2017年08月23日
【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 56 −
おはようございます!
今週末8月26日(土)に横浜で「大腸CT読影法入門」
について熱弁を振るいます!!
お越しいただいた方に絶対損はさせません。
是非、お越し下さい。
PubMedから、今日のつぶやき − 56 −
1) de Haan MC, et al. Colon distension, perceived burden and side-effects of CT-colonography for screening using hyoscine butylbromide or glucagon hydrochloride as bowel relaxant. Eur J Radiol 2012; 81:e910-6
2) Taylor SA, et al. Optimizing colonic distention for multi-detector row CT colonography: effect of hyoscine butylbromide and rectal balloon catheter. Radiology 2003; 229:99-108
T橋さん、検診受診率のデータ収集法についての解説をありがとうございました。
日本では正確な検診受診率を補足することができないんです。
職域検診がブラックボックスであることが、やはり問題でしょう。
ですが、個人情報の問題から、協会けんぽなどの実施者が追跡するのは現実的に不可能です。
将来的に解決すると良いですね〜〜
がんセンターのK谷先生、頑張れ〜〜
応援してます!
前回のつぶやきで、査読者としてジャーナルに返したコメントの一部を転記しました。
英文の誤りについてはご容赦ください。
時間に余裕がないので、英文自体にはあまり無頓着なんです。言い訳〜〜
読み返してみると時制の誤りなどありますね。
〜恥ずかしい〜
さて、今回取り上げたブスコパンが有用だとする2つの論文を順に見てみましょう。
1)de Haanさんの論文
【目的】大腸CT検査における腸管拡張度と受診者の受容性について、
ブスコパン注射を受けてから検査をした群とグルカゴン注射をした群とで比較検討した。
【対象と方法】データは検診目的の大腸CT検査に関する臨床試験(COCOS trial)のデータを使用した。
腸管拡張度は腸管区分ごとに4段階評価した。受容性の評価は2週間後に郵送でアンケート調査した。
【結果】対象は541名で、ブスコパン群は336名(62%)、グルカゴン群は205名であった。
ブスコパン群は全例で腸管拡張が良好であったが、グルカゴン群は96%にすぎなかった(有意差あり)。
グルカゴン群の方がより、検査の苦痛度が高かった。
【結論】ブスコパンはグルカゴンに比べて有意に腸管を拡張し、受容性も向上させた。
ブスコパンが使用できるなら、ブスコパンを使用すべし。
いやあ、ずるいなあ〜〜
あまり、科学的な論文ではないよね。
スタディデザインが抄録には書いてないですよね。
本文内でも巧みにごまかして書いてるのですが。
COCOS trialのデータを使ったとありますが、COCOS trial自体はもちろん前向き試験です。
ですが、今回の検討はこのデータを使用した後ろ向き研究なんですよ。
抄録だけ、あるいは本文の斜め読みでは読者を誤解に誘導すること必至です。
で、さらに最悪なのは、ブスコパン群とグルカゴン群の分け方なんです。
前向きであれば、理想としてはランダム化、その他にも交互割付、時期によって分けるなどの方法がありますね。
さて、問題です。
この研究ではどのように割付られているのでしょうか??
きちんと書くべきだと思うなあ〜
続く〜〜〜
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12944595
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
PubMedにも掲載済みですよ
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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ライン参加者の皆様も過去の記事を読むのに便利ですよ〜
応援いただけると嬉しいです。
☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
Q&A方式で、一般の方の素朴な疑問に答えます!
ご質問もお待ちしています。
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
◆ラインコミュニティ「CTC Academy」の参加募集◆
メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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