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2020年12月17日

光の翼 始動の翼2 蒼空の風と嵐2






腹立たしいが、『自分は普通の人間だ』と声を大にして宣言するのは、俺にはどうしても無理がある。





何故なら俺の身体には、本来は空を飛び回る鳥類の器官であり、普通の人間には間違いなく存在しないはずのもの―





―翼と嘴が、あるからだ。










生まれつき水色だった髪の毛と違って、この翼と嘴は最近になって俺の身体に現れたものである。





もっとも、去年の6月頃の話なので、もう少しで1年程の付き合いになるのだが。















起床して洗面台に顔を映すと同時に、頭の中が北国も真っ青の一面銀世界に変わり果てた。その記憶は、ほんの1年足らずの年月で心身から消え去りはしない。
前日の夜中まで見えていた鼻と唇が、朝になったらいきなり見えなくなっていた。しかも、人間の身体にはありえないはずの嘴によって隠されていたという摩訶不思議な現象が自分に降りかかった、あの衝撃は。





さらにリビングに下りてみれば、今度は背中から純白の翼が生えていると分かり、再び大騒動となった。寝床を後にした時点で既に妙な感触がしていたにも拘らず、兄に指摘されるまでその存在に気付かなかった自分には、何と間抜けなものだと自嘲すると同時に、僅かだけ笑ってしまったものだった。
いや、苦し紛れの現実逃避をしていただけで、本当は最初から我が身に翼が宿ったと察していたかもしれないが。
何分、人生最大と言っても嘘にならないまでに混乱を極めた身ゆえ、今やあの日の所感を正確になぞるのは、甚だ厳しい。





ただし、あの日の出来事に関しては、簡単に思い起こせる。
授業の時間を奪う大掛かりな学校行事もない、普段通りの平日であった。ゆえに、奇天烈な格好を誤魔化す準備もできぬまま、登校するしかなかった。
翼は強引に制服の中に詰め込むだけで隠せたのだが、嘴はそう上手く運ばない。無駄な抵抗と知りながらも物は試しとして付けてみたマスクは、やはり嘴の先端で貫かれて中心部に穴が開き、ゴミ袋の底に沈む運命を辿るだけだった。










学校に辿り着いて教室に入れば案の定、俺は有難くも何ともない注目を全方位から浴びた。





「うわ、何だよそのカッコ!」





「こいつ、マジでキモチ悪いわー!」





「ハロウィンじゃねーのに、仮装でもしてんのかよ!」





最初こそ、同級生共は面白がって俺を煽って来た。
ほんの少しでも自分と違う点があれば、それを殊更に取り立てて延々と燥(はしゃ)ぐ人種の集団。
俺の有様を見ようものなら、大人しくしているはずがなかった。





だが、こっそりと俺の背後から忍び寄って来た男子生徒が、嘴に手を沿えて思い切り引っ張った直後に、事態は急転した。





下手人はもちろん、俺の嘴が外れると思っていたのだろう。





意図はどうあれ、俺が自分で装着して来た物だと考えたのだろう。





あるいは、嘴を盗られれば怒って必死で自分を追い掛け回しに来るはずだ、それをかわして遊んでやろう、とでも目論んでいたのかもしれない。










いずれにせよ、嘴が外れず、俺が本気で痛がって睨み返したのには、理解が追い付かなかっただろう。





事実、俺の反応には下手人のみならず、遠巻きに見物していただけの連中も皆一様に呆然として、教室内の喧噪は雲散霧消していた。





そして、誰かが出し抜けに、





「…まさか…あれ、本物か…!?」





と言ったその瞬間から、教室内の空気は大きく変化した。
俺を嘲笑うというより、幽霊か化物でも見たような表情が溢れ返り、中には吐き気を堪えている者も混じっていた。





さらにその後は、職員室に呼び出されて尋問を喰らう破目に遭った。
言わずもがな、最初から本物の嘴だと信じる教師などいない。我が担任にして、厳しくも温厚にクラスを受け持つ日杜(ひもり)先生すら、一瞬は生真面目な教え子の豹変を疑ったようだった。
もっとも、生活指導を担う嫌味な中年の男性教諭から強引に引っ張られた際の反応で、恩師の誤解も解け、無罪放免となったが。





以来、周囲が俺を見る目は、低劣なからかいでしかなかったものから、強い嫌悪を込めたものに変わった。





そして、そんな肩身の狭い身の上のままに過ごす毎日は、あれから1年弱経った今現在も、こうして延々と続いている。















空を通ってから1分ほどで、学校から程近いコンビニの上空に辿り着いた。





(この辺で降りるか…。)





うつぶせにした身体を徐々に起こし、頭の方に集中させていた力を背中の方に移す。次いで翼をたたみながら、緩やかに身体を地上へと下ろした。
無論、着地も人通りの少ない路地で行った。水色の髪と嘴だけで既に異端視されているのに、あまつさえ背中の翼まで見られた日には、どんな面倒事になるか分かったものではない。
もっとも、『ろくな扱いを食らわない』とだけは、昨年の経験から断言できるが。





コンビニで昼食を調達してから教室に辿り着くと、教卓の上に掛けられた時計の文字盤は、午前8時25分を指していた。
4階まで長々と階段を上るだけに、自席と巡り合う頃には少々息切れが起こる。それに構わず、鞄から水筒を取り出して茶を飲むと、授業で使う教科書やノートを机の下に納め、やや軽くなった鞄を教室後部のロッカーにしまった。





日課をこなすと椅子に腰かけ、朝のホームルームが開かれるまでの時間潰しに、『突然変異の歴史』と題された本を読み始める。
要約すると、『他の人間にない形質や能力を持った人間は遥か昔から少数ながら存在したとの記録があり、彼らの中には先天的に風変わりな者もいれば、後天的に他者とかけ離れていった者もいた』という内容だった。





この書籍を手にした時、大多数の読者は、絵空事としか受け止めないだろう。
だが、れっきとした人間でありながら唐突に翼や嘴を持った身にとっては、常識から外れた情報にこそ注意を払うべきであり、軽視するなど以ての外である。










世間でもここ数年間で、人間でありながら人間離れした特徴を持つ者が、続々と発見されるようになっていた。
テレビなどの報道が元でいつしか『変異種(へんいしゅ)』と呼ばれるようになった俺達には、3つの類型を見出せる。
まず、人間の身体にある筈のない部位が出て来たという者。次に、外見に奇妙な点はないが、他人には扱えない力を操れるという者。さらに、特異な容姿をしている上に不可思議な能力も有する者。
ただしいずれの変異種も、そのような変哲を抱えるに至った経緯は全くの謎のままだ。





そして、該当する類型がいずれかを問わなければ、世界中に手を広げて探すまでもない。





我が学び舎たる海園中学校の生徒だけに絞っても、把握できない位の人数はあった。





もっとも、波風なく平穏に人付き合いをしている変異種ではなく、偏見や差別に四苦八苦している変異種の方が多数派なのは、論を俟(ま)たない。
一時期は連日ニュースとなった話として、経営が順調な大手企業に勤めていた営業マンは突然に頭からサイのような角が生えたという理由で即刻解雇にされたとか、仲睦まじかったカップルの片割れは結婚式を間近に控えた所で犬のような尻尾をこさえたために相手方から婚約破棄を言い渡された、というものがある。
こうした案件に不当な扱いだと声を上げて訴えを起こす変異種も間々いるが、その手の請求はまともに取り合われもせずに棄却されるばかり。よしんば訴訟が行われても、被告となる普通の人間が無罪放免となるのが御決まりである。
直近で最も物議を醸した事例に至っては、原告であった変異種の方が『普通の人間を貶めるために事実無根の被害をでっち上げた』と断じられ、虚偽告訴罪として懲役刑に処された裁判さえあった。





つまり変異種になってしまえば最後、基本的人権すら蹂躙されると言っても、過言ではない。





それでも、ほんの少しは得をできる機会もある。
例えば俺の場合なら、背中の翼がせめてもの恩恵だ。人目を避けさえすれば一切の障害物を案じる必要もなく高速で移動ができるので、今朝のように遅刻しそうな際には頼りがいのある最終手段となる。
また、時には宙に浮きつつ風に吹かれながら仮眠をしたり、周囲の景色を眺めて気分転換をするといった用途もある。





普通の人間には間違いなく為せない芸当も、自分には実現できる。





それを考えれば、変異種になったからこそ手にできた利点もあるのは、確実だ。





ただし、その有難みが霞む程度には、謂れの無い害を被る頻度が高い。
俺は現状、世間の耳目を集め得る扱いを受けた経験はないが、それでも変異種達が悲惨な目に遭っていると聞けば、良い気分はしない。何しろ、このままではいつ自分が同様の被害に泣く側になるか、分かったものではないのだから。





それゆえ最近は、ある時突然に変異種になる『突然変異』の原因と解決策を見つけるのを目標としている。『突然変異の歴史』も、そのための手掛かりになればと思い、学校の図書室から借りてきた物だ。
もっともこの突然変異というものは、学者達が小難しい化学式を延々と睨み付けても解き明かせない位には、難題らしい。だから俺とて、自分が情報収集をすれば原因や解決方法を見つけられるなどと全面的に期待してはいないし、そもそも自身が左様に有能だなどと自惚れている覚えもない。





しかし、ならばもうどうしようもないと諦めるのは、選択肢の外だった。
もしも生まれた時から今の有様だったならば、血相を変えて人間らしい姿になりたいとは思わなかっただろう。
だが生憎と、生まれつき水色の髪さえ度外視すれば、元は普通の人間であった身だ。そんな自分が、理由も分からないまま突然にこんな奇妙な姿になったせいで、周りから蔑みの視線を受けるしかなくなっている。
それが悔しくて、仕方がないのだ。





今の容姿になってからというもの、外見が元で得をした例(ためし)は全くない。
水色の髪や嘴が気持ち悪いなどという理屈で因縁を付けてくる奴等と取っ組み合いをして格好悪く負かされたり、気まぐれにふらりと出かけた先で周りの人間に珍獣扱いされたりと、貧乏くじを引いてばかりいる。
こんな調子で一生を終えて墓穴に叩き込まれるなど、絶対に嫌だ。
何が何でも、普通の人間の姿に戻りたい。
それさえ叶えれば、俺は以前と同じように大手を振って歩ける。業腹な侮蔑の標的にされる隙もない、静かな生活に戻れるはずだ。
望みを実現するためには、毎日情報収集に励むしかない。傍目には怪しげに映る本に手を伸ばすのも、ひとえにその一環だった。





(…。)





朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴る寸前、全ての文章を読み終え、ページを閉じる。















「ふう…。」
太陽が傾き始め、日の光が少しだけ橙色に近くなってきた16時頃、一日の終了を告げるチャイムに混ぜて、小さく溜息を吐いた。
返却期限に間に合うよう『突然変異の歴史』に必死で目を通したのも無駄骨だったと脳裏をよぎる度、やり場のない不満が膨らんでしまう。
収穫が無いと最初から分かっていたなら、駄文を読破する時間を、ゲームに使えていたのに。
(これで氷華(ひょうか)に先に『スターザの迷宮』100%クリアされたりしたら、あの本燃やしてやらねぇと気が済まねぇな…。)
著者や出版社にしてみれば傍迷惑極まる悪態を胸中にこぼしながら昇降口で靴を履き替えると、グラウンドで部活動に精を出す者達の声を背に、家路を辿り出した。





夕刻とはいえ、やはり春先。夜の帳が今か今かと出番を待ち構えてはいるが、さして寒さは感じない。むしろ、昼間までの陽気が適度に冷やされていて、とても心地良かった。
車が行き交い、自転車が走り抜け、同じ道を辿る生徒達が無駄話をしながら歩いていく中を、重苦しい鞄を右肩にかけた格好で、ゆっくりと我が家に向かう。










「ただいまー。」
30分程歩を進めると、家に到着した。
鍵を外し、玄関の戸を開けて挨拶してはみたものの、返事はない。
(おっ。鬱陶しいのがいねぇな。)
これなら晩飯の用意も楽で助かると、内心浮かれながらリビングに踏み入った、次の瞬間。





「お帰り。」





「どわあ!!」





俺の眼前に、前触れもなく兄が登場した。
予想だにしなかった不意打ちに、無様にも大きく後退してしまう。
「ビビり過ぎだろ、お前。根性無いな。」
「しょうがねぇだろ!!帰って来てるの分からなかったし、いきなり視界の外から出て来られちゃ、ビビるに決まっとるわ!!」
帰り着くや否や下らない悪戯をされた腹立ちで疲労も忘れ、兄に突っ込みを入れた。
「ああ、はいはい。悪かった悪かった。で、飯はまだ?」
「え!?要るのか!?」
「当たり前だよ!晩飯無かったら飢え死にするだろうが!」
「ああ、そう。じゃ、是非とも晩飯抜きにしましょう。」
「ふざけろ!何か作って、頼むから!」
にべもなく背を向けて夕食の支度を断った俺に、兄はなおも喰らいついて来る。
外食を利用しても懐具合に支障のない相手からこうまで言われては、本当に食事を断たせる訳にもいかず、渋々根負けするしかなかった。
「…こんな急に言われたって、飯1杯とサラダと生姜焼き位しかできねぇぞ!」
「ああ、それでいいよ。」
「ったく、もう…。」
愚痴りながら、制服も着替えず台所に立ち、調理に取り掛かった。










「ご馳走様でした。」
「はいよ…。」
午後17時30分。
夜を待たずして用意した食事が平らげられ、食器の片付けまで済ませた頃。
精根尽き果てた俺は、暑苦しい学制服を装備したまま、リビングで仰向けに寝転んでいた。
言わずもがな、元凶は我が兄。簡単な献立しか提供できないと訴えたときには了承していたくせに、それらを胃袋の中に収めてから『やっぱりもう1品追加して』などと抜かしたのだ。
しかも突き付けられた注文は、よりによってナポリタン。
水を沸騰させ、麺を茹でた後で、さらに炒める必要に駆られる煩雑な料理であり、疲労の蓄積した身には迷惑な労働となった。
「お前、テンション低すぎだろ…もっと人生楽しめよ。」
「勝手抜かすな、このボケ!てめぇが変な時間から飯作れとか言ったせいで、妖霊武闘譚(ようれいぶとうたん)見逃したんだぞ!!これでハイテンションになれる訳あるか!!!」
「8時に再放送あるんだろ?それ見れば話は分かるんだし、別にいいだろうが。」
「ふん、分からねぇ奴め…学校終わりの夕方5時に、夕日が差し込む部屋で見るのが良いんだよ!そりゃ再放送見れば話は分かるけど、外が真っ暗じゃ風情がねぇだろうが!」
「アニメ見るのに、風情も何もないと思うんだけどな…とにかく、いい加減騒ぐなって。今更文句言ったって、5時に戻れやしないんだぞ。」
「だから、騒いでるのも貴様のせいなんだよ!!」
「お、そんなこと言っていいのかな?せっかくこの優しい兄上様が面白い話を見つけて来たのにさ。」
「何だよ、それ。」
御機嫌斜めながら、垂らされた釣り針にはとりあえず食い付いておく。
「…思いっきり疑ってるな、お前。」
「疑ってるんじゃねぇって。これっぽっちも信じてねぇだけだよ。」
「より悪いわ!!」










「…これって、結局参考になるのか…?」
兄は帰り際に図書館に寄って、数冊の本を借りて来ていた。その後、俺が帰宅するまでの間に『知られざる力の神秘』という題名の本を読んでみると、何箇所か気になる文章が見つかったのだと言う。
『誕生前か誕生後かを問わず、不可思議な力を持った人間がその力を失った、あるいは自ら放棄した例もある』という記述は確かに、印象に残った。
ただ、具体的にどういう方法でその不可思議な力を失くしたのか、もしくは自分から捨てたのかという、最も肝心な話は一切書かれていない。
これまでにも何度も目にした、期待させるばかりで結局得る物のない書籍と、同類だった。
「伝える気があるなら本気で伝えてもらいたいもんだよな。特に普通の人間に戻る方法とか、羽と嘴をなくす方法とか、ドラゴンウォーズのゲームの発売日とかを中心にさ。」
「どっちも大体意味同じだし、最後のは全然関係ないだろ!」
「バレた?」
「当たり前だ!」
俺が愚痴混じりにこぼした安い冗談に、兄は丁寧に指摘を入れた。
「…まあ、ドラゴンウォーズはともかく…ほら。こっちも読んでみろよ。」
兄は一冊の本を差し出して来た。
「『現代に残る異能の影』…?へえ…この本じゃ、変異種の力のことを異能って言ってるのか…。」
独り言ちながら栞が挟まれたページを開いた途端、俺は文章から眼を離す事ができなくなった。





そこには、事態の核心に触れる情報が書かれていたためだ。





『空高くそびえる大木がつける実を口にすると、異能をその身から失ったとの言い伝えがある』と。





「兄ちゃん、これって…!」
興奮を抑えきれず、ほとんど叫ぶようにして視線を向けると、兄も光を掴んだと言いたげに微笑んでいた。
「怪しい話だけど、気になるだろ。土曜日、行ってみないか?」
「行くって、この大木ってのがどこにあるか分かるのか?」
「いや分かるも何も、そんな高い樹なんか、樹王(じゅおう)ぐらいしかないだろ。」
「ああ、なるほど。樹王山(じゅおうざん)か。」
灯台下暗しを痛感しながら、ごく自然に手を打った。
この白砂町(しらすなちょう)の外れには、樹王山という名前の山がある。別段標高が高い訳ではないが、白砂町の話題になればほぼ間違いなく同時に言及されたり、町のガイドブックにも必ず掲載されるなど、その存在感は半ば観光地に近い。
左様に著名となったのは、頂上に巨木が根差した、特徴的な姿のためだ。『樹王』と名付けられ、山の呼び名にも使われているそれは、正に桁外れの高さを誇る。白砂町や近隣の町から樹王山へと顔を向ければ、否応なく視界に映るだけの威容なのだ。
兄の言う通り、『空高くそびえる大木』に該当する樹など、世界広しといえども樹王くらいのものだろう。
「そうだな、樹王に間違いねぇよな…もしかしたら…!」
期待に胸を膨らませる余り、途中で言葉が紡げなくなった。
今度こそ、やっと普通の人間に戻れるかもしれない。
ありふれた姿に戻って平凡な暮らしを送る夢が、遂に叶うかもしれない。
そんな希望的観測の連鎖で、興奮を抑えられずにいた。
「うおお…これは今から土曜が待ち遠しいな!って言うかこの際もう、明日サボって樹王山に―」
「アホかお前は!そんな理由で休んでたらキリないだろ!」
「いや、そう言われてもだな…。」
「そう言われても、じゃない!ちゃんと学校行けよ!」
「ああ、はいはい…。」
「はいは1回!」
「はい、分かりました…。」
兄から叱責されると、消沈を隠そうともせず、なげやりな返事をする。





小学生が喰らうような説教を今さらになっていただくのも酷い話だという感想は、寝室で布団を被って目を閉じた頃に、ようやく浮かんだ自省であった。
posted by 暇人 at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 光の翼
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