そこで明らかになった裏金作りの主な手口は、第一に超過した販売代金をキックバックする「還付金システム」、第二にノルマ超過分を議員らの政治団体に留めて寄付扱いとする「留保金システム」である。
然し、この判決を以て自民党最大派閥による巨額の組織的裏金システムの実態が解明されたとは到底言い難い。
派閥の幹部議員らの責任を問うには、幹部議員らと会計責任者との共謀の立証が必要だ。
客観証拠が得られないと、共謀の立証が困難である事が今回再確認された。
政治団体は原則非課税とされるが、資金を政治活動以外に使用するなら課税対象になる。
又資金が政治家個人の元へ渡れば、政治家個人の「雑所得」となる。
その最も効果的な制度は、虚偽記入などで会計責任者の有罪が確定した場合、議員は公民権停止となり、失職する「連座制」である。
不十分と言わざるを得ない。
新政権での再検討を期待したい。
弁護士・元検事 亀井 正貴 1956年香川県生まれ。 85年検事に任官。
大阪地検などで勤務後、94年に弁護士登録し、刑事事件も多く担当してきた。
愛媛新聞 視標から
政権交代しないと裏金事件は決着しない。
政治の仕組みをやり直すべきだ。
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