「バイリンガルでやろうとしてるヤツ、とにかく歌に何か英語のフレーズを入れりゃカッコ良いと思ってるヤツらに向かって『ダッセーなー』って言ってる」
―K DUBさんの中でいわゆるバイリンガル・ラッパーに例外はないんですか?
「うん、お前らキモイって感じ」
(中略)
「音楽業界っていうか、芸能界が嫌いなんだよね。やれ●●●アワードとか」
―でも、行ったんでしょ?
「それなりに楽しんだ(笑)。キング・オブ・バックステージだから」
―"オレのライムになんか文句あるなら作ればいいアンサー・ソング"っていうラインも、
解釈によっては暴力に訴えるのが筋じゃないだろ、という意味にも取れますね。
「来るなら来い、と。だから、返したくなってるヤツもいっぱいいるんじゃない?
でも、だからってオレはそれにいちいち返さないし。
上手(うわて)ですから、こっちの方が。オレがディスるのはリアルじゃないヤツなの」
―ディスの対象でK DUBさんを好きな人とかいるんじゃないですか?
「リトル(Kick the can crew)が『オレはオレ』好きらしいよ。
でもRipSlymeとKick the can crewは、前会った時にもうディスらないって言ったの」
―そんなこと宣言されても困るでしょ。
「ホッと胸を撫で下ろしてるでしょ」
このインタビューを受け、DEV-LARGE(DL)は『Ultimate Love Song』が発表する。これに驚いたのが当のK DUBだ。形式上、『THREE SOME』でアンサーを返したものの、まずいと思ったのか、すぐにラジオ番組であるDJ KAORI 715に出演をし、弁明を行う。
「まあ、オレも今まで色んな人をDisって来た手前、1発ぐらいアンサー返しとかないといけないかなーって思って、(サクッと)アンサー返しときました。けどさ、(DLはクスリでもやっている)んじゃないのー?
(『理由』の歌詞「ライムバトルでブッダを食った」は)
DL(のスキル)について語ったんじゃなくてー、
NYでバトルになったとき、たまたま向こうの持ちネタが 先に切れただけでー、その後オレらがギドラのテープ渡したら、向こうもテープ送ってきて、ヤツが日本に帰ってきたときも、オレの家の近くに住んだりして、いろいろ世話を焼いたりとかもしてて。オレは今でも仲がいいと思ってたんだよ。何かある日を境に、FUNNYになっていっちゃったわけよ。
もう、勝手に熱くなってろって。
オレの新しいアルバム聞いてくれれば、DISとか全然そんなの関係ない、アーティストとして頑張ってるってこと判ってくれると思うよ。」
しかし、この弁明はDLには受け入れられなかった。
逆に、DLもK DUBの様々な場所での発言を受け、ラジオ番組に出演することになる。
DL:曲の歌詞を聞いた時点ではカチンとはきてなかったんだけど、そっから一週間くらい経って。ま、過去のアイツがオレに対して色んなこと言ってた事、avex時代「無駄MCばっか電力浪費」とか「サブリミナルの」とか色々あって、ふざけんなって思ってたんだけど。ま、それでカチーンときて、やっぱこいつ今回名指しできて、しかもなかった事をハッキリとあたかもあったかのように「ブッタを喰った」って言い切ったから。あの場にブッタは居なかったんだ。俺しか居なかった。その辺から納得いかなくて、コイツひっぺがしてやんねぇとって。
んで、曲録って何人か気心の知れた4人くらいの人に渡しといて、好きなようにしてくれって。そのなかの人がネットを知ってたみたいで、いい感じにばら撒いてくれて。
二発目は意図的に、当然の様にアイツがショボいアンサー返してきたんで
―なるほどね。まぁ、モノを言うという事は責任を伴うからね。
DL:いや、俺からするとね、ありもしねぇ事実を捏造して偽善者ぶり、お涙頂戴作戦で色んな事をラジオに出てあーだこーだ・・・
例えば、俺の住居の世話をしたって、アイツいつしたんだよって感じだし、アドバイスくれたってなんだよそれって感じで。
俺はアイツが日本に先に帰ってきた時点で、「お前調子どーなの?」みたいな感じで「日本でどういう風にやってんの?」って聞いただけで、別にアドバイスなんかもらってねぇのに。ラジオにでて「あー俺はコンちゃん(DL)に色々アドバイスしたのにぃー」みたいなこう恩着せがましく言いやがってるトコも事実無根な事なんで。俺はもうハッキリコイツ潰さねぇとならねぇなぁと思って。
―なるほど、んじゃ今でもその気持ちは変わらない?
DL:いやもし正気でコイツがそういう事言ってんだったら、相当ひでぇ狂言癖だし、パラノイアだと思うし。まぁ、いつでも売るなら買うし買うなら売るしって感じで。
コイツに気付いてもらいたいのは、いくら巧く人を騙せても、てめぇ自身はけして騙せないって事。てめぇの胸に手を当ててよーく思い出せって事。「1ラインだけのフリースタイルバトルがどうのこうの」つっているけど、人間性のトコの問題だと俺は思うし。ってか、こんな熱くなってもしょうがないんだけど・・・
そういう人間が人の前に立ってモノを言っているっていう現実をリスナーに分かってもらいたい。
で、そこでCDを聞いて真に受ける人もいいし、そういうことを言っているその人のキャラクターが天然だって分かっていて、全てを踏まえた上で、でも面白いからイマジナルプレイヤーが言っている事を楽しんで聞こうって人がいるならそれはそれでOK。
ただ俺は真実を白日の下に晒したかった、そこが一番のポイントなんすよ。
で、俺が一番リスナーに促したいのはそういった事って、
ヒップホップ問わず社会であたかも空想や間違った事が本当の様に伝えられている報道、新聞、TV色々あるよね。
そういった部分を一歩下がった冷静な視点で物をみて、
で、その中で何がホントかっていう“射る、見る、見抜く”そういう心眼っていうか目を、
これから支えるような、今聞いているようなリスナーの子達ってたぶん19とか18とかだと思うんで。そういう子達に、俺は別に社会派でもなんでもないし、別に偽善者ぶろうとも思ってないけど、そういう目でモノを見て欲しいなと思って、今回あえて汚れ役っていうか。当然こんな曲だせば俺が今までやってきた事ってなんなんだよとか、俺のファンが離れるのもあると思ってるけど。
―当然言われたでしょ?言われたに違いないと思うんだよね。
DL:うん、でもそれでも俺はコレを出さざるを得なかった。何故なら事実無根な事を言われてるんで。まぁ、これは男として納得がいかないんで、俺はとことんやろうと思ってるし。
ただでも馬鹿らしいのも事実で、こんな事の為に時間を費やして、こんな一生懸命こんな曲を書いてるっていうのがある種こう、好きなオンナに対して一生懸命誠意を尽くすっていうような、なんか馬鹿らしいけどラブレターっていうかラブソングっぽいんで、それでおちょくってULTIMATE、究極のラブレターっていうタイトルにしたわけなんですけど。
―わかるわかる、なるほどなー。でもヒップホップはラッパーなんだし書きてぇと思った意志があったら書くのが普通だから俺は正しいと思うけどね。
DL:だから文句があんならアイツもDISってこいよって事だから
―K DUBが言いたけりゃ言う機会だってあるわけだし、言わないかもしんないし。それは分からない。
DL:そーそー、アンサー返してくりゃいいと思うんだよね。
人に書かされたくないだのなんだかんだ言って、全部アイツの情報は俺に入ってきちゃうから。求めてないのに色んな人に「DLに対してアンサー書きたいから誰々クン一緒に書こうよ」とか言ってる話も全部入ってきてるし、もうこれ以上武士の情けで言わねーけど、ニイジマスタイルも全部知ってるし、くるならこいやって感じなんだよねー。
しかもね、どーでもいいけど、俺が一番頭くんのはケオリ(DJ KAORI)のラジオに出て、アイツはラジオの中で「来てって言われたから来たんだよ」って言ったんだけど、裏取ったらアイツが出たいんで出させてくれって頼んで出てんのね。
そういう第三者っていうか偽善者ぶって「呼ばれたんでボクは来たんですよ」っていうフリして、わざわざそれをラジオで言って、それがテメェがどれくらい良い人間かっていうフリしてやっている。そういうポージングの姿勢が納得いかないのね。
これだけじゃなくて事実をザクザク持ってんだけど、ま、これ以上は恥を欠かせないんで言わないけど。だからBEEFがあんなら来いよって感じで。俺わざわざ今日ラジオに出て言う気も無かったんだけど、今日はハッキリいうとRYU君に頼んで出ました。
―そうだね。
DL:なぜならアイツが他のラジオ、媒体等で色々俺の事を言うのが分かっているから。
せめてこれだけ影響力のあるこのラジオ番組で、何が真実かって話をする事によって、アイツが今後振りまくであろう嘘、偽り、偽善全ての物がシャットアウトできると思ったんで。わざわざ今日出させてもらいに来て、ホント感謝している。そういう気持ちでいっぱいですね。でも、これだけで終わらせたくないんで。で、それはBEEF続けようって意味じゃなくて、今日は前向きなホントに。
「こうやって両方の話をみんな聞けて良かったと思います。後はリスナーのみんなが決める事だからね」とインタビューは結ばれたが、まさにその通りだと思う。
ただ、当時のメディアが、この件を扱わなかった理由を「下手に扱うとアメリカのような暴力沙汰に発展してしまう危険性があり、そういう流れを作りたくない」と語っているように、まだまだリテラシーに問題があるのも事実。
フットボールでは、モウリーニョ監督がだれ彼構わず喧嘩を売っているが、それはエンターティメントの枠の中であり、物騒な事件には発展しない。それがエンターティメントというものではないだろうか。
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