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まぼろしペイガンズ / MABOROSHI PAGANZ

 

ペイガン音楽について詳しくは知らない。ただ、民族音楽であることは私は少しは理解していた。ただ、詳しい歴史を調べていないので知ったようなことは話せないのでそのことは触れないでおく。

まぼろしペイガンズのファーストアルバムは民族音楽、プログレッシヴロック等と言われているのかもしれないし、ペイガン音楽ということに重点を置くと難しく考えてしまう。私にはその考えで聴くこと、知ったようなことを書くことには限界がある。

このアルバムは不思議なアルバムでイージーリスニングをすることができる。演奏していることはとても高度なテクニックを駆使している。しかし、そのことを意識せずに聴くと、すんなりと聴くことができる。テクニックがどうだ、こうだ、と聴く人より、楽器を演奏しない人のほうがこのアルバムを楽しむことができると思う。

1曲目 Johnny's Wedding である。まず始めにパーカッションの音に気持ちよさを感じた。CDラジカセではこの音の響きを感じることができないだろう。ベースになる音の上を弦楽器が飛び回っている。途中でテンポアップするがその時は盛り上がるように弦楽器が高度なテクニックを使って演奏しているが、これも意識をして聴かなかったら感じないかもしれない。その感じ方ができる不思議な曲である。

2曲目 Oyster Bay である。この曲はオリジナル曲である。作曲、作詞は、Chihiro S. である。曲の始まりの部分で弦楽器1本だけがフラメンコギターの始まりのように少し焦らした感じで始まる。鍵盤楽器が時間の流れをゆったりと進めているが、弦楽器はとても温度差、時間の流れが違うように感じる。弾きまくっている。ヴォーカルはChihiro S.だが、彼が歌っているときは時間の流れはすべて同じでゆったりとしているが、歌い終えると、再び鍵盤楽器の時間と弦楽器の時間が同じ時を刻んでいないように感じるので不思議な感じがする。私はこの曲を聴いてある作曲家の名前が思い浮かんだ。その作曲家の名前はシューベルトである。

シューベルトは歌曲を多く残しているが、Chihiro S.のヴォーカルとバックの流れているタイム感がシューベルトの曲のタイム感にとても似ているように感じた。とても、離れているように感じるかもしれないが、そのように感じる方もいらっしゃると思う。

3曲目 Palastinalied である。この曲は同じフレーズがいったりきたりしているのだが、間の時間は縦横無尽な演奏をしている。時間の流れはゆったりしているのだが、弦楽器がそれぞれバラバラのようなことをしているようで、中間地点という言い方があっているのかどうかわからないが重なる部分があるのでその部分に近づくと聴いていてスリリングである。

4曲目 Black Corridor である。この曲はオリジナル曲である。作曲は、Chihiro S. である。この曲はパーカッションと弦楽器がユニゾンになる部分が何度も続くので聴いていて気持ちがよい。弦楽器は高度なテクニックで演奏しているが、それぞれの楽器がいったり、きたりしているフレーズの時間を共有しながら演奏している。ユニゾンになる部分が聴いて気持ちがよいので好きな曲である。難解な曲である、と聴くと、どうしても理解しようとするが、先に触れたようにイージーリスニングとして聴くと時間の流れがスムーズに進むことができる。意識して聴くと高度な演奏をしていることがわかるが、意識しなければイージーリスニングできるから不思議な曲である。

5曲目 The River Song である。この曲は Donovanのカヴァーである。だが、そのことは重要ではない。パーカッションとヴォーカリスト1人で始まり、ギターと鍵盤楽器が入り、もう1人のヴォーカルが入り、最後に女性コーラスが入ると幻想的な雰囲気の音楽になる。朴訥とした語りように弦楽器1本の演奏が続き、鍵盤楽器が入り、他の楽器とパーカッションが後に続く演奏である。その後に再びヴォーカルが入るという展開である。Led Zeppelinの曲 Nobady's Fault But Mine、Kashmirの壮大な雰囲気がした。

6曲目 Intermede である。この曲は Messiaenのカヴァーである。この曲はすべての楽器の時間の流れが同じなことと、すべての楽器がテクニカルな演奏を繰り広げている。高速ではないが、決して遅いわけではなく、緊張感が続く演奏である。スウィープピッキングを聴くことができるし、スウィープピッキングでハーモニックを出している。たとえば、ギターでスウィープピッキングの練習をしている人がいたとして、練習をすることに挫折しかけていて、この演奏を聴いたら、もう少し練習をしてみようか、と思わせる演奏である。とても、テクニカルな演奏である。

すべての演奏を聴いて思ったが、あまり難しくこのアルバムを聴こうと思わないほうがよいと思う。プログレッシヴロックファンならいかに危なげなくテクニカルな演奏を聴けるかに重点を置くだろうが、それは重要なことではない。先に触れたようにイージーリスニングとして聴くこともできるからである。

クラッシックファンも、クラブ音楽ファンも楽しむことができる音楽だろう。マイルスのアルバムで例えるなら オン ザ コーナー である。あのアルバムはジャズではない。ジャンルで例えるほど陳腐なことはない。あのアルバムはマイルスの世界である。それ以外のジャンルで表すことは無駄である。

時間の流れがゆったりしているのだが、その中身は詰まっている曲が多く収録されている。しかし、この演奏は音符の数をいかに多く詰め込むかに重点を置いてはいない。マイナスの音楽である。

プラスでいかに多くの音を増やすかではなく、マイナスで考えて、必要最低限の音符の数で演奏しているのである。そのことを気づかずに聴いていたらこのアルバムのよさを一生感じることができない。

彼らはどのように思っているのかわからないが、私はそのように感じた。

このアルバムはエレクトリック楽器で演奏したらかなりアグレッシブでスリリングな演奏をさらに感じることができるだろう。しかし、アコースティック楽器で演奏しているだけで十分にスリリングさとアグレッシブさを感じることができる。

このアルバムはまぼろしペイガンズのファーストアルバムである。このアルバムに興味がある方に言いたいが、難しく考えずに大音量で聴くことを薦める。大音量で聴かなければこのアルバムのよさがわからない。

次回作が早くも楽しみである。

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