アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2016年02月03日

商法 予備試験平成27年度

設問1(1)
1 X社の取締役であるA及びCが、第三者Eに対し、429条に基づく損害賠償責任を負うかを検討する。
2 429条の趣旨については次のように考えられる。取締役は会社との任用契約(委任又は準委任契約)に基づき、会社に対して善管注意義務(330条、民644条)・忠実義務(355条)を負っているが、第三者に対してはそれらの義務を負っていないから、それらの義務違反により第三者の権利が侵害されそれにより損害が発生したとしても、民法上の不法行為責任を負うのみであると思える。しかし会社法は、会社が経済社会において重要な地位を占め、また、会社の活動は取締役の職務執行に依存することに鑑み、第三者を特に保護するため、429条の規定を置いたのである(特別の法定責任)。すなわち、取締役が悪意重過失により会社に対する善管注意義務・忠実義務に違反し(任務懈怠)、それにより第三者に損害を被らせたときは、取締役の任務懈怠と第三者の損害との間に因果関係がある限り、直接損害か間接損害かを問わず、取締役は第三者に対して損害賠償責任を負うのである。民法上の不法行為責任とは請求権競合となる。
 そうすると、会社の活動により損害を被った第三者は、@取締役の任務懈怠、A任務懈怠に対する取締役の悪意重過失、B損害、C@とBの間の因果関係を主張立証することにより、取締役から直接に損害賠償を受取ることができる。
3(1)Cの責任
 @Cは高級弁当の製造販売事業を行うX社の弁当事業部門施本部長であり、任用契約上の注意義務として、販売される弁当の品質を適切に保つ義務をX社に対して負っていると言える。しかし、回収された弁当の食材の一部を再利用するよう弁当製造工場の責任者Dに指示することは、不衛生な食品が消費者の手に渡る可能性のある行為であるから、上記義務違反行為すなわち任務懈怠である。ACは消費期限が切れて弁当を回収せざるを得ないことに頭を悩ませた末に上記任務懈怠行為をしたのであるから、任務懈怠につき悪意である。BEらは食中毒により損害を被り、Cその症状の原因は再利用した食材に大腸菌が付着していたことであるから@とBの間には因果関係がある。
 したがって、CはEらに対し、429条に基づく損害賠償責任を負う。
(2)Aの責任
 取締役会設置会社の代表取締役は対外的に会社を代表し(349条1項)、対外的に業務執行をする機関(363条1項1号)であるから、対内的に他の取締役に任せている業務執行であってもその内容に注意を払い、担当する取締役に対する監督責任を負うと解する。
 そうすると、@Aは平成26年4月に弁当製造工場の責任者Dから、Cの上記任務懈怠について相談を受け、それについてCから事情を聴いた際、Cに対して上記任務懈怠を止めるよう指示を出す義務があったというべきである。しかしAは「衛生面には十分に気を付けるように」と述べるのみであり、その義務を怠るという任務懈怠がある。AAはそのことについて悪意である。BCはCについて述べたことと同様である。
 したがって、AはEらに対し、429条に基づく損害賠償責任を負う。
設問1(2)
 前述のとおり、429条の責任は間接損害を受けた第三者に対しても負うものである。X社の株主であるBは、X社が破産手続き開始の決定を受けたことにより、その保有する株式が無価値になるという間接損害を被っている。そして、X社が破産手続き開始決定を受けたのは、A及びCの前述の悪意重過失による任務懈怠により、X社が食中毒の被害者らに対する損害賠償ができなくなったことに起因するのだから、A及びCの任務懈怠とBの損害の間には因果関係がある。
 したがって、A及びCは、Bに対し、429条に基づく損害賠償責任を負う。
設問2
1 Y社は、X社からホテル事業の譲渡(21条、467条参照)を受けた法人にすぎない。合併とは異なり、事業譲渡は契約であって権利義務の承継を当然に伴うものではないから、事業の譲受会社は譲渡会社が第三者に対して負う債務を弁済する責任を負わないのが原則である。もっとも、法は以下の二つの場合に、譲受会社の責任承継を定めている。
2 ひとつは、22条である。譲受会社が譲渡会社の商号を引続き使用する場合には、譲受会社も債務を弁済する責任を負う(22条1項)。この規定の趣旨は、譲渡会社に対して債権を有していたものは、譲受会社が商号を続用する限り、譲受会社に対して債権を行使できると信じるのが通常であるから、そのような第三者の信頼を保護することと解される。そうすると、次のように言える。
 一般に、ホテルの名称は、ホテルの営業主体をもあらわすものとして使われており、本件でもそうである。このようにホテルの名称がその営業主体を表わすものとしても使われている場合には、一般のホテル利用者にとっては、同一の営業主体による営業が継続していると信じたり、事業の承継があったけれども譲受会社が債務を承継しているものと信じたりするのは無理もないことである。したがって、商号(「X社」「Y社」などをさす)そのものの続用でなくても、屋号(「甲荘」などをさす)が営業主体を表わすものとしてもちいられている場合には、特に反対の広告がなされないかぎり、屋号の続用にも22条1項が類推適用されると解すべきである。
 本件でも、「甲荘」は営業主体を表わすものとしてもちいられている。そして、Y社がX社の債務を承継しない旨の広告はない。したがって、Y社はX社が第三者に対して負う債務を弁済する責任を負う。
 したがって、Y社は、X社のEらに対する損害賠償債務を弁済する責任を負う。
3 もうひとつは、23条の2である。この条文は、債務の承継を伴わない事業譲渡の詐害的利用を防ぐために平成26年会社法改正で新設された。この条文に基づき、第三者は、譲渡会社が第三者を害することを知って事業を譲渡したことを主張立証することにより、譲受会社に対して債務の履行を請求することができる(23条の2第1項)。
 本件でも、X社がEらを害することを知って事業譲渡したことの主張立証にEらが成功した場合には、Y社はEらに対し、損害賠償債務を弁済する責任を負う。 以上

にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験予備試験へ
にほんブログ村






posted by izanagi0420new at 08:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/4692380
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2018年04月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。