本日はこちら「ダスト :エリシアンテイル」のレビューです。
本作は似たところで言えば「チャイルドオブライト」のような美しいビジュアルワールドを舞台に(水彩系ではありませんが、非常に幻想的で美しさと温かみを感じさせます)、うーん、「ディッシュウォッシャー」のようなキビキビとしたコンボ攻撃が爽快なアクションRPGです。
マップの仕掛け的には悪魔城やメトロイドに近いところもあるかな。
私はこのゲーム、大好きです。プレイした当時は興奮冷めやらず神ゲーとさえ感じました。
まず何より惹かれたのがワールドの美しさでした。淡く幻想的で、デフォルメの利いたオブジェクトやキャラクターなど、ちょっと日本では制作側が二の足を踏んでしまいそうなデザインなのですが、逆に私はそんなファンシーでありながら、優しさと美しさに満ちたこの世界に一目惚れしてしまいました。
(序盤の森や村、雨の表現など、透明感があって非常にファンタジックなんですよね。というかタイトル画面からして私の心を掴んで放しません)
「チャイルドオブライト」や「オリ」など、ストーリーはとりあえず、2D系の雰囲気グラフィックに弱い人ならまず間違いないと思います。
続いて戦闘。思った以上に楽しかったです。私は本作を知ってから実際に購入するまでに何度か体験版で遊んでいたのですが、想像以上に主人公のダストはキビキビと動いてくれ、弱攻撃コンボからの強攻撃打ち上げ、空中に飛び上がって空中コンボなど、今ではほとんどの横スクロール(あるいはベルトスクロール)で定番となっているコンボが自在に、かつ爽快に行え、非常に楽しめた記憶があります。
敵の行動パターンやアルゴリズムは単純なので、AI敵との間合いの読みあい、「会話」を望むコアなゲーマーにとっては物足りないかもしれませんが、個人的には思った通りのコンボを邪魔されることなくスカッと繋げられるので満足しています。
そんなわけで、敵の攻撃に合わせて武器を振って一撃を相殺する「パリィ」が楽しく、この演出にぐっときます。
そして実際に製品版を購入して驚いたのがストーリーの手抜かりのなさでした。
正直、こういったXBLAでのアクションゲームや新システムを標榜するRPGなどは配信可能な容量の制限から開発費用から何から、様々な制限で目玉以外の要素については目を瞑られがちです。
ですが、本作はしっかりとつくられた世界観を、単なるゲームの舞台としてだけではなく、非常にユニークで立ったキャラクターとともに、無理なく、そつなく引き立てています。
ストーリーは初め期待していなかっただけに、主人公ダストと相棒のフィジット、そして喋る剣(アーラ、だったかな 汗)の掛け合いが意外にも面白くウィットに富んでいて、そして驚いたことに(さっきから驚いてばかりです)ストーリーやサイドクエストでクスっと笑い、そして泣かせてもらいました。
いやホント、たかがアーケードのサイドクエストと侮るなかれ、ですよ。きちんと狙って泣かせに来ているのでびっくりしました。
というわけで、本作は美しい世界で、手軽に爽快なアクションを楽しみつつ、ストーリーをもしっかりと堪能できてしまう、さらには悪魔城(ほど難解、広大、豊かではないですが)的な収集や冒険要素が盛り込まれているので非常にお勧めです。
新しい要素を学習した後、前のマップにもどってあっちこっち散策するのが楽しくて仕方ありませんでした。
私としては、先入観を叩き壊し、価値観をひっくり返す、といったほどではないにせよ、非常に印象深く、彼らのセリフやきちんと張られた伏線にグサグサとやられたわけで、本作の知名度が低いのが悔やまれます。
もう少しプレイ人口が増えて、本作の魅力を伝える声が大きくなれば、名作と箔を押されて当然な、素晴らしい作品だと思っています。
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