2016年09月20日
漫画『にじいろコンプレックス』1巻の感想とあらすじ
『にじいろコンプレックス』1巻の感想。
にじいろコンプレックス
著者:ばったん
掲載:ヤンマガKCスペシャル
1巻発売日:2016年5月20日
両親の離婚をきっかけに、生まれ育った賑やかな都会を離れ、母親の実家に連れてこられた新妻さやか。そこはゲーセンやカラオケなど、東京に当たり前のようにあったものは何もなく、あるのは畑に山に黒い海、それと汚いラブホテルと平たい家ばかりのド田舎だった。華やかな街で育ったさやかにとって、ここは灰色の世界。そんな田舎の高校に通う女子高生たちは、日々を楽しく過ごしながらも、制服の下には悩みや葛藤といった秘密(コンプレックス)を抱えながら、笑顔で一生懸命生きている。これは、制服の中に秘めた想いを抱えている女子高生たちのオムニバス。
なにもない田舎の女子高を舞台に、そこで明るく楽しく暮らす女子高生たちの、繊細で脆い心の内をオムニバス形式で描いた作品。
テーマに「JK×下着」と謳っているように、どの話でも下着が絡んできます。あくまで私の感じ方ですけど、下着といっても性的ないやらしさはありませんでした。下着=人には言えない悩み・葛藤といったコンプレックスの比喩にもなっているんだと思います。そして、制服がそのコンプレックスを覆っている普段周りに見せている自分の姿ということなんでしょうね。1人1人身に着けている下着(コンプレックス)は異なり、その人が紡ぐ物語も千差万別あるということをオムニバスで伝ているのはないかと思います。要所で描写される女の子の下着姿も、エピソードとの絡め方が上手かったですね。基本は女の子同士の絡みによって展開されますが、百合作品ではありません。
表紙のイメージからもっと爽やかな話を予想して買ったんですけど、それぞれの話で扱っているテーマは結構重いものだったりするので、確かに人には言い辛い悩みばかりでした。
環境ががらりと変わり喪失感の中にいた少女、
誰とでも話せるけど空気が読めないことから人間関係をうまく築けない少女、
ゆきずりの男と一線を越えてしまった少女、
制服の下にリストカット・レッグカットの跡を隠している少女、
先生への想いから気づいてもらうために下着を盗んで穿いている少女、
あと貧乳に悩んでいる少女、
など、様々な制服の内に秘めたコンプレックスを抱いた少女たちの話です。
思春期の女の子の繊細で脆さもある心の内をリアルに描いていました。昔の自分を振り返ってみれば彼女たちと似たような悩みを抱いていた人もいるかもしれませんね。共感できた人ならより感情移入して読めるかと思います。表情がとても豊かに描かれているだけでなく、表情での感情表現がなくても背中や手の描写によってその時の感情をうまく語っており、読み取り辛い内なる感情をうまく表現されていました。
リストカット・レッグカットの話など、どの話も重くて辛く、読んでいると暗くなりそうな素材を扱っていながら、直接の描写を避けたり、薄くぼかしながら語られているため、読みやすく組み立てられていたと思います。軽めに抑えていながら、少女たちの持つ切なさを消さないあたりは見事でしたね。
オムニバスの作品を読むことは滅多にないので、この形式として優れている作品なのかどうかは分かりませんが、じっくり読み進めてしまう面白さがありました。
登場人物1人1人バラバラの舞台で描いて完全に切り離された作品ではなく、同じ舞台の中でがっつりじゃなくても少なからず繋がりを持っており、オムニバスであっても1つの物語として見ることもできると思います。期待していた清涼感溢れる作品とは違い、明るく過ごしていながらも切なさと少し暗さもある内容でしたが、とても感動させてもらえました。
女性だけでなく、男性でも昔の自分はどんな青春時代を送っていたかを思い返させてくれるんじゃないかなと思います。爆発的な面白さがあるわではありませんが、扱ってるテーマのわりには読みやすく、読後感も比較的良かったです。
【eBookJapan】 にじいろコンプレックス
↑無料で立ち読みできます
にじいろコンプレックス
著者:ばったん
掲載:ヤンマガKCスペシャル
1巻発売日:2016年5月20日
両親の離婚をきっかけに、生まれ育った賑やかな都会を離れ、母親の実家に連れてこられた新妻さやか。そこはゲーセンやカラオケなど、東京に当たり前のようにあったものは何もなく、あるのは畑に山に黒い海、それと汚いラブホテルと平たい家ばかりのド田舎だった。華やかな街で育ったさやかにとって、ここは灰色の世界。そんな田舎の高校に通う女子高生たちは、日々を楽しく過ごしながらも、制服の下には悩みや葛藤といった秘密(コンプレックス)を抱えながら、笑顔で一生懸命生きている。これは、制服の中に秘めた想いを抱えている女子高生たちのオムニバス。
なにもない田舎の女子高を舞台に、そこで明るく楽しく暮らす女子高生たちの、繊細で脆い心の内をオムニバス形式で描いた作品。
テーマに「JK×下着」と謳っているように、どの話でも下着が絡んできます。あくまで私の感じ方ですけど、下着といっても性的ないやらしさはありませんでした。下着=人には言えない悩み・葛藤といったコンプレックスの比喩にもなっているんだと思います。そして、制服がそのコンプレックスを覆っている普段周りに見せている自分の姿ということなんでしょうね。1人1人身に着けている下着(コンプレックス)は異なり、その人が紡ぐ物語も千差万別あるということをオムニバスで伝ているのはないかと思います。要所で描写される女の子の下着姿も、エピソードとの絡め方が上手かったですね。基本は女の子同士の絡みによって展開されますが、百合作品ではありません。
表紙のイメージからもっと爽やかな話を予想して買ったんですけど、それぞれの話で扱っているテーマは結構重いものだったりするので、確かに人には言い辛い悩みばかりでした。
環境ががらりと変わり喪失感の中にいた少女、
誰とでも話せるけど空気が読めないことから人間関係をうまく築けない少女、
ゆきずりの男と一線を越えてしまった少女、
制服の下にリストカット・レッグカットの跡を隠している少女、
先生への想いから気づいてもらうために下着を盗んで穿いている少女、
あと貧乳に悩んでいる少女、
など、様々な制服の内に秘めたコンプレックスを抱いた少女たちの話です。
思春期の女の子の繊細で脆さもある心の内をリアルに描いていました。昔の自分を振り返ってみれば彼女たちと似たような悩みを抱いていた人もいるかもしれませんね。共感できた人ならより感情移入して読めるかと思います。表情がとても豊かに描かれているだけでなく、表情での感情表現がなくても背中や手の描写によってその時の感情をうまく語っており、読み取り辛い内なる感情をうまく表現されていました。
リストカット・レッグカットの話など、どの話も重くて辛く、読んでいると暗くなりそうな素材を扱っていながら、直接の描写を避けたり、薄くぼかしながら語られているため、読みやすく組み立てられていたと思います。軽めに抑えていながら、少女たちの持つ切なさを消さないあたりは見事でしたね。
オムニバスの作品を読むことは滅多にないので、この形式として優れている作品なのかどうかは分かりませんが、じっくり読み進めてしまう面白さがありました。
登場人物1人1人バラバラの舞台で描いて完全に切り離された作品ではなく、同じ舞台の中でがっつりじゃなくても少なからず繋がりを持っており、オムニバスであっても1つの物語として見ることもできると思います。期待していた清涼感溢れる作品とは違い、明るく過ごしていながらも切なさと少し暗さもある内容でしたが、とても感動させてもらえました。
女性だけでなく、男性でも昔の自分はどんな青春時代を送っていたかを思い返させてくれるんじゃないかなと思います。爆発的な面白さがあるわではありませんが、扱ってるテーマのわりには読みやすく、読後感も比較的良かったです。
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