2017年09月29日
漫画『青のオーケストラ』1巻の感想とあらすじ キラキラした音を奏でるTHE青春ストーリー
『青のオーケストラ』1巻の感想。
青のオーケストラ
著者:阿久井 真
掲載:マンガワン/裏サンデー
1巻発売日:2017年7月19日
たった4本の弦。そこから奏でられる音が俺を掴んで話さない。
今でもときどき、思い出すんだ・・・。
音が大好きだった・・・あの頃のことを・・・。
高校受験を控えた中学3年生の少年・青野一(あおの はじめ)。既に季節は秋に差し掛かっているにも関わらず、志望校の一つも決められない無気力な毎日を過ごしていた。
父親がプロのヴァイオリニストだったから、幼少期より厳しい練習の日々を送り、自身も天才少年と称えられるほどの実力者に成長したハジメ。しかし、とある家庭内での出来事がきっかけで、現在はヴァイオリンを弾くことから距離を置いていた。
そんなある日、怪我をしたハジメが保健室で眠っていると、夢の中にまで聞こえてきた雑音のようなヴァイオリンの音に目を覚ます。すると、飛び起きたハジメの前には、ヴァイオンリンを構えた一人の少女が・・・。
少女との出会いが、高校オーケストラとの出会いが、奏でることを辞めていた少年の時間を再び動かしていく――。
とある理由からヴァイオリンを辞めてしまった元天才少年が、一人の少女との出会いをきっかけに再び音楽の道を歩み始め、ソリストだった彼が高校のオーケストラ部で青春を奏でる物語。
アンサンブル青春ストーリー。帯での謳い文句は「青春の、曲が始まる」。小学館がリリースしているコミックアプリ「マンガワン」にて2017年4月25日から連載開始。裏サンデーにも2017年5月2日から掲載開始。
作者はアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』のコミカライズ版を担当されていた女性漫画家・阿久井真(あくい まこと)先生。
なんか年を重ねるごとに、青くてクサ過ぎる青春マンガを読みたくなることが増えてるように思えます。かつてを懐かしむ気持ちが強くなっているのか、年をとってきたなと感じる今日この頃。・・・いや、まだ30にもなってないんですけどね。
青春マンガの主人公と言えば、『BLUE GIANT』の宮元大みたいに、どんな壁が立ち塞がろうとも、うだうだ悩むことなく一直線に夢へ向かってひた走る熱血主人公。或いは『青のフラッグ』みたいに、自分に自信が持てない根暗な主人公。だいたいこの2タイプに分かれているかと。
かならずしもそうではありませんけど、前者は周囲に影響を及ぼし、後者は逆に周囲からの影響を受けて成長していきますね。どちらにもそれぞれの味わいがって良いものです。
今回紹介させていただく漫画『青のオーケストラ』は、ちょっと暗い影を落とした主人公による青春物語。
この作品、あの『四月は君の嘘』を彷彿とさせるキラキラ感のある作品でしたね。ただ、こちらはオーケストラ部での話になっていくので、演奏描写はまた違った魅力を見せてくれそう。
内容をざっくり説明しますと、家庭内でのめんどくさい問題が原因でヴァイオリンを弾かなくなった少年が、ヴァイオリンを始めたばかりのちょっと強引な少女との出会いをきっかけに、奏でることの楽しさを思い出し、演奏を再開して彼女と一緒にオーケストラ部のある高校へ進学するというお話。
もっと簡単に一言で表すなら、“THE青春”音楽漫画。斬新さには欠けるものの、定番の旨みを如何なく発揮している内容で展開され、音楽が青春のさわやかさをさらに引き上げていますね。
主人公は運動オンチの少年・青野一(あおの はじめ)。プロヴァイオリニストの父親を持ち、ハジメ自身も才能と音楽の環境に恵まれたこともあって、天才と呼ばれるほどの技術を身につけていました。運動が苦手なのは、手を怪我しないようにと父親から遊びやスポーツを禁止されていたから。
ただ、中3のハジメはヴァイオリンを辞めています。その原因になったのは、くしくも技術を叩き込んだ師でもある父親。演奏者としては一流であっても、夫、父親としては誉められた人ではなかったようで、とある事情から母親は離婚へ。ハジメは出ていった父親を思い出さないように、楽しかったヴァイオリンを弾くことから距離を置いてしまいました。
これまでがヴァイオリン一筋だったこともあって、スポーツはもちろん、勉学の方も目を覆いたくなる散々な有様のうえ、無気力でちょっと暗い。
まあ、この状況では無気力になるのも頷けます。
そんな世界を閉ざし気味のハジメが出会ったのは、保健室でヴァイオリンを弾いていた本作ヒロイン・秋音律子。勝気で強引なところもあるけど、真っ直ぐな性格をした可愛い女の子。
彼女は保健室登校しながら生徒指導の武田先生からヴァイオリンを学び、オーケストラ部のある高校への進学を目指しています。
で、ハジメの演奏を聴いたことがある武田先生から、まだ初心者レベルであった律子の指導を頼まれ、ハジメはしぶいぶヴァイオリンを教えることに。ここから青春が一気に加速していきます。
以降の展開も王道ど真ん中。ハジメは律子の強引さにうんざりしながらも、そのひたむきに努力する姿勢に少しずつアテられていきます。彼女の想いと眩しい姿に胸打たれたハジメは、かつて純粋に音を楽しんで奏でていた自分の姿を思い出し、再びヴァイオリンを手に取るという流れ。
一切奇をてらわないストーリー展開は清清しく、思春期の特権とも言える青さもしっかり出ていたと思います。やはり青春とはこうあるべきもの。
同じオーケストラ部のある高校を目指すにあたり、律子にヴァイオリンを教えるハジメと、ハジメに勉強を教える律子。2人のやりとりは面白いだけではなく、こんな風に助け合う関係は素敵とも言えますね。
努力の甲斐あって武田先生の母校でもある海幕高校へ合格した2人は、いよいよ目標でもあったオケ部の体験へ向かいます。そこでハジメはライバルとも言える相手と巡り合い、2巻へ。
こんな感じでいかがでしたでしょうか?青春を王道ストーリーによってさわやかに奏でる漫画『青のオーケストラ』1巻の紹介でした。
1巻はほぼ丸ごとプロローグと言ってもよろしいかと思われます。楽器を置いていた主人公が再び演奏を再開し、目標を見つけて走り出すまでを描いた内容ですね。本番となる高校のオーケストラ部での活動は2巻から本格始動。
青春を感じさせてくれる描写やセリフの表現がグッド。とにかくベタではありますが、ベタだから良い、ベタで良いんですと強く主張したくなる作品。もうキラッキラで眩しい・・・。
演奏シーンに関しては2巻からが本番のため確かなことはまだ言えません。ただ、音楽漫画で何よりも重要とされる作画に関しては、言う事ないぐらい高い画力で描かれていたので、オケでの演奏シーンもおおいに期待を持てるかと。その片鱗を伺える描写も1巻内にありましたからね。
人間関係に重きを置いていく内容になりそうです。音楽を通した人と人との繋がり、成長と葛藤、あと恋もあったらさらに良いなと思ってます。
青春はまだ始まったばかり。これから彼らはどんな音を奏でてくれるのか、とても楽しみです。
【eBookJapan】 青のオーケストラ
↑無料で試し読みできます
青のオーケストラ
著者:阿久井 真
掲載:マンガワン/裏サンデー
1巻発売日:2017年7月19日
あらすじ・概要
たった4本の弦。そこから奏でられる音が俺を掴んで話さない。
今でもときどき、思い出すんだ・・・。
音が大好きだった・・・あの頃のことを・・・。
高校受験を控えた中学3年生の少年・青野一(あおの はじめ)。既に季節は秋に差し掛かっているにも関わらず、志望校の一つも決められない無気力な毎日を過ごしていた。
父親がプロのヴァイオリニストだったから、幼少期より厳しい練習の日々を送り、自身も天才少年と称えられるほどの実力者に成長したハジメ。しかし、とある家庭内での出来事がきっかけで、現在はヴァイオリンを弾くことから距離を置いていた。
そんなある日、怪我をしたハジメが保健室で眠っていると、夢の中にまで聞こえてきた雑音のようなヴァイオリンの音に目を覚ます。すると、飛び起きたハジメの前には、ヴァイオンリンを構えた一人の少女が・・・。
少女との出会いが、高校オーケストラとの出会いが、奏でることを辞めていた少年の時間を再び動かしていく――。
とある理由からヴァイオリンを辞めてしまった元天才少年が、一人の少女との出会いをきっかけに再び音楽の道を歩み始め、ソリストだった彼が高校のオーケストラ部で青春を奏でる物語。
アンサンブル青春ストーリー。帯での謳い文句は「青春の、曲が始まる」。小学館がリリースしているコミックアプリ「マンガワン」にて2017年4月25日から連載開始。裏サンデーにも2017年5月2日から掲載開始。
作者はアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』のコミカライズ版を担当されていた女性漫画家・阿久井真(あくい まこと)先生。
感想
なんか年を重ねるごとに、青くてクサ過ぎる青春マンガを読みたくなることが増えてるように思えます。かつてを懐かしむ気持ちが強くなっているのか、年をとってきたなと感じる今日この頃。・・・いや、まだ30にもなってないんですけどね。
青春マンガの主人公と言えば、『BLUE GIANT』の宮元大みたいに、どんな壁が立ち塞がろうとも、うだうだ悩むことなく一直線に夢へ向かってひた走る熱血主人公。或いは『青のフラッグ』みたいに、自分に自信が持てない根暗な主人公。だいたいこの2タイプに分かれているかと。
かならずしもそうではありませんけど、前者は周囲に影響を及ぼし、後者は逆に周囲からの影響を受けて成長していきますね。どちらにもそれぞれの味わいがって良いものです。
今回紹介させていただく漫画『青のオーケストラ』は、ちょっと暗い影を落とした主人公による青春物語。
この作品、あの『四月は君の嘘』を彷彿とさせるキラキラ感のある作品でしたね。ただ、こちらはオーケストラ部での話になっていくので、演奏描写はまた違った魅力を見せてくれそう。
内容をざっくり説明しますと、家庭内でのめんどくさい問題が原因でヴァイオリンを弾かなくなった少年が、ヴァイオリンを始めたばかりのちょっと強引な少女との出会いをきっかけに、奏でることの楽しさを思い出し、演奏を再開して彼女と一緒にオーケストラ部のある高校へ進学するというお話。
もっと簡単に一言で表すなら、“THE青春”音楽漫画。斬新さには欠けるものの、定番の旨みを如何なく発揮している内容で展開され、音楽が青春のさわやかさをさらに引き上げていますね。
主人公は運動オンチの少年・青野一(あおの はじめ)。プロヴァイオリニストの父親を持ち、ハジメ自身も才能と音楽の環境に恵まれたこともあって、天才と呼ばれるほどの技術を身につけていました。運動が苦手なのは、手を怪我しないようにと父親から遊びやスポーツを禁止されていたから。
ただ、中3のハジメはヴァイオリンを辞めています。その原因になったのは、くしくも技術を叩き込んだ師でもある父親。演奏者としては一流であっても、夫、父親としては誉められた人ではなかったようで、とある事情から母親は離婚へ。ハジメは出ていった父親を思い出さないように、楽しかったヴァイオリンを弾くことから距離を置いてしまいました。
これまでがヴァイオリン一筋だったこともあって、スポーツはもちろん、勉学の方も目を覆いたくなる散々な有様のうえ、無気力でちょっと暗い。
まあ、この状況では無気力になるのも頷けます。
そんな世界を閉ざし気味のハジメが出会ったのは、保健室でヴァイオリンを弾いていた本作ヒロイン・秋音律子。勝気で強引なところもあるけど、真っ直ぐな性格をした可愛い女の子。
彼女は保健室登校しながら生徒指導の武田先生からヴァイオリンを学び、オーケストラ部のある高校への進学を目指しています。
で、ハジメの演奏を聴いたことがある武田先生から、まだ初心者レベルであった律子の指導を頼まれ、ハジメはしぶいぶヴァイオリンを教えることに。ここから青春が一気に加速していきます。
以降の展開も王道ど真ん中。ハジメは律子の強引さにうんざりしながらも、そのひたむきに努力する姿勢に少しずつアテられていきます。彼女の想いと眩しい姿に胸打たれたハジメは、かつて純粋に音を楽しんで奏でていた自分の姿を思い出し、再びヴァイオリンを手に取るという流れ。
一切奇をてらわないストーリー展開は清清しく、思春期の特権とも言える青さもしっかり出ていたと思います。やはり青春とはこうあるべきもの。
同じオーケストラ部のある高校を目指すにあたり、律子にヴァイオリンを教えるハジメと、ハジメに勉強を教える律子。2人のやりとりは面白いだけではなく、こんな風に助け合う関係は素敵とも言えますね。
努力の甲斐あって武田先生の母校でもある海幕高校へ合格した2人は、いよいよ目標でもあったオケ部の体験へ向かいます。そこでハジメはライバルとも言える相手と巡り合い、2巻へ。
こんな感じでいかがでしたでしょうか?青春を王道ストーリーによってさわやかに奏でる漫画『青のオーケストラ』1巻の紹介でした。
1巻はほぼ丸ごとプロローグと言ってもよろしいかと思われます。楽器を置いていた主人公が再び演奏を再開し、目標を見つけて走り出すまでを描いた内容ですね。本番となる高校のオーケストラ部での活動は2巻から本格始動。
青春を感じさせてくれる描写やセリフの表現がグッド。とにかくベタではありますが、ベタだから良い、ベタで良いんですと強く主張したくなる作品。もうキラッキラで眩しい・・・。
演奏シーンに関しては2巻からが本番のため確かなことはまだ言えません。ただ、音楽漫画で何よりも重要とされる作画に関しては、言う事ないぐらい高い画力で描かれていたので、オケでの演奏シーンもおおいに期待を持てるかと。その片鱗を伺える描写も1巻内にありましたからね。
人間関係に重きを置いていく内容になりそうです。音楽を通した人と人との繋がり、成長と葛藤、あと恋もあったらさらに良いなと思ってます。
青春はまだ始まったばかり。これから彼らはどんな音を奏でてくれるのか、とても楽しみです。
青のオーケストラ 1 (裏少年サンデーコミックス) | ||||
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