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posted by fanblog

2019年01月25日

大腸CTアカデミア 正常回盲弁のすべてが内部CT値が均一で低いというわけではないよ!

★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログ「大腸CTアカデミア」では
非常時の備えを特集中です!
備え第1弾「飲料水
備え第2弾「食料
備え第3弾「バッテリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★




PubMedから、今日のつぶやき − 411 −

Yitta S, et al. Characterization of normal ileocecal valve density on CT colonography. J Comput Assist Tomogr 2006;30(1):58-61.




このつぶやきでも何度か話していますが、
この数年はあらゆる物事の変化・進歩の
スピードが急激に速くなっているように思います。

自分の仕事や生活にきちんと落とし込むためには
論文や本をはじめとした情報に遅れないように
しなければいけません。

10年前のコンピュータ支援診断(CAD)は
臨床に役立つような代物ではなかった。
でも、今のAI診断の精度と発展はすごい。

決め付けず、自分の知識や行動に落とし込んでいきたいですね。


それでは、
論文「大腸CT検査における正常回盲弁像の特長」
のご紹介です。

論文の概要は、アブストラクトでだいたい
言い尽くせていますので、
考察をかいつまんでみたいと思います。

【考察】
回盲弁は、大腸CT検査診断において
病変の偽陽性とも偽陰性ともなりえる。

回盲弁の形態は変化しえるものであり、
内部の脂肪により分葉状を呈することもある。

検査中にも弁は開閉する。

口唇タイプ(軽度弁が隆起しており、弁が離れていることもある)
乳頭状タイプ(ドームのよう隆起しているもの)
あるいは形態が混合しているものに分けられる。

腫瘍は回盲弁周囲にも発生しえる。

読影者は、回盲弁の2次元画像の形態や
その内部のCT値をもとに
回盲弁の正常・異常を判定する。

この観点から、正常回盲弁のすべてが
内部CT値が均一ではないということに
留意する必要がある。

Summersらの報告
(Radiology 2004;233:266?72.)
(Radiographics 1993;13:1265?80.)
によれば、ほとんどの正常回盲弁は
脂肪が豊富で、低いCT値をとる。

一方、腫瘍性病変は軟部組織の
CT値をとる(代替プラスの桁代)。

これにより、正常回盲弁と腫瘍性病変を
鑑別するのである。


(感想)
Summersらの報告内容が、従来、日本の
講習でも述べられたことになります。
ただ、実際には今回の報告にあるように
ややCT値が高く不均一を呈することも
経験します。
本論文の内容は知識として必要ですね。

それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16365573


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。








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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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