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2019年06月28日

大腸CTアカデミア 大腸CT(CT colonography)検査の読影では、1件の読影にかける時間を担保すること! 連続して多くの読影を行わないこと!!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
第15回消化管先進画像診断研究会(GAIA)が
当番世話人の平山眞章先生(斗南病院)のもと
2019年9月8日(日)に開催されます!

身につけるべき最新情報を
今回も企画しています!

是非ご参加くださいね。

事前参加申込み
受付専用メール: gaia15.sapporo@gmail.com
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★




PubMedから、今日のつぶやき − 513 −

Obaro AE, et al. Computed tomographic colonography: how many and how fast should radiologists report? Eur Radiol. 2019 Apr 8. doi: 10.1007/s00330-019-06175-y. [Epub ahead of print]




それでは、論文
「大腸CT検査は、どのくらいの症例数を読んで
 どのくらいの速さで報告すべきか?」のご紹介です。

方法と結果はアブストラクトでご紹介したので
考察を拾い読みしたいと思います。

【考察】
大腸CT検査は読影に時間と負担がかかる検査である。

1日あたりの読影件数が多い場合、
5件目以降の検査では
ポリープの検出率はおおよそ40%低下する。

陽性適中率には影響がないものの
読影に時間をかけた場合に比べて
短時間で読影した場合にはポリープの検出率が低い。

今回のこうした結果から
読影医は読影レポートを早く提出するような要求や
負担が増すような要求から守られるべきである。

大腸CT検査の第1の目的は大腸がん
(や腹部症状を引き起こす憩室など)の
存在を否定することにあるが、
癌の前駆病変(腺腫やSSA/Pなど)を検出し
そのあとの内視鏡検査につなげることで
将来の大腸癌を減らすことにも意義がある。

従って、読影医は
腹部症状を引き起こす粗大病変だけでなく
見つけなければそれなりの期間をおいてから
再度病院に来る必要のあるようなより小さな病変についても
注意深く検出しなければならない。

われわれの知見から言えることは
読影医のワークフローを少し変えること
つまり
1件の読影にかける時間を担保すること
連続して多くの読影を行わないこと
はシンプルだけれど価値があるといことである。

(感想)
当たり前のようにも感じますが
それを科学的根拠に基づいて
述べていることがすごいですね。

ただ、現場ではドンドン舞い込んでくる検査を
断ることは至難ではあります。
上の立場の先生の理解や
制度がついてこなければ現実的にはなかなか難しいのかもしれません。

それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30963278

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。







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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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