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2017年09月04日

漫画『宇宙戦艦ティラミス』1巻の感想とあらすじ ひきこもりパイロットが宇宙で孤独(ぼっち)な戦いを送るSFギャグ

『宇宙戦艦ティラミス』1巻の感想。


宇宙戦艦ティラミス
原作:宮川 サトシ  作画:伊藤 亰
掲載:くらげバンチ
1巻発売日:2016年5月9日


あらすじ・概要

時は宇宙暦0156年、舞台は広大な宇宙――。
地球連邦政府と宇宙移民との抗争が激化の一途を辿るなか、連邦軍は新鋭攻撃空母「ティラミス」を出航させ、戦局の打開を図ろうとしていた。
宇宙戦艦ティラミスの若きエースパイロット・スバル・イチノセは、相棒である専用の汎用人型兵器「デュランダル」に搭乗する孤高の天才。しかし、自ら希望して配属されたにも関わらず、年上ばかりの現場生活にいまひとつ馴染めないでいた彼は、デュランダルのコックピットに引きこもりがちの“ぼっち”になっていた。
出撃直前のコックピット内で串カツを食べようとするスバル。彼は思春期の殻を破り、このぼっち生活から抜け出せる日は果たして訪れるのだろうか。

ロボットのコックピットに引きこもりがちな若きイケメンエースパイロットの、宇宙戦艦での残念極まりない生活が繰り広げられる物語。
宇宙を舞台にしたギャグ漫画。帯での謳い文句は「孤独のコックピットギャグ誕生!!!」「地球を守れ!ひきこもり」。WEBマンガサイト「くらげバンチ」にて2015年10月から連載開始。
原作はPV数500万を超えた『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』宮川サトシ(みやがわ さとし)先生。作画は高い画力を誇る新鋭の漫画家・伊藤亰(いとう けい)先生。

感想

アニメでも漫画でも多くの名作が生み出されてきたジャンル「SF」。そのなかでロボットと共に花形とされているロマンの塊と言えば、もちろん「宇宙戦艦」です。
みなさんだったら何を思い浮かべますでしょうか?「ヤマト」や「アルカディア号」、そしてガンダムシリーズでも多くの名物戦艦が誕生しています。個人的には作品自体が好きなこともあって、「ナデシコ」と「そよかぜ(無責任艦長タイラー)」辺りの印象は特に強く残ってます。始めてこれらの作品にふれたときは興奮しまくりでしたね。
まあでも、最近はこういった強く記憶に残るSF作品とはなかなか巡り合えないもので、ちょっと物足りなさを感じています。そんな時、本屋の棚を眺めていたら目に飛び込んできた「宇宙戦艦」の文字。「おっ」と手に取ったのが今回紹介させていただく『宇宙戦艦ティラミス』です。帯のコックピットギャグに首を傾げてしまいましたけど。

壮大なスペースオペラの幕がいま、開かれ・・・ませんでした。残念。
宇宙を舞台に、連邦軍のエースパイロットなのにコックピットに引きこもる19歳の男子が、戦艦生活のなかでやたら不憫な目に合うぼっちな戦いの様子を描いたお話。
シュールなSFギャグ漫画。帯の謳い文句からギャグ要素を含んでいるのは覚悟していましたが、これほどくだらないギャグを終始撃ち込まれ続けるとは思ってもいませんでした。
パっと見はSF風のカッコイイ表紙イラストなのだけど、よく見ると色々おかしな物が浮いてることに気づきます。ただ、新刊だとその辺りちょうど帯で隠れてるから困る。ホント最近画力を無駄遣いしてるギャグ漫画増えましたね。

世界観(だけ)は完全にSF作品の様相。果てなく広がる星の海を舞台に、地球連邦と宇宙移民が長く抗争を繰り広げているというガンダム的な世界観。連邦が出航させた宇宙空母「ティラミス」には汎用人型ロボット兵器が積載され、そのなかで主人公は専用機「デュランダル」を駆る若きエースパイロットとして活躍。
だがしかし・・・壮大な物語を生み出すことも可能であろうSF調の世界観を嘲笑うかのように、全編通して多く描かれているのはロボットのコックピット。
読者が見せられるのは戦いに身を置く者たちの人間ドラマでもなければ、迫力ある戦闘シーンでもなく、ぼっちなイケメン天才パイロット・スバル・イチノセの「宇宙あるある」交えた残念エピソード集。
これはSFの皮を被ったギャグコメ漫画。あるいは、特定の舞台で繰り広げられる日常系漫画だったのかも。

主人公のスバル・イチノセは優秀なイケメンエースパイロット。しかし、社交性が乏しい彼にとって個性が強い年上ばかりの生活は苦痛を伴うもの。結果、唯一逃げ込めるデュランダルのコックピットを自身の聖域とし、引きこもりがちな生活を送るようになりました。

そこでの生活の様子がとにかくバカでアホで残念極まりないことが最大の特徴。
便所飯さながらのコックピット飯で惨事を招いたり、
戦闘中に後ろ前逆だったTシャツをなんとか着なおしたり、
おせっかいなおばちゃんメカニックに聖域を侵略されたうえにお宝DVDを整理されちゃったり、
クリスマスにうかれてデュランダル使ったイルミネーションに精を出したり、
さらにはスバルの兄が・・・。

本人にふざけてる気なんてさらさら無く、何に対してもいたって真剣。しかし、美麗なイラストとのギャップで描かれた襲い来る試練の数々は、見てる側からすると愉快な珍事件でしかありません。
ぼっちならではの、そして思春期ならではの失敗エピソード。彼の湧き上がる衝動の数々は誰しもに訪れる類にものなのかもしれません。ただ、舞台を宇宙に移すと、そしてちょっとした宇宙あるあるネタを織り交ぜると、かつてないバカバカしい珍事に変貌を遂げることになります。

ということで、無駄に高い画力で描かれている宇宙を舞台にしたぼっち男のギャグコメ漫画『宇宙戦艦ティラミス』1巻の紹介でした。
かなり予想外の内容でしたけど面白かったです。本来のテンプレ展開をくずしてコメディ調にしてしまう手法はファンタジー作品ではよく見るところ。それをついにSFでやっちゃったのがこの作品。
爆笑というよりは呆れながらクスっと笑いながら読める漫画ですかね。ちょっと精神的にお疲れ気味の方が読むにはとても良いのではないかと思います。実にバカらしい内容で1話完結というのも読みやすいかと。
期待してたのとはちがったけど個人的には好きです。すでに2巻、3巻と出ているので読んでみようと思います。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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