水揚げに応じた出来高給与制を取る船団トップの責任は大きい。
天候や潮の流れ、市況から狙いを定めて漁場を選ぶが、目安となるのは数と平均単価だ。
1魚種だけを多く取っては値崩れのリスクも大きく、所謂「大漁貧乏」になる。
将又数の取れない高級魚ばかりを追い掛けても、箱数は一向に増えず、帰港も儘ならない。
色んな魚を少しずつ取る「混獲」こそ、トロール漁の真骨頂だ。
常に相場を睨み、安全且つ効率よく操業し、水揚げ金額がピークとなる魚種構成を目指し、日々最善の判断を下すのが船頭の手腕と言える。
各船には船長の他、役割ごとに舵交代、機関長、甲板長、厨房長などがいる。
1回の網入れ(操業)は約3時間だが、一度網が揚がれば職務に関係なく、全員で選別に掛かる。
先ず種類別に分け、次に鮮度やサイズ、傷みの有無を見極め、規格毎に手作業で箱に仕立てていく。
真鯛やハタなど値の良い魚は、血抜きをして、氷水で冷やし込み、鮮度を保持する。
最も手間の掛かる工程だが、市場での高い評価を生む。
近年は量より質、鮮度重視の操業に変わってきた。
水揚げ魚種にはヤリイカやアマギなど、魚の色艶が値を決める高級魚も多いからだ。
これらの高値を支えているのが、人工知能( A I )やロボットではできない熟練の選別作業なのだ。
宮本 英之介 昭和水産代表取締役 八幡浜市
愛媛新聞 伊予弁から
混獲こそ、トロール漁の真骨頂らしい。
水揚げ金額がピークとなる魚種構成を目指すらしい。
大変だ。
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