権取得が会社に回復しがたい損害をもたらす事情があることを会社が疎明した場合には、不公正発行に当たらない。

募集株式発行が支配権維持目的であることをうかがわせるその他の事情を考慮することもある。

495頁 新株発行無効の訴え(828条1項2号)
 公開会社に要求されている募集事項の公示を欠くことは、仮に株主が差止請求をしたとしても(公示を欠くことを別にすると)差止めの事由がないためこれが許容されないと認められる場合でない限り、無効原因となる。

 公開会社では会社の承認を欠くというだけでは無効原因にならないのと対照的に、非公開会社が株主総会特別決議を経ずに新株発行を行った場合は、新株発行の無効原因となる。非公開会社では持ち株比率の維持に対する既存株主の利益を尊重するのが会社法の趣旨と解されるからである。

574頁 設立中の会社
@会社の設立自体に必要な行為(発起人が行える)
A設立のために事実上必要な行為
B開業準備行為
C事業行為そのもの(発起人はできない)

576頁 Bについて
 発起人は原則として開業準備行為を行うことができず、原始定款に記載された財産引受のみが例外的に許される。
 取引の相手方は民法117条1項類推適用により発起人に対して支払請求できる。

Aについて
(ア)発起人が自己の名で行った費用は設立費用(28条4号)として定款記載および検査役の検査を受ければ成立後の会社に求償できることは当然可能。
(イ)発起人が設立中の会社のためにそれを行い、行為の効果を成立後の会社に直接帰属させることができるか。
古い判例 設立費用として変態設立事項の規制を満たした額の限度で可能

買収・結合・再編
626頁 反対株主の株式買取請求権
 組織再編に反対する株主は、株式会社に対し、自己の保有株式を公正な価額で買い取ることを請求することができる(反対株主の株式買取請求権、785条、797条、806条)。組織再編という会社の基礎に本質的変更をもたらす行為を株主の多数決で行う場合に、反対株主に会社から退出する機会を保障する趣旨である。

 反対株主とは、当該組織再編のために株主総会の承認を要する場合、当該株主総会に先立って組織再編に反対する旨を会社に対して通知し、かつ、当該株主総会で実際に反対の議決権を行使した株主を言う。

「公正な価格」の基準日
 組織再編における反対株主の株式買取請求の場合は、買取請求によって売買契約が成立したのと同様の法律関係が生じるから、買取請求の日である。(182条の4の場合も同じ)
全部取得条項付種類株式の取得の場合は、取得日をいう。

 「公正な価格」とは、@組織再編によって企業価値の増加が生じる場合は基準日において株式が有する価値(公正分配価格)をいい、A組織再編によって企業価値の増加が生じない場合は、基準日におけるナカリセバ価格をいう。

652頁 組織再編の無効の訴え
 無効原因の明文はないが、重大な瑕疵が無効原因となる。
 組織再編の条件が不公正であってもそれ自体は無効原因とはならないという判例がある。
 しかし、特別利害関係人の議決権行使によって著しく不当な組織再編条件が決定されている場合には、組織再編の効力発生後は無効原因になると解すべきである。

・株主総会決議取消事由がある場合には当該取消事由が無効事由となる。∵株主総会決議による承認は合併に不可欠な手続(783条1項、309条2項12号

658頁 事業譲渡
 事業譲渡とは@一定の事業目的のため組織化され有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む)の全部または重要な一部の譲渡であって、A譲渡会社がその財産によって営んでいた事業活動を譲受人に受け継がせ、Bそれによって譲り受け会社が法律上当然に競業避止義務を負担するものをいうとする判例があるが、条文の適用関係の循環が生じるためBは要件ではないと解する。

posted by izanagi0420new at 15:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法
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