2017年08月28日
【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 59 −
おはようございます!
9月3日(日)に広島で「第11回消化管先進画像診断研究会 (GAIA) 」
が開催されます。
第2部 大腸CT検査 ワークステーション(WS)に慣れ親しむでは
読影法をワークステーションで提示致します!
是非、ご自身の読影方のブラッシュアップにお役立てください。
是非、お越しください!
PubMedから、今日のつぶやき − 59 −
1) de Haan MC, et al. Colon distension, perceived burden and side-effects of CT-colonography for screening using hyoscine butylbromide or glucagon hydrochloride as bowel relaxant. Eur J Radiol 2012; 81:e910-6
2) Taylor SA, et al. Optimizing colonic distention for multi-detector row CT colonography: effect of hyoscine butylbromide and rectal balloon catheter. Radiology 2003; 229:99-108
こんにちは。
T橋さん、以下のコメントありがとうございます!
「いかに最新の統計手法を得意げに駆使したとしても、
最初のデザインの時点で失敗してたら全て台無しなのですね。
研究デザインの大切さが良くわかります。」
その通りですね!!
研究デザインの作成時には矛盾点が生じないよう、
突っ込まれるところがないよう、
そして適切なサンプル数(多すぎても少なすぎても駄目)になるよう、
などなど丁寧に計画を立てていかねばなりません。
えいや〜ってはじめてしまうと大変なことになることもあります。
一施設での研究ならまだしも、
多施設だと他の先生も巻き添えにしてしまうので大変なことになります〜〜恐〜〜。
今回のde Haanさんの研究ですが、大規模研究「COCOS trial」のデータを使った付随研究です。
そのため、研究デザインは本研究が優先して立てられるため、
今回の研究テーマの解析にはかなり不利です。
多施設臨床試験を立ち上げて、そこから得られるデータを使用して、
本研究とは異なるエンドポイントを出す形式ですね。
日本の大腸CT検査の大規模精度検証JANCTやUMIN6665でもサテライトスタディがいくつか立ち上がっています。
結果が楽しみです〜
さて、T橋さんのコメントはもちろんその通りで大賛成です。
ですが、今回のde Haanさんの研究では、大きなバイアスがあるというのは彼らも認識していたはずです。
そこで、それを形式上、統計で両群に差がないという体を作ったのだと思います。
肝心なのは、憩室が腸管拡張に影響するというのは論文でも実臨床でも良く知られていることですので、
なぜこの「憩室」を傾向スコア(プロペンシティスコア)の解析項目に入れなかったのか疑問です。
つぶやき − 51 〜54−でご紹介した論文では、
4群間の患者背景について、年齢、性別、BMI、腹部手術歴に加えて、憩室の有無や分布、数について
差がないことを明記しています(Table 1)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25539240
さらにde Haanさんらは採用されなかったEuropean Radiologyの査読で
「憩室を考慮しなければ駄目でしょう」と私がコメントしたので、
次のEuropean Journal Radiologyへの投稿の際には少なくとも認識はしていたはずです。
それなのに、なぜ検討に組み込まなかったのか??
理由として考えられるのは次の2つでしょうか。
1.面倒くさい。
え〜ってお思いになる方もいらっしゃると思いますが。
ありえると思います〜
次のジャーナルの査読で指摘されなければ良いじゃんって。
だって、もし全症例(541名)の憩室の有無を評価してなかったら、
541名分の画像を見直さなければならないんですよ。
これはかなり労力です。
場合によってはサンプル数が不十分になってしまうリスクもあります。
2.憩室を加味したら2群間に有意差が出てしまった。
個人的にはこの可能性が高いかもって思ってます。
ブスコパンを使用しなかった群で憩室が多いことが判明したら、この研究自体が成り立ちません。
つまり、論文化がおじゃんになってしまうということです。
もちろん、真実は分かりませんし、上記はあくまで推測です(誤解しないでくださいね)。
「つぶやき-3-」でご紹介したように「Letter to the Editor」で質問してみても良いですが、
まあ、かわされるでしょう。
長くなったので、今日はこのあたりにします〜〜
次回は2つ目の論文をご紹介する予定です。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12944595
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
PubMedにも掲載済みですよ
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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ライン参加者の皆様も過去の記事を読むのに便利ですよ〜
応援いただけると嬉しいです。
☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
Q&A方式で、一般の方の素朴な疑問に答えます!
ご質問もお待ちしています。
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メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
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☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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こんにちは。
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そのため、研究デザインは本研究が優先して立てられるため、
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さて、T橋さんのコメントはもちろんその通りで大賛成です。
ですが、今回のde Haanさんの研究では、大きなバイアスがあるというのは彼らも認識していたはずです。
そこで、それを形式上、統計で両群に差がないという体を作ったのだと思います。
肝心なのは、憩室が腸管拡張に影響するというのは論文でも実臨床でも良く知られていることですので、
なぜこの「憩室」を傾向スコア(プロペンシティスコア)の解析項目に入れなかったのか疑問です。
つぶやき − 51 〜54−でご紹介した論文では、
4群間の患者背景について、年齢、性別、BMI、腹部手術歴に加えて、憩室の有無や分布、数について
差がないことを明記しています(Table 1)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25539240
さらにde Haanさんらは採用されなかったEuropean Radiologyの査読で
「憩室を考慮しなければ駄目でしょう」と私がコメントしたので、
次のEuropean Journal Radiologyへの投稿の際には少なくとも認識はしていたはずです。
それなのに、なぜ検討に組み込まなかったのか??
理由として考えられるのは次の2つでしょうか。
1.面倒くさい。
え〜ってお思いになる方もいらっしゃると思いますが。
ありえると思います〜
次のジャーナルの査読で指摘されなければ良いじゃんって。
だって、もし全症例(541名)の憩室の有無を評価してなかったら、
541名分の画像を見直さなければならないんですよ。
これはかなり労力です。
場合によってはサンプル数が不十分になってしまうリスクもあります。
2.憩室を加味したら2群間に有意差が出てしまった。
個人的にはこの可能性が高いかもって思ってます。
ブスコパンを使用しなかった群で憩室が多いことが判明したら、この研究自体が成り立ちません。
つまり、論文化がおじゃんになってしまうということです。
もちろん、真実は分かりませんし、上記はあくまで推測です(誤解しないでくださいね)。
「つぶやき-3-」でご紹介したように「Letter to the Editor」で質問してみても良いですが、
まあ、かわされるでしょう。
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原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12944595
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ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
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<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
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<診断>
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一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
タグ:ブスコパン
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