2009年10月23日
リオ 警視庁強行犯係・樋口顕


今野 敏著
出版 : 新潮社
発行年月 : 2007.7
田中芳樹氏や今野敏氏の小説が好きと書いているのに最近彼らの小説を紹介していませんでした。
今回の「リオ」は
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズの第1作目です。(多分)
初めて読んだのは3作目の「ビート」
その後2作目の「朱夏」で最後に「リオ」を読みました。
読みきりのシリーズものはたまにこのようなことがおきます。
作家が好きだと中身をあまり考えずに(無条件降伏して)目に付いたものを買ってしまうからです。
マンションの一室から逃げ出した一人の美少女。
その部屋に残されたのは頭から血を流して倒れている男。
主人公の警視庁強行犯係・樋口顕は事件発生後、班長として班を率い捜査本部へ。
所轄の刑事氏家と共に美少女を追ううちにその美少女の名前がリオであることを知ります。
樋口班長はリオの美しさに一目ぼれ?
次第に警察組織からはみ出し、リオが犯人ではないと、別の人間を追い始めます。
40代の男が女子高生に一目ぼれ。
う~ん。純粋なんですね。(樋口班長の奥さんは別の見方をしていましたが)
団塊の世代、学生運動の活発な世代の後に育ち、彼らの後始末をしてきた世代だと自認する樋口班長。
どうやら私よりも少し上の世代のような気もします。でもなんとなく気持ちもわかるかも。
そんな樋口班長が犯人を追い詰めてく。
その姿勢以上に自分が疑問に思ったことはしつこくこだわり追いかけていく。
何が正義で、何が大事なのか?
組織人、気遣いの人と言いながら、組織からはみ出して犯人を追い詰めていくその姿はやはり刑事なんだとストーリの中に引き込まれていきます。