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2019年12月20日

大腸CTアカデミア 急性虫垂炎の診断に経口造影剤服用を用いたら診断が遅れないか!?

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PubMedから、今日のつぶやき − 631 −

Tang SJ, et al. Positive Oral Contrast Solution at MDCT for Suspected Acute Appendicitis in Adults: Rate of Appendiceal Luminal Filling of Normal and Inflamed Appendixes. AJR Am J Roentgenol. 2019 Sep 4:1-7. doi: 10.2214/AJR.18.21019. [Epub ahead of print]



それでは、論文
「急性虫垂炎を疑った場合の経口造影剤服用によるCT画像:正常虫垂と炎症性虫垂炎における虫垂管腔内への造影剤流入率に関する検討」
のご紹介です。

それでは考察のポイントの続きです。

【考察】
急性虫垂炎の診断に経口造影剤服用を用いる場合に良く上げられる懸念として、
盲腸まで造影剤を到達させるために時間を要すること、
そしてそれが診断や外科治療開始を遅延するのではないかということである。

けれども、成人あるいは小児に対する虫垂炎外科治療に関する研究報告から、
外科治療前の短時間の治療の遅延(24時間未満)は、合併症リスクを上げないとされている。

いくつかの研究報告から、経口造影剤服用を省略することが入院期間の短縮につながることを示唆されている。

しかし、報告された時間差(97-124分)は、経口造影剤服用のみに起因する時間よりも長く矛盾する。

これはつまり、造影剤服用以外の要因が遅延につながっている可能性がある。

最近の研究からは、造影剤服用に伴う入院時間の差は32分に過ぎないとも報告されている。

救急現場では患者の効率的に治療しなければならいが、この差が標準的治療に影響する主因とはならないだろう。

(感想)
このあたりが臨床的に一番気になっていたことです。

造影剤服用の手間暇、これが診断や治療を遅らせないか、臨床現場・スタッフや患者に理解が得られるかという点です。

今回の内容をきちんと説明し、虫垂炎診断の精度向上につながるのであれば、理解を得られるように感じました。

それでは、また

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31483140

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。










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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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