こばとの数学基礎講座 18 常用対数を使って大きな数の桁数を調べます
底を 10 とする対数のことを 常用対数(common logarithm) とよびます:
y = log10x
常用対数は指数表示された巨大数の桁を求める問題でよく用いられます。私たちは 10 進数 に馴染んでいるので常用対数は感覚的にわかりやすいと思います。たとえば x = 10, 100, 1000 に対して
y = log1010 = 1
y = log10100 = 2
y = log101000 = 3
ですね。 [0, 1000] の範囲でグラフを書いてみましょう:
y = log10x はとても緩慢な関数です。
さらに大きな x に対してもなかなか値を伸ばしません。
x = 10 4 y = 4
x = 10 6 y = 6
x = 10 8 y = 8
x = 10 6 y = 6
x = 10 8 y = 8
x が1億(10 8)でも y はたったの 8 です! 上のグラフでは縦軸のスケールを大きめにとってありますが、もし縦横同じスケールの目盛で描いたとしたら、x 軸にべったりと張り付いた直線のようなグラフになってしまいます。
常用対数を用いると 10 以外の数を底とする指数で表された数の桁を求めることができます(つまりおおよそどのくらいの数なのか概算できるということです)。たとえば
2 583
という巨大な数がいきなり目の前に現れたとき、それが十進法で具体的にどのように表されるかということは分かりませんが、桁数だけは求めることができます。
10 x = 2 583
とおいて、10 を底とする対数をとると、
x = 583 × log102
= 583 × 0.30219
= 175.499907
= 583 × 0.30219
= 175.499907
となります。つまり
2 583 = 10 175.499907
となり、その桁数が 176 であることがわかります。
桁数は指数 +1 となることに注意してくださいね。たとえば
10 0 = 1 : 桁数 1
10 1 = 10 : 桁数 2
10 2 = 100 : 桁数 3
10 1 = 10 : 桁数 2
10 2 = 100 : 桁数 3
となります。
底の変換公式を使って、自然対数 ⇒ 常用対数の変換式も載せておきます:
log10x = logx / log10 = 0.434294 logx
2 〜 9 までの常用対数は以下のようになります:
log102 = 0.301030
log103 = 0.477121
log104 = 0.602060
log105 = 0.698970
log106 = 0.778151
log107 = 0.845098
log108 = 0.903090
log109 = 0.954243
log103 = 0.477121
log104 = 0.602060
log105 = 0.698970
log106 = 0.778151
log107 = 0.845098
log108 = 0.903090
log109 = 0.954243
別に覚える必要はありませんが、ざっと眺めて常用対数値の感覚を掴んでおいてください。