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2017年07月03日

漫画『あかねのハネ』1巻の感想とあらすじ

『あかねのハネ』1巻の感想。


あかねのハネ
著者:磯谷 友紀
掲載:ヒバナ
1巻発売日:2017年3月10日

あらすじ・概要

中学では女子サッカー部で活躍していながら、父親の転勤によって九州の田舎から東京へ引っ越すことになった深山あかね(みやま あかね)。高校でもサッカーを続けるつもりでいたあかねだったが、強豪校への受験に軒並み失敗してしまい、なんとか決めた新天地には女子サッカーがなかった。
どの部活に入るかで迷っていると、あかねの経歴と身体能力に目を付けたバドミントン部のコーチ・汐里先生に誘われ、見学へ訪れた際バトミントンにふれたことで入部を決意する。しかし、クラスメイトのバトミントンの天才少女・鈴木佐羽子(すずき さわこ)は、そんな初心者でありながら憧れのコーチに目を掛けられているあかねが気に入らないようで・・・。
バトミントンとの出会い、佐羽子との出会い、それはあかね青春を大きく変えることになる。

中学では女子サッカー部で活躍していた勝つことが大好きな少女が、高校で経験者と実力者揃いのバトミントン部に入部し、ときに初心者であることで邪魔者扱いされながらも、持ち前の高い身体能力とポジティブ思考で挑戦していく話。
「バトミントン」に情熱を燃やす少女たちの姿を描いた青春ストーリー。2016年6月7日発売のヒバナ7月号より連載スタート。
作者は『王女の条件』や『海のドリトル』で知られる女性漫画家・磯谷友紀(いそや ゆき)先生。作者先生にとっては初のスポーツモノ。

感想

今までやってきた事とは異なる新しい世界に挑戦すること、それはそうたやすいことではありませんね。やはり失敗のリスクも低くはないので、特に私みたいな小心者は、不安や怖さが足枷になって一歩を踏み出すだけでもかなりの覚悟と時間が必要。それが趣味程度ならまだしも、本気でやるなら年齢の問題もありますし、どうしたって幼い頃から始めてる人の方が遠い先を走っているので追いつくのも一苦労。相手が立ち止まってくれてるわけでもないですから。
でもなかには、そういったことを楽しめる人や、勇気や根性で怯むことなく突き進める人もいて、私なんかは羨ましさや情けない気持ちになると同時に見習わなきゃいけないなと思うわけですが・・・まあ、思ってるだけじゃだめですね。
さて、そんな私のどうでもいい話は置いといて、今回紹介させていただく漫画は『あかねのハネ』。元サッカー少女が新天地でバトミントンに挑戦するなかで仲間と青春する作品です。

九州の田舎で育った少女・深山あかねが主人公。中学では女子サッカー部のエースとして活躍するも、最後の夏の大会を目前に父親の東京転勤によって転校を余儀なくされてしまいます。東京でもサッカーをと思っていたあかねでしたが、なんとか合格できた三ノ宮高校はスポーツ強豪校ながら女子サッカー部がない学校。ないならユースクラブに入ろうかと考え始めていた折、学校の体力測定でバトミントン部(羽球部)のコーチ・汐里に目を付けられて勧誘を受けたことと、同じクラスの普段は無口だけど実はバトミントンの天才少女だった鈴木佐羽子のプレイを目にしたことで興味を引かれ、入部を決意しました。
主人公で初心者のあかねはバトミントンを本気でやるには年齢的に遅すぎると言われながらも、勝つことを目指して頑張るのですが、もう1人の主要キャラ・鈴木佐羽子は彼女のことが気に入らない様子です。
バトミントン初心者のあかねや天才少女の鈴木佐羽子、それからマネージャーのミカなど、バトミントンで巡る少女たちの物語ですね。正統派のさわやかな女子スポーツモノといった感じの内容で、若干ですけど百合っぽさもありましたね。

ちょっと独特な雰囲気を持つ主人公・あかねの魅力が大きいかと。身体能力は抜群、根性もある。とはいえ、バトミントンに関してはズブの素人。しかも、三ノ宮バト部は全国にも選手を輩出している強豪校なので、部員はみんなそれなりの経験者で初心者はあかねだけという状況。
ただ、あっけらかんとした性格というかちょっとふわふわしてる子なので、バトミントンは彼女の現在の年齢で始めても遅過ぎるなど、誰かに否定的なことを言われてもあまり気にしてないように見えます。鈍感なだけかもしれませんけど。
普段はふわっと気の抜けたようにも見える彼女ですが、「勝つ」ことへの渇望が非常に強く、勘も良く、失敗をネガティブに捉えず次のステップへの励みにするポジティブ性など、とてもアスリート向きな特性の持ち主。始めるのが遅くでも遊びなんてことはなく、あかねの「やるなら1番」なんてところも良かったですね。

才能の片鱗はチラっと見せていたあかねですが、そんな彼女のことを快く思っていない天才少女・鈴木佐羽子。普段は声が小さく気も弱そうに見える子でありながら、バトミントンでは全国どころか五輪金メダルを目標に据えている意識の高い子。
佐羽子にとっては初心者が部にいること自体よろしくない状況なうえ、憧れの汐里コーチがその子に執心してるものだから心中穏やかではありません。バトミントンに関しては誰がどう見たって佐羽子が遥か彼方を走っているのですが、見ていて心配になるのはあかねよりもむしろメンタル部分が脆そうな彼女の方ですね。あかねのこれからの動向や成長は「楽しみ」で目が離せないのに対し、どことなく危うい雰囲気のある彼女はちょっと「心配」で目が離せない。
どちらも種類は違っても応援したくなるということは変わりありませんし、これから先この2人の距離がどう縮まっていくのかも気になるところです。

そんなこんなで、バトミントンに青春をかける少女たちの姿を描いた漫画『あかねのハネ』の1巻紹介でした。主人公を筆頭にキャラクターがとても魅力的で、ストーリーが解り易く話のテンポも良いので読みやすかったですね。
近年ではオリンピックでの活躍によってメディアでもよく取り上げられるようになった競技なので、解りやすいバトミントンの解説も織り交ぜてくれているのはありがたい。
これからの展開については、あかねの成長と共に、佐羽子との関係がやはり気になります。ライバルとして切磋琢磨していくのか、それとも・・・。
1巻はまだ序盤も序盤といった感じの内容ではありますが、続きがとても楽しみにさせてくれる面白味のある作品でした。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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