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2016年02月15日

162.Thief

シーフ



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「シーフ」のレビューです。

 ちょっと中二病が入ってるおじさんが、自分の生き方を曲げないステルスアクションゲームですよ。
 今までいくつかステルス系のゲームをやってきましたが、今回もまた一味違ったコンセプトが面白かったです。

公式サイト

 本作は「泥棒」がメインなので、暗殺は障害排除の手段の一つでしかありません。全編を通してノーキルを貫けるのはとても気持ちよかったです。ステルス系と言えど、キルは禁じても気絶は可能なゲームがたくさんありますが、本作には気絶すら禁じる実績がありますから、敵を避けるのみで攻略するのは結構楽しめました。
 しっかり下見をし、ショートカットを把握してから挑戦するのがベストです。
 また、泥棒らしく、ステージには無数のアイテムが転がっていて、これらを集めるのがまた楽しいんですよね。

 私はこのアイテム全回収が楽しくて全てのミッションをコンプしてしまいましたが、さすがに拠点となるシティは諦めました……。広すぎる、細かすぎる、立体過ぎるうう。
 ただ、それでも出来る限り見て回りましたし、動画の助けを借りずに自力で全秘密のエリア発見実績を取れたのは嬉しかったです。
 しかしミッション、特にメインミッションのアイテム全回収は実績wikiにもあるように苦行レベルの配置数で、私の目では何周も目を凝らして見て回っても、どこかしら取り忘れがあるなど、一筋縄ではいきませんでした。
 攻略サイトを見ても一通りの流れしか書いてないし、動画だとネタバレしちゃうし……。

 ということで、あるへはメモを取りつつ進み、「Thief お散歩ガイド」なるものを作りました。
 これを見ればネタバレを防ぎつつ、自分で探す、という醍醐味を損なわずにアイテム集めのモチベーションを保てることでしょう。
 この記事の下部にリンクと、あとサイドメニューにも追加しておきますね。

 さてさて、本作シーフは手を汚さないステルス系としてゲームはもちろん、主人公ギャレットの声優さんも渋くて良い声だし、雰囲気はすごく楽しめました。旧友バッソとの絡みも親友っぽさがすごく伝わってきてとても好きです。
 ただし、ストーリー自体は後半に進むにつれなんだかなぁ、という気がしてなりません。
 リアリティのある良い世界観なのに、どうしてこう、「魔法」が絡むとよくわからんへんちくりんなストーリーになってしまうんでしょう。
 工業化の進んだ街の暗部で活躍する大泥棒、でぴたっと止めることはできないんでしょうか?

 まぁ、本作はもともとThiefという名の古いPCゲーをリメイクした作品だそうで、数えると4作目にあたるそうです。
 もともとのThiefのストーリーが魔物もはびこるファンタジー設定だったようで仕方のないことだとは思うのですが、これは味付けというか、ストーリー構成が悪かったのかな、やっぱ。
 特にヒロイン・エリンの心情が理解できず、生死すら不明で、ストーリーの肝なのにさっぱり頭にも胸にも入ってこないという。見せ方、(映像としての)魅せ方が良くないなぁ。

 あとはちょいちょいバグに嫌がらせされました。
 音飛び、足音や打撃音は鳴っても、盗んだ時のシャリンて音や敵のセリフが聞こえなくなったり、ムービー音声が遅れて再生されたり。
 セーブ&ロードを挟むと本来歩くはずの敵がその場で微動だにしなくなったり、LTで飛び越えたり登ったりといったアクションを取るのですが、その時が角度がおかしいとアクションが途中で中断されたり、そのせいで足を踏み外して敵陣のど真ん中に落ちたり、操作が効かなくなったり。

 まぁ、そこまで頻繁に起こることでもないし、致命的なものでもないので無視できますが、発生した時は絶妙な嫌がらせになり得ます。

 文書やシーフチャレンジなどの分母が変な数字で、記録の上でコンプできないのも地味な嫌がらせですね(笑)。

 ストーリーの規模が結構大きかったので、もっと地味に「窃盗」を楽しみたかったなぁ。シティ内探索の家宅侵入もThiefらしいけど、基本住人がいない盗り放題だし。チャプター1が一番Thiefらしいと思う(笑)。

攻略サイト

あるへのThief お散歩ガイド


161.ダンテズ インフェルノ 〜神曲 地獄篇〜

ダンテズ・インフェルノ ~神曲 地獄篇~



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Dante's Inferno」のレビューです。

 本作の醍醐味は何といってもその世界観の重厚さにあります。
 詩人・ダンテの叙事詩「神曲」三部作の初作「地獄篇」をモチーフにしたステージ構成がなによりも売りなのです。

 有名な9つの大罪の名を冠した地域を順に進み、道中を遮る敵をバサバサと切り倒していくアクションゲームです。

 十字架ゲー、ですので遠距離攻撃の一つである十字架ビームを撃ってればほぼ全ての敵が蒸発していくぬるゲーです(他の攻撃手段もそれなりに必要ですが、十字架の利便性には食われてしまいます)。
 まぁ、それはそれで楽しかったのですが、いかんせん印象に薄くてほとんど記憶に残ってないんですよね。
 またその関連でステージにおける様々な仕掛け(インタラクトする仕掛けではなく視覚的に楽しむ仕掛け)もかなりぼんやりしています。
 アケローン川とかカロンとか、巨大でおどろおどろしく、また愛欲ステージのなんともエロくないエロさ(笑)とか、洗礼されていない赤子の演出とか、「うへぇ〜(感嘆)」と思いながら散歩した気はするのですが、ゲーム的な意味でも演出の盛り上がりに欠けるので、そういったゲームデザインの独特さ加減が、ゲームプレイを通して記憶に刻み込めていないのがかなり残念な作品です。

 これらを加味して評価は凡ですが、少なくともプレイしている期間は濃厚な地獄世界に浸かれることでしょう。

 これをきっかけに原典「神曲 地獄篇」に興味を持つことはあまりないでしょうが、「神曲 地獄篇」を知っている人ならば、本作もなかなか楽しめるのではないでしょうか。

攻略サイト


2016年02月11日

160.FINAL FANTASY XIII-2

ファイナルファンタジーXIII-2



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ファイナルファンタジー13-2(サーティン・ツー)」のレビューです。

 昔、FF10が大ブレイクし、続編が決まったとき、そのタイトルは「10-2」でした。その時私は思いました。なんてすばらしいネーミングだろう! と。
 当時のFF最新作はMMORPGであるFF11で、次に来るべきナンバーは12でした。10の続編として、そして次に来るべき数字は12、ということで「X-II」なのだと、感動したものです。

 ……あの感動を返していただきたい。

 ただ安直に、10の続編だから10-2と。正式ナンバリング12は別にきちんと存在し、正史としては認めてもらえないとわかってがっかりしたものです。

公式サイト

 もちろん10-2も予約して発売日に購入し、全クリ。続くインターナショナル版も購入し、ヤドノキ(だっけ? 汗)の塔もクリアしました。
 ローグライクなシステムはとても楽しかったです(チョコボの不思議なダンジョンとかやりこんでましたし)が、本編は常にコレジャナイ感に苛まれていました。おまけにユウナやリュックが英語を喋るのが更に違和感を加速させています(笑)
 ただ、戦闘システムに関してはATBを復刻し、PS2のスペックに合わせた爽快な出来となったのは確かです(ドレスフィアが結構面倒だったけど)。
 まぁ、正式ナンバリングタイトルに込める製作者陣の想いは毎回並々ならぬモノがありますし、そのために作られたストーリー、そのために作られたBGM、そのために作られたキャラクター、そのために作られた世界観等々、全てがそのために作られた特注品、オーダーメイドなわけですから、これらを流用して外伝を作っても、うまくハマらないのは当然と言えば当然の結果でもあるんです。
 なので新キャラを出したり、新システムを投入して親和性を高めているわけです。

 本作13-2も、そういった問題点があるのですが、楽しくないと言えば嘘になります。普通に楽しめました。
 ストーリーを要約すると「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん!」ということなんでちょっと胸やけしそうなんですけど、タイムスリップものとしても自分の中で賛否両論があったりします。
 時代が数百年単位でぽんっと飛んでしまうので、栄枯盛衰の様を直に見ることが出来るのはちょっとした驚きでした。
 13の思い出があって、ここはかつて魔物たちの徘徊する荒野だったのに、と思うとその繁栄ぶりに感動し、逆にさらにうらぶれた土地の様子に寂寥感を感じたり。
 しかし反面、これらの隆盛没落には因果応報があり、ストーリーがあり、こうなるに至った流れがあるわけで、これらの繋がりをぶつっと切って飛んでしまうのは、なんだか時代の重みを感じないし、ツリー形式でエリアを切り替えるように時代を跳び交うのは、なんだか世界が狭くなってしまったように思えてなりませんでした。

 ストーリーとしてはなんだか無理矢理続投が決まった少年マンガみたいですが、戦闘システムについては賛成の声をよく聞きます。
 名称は変更されましたが操作やシステム的には13とほとんど変わりませんので前作の経験があるならさしたる説明も不要でさくさく戦えるでしょう。
 相変わらずコマンド戦闘でありながらアクションゲームのように臨機応変に作戦を変更するのはクセになります。
 また今回、戦闘キャラクターは二人しかいないのですが、三人目のメンバーとなるモンスターの能力如何で戦略や戦法ががらりと変わり、戦局を変え得る強力なアビリティはモンスター独自のスキルだったりと、本作の醍醐味がしっかり味わえる作りにもなっています(10-2インターナショナルのオマージュ?)。
 他には、雪の降るエリアだとキャラの頭や肩に雪が積もって、吐く息も白くなって本当に寒そうで、ちょっと感動したのを覚えています。
 逆に水の表現はちょっとがっかりかなぁ。海辺の町なのに濁っていて中が何にも見えないので13本編ほどグラフィックに力は入れてないのかな、と邪推してしまいました。
 それからディスク容量ですね。13本編は4枚組の分厚いケースでしたが、本作はディスク一枚に収まっています。
 ムービーのなんやかんやが大きく変わったせいですっきりまとめることが出来たかららしいです。
 
 以上のように、前作に甘えまいとする挑戦心と、やっぱり前作の勢いや人気に甘えてしまっている部分がよく見えます。甘えざるを、というか頼らざるを、あるいは使わざるを得ない、という大人の事情もまぁわかっているつもりですが。
 スクエニの良いところであり、悪いところですね。
 全身全霊をかけて一つの物語の始まりから終わりまで練り上げたんだから、別に続編とか外伝とかいらないのに、と私はよく思います。

攻略サイト


2016年02月06日

159.Infinite Undiscovery

インフィニット アンディスカバリー(特典なし)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「インフィニットアンディスカバリー」のレビューです。

 スターオーシャン、ヴァルキリープロファイルでお馴染みのトライエースが手掛けるアクションRPGです。
 コンプはずっと後ですが、私がXboxを初めて購入した時に一緒に買ったソフトの一つですので結構思い入れはあるんですよね。オープニングのあの超巨大な要塞が映し出されてからぐっと覗き込んで外の一角で勇者たちが戦っている、あの迫力は感嘆したものです。
 テイルズやスターオーシャンのような日本製ストーリー系RPGの流れを継いでいまして、それらが好きなら問題ないと思います。
(本作のBGMは桜庭統)

公式サイト

 スターオーシャン3のようにマッピング機能がありまして、あちらこちらへとぐるぐる歩きながらマップを埋めていくのが楽しかったです。ご褒美は特にありませんが。

 またトライエースらしく、操作は簡単ですがいくつかの技を繋げてコンボを作り、敵を浮かしたり地面に叩きつけたりとなかなか楽しいです。
 あの頃は「白騎士物語」なんて流行ってましたっけ。私はプレイしたことないのですが、戦闘はシームレスでコンボを繋げて浮かしたりと似ている部分があるんじゃないかな?

 かなり古いゲームなので、全編フルボイスとはいきませんがお話としてはなかなか楽しめました。特に何の取り柄もない主人公が勇者として目覚めていく様子は、そりゃあこじつけもご都合もありますけど、手抜きのようには感じませんでした。
 完全にいじれないゲストな仲間も多数いますが、これらも含めてパーティーメンバーは結構な人数になるので、各小隊を組んで同じフィールドで共闘する演出はけっこう好きでした。

 このようなストーリー構成、戦闘とイベントで動きのキレが全く違うモーションデザイン、ストーリークリア頃までは十分に楽しめる戦闘システムでありながら、やりこみを目指すと途端に装備ゲー、ぶっぱゲーと化すバランスetc.
 良くも悪くもトライエースらしさ全開なのですが、かといってボコボコに叩かれるほど悪い作品ではないと思っています。

 鬼門実績の一つ、難易度ベリーハードクリアですが、どうにもこうにも選択肢のない初めての戦闘が最大の壁となるのはガチですね。
 その後も村に着いて補給ができるようになるまではさながら限界サバイバルゲームの様相を呈しますが、他の実績との兼ね合いでノーマル、ハードと裏ダンジョンまでしっかりクリアしていれば知識は十分にあると思うので、そこから先は非常に楽しいと思いますよ。
 というか最初の村で頑張って現時点での最強装備を作ってしまえば難易度の壁は越えたも同然ですね。
 予習が出来ている分、裏ボス撃破もノーマル難易度で手探りで倒した時の方が手強く感じるでしょう。

 関係ありませんが、私はPS2のRPG全盛期から新型機登場あたりの「日本人の考える西洋ファンタジー」な世界観が大好きなんです。ほどよく重くて、ほどよく軽い、どこかに救いがあって、性善説のような空気が流れている世界です。
 でも現在のそれはちょっとテーマパーク、アトラクションじみていて、なんだかとても軽く感じるんです。感じませんか?

 逆にフォールアウトやスカイリム、ロードオブザリングやマスエフェクト、ドラゴンエイジ……。これらは大好きなファンタジーにとても近いのですが、上記とは逆に性悪説が底辺にあるような気がして、みんながハッピーになれたらいいのにな、といつも思うのです。

攻略サイト


2016年01月30日

158.Fallout3とNewVegas

Fallout3 GAME OF THE YEAR EDITION プラチナコレクション【CEROレーティング「Z」】



Fallout: New Vegas Ultimate Edition【CEROレーティング「Z」】




 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「フォールアウト3」と「フォールアウト:ニューベガス」をまとめてレビューします。

 もはや知らぬ者とていない、超有名ベセスダ箱庭ゲー。本作の正当続編である4も発売されましたね。

 いまさら説明はいらないでしょうが、本作は核戦争後の荒廃した未来を舞台に、自然が牙を剥く大地で懸命に生きる人間たちのRPGです。
 フォールアウト3(以下3)はアメリカ東部「キャピタルウェイストランド」、ニューベガス(以下NV)は西部「モハビウェイストランド」を旅することになりますが、両者の繋がりはほぼ皆無です。

 NVはナンバーが付いておらず、3の外伝的な位置づけなのですが、3を上回るボリュームでした。
 さっきHDDから消去する時にセーブデータを見比べてみたのですが、どちらも全てのDLC込みで、3は120時間、NVは170時間でした。

公式サイト

 どちらが好きかと問われると、ちょっと答えにくいです。
 ゲームプレイの感触は3をプレイした後のNVプレイなのでもちろん操作に迷うことは一切なかったのですが、というか見た目的には色を緑色にしてしまえばそのまま3の流用なので、違和感どころかものすごい懐かしさと「あのままのフォールアウトでまた冒険できる」という喜びが大きかったです。

 NVは印象にある3と比べて、マップがコンパクトに凝縮されたような気がします。
 GTAの時もそうでしたが、何もない空白部分を極力埋めたような印象です。
 マップデザイン的にもモハビウェイストランドの象徴であるラッキー38が結構な遠方からでも聳えているのが見えて、視覚的にもなんだか小さくなったな、というのが正直な感想です。
 そういう意味で、まだ見ぬウェイポイントを探し求めて何もない荒野を延々と歩いた3がちょっぴり懐かしくもなりました。
 特に3はウェイポイントの密集地帯(戦前は街だったところ)と空白地帯(戦前から荒野だったところ)がはっきりしていましたから、少し歩けばすぐに次のポイントが見えてくるNVはちょっと残念だったりもします。

 とはいえ、岩とコンクリートと鉄しかなかった3に比べれば、比較的核の影響が薄い西部地域はきちんと経済が回っており、砂の吹き荒れる砂漠や赤土の山々や雪の積もった町や緑豊かな丘陵地帯など、目を楽しませてくれる旅になりました。
 3に登場する緑と言えば私の記憶には「オアシス」しかないんですが、緑=樹々や植物を見かけるとすごくテンションが上がってしまうのは、この独特な世界ならではの発見ですよね。
 嬉しかったことのもう一つは、モハビの水は澄んでいておいしいということです(笑)
 放射能に汚染されていない水源が割と多かったのは、なんか安心というか……。

 また戦闘に関してもNVは楽しかったです。3と比べてレベルキャップが大きく上昇したこと、武器の種類や弾薬の種類がすごく増えて、またMODを付けて改造することで使いにくい武器の欠点を補ったり、長所をさらに活かしたりして、「戦うこと」がかなり楽しくなりました。
 3では結構VATS無双なところがありまして、とりあえず敵を見かけたらRBだったのですが、NVではVATSよりもきちんとエイムして撃った方が有利なことも多々あり、そのお陰で展開もスピーディになり爽快感へと繋がっていると思います。

 アンチマテリアルライフルとGRA・DLCの.50口径榴弾がモハビの地形と相まって狙撃プレイがものすごく楽しかったです。
 反面、狭く起伏が激しく視線の通らない地形が多いDLCエリアでは、狙撃がしにくかったのですが、前述の武器の多様性を試すのが楽しく、拾った新武器でやりくりしていくのも面白かったです。

 NVのDLC「ホーネストハーツ」が私のお気に入りですね。
 美しく雄大な山岳地帯ザイオンの地で、「洞窟の父」と呼ばれる彼の生き様が胸に刺さりました。
 逆にシエラ・マドレは二度とやりたくありませんね。
 NVにおけるDLC群の中で一番ストーリー性、ドラマ性のあるエピソードではあるのですが、マップデザインが非常にややこしく、そして常に暗く、狭く、見え辛い敵など、ものすごく疲れました。

 あれ、3の感想がないぞ……。
 3は3で好きなんですけどね。特にメインクエストはプロローグからしっかりと伏線が組み込まれており、「愛」をテーマに非常にドラマチックな終結を迎えるじゃないですか。
 それに比べてNVは、流れ者の運び屋が周囲を引っ掻き回したあげく戦争を引き起こす、と客観的に見ると割と迷惑なストーリーなんですよね。
 非常に危うい均衡を保っていたモハビの地に「運び屋」という一石が投じられたがためにバランスを欠いてしまった、という意味合い、テーマを持つのがNVなんですが。

 逆に、3のDLCはあまり好きにはなれませんでした。ストーリーとしてはNVのDLCはどれも秀逸な出来だと思います。自分の予想を超えて事態が動き出す展開が、センスがあると思います。
 オールドワールドブルースのDr.モビウスなんか、思わずなるほどぉと唸ってしまいます。

 さて、3とNVこのどちらにも言えることなのですが、フリーズには手を焼かされました。
 エリアロードを挟む部分でのフリーズが多く、頻繁にオートセーブが破損してしまうんですよね。しかたなくエリア移動後のオートセーブを切ったところフリーズは若干改善しました。
 不意の戦闘結果に納得がいかなかったり、突然の会話で選択肢をミスったり、そんな不測の事態で活躍するのがオートセーブなのに、そのオートセーブが信用できないのは困ったものです。
 また、長時間プレイしていると全体的な動きがぎくしゃくしてきて、ああこりゃやばいと思ってセーブを実行すると実行したままフリーズしたり。
 そんなこんなで結構巻き戻されることが多くて、こればっかりは辟易しました。

 ただ、こういった現象はオフライン時にはなかったので、ライブと繋がっているゲーマーカードに問題があるのかもしれません。
 ずっと使い続けたゲーマープロフィールなのでこいつの容量が250MBくらいあるんですよね。
 思い切って再ダウンロードしたところ、40kbまで軽くなりました。減りすぎ!
 その後再びNVをプレイしたら10MBまで膨れ上がりました。もうなにがなにやら……。
 しかしこのプロフィールリフレッシュはNVの実績をコンプした後の締めプレイで行ったので、実際フリーズ対策に効果があるかはわかりません。

 無理やりまとめるとすると……世紀末ヒャッハーな世界でとにかく自由に振る舞いたい、死と血と鉄さびと石と放射能の臭いを嗅ぎたい、というならば3がお勧めです。概念的に善か悪か、カルマが重要視されます。
 そんな荒廃した時代ではありつつも、人々が寄り集まって社会を形成し、それぞれの正義と戦うようなヒューマンドラマを醸しつつ、荒れてはいつつも潤いも持った場所に行きたいならNVがお勧めです。カルマは飾りで、各勢力との友好度が重要視されます。
 良かれと思ってかつて下した決断が、後々になってどうしても避けられない悲劇を生んだりと、なかなか味がありますね。

 マルチエンドなのは良いですけど、日本人的思考で言えば、一人勝ちしか選択肢がないのは釈然としません。

 これもまた、GTA4と5と同じく、陰と陽の性質を持った双子の作品ですね。
 時間が許すならば3とNVどちらも全てのDLCを用意してじっくりと臨むのが大正解です。

P.S.
 そうそう、私はラジオは点けない派です。

攻略サイト(FO3,NV,4網羅)


2015年12月20日

155.朧村正

朧村正 劇伴撰集(サントラCD) ヴァニラウェア特製ジャケット仕様付




 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「おぼろむらまさ」PS Vita版のレビューです。

 朧村正の名前を知ったのは、これがPS Vitaで発売するという情報を知った時で、PVを見てその濃ゆい世界観に一目惚れしたのでした。
 発売を今か今かと待ち続けてようやく購入だったのですが、プレイしてしばらくはそれがWii版のリメイクであるとは知りませんでした。

 なんの予備知識もなく本作に飛び込んだのですが、もとがWiiのゲームであるとは微塵も感じさせないほど違和感がありませんでした。

公式サイト

 グラフィック、とても、とても綺麗です。もともとの色使いが鮮やかなんですが、これがPS Vitaの有機ELディスプレイととてもよくマッチしていて、物凄く発色が良いんですよね。
 背景やキャラの一動作、一動作に愛が感じられ、本当に緻密に作られています。
 百姫(身も心も本人状態時)のしゃがみ動作とか最高です(笑)。
 通常イベント時と、温泉の時ではしゃがみ時の瞬き(まばたき)の間隔も違うんですよ。

 イマドキのスタイリッシュで(少々下品ですが)キワッキワな衣装とか、浮世絵リスペクトなタッチでありながら十分に豊満で魅惑的なラインが、「時代物」でありながら「現代の好み」にすごく合っていると思います。
 色鮮やかで画面から溢れるような背景、お城のステージなんか「こんな城があるかい!」と突っ込みたくなるほどに城郭が描かれていますが、それがまったく違和感を感じずに、「ああ、これこそ和風『ファンタジー』だよな」と懐かしさとともに妙に納得してしまうんですよね。
 素晴らしいデフォルメだと思います。
 音量設定がなく、個人的にはうるさいと感じましたが、ロックに三味線などを利かせた独特のBGMも世界観との協調という意味ではまったく文句ありません。
 それからセリフ回しも非常に独特で、難解なようでいて、それでも時代物、江戸らしく、でもちゃんと意味は通じる作りになっています。
 セリフの一言一言が物凄く「渋く」「甘み」があって「コク」があります。たとえばジョークが、その国以外の人にうまく伝わらないのと同じように、この作品を英語にローカライズした時、やっぱりこの「日本語テキスト」の渋みは伝わらないんだろうなぁと憂慮してしまいます。

 かなり傲慢な意見ですが、正直な感想として、
「これなら世界に堂々と発信できる、これこそ日本を舞台にした素晴らしいゲームだ。まだまだ捨てたもんじゃないな」
 と、惚れ惚れしました。
(いつぞやのフィギュアスケート羽生選手の「陰陽師」のように、日本人の日本人による日本人のための「和」ではないところ、日本人ではなくても理解できるスタイリッシュさ、デフォルメの利きが見事なんです。)

 食べ物もただのアイテムではなく、プルプルと瑞々しくて、あるいは本当にほっかほかな感じが伝わってきますし、なによりボタンを押すごとに少しずつ「食べている」あの感じが素晴らしいです。
 冗談抜きで空腹時のプレイは要注意です!

 最後に操作性。
 非常にシンプルで快適でしたが、あるいは戦闘の速度や展開、キャラのモーションに慣れるまで若干振り回されるかもしれません。
 というのも、Wii版をプレイ済みだったり、動画を観たりしていればまったく問題ないはずですが、私は何もない手探りの状態で始めたので、朧村正独自のシステムに慣れるまで手こずりました。
 そしてあろうことか最近になるまで攻略途中のまま放置してたんですよね。ゲーム、特に戦闘のリズムが掴めずに、BGMがハイテンポ、ハイテンションな曲ばかりで「疲れる」と感じたからです。

 先日、ふと思い立ってプレイを再開してみたら、面白いくらいにのめり込んで、ついついプラチナトロフィーを獲ってしまいましたとさ(DLCは未導入)。

 というのも、戦闘はほとんどの機能が□ボタンと左スティックに集約されていて、「攻撃」「受け流し」「ダメージキャンセル」および「ダッシュ攻撃」や「下突き」「斬り上げ」などが使い分けられなかったこと。
 わからずにガチャガチャやってると、不意にダッシュ攻撃が発動して空中に飛び出したり、空中攻撃で繋ぎたいのに連続でダッシュ攻撃が出ちゃって、思うようにコンボが繋がらなかったり。
 それから、攻撃は□ボタンですが、防御も□ボタンなので、このゲームはこういうものなんだと実感ができないと、ボコボコ攻撃を受けてボキボキ刀が折れて、「回避」の存在も忘れていたり。
 他にも、ボスには明確な攻撃動作があるので、自然と「回避に徹するターン」と「攻撃を叩き込むターン」が発生します。雑魚とは違いのけぞってくれないので、がむしゃらに攻撃していると簡単に返り討ちにされてしまったり。
 そして、これらキャラのモーションやクセ、ゲームのリズムに慣れたいのに、敵のいない道中では素振りができないこと。

 これらが重なって、感覚をうまく掴むまでに時間がかかってしまいました。

 本作の戦闘は、かなりハイテンポで展開しますね。□ボタンはほぼ連打、たまに押しっぱなし、左スティックはせわしなく動かす、という感じです。
 私としては大太刀は使いにくく、太刀で目まぐるしく動いて翻弄するのが非常にやりやすかったです。
 敵を空中に打ち上げてからの攻撃三連→ダッシュで切り抜け、即座に振り向いて攻撃三連→ダッシュ切り抜けの3回ループを習得(プレイヤースキル的に)してから、このゲームが本当に楽しくなりました。
 敵を斬ってるだけで気持ちよく、鬼助、百姫ともに「無双」「修羅」「死狂」と全難易度堪能しました(直前で修羅にすれば死狂出ますが、最初から修羅も遊びました)。

 この切り抜けたあとの振り向きが、いくらやってもうまくできずに小ジャンプに化けてしまい嫌になった原因でもあるんですけどね(笑)。
 右に切り抜けたとしたら即座に左にスティックを倒して、敵の体にめり込むように攻撃連打すればうまく繋がります。
 敵の背後に回ったのを確認してから攻撃しようとすると、小ジャンプに化けた上に明後日の方向に素振りするので、だったら化けた小ジャンプで落ち着いて位置を合わせてから攻撃を開始するのも重要なテクニックです。
 太刀なら素早くポチポチと二回、仕込み入力な感じでやれば3ヒットし、その間にスティックを横に入れ□ボタンを押しっぱなしにしておけば切り抜けに繋がります。
 逆に大太刀なら目押しでゆっくり二回、その後スティック入力□押しっぱで切り抜けです。

 いやほんと楽しかったです。
 一発即死の死狂も、なんだかんだで自キャラは死ににくく、また死んでもリトライが新設設計なので、ボスなんかは余計に熱くなって何度も何度も挑戦し、少しずつ動きを覚えていって、撃破するという流れが快感でした。
 手に汗握る、というのがまさにそれで、実際プレイ中は何度も手のひらを拭いましたが、ボタン周りには水滴がついてました(笑)。

 修羅難易度は、無双準拠の死狂とはまた別の難しさがありました。敵の攻撃の強度が変わっていて、受け流しで削られるゲージ量が多かったり、受けられない攻撃が多くなっていたりと、かなりボキボキ折られましたね。

 あれも良い、これも良いでうっとうしいかとは思いますが、ストーリーも良いです!
 通り一辺倒なテンプレではなく、各キャラ3つのエンド計6種のエンディングストーリーの全てが驚かされ、納得させ、感動させてくれます。

 PS Vita、Wii、そしてWiiUでプレイできる「朧村正」。
 素晴らしい作品でした。


2015年12月18日

154.11eyes CrossOver

11eyes CrossOver (イレブンアイズ クロスオーバー)(通常版)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「イレブンアイズ クロスオーバー」のレビューです。

 序盤はよくあるギャルゲーの展開で少々だるいのですが、そこをぐっと我慢して二、三回の「赤い夜」を生き抜いた頃、最初の仲間が現れるあたりから加速的に面白くなっていき、気が付いたらむさぼるようにテキストを読み、ハマりこんでいる自分がいました。
 もう、これでもかってくらいに中二病展開なんですが(主人公の右目とか)これがもうばっちりしっくり来るくらい世界観にはまっていまして。
 とても面白かったです。

公式サイト

 私が面白さの源泉として注目したのは、BGMと構成力ですね。
 以後、「罪と罰と贖いの少女」編を本編、「虚ろなる鏡界」編を追加ストーリーとして記述します。

 本作はBGMの力がいかんなく発揮されていると思います。戦闘シーンのみならずあらゆるシーンにおいて、BGMとのマッチ感が非常に良く、何倍も盛り上げてくれます。
 オーケストラなど格式高い舞台で使われるような楽器(バイオリンやパイプオルガンなど)と、現代ロックなどで使用するギターやドラムが本当に違和感なく共鳴しあっていて、ノリとテンポがよく、それでいてどこか荘厳な素晴らしいメロディが目白押しです。
 特にお気に入りなのが、本編「ラスボス」戦で使用される「聖詩篇666」という曲で、クラシックのような厳正な音色が、ジャズ調の軽妙なアレンジをされていて軽くショックを受けました。もちろん、良い意味でのショックです。

 そして、構成力。本編はかなりたくさんの伏線やら世界観やらが詰め込まれていまして、それらの伏線回収、隠された事実が少しずつ解禁されていく「謎解き」がとても気持ちいいです。
 これは、やはりストーリーを練り込む前にきちんと前提を設定しておいたからこそだと思うんですね。
 というのも、追加ストーリーをプレイしていると、どうしても底が浅く感じられ、「文章力の差」以外にもきちんと伏線などを練り込み「世界観の厚み」を意識しているかどうかでも、一言の文章に「興味」の差が出るんだなぁと、感じずにはいられませんでした。

 本編は文章力も高いですし、校正もきちんとされているようで(それでも二、三箇所ミスはありましたが)没頭して読めます。というのもやはり張り巡らされた伏線が気になるからで、こうなるとイカニモな中二設定にも説得力があり、「中二」心の本来の意味「格好良い!」がなんの衒いもなく本気で格好良い! と思えるんです。

 さあ、そこでオリジナルストーリー、「虚ろなる鏡界」編ですよ……。
 この「……」でお察しかとは思いますが、正直なところ、
「ゲームの追加シナリオ、いいかげん本編以上に興奮させてくださいよ!」と、言いたいです。
 そんなゲームに出会ったことがありません。

 ただし、本作の追加ストーリーは、そんじょそこらのギャルゲーと比べると必ずしも出来が酷いわけではありません。
 間に合わせには違いないんでしょうけど、単なる追加シナリオとして見れば文章量は多いですし、その中でも攻略対象がたくさんいますし、量としては問題ないでしょう。
 ただ、文章量に対して攻略対象が多すぎる嫌いはあります。選択肢は一度きりで、誰のエンドか決まってしまいますし、その選択肢によって流れる個別のシーンは二度だけです。これでは、各キャラクターとの絡みが十分ではなく、エンディングの流れは性急に感じます。
 栞エンドとか「ふざけてんだろうな」とはっきり感じましたしね。

 もう一つ追加ストーリーで気になったのが、表現力の低さです。
 もしかしてシーンや前後編に分けて二人以上の人が書いているのでしょうか。
 特に、心理描写や平時のセリフ回しにはとても興味深いことが書かれていたり、感心してしまうような文章も出てきたりするのですが、逆に戦闘シーンやそこでの駆け引きが妙にご都合的だったり、表現が滑っていて全然緊迫感が感じられなかったりするのです。
 現代魔術の特異性やコンピュータープログラムに類似した設定が、直感的にわかりづらいものだったのも大きいかもしれません。コマンドの名前だけ出てきて仰々しく叫んでもこれは本編とは逆の悪い意味での中二病ですね。
 主人公の内心を吐露する地の文も、二言目には「現代魔術師、現代魔術師」と吐き気がしてくるのですが、ここはあえて主人公が現代魔術に傾倒、心酔しているのだと思えば若干許容の兆しは見えてきます。
 本編の流れをベースに見ると、質は悪く、各所に詰まるヒロインの独白もイタイだけの無駄に思えてしまうのですが、同時に書き手は理詰めで物を考えるタイプなのかな、と思うほどに心理描写はしっかりとされていました。

 私個人としては
 主人公、そのヒロインに対して品定めする→ヒロイン「私の顔に何かついてる?」

 とか、
 「主人公、結構格好いいじゃん(ボソッ)」→主人公「ん? なんか言った?」

 のようなセリフが出た瞬間三流シナリオ決定なんですが、そうかと思えばある昼下がりの黒芝さんとの掛け合いがなかなか鋭く、ミステリアスな「魔女」の印象がよく表れています。彼女には後に語られる大きな秘密があり、その伏線があるがゆえにこういう風に描けるのかな、と。上記の三文芝居のアンチのような受け答えもあり、いったいどんな人が書いているんだ、と煩悶してしまいました。
 複数の人間が書いているのかも、と思ったのはこの辺が理由です。

 他にもいろいろダメ出ししたいところがあるのですが、ぐっとこらえてもう一つだけに絞るなら、追加ストーリーさんの本編さんへの片恋感が半端ないことですかね。
 クロスオーバーを意識して本編とは同時間軸上にあったもう一つの物語、ということで、追加ストーリープレイ中にちょいちょい本編でも進行度合いやら関係性の変化が垣間見れるのですが、本編側からは当然、追加ストーリー主人公・修の「し」の字も話題になりません。
 その他大勢のクラスメイトの一人としてまったくのノーマークなので、追加ストーリー中に駆やゆかの描写が入るたびになんだか切なくなります(笑)。

 ちょっと追加ストーリーに対する「ディス」が多くなってしまいましたが、逆に考えればそれだけ本編が面白かったということ。そしてプレイヤーは自然と、その流れを引きずって追加ストーリーへと臨むわけですから、こちらに関してもどうしても本編以上のクオリティが欲しいわけです。

 本編については序盤さえ乗り切れば掛け値なしに面白かった、熱中したの一言に尽きます。
 赤い夜と仲間たちにまつわる多くの謎と謎解きもさることながら、「黒騎士」達との命を掛けた一戦一戦も非常に熱く、そして本編のテーマである「日常と非日常」の境界が曖昧になっていく様も見事でした。

 のほほんと会話していたら突然赤い夜に、即座に臨戦態勢で選択肢を誤れば死、と、この唐突感がなかなか面白いのですが、逆にこの唐突感、(正解はわかっているのですが実績のためにしかたなく不正解を選ぶと)今までの熱い流れをぶった切り、さあここからというところでゲームオーバーになってしまうのは、昂ぶった神経の開放先を見失ったようで釈然としません(待ち受ける未来を「眼」の力で予測した、と脳内設定でごまかしますが 笑)。

 本作はXbox360とPSPで発売されています。


2015年12月12日

153.Cross ✝ Channel 〜In Memory of All People〜

CROSS†CHANNEL ~In memory of all people~(通常版)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「クロスチャンネル」のレビューです。

 いやぁ、これ面白かったですねぇ。
 本作は、ある日ききょーさんに、「お勧めのギャルゲ教えてください」って無茶振りして返ってきた答えの一つでした。
 私は何の予備知識もなしに言われるがままに購入したので、初めはパッケージイラストを見てハートフルストーリーかなんかだと思ってました(笑)。

 いやいやとんでもねー! ハートフルどころか相当ハートレスですよね、これ。
 本作の原型が世に出てからかなりの時間が経過していますので、心苦しくもネタバレさせてもらいますが、NewGameから始めた第一章の間は、どこかで見たような変哲のない平凡な学校の日常が描かれるわけです。
 独特な文体とは言われているものの、特段気にせずに読める文章、かなり「性」に傾いた主人公の言動には若干辟易しつつも、ゆったりと流れる平穏で暖かい空気を満喫していました。

 そして一章ラストの殺し文句(笑)。

 まさに寝耳に水の心地で、はっと目を醒ましたよ。今まで何気なく読んでいた全てのテキストが瞬く間に頭の中に蘇り、「何かおかしな点」はなかったか、必死に検証している自分がいました。
 この時の衝撃は筆舌に尽くしがたいです。

 そこから始まるミステリアスで狂気という名の現実的なホラー展開は、ぞくぞくしっぱなしでしたね。
 被害者と被疑者がいる「探偵もの」や「事件もの」ではまったくなく、かといってキャラ同士が愛を育む「恋愛もの」とも違う、キャラクター一人ひとりに内在する狂気やアイデンティティ、それ自体がすでに歪な形を持っているがために、どうしようもなく衝突していくヒューマンドラマ。
 しかしヒューマンドラマと言っても一般的に言われる「それぞれの正義や信念」がぶつかり合うような熱いものでもなく、常にどこか薄ら寒い空気や、白々しさを秘めながら展開していくストーリーは、「哲学的」と評されています。
 私としてはそれもどうかと思いますが、つまるところ他に妥当な当てはまるジャンルが思いつかないんですよね。

 怖いもの見たさでぐいぐいと読み進める力があり、「狂気」は「狂気」なりに歪なアイデンティティを持つキャラクターたちの行動には説得力があり、エンディングの後はしばらく呆けたように余韻に浸っていました。
 というかしばらくの間は頭にこびりついて離れなかったです。
 周到に準備されたストーリー構成と、リアリティのある人間描写には、主人公の辟易するような「性癖」でさえ正当化に成功してるように思えました。
 ストーリーそのものの面白さと、人間描写の説得力から、惹き込まれ感情移入している……と思いきや、表層化したキャラクターの別の側面を目の当たりにし背筋が凍ったことも。

 非常に面白かったです。

 それだけに……。
 それだけに、Xbox360版で追加された「アフターストーリー」なる存在に、はらわたが煮えくり返る思いです。
 とても原作者本人が書いたものとは思えない稚拙な出来。個人的には本編に対する冒涜だとすら思っています。

 薄っぺらい文章。崩壊したキャラ言動。「チラリズム」の楽しみを真っ向から破壊する描写。アフターストーリー全編にわたってこの三本の柱が屹立しているので、終始しかめっ面でプレイせざるを得ませんでした。
 いったい何があったのか、「大人の事情」を邪推してしまいます。

 これから初めてクロスチャンネルをプレイしようという方がいましたら、是非楽しんでいただきたい。これから何年が経とうとも、プレイする価値のある素晴らしいストーリーだと思います。
 ただ、本作は「謎が謎を呼ぶ謎解きゲー」ではないので、割と重要そうなところも、ストーリーそのものに絡まなければ意識して秘匿されています。
 プレイ後には様々なもやもやもまた残るでしょうが、それも余韻の一つとしてお楽しみください。

 そしてあるへとの約束。
 決してアフターストーリーにはお手を触れないよう心よりお願い申し上げます。本編とは別物だと割り切ってでさえ、見るに堪えない代物です。
 私がここまで酷評するの、珍しいですよ?(笑)

*アナザーストーリーは大丈夫です。


2015年12月11日

152.How to Survive

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ハウトゥーサバイブ」、ゲーム内公式略字ではH2Sのレビューです。

 何かサバイバル的な(そのまんま 笑)ゲームを探していて、ずっと気になっていたゲーム。何度か体験版で遊んだことはあったのですが、最近ようやく機会があって購入に踏み切りました。

公式サイト

 さてさて、本作品、面白かったかどうかぶっちゃけてしまうと、個人的には若干当てが外れてしまったようです。
 眠気、飢餓、喉の渇きと三大欲求要素があるにはあるのですが、意外とアイテム同士の掛け合わせには正解などが決まっており、せいぜいがアクセントとしてとどまっている印象を受けました。

 ただ、本作は友人との協力プレイを前提に購入したので、友人とあーだこーだ言い合いながら、数で攻められると割と理不尽な難易度の、なかなか高いクオリティのアクションゲームとして、十分に楽しめたことは事実です。

 未ローカライズなので、全編を通して英語なのはやはり残念ですが、まぁ雰囲気だけで十分に伝わりますし、括目して追うようなストーリーでもありません。

 物足りないとは思いつつも、アーケード作品としてはマップは広い方でしょうか。薬草と布を探しつつ、たまに手に入る新アイテムで装備をアップグレードするのに一喜一憂しつつ、のんびりと散策するのが楽しい作品でした。

 私がプレイしたのは360版ですが、追加要素のぎっしり詰まったストームワーニングエディションなるものも存在し、それはPS4/XboxONEで配信されています。
 攻略サイトを見る限り、ただの追加にとどまらず、システム面にまで深いメスが入れられており、たとえば装備品には耐久力が付いたり、フラッシュライトは充電制になったり、火起こしに火打石が必要になったりと、よりリアルに、より難しくなった印象を受けました。

 私がプレイした無印版は、サバイバル要素というのはアクセントの一部でしかなく、強力な武器を作成出来たら他の全ての武器はお蔵入り必至でしたし、追加に留まらない改変は良い姿勢だと感じています。

 サバイバルゲームではなく、アクションゲームとして認識できれば、本作の魅力の扉を開くことができるのではないでしょうか。

 あ、敵を倒すと経験値を取得し、スキルポイントを振れるスキルツリーまで存在しますが、やっぱりアクセントの域を越えていません。

 本作の全体としてのテンポや流れを見ると、やや緩急がきつすぎるように感じられ、そこが理不尽に思えてくる部分が多少ありました。
 マップを埋めるような通常の探索やそこで遭遇するゾンビや寄生された野生生物との遭遇は、一度にそれほど多く襲ってくるわけではないので余裕があるのですが、それがセーフハウスの開放やボス戦、特にラストバトルとなると尋常ではない数が一斉に襲ってくることになり、キャラクターのスタミナの概念やモーションなどの関係から成す術なく屠られることも何度かありました。
 そういったところはサバイバルゲームらしく、事前に準備したり地の利を利用したりと、キャラクター無双がしにくく、一概に悪とは言えませんが、道中のまったり感と差が感じられ、その差が理不尽感に変化してしまうのかな、と。

 まぁ、どうにも手が出せないほどの激ムズゲーでは全然ないので、二周目以降はこの、要所要所に控えるラッシュシーンをいかに切り抜けるかを考えて、道中で手に入るアイテムの取捨選択を行うのが楽しいところでもあるかと思います。

 コヴァックさんの強烈なキャラクターに癒されつつ、ゾンビアイランドからの脱出を図りましょう。

 あえて言わせてもらえば、武器のテンプレ感、アメリ感にはちょっと食傷気味でしたね。もっと捻ったアイデア武器、敵との間合いを楽しめる武器が欲しかったです。

攻略サイト


2015年12月03日

151.Dust :An Elysian Tail

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ダスト :エリシアンテイル」のレビューです。

 本作は似たところで言えば「チャイルドオブライト」のような美しいビジュアルワールドを舞台に(水彩系ではありませんが、非常に幻想的で美しさと温かみを感じさせます)、うーん、「ディッシュウォッシャー」のようなキビキビとしたコンボ攻撃が爽快なアクションRPGです。
 マップの仕掛け的には悪魔城やメトロイドに近いところもあるかな。

 私はこのゲーム、大好きです。プレイした当時は興奮冷めやらず神ゲーとさえ感じました。
 まず何より惹かれたのがワールドの美しさでした。淡く幻想的で、デフォルメの利いたオブジェクトやキャラクターなど、ちょっと日本では制作側が二の足を踏んでしまいそうなデザインなのですが、逆に私はそんなファンシーでありながら、優しさと美しさに満ちたこの世界に一目惚れしてしまいました。
(序盤の森や村、雨の表現など、透明感があって非常にファンタジックなんですよね。というかタイトル画面からして私の心を掴んで放しません)
「チャイルドオブライト」や「オリ」など、ストーリーはとりあえず、2D系の雰囲気グラフィックに弱い人ならまず間違いないと思います。

 続いて戦闘。思った以上に楽しかったです。私は本作を知ってから実際に購入するまでに何度か体験版で遊んでいたのですが、想像以上に主人公のダストはキビキビと動いてくれ、弱攻撃コンボからの強攻撃打ち上げ、空中に飛び上がって空中コンボなど、今ではほとんどの横スクロール(あるいはベルトスクロール)で定番となっているコンボが自在に、かつ爽快に行え、非常に楽しめた記憶があります。
 敵の行動パターンやアルゴリズムは単純なので、AI敵との間合いの読みあい、「会話」を望むコアなゲーマーにとっては物足りないかもしれませんが、個人的には思った通りのコンボを邪魔されることなくスカッと繋げられるので満足しています。
 そんなわけで、敵の攻撃に合わせて武器を振って一撃を相殺する「パリィ」が楽しく、この演出にぐっときます。

 そして実際に製品版を購入して驚いたのがストーリーの手抜かりのなさでした。
 正直、こういったXBLAでのアクションゲームや新システムを標榜するRPGなどは配信可能な容量の制限から開発費用から何から、様々な制限で目玉以外の要素については目を瞑られがちです。
 ですが、本作はしっかりとつくられた世界観を、単なるゲームの舞台としてだけではなく、非常にユニークで立ったキャラクターとともに、無理なく、そつなく引き立てています。
 ストーリーは初め期待していなかっただけに、主人公ダストと相棒のフィジット、そして喋る剣(アーラ、だったかな 汗)の掛け合いが意外にも面白くウィットに富んでいて、そして驚いたことに(さっきから驚いてばかりです)ストーリーやサイドクエストでクスっと笑い、そして泣かせてもらいました。

 いやホント、たかがアーケードのサイドクエストと侮るなかれ、ですよ。きちんと狙って泣かせに来ているのでびっくりしました。

 というわけで、本作は美しい世界で、手軽に爽快なアクションを楽しみつつ、ストーリーをもしっかりと堪能できてしまう、さらには悪魔城(ほど難解、広大、豊かではないですが)的な収集や冒険要素が盛り込まれているので非常にお勧めです。
 新しい要素を学習した後、前のマップにもどってあっちこっち散策するのが楽しくて仕方ありませんでした。

 私としては、先入観を叩き壊し、価値観をひっくり返す、といったほどではないにせよ、非常に印象深く、彼らのセリフやきちんと張られた伏線にグサグサとやられたわけで、本作の知名度が低いのが悔やまれます。

 もう少しプレイ人口が増えて、本作の魅力を伝える声が大きくなれば、名作と箔を押されて当然な、素晴らしい作品だと思っています。


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