2017年07月07日
ウィスコンシン大学の大腸CT(CT colonography)検査法をみてみよう! やってはいけないことがわかるよ〜
PubMedから、今日のつぶやき − 25 −
Pickhardt PJ, et al. Colorectal Findings at Repeat CT Colonography Screening after Initial CT Colonography Screening Negative for Polyps Larger than 5 mm. Radiology 2017; 282: 139-148.
さて、前回の続きです。
とても大切な論文なので何回かに分けてつぶやいていきたいと思います。
この「初回C1判定症例に対する2回目の大腸CT検査結果の検討」論文の
研究動機がイントロダクションにあります。
C-RADSやACS(米国癌学会)などでは、
大腸CT検査で6ミリ以上の病変がなければ
次回の検査は5年後あるいは5〜10年後となっています。
でも、この検査間隔の推奨の根拠がきちんと書いてないよねえ〜
ということが動機です。
しかも、ピッカードさんの施設における
大腸CT検査のフォロー期間が十分に長くなってきたので、
初回陰性例の2回目の大腸CT検査の検査結果を検討してみたということです。
日々臨床で疑問に思っていることを研究し論文にされていますね。
尊敬する研究者の一人です〜
大腸CT検査の検査方法がMethodsに記載されています。
世界で最も件数が多いウィスコンシン大学の検査法です。
・腸管前処置は低容量。
・タギングはガストログラフィンとバリウムの併用。
*解説:バリウム単独でのタギングは世界でほとんどありません。
大規模精度検証はすべて水溶性造影剤を必ず使用しています。
ACRIN6664でバリウム使ってる!って主張される方もいますが、
単独では使ってないんですよ!
あくまで水溶性造影剤との併用なんです。
だって、バリウム単独だと残渣と均一に混じらず精度が悪くなるからです。
ピッカードさんもよくご存知。
それではなぜ、ピッカードさんはガストログラフィン単独ではなく、
バリウムも併用しているか?
はい、それはいろいろと事情があります。
知りたい方は個別にご連絡ください。
ちなみに、ハーバード大学の系列病院はすべてオムニパーク単独使用です。
エビデンスや世界の状況を冷静に見渡すことも大事だと思います。
・炭酸ガス自動送気装置とやわらかく細いカテーテルを使用。
・撮影体位は、背臥位、腹臥位、側臥位から2体位を選択。
・16-64列CTで、コリメーションは1.25mm、再構成間隔は1mm、120kVp、自動露出機構(30-300mA)、ノイズインデックスは50で撮影。
この表記方法をみるとGEのCT装置なんでしょうね。
米国ではGEがダントツ強いですから。
・読影はフライスルー(内視鏡類似像)による拾い上げ、アキシャル像で病変の同定のprimary 3D読影。
*解説:日本で散見される腸管展開像VGPは、欧米では一切読影に使用されていません。
精度検証されていない画像での読影は相当ハイリスクであることに注意が必要です。
精度検証済みの読影で病変を見逃した場合はしょうがないといえますが、
もしVGPで見逃したらいろいろと厳しいことになると思います。
・大腸CT検査で6ミリ以上の病変が指摘された場合には、
同日に大腸内視鏡検査を実施する。
さすがですね〜。
患者さんの負担を考えると理想です。
別の日にやることになれば、腸管洗浄剤を再度服用しなければいけないし、
病院にもまた来なければなりませんから。
以上が記載されています。
世界の最新の検査方法といってよいでしょうね。
ご参考にしてみてください。
長くなったので、今日はこのあたりにしておきます。
続く〜〜
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27552558
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
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Pickhardt PJ, et al. Colorectal Findings at Repeat CT Colonography Screening after Initial CT Colonography Screening Negative for Polyps Larger than 5 mm. Radiology 2017; 282: 139-148.
さて、前回の続きです。
とても大切な論文なので何回かに分けてつぶやいていきたいと思います。
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研究動機がイントロダクションにあります。
C-RADSやACS(米国癌学会)などでは、
大腸CT検査で6ミリ以上の病変がなければ
次回の検査は5年後あるいは5〜10年後となっています。
でも、この検査間隔の推奨の根拠がきちんと書いてないよねえ〜
ということが動機です。
しかも、ピッカードさんの施設における
大腸CT検査のフォロー期間が十分に長くなってきたので、
初回陰性例の2回目の大腸CT検査の検査結果を検討してみたということです。
日々臨床で疑問に思っていることを研究し論文にされていますね。
尊敬する研究者の一人です〜
大腸CT検査の検査方法がMethodsに記載されています。
世界で最も件数が多いウィスコンシン大学の検査法です。
・腸管前処置は低容量。
・タギングはガストログラフィンとバリウムの併用。
*解説:バリウム単独でのタギングは世界でほとんどありません。
大規模精度検証はすべて水溶性造影剤を必ず使用しています。
ACRIN6664でバリウム使ってる!って主張される方もいますが、
単独では使ってないんですよ!
あくまで水溶性造影剤との併用なんです。
だって、バリウム単独だと残渣と均一に混じらず精度が悪くなるからです。
ピッカードさんもよくご存知。
それではなぜ、ピッカードさんはガストログラフィン単独ではなく、
バリウムも併用しているか?
はい、それはいろいろと事情があります。
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ちなみに、ハーバード大学の系列病院はすべてオムニパーク単独使用です。
エビデンスや世界の状況を冷静に見渡すことも大事だと思います。
・炭酸ガス自動送気装置とやわらかく細いカテーテルを使用。
・撮影体位は、背臥位、腹臥位、側臥位から2体位を選択。
・16-64列CTで、コリメーションは1.25mm、再構成間隔は1mm、120kVp、自動露出機構(30-300mA)、ノイズインデックスは50で撮影。
この表記方法をみるとGEのCT装置なんでしょうね。
米国ではGEがダントツ強いですから。
・読影はフライスルー(内視鏡類似像)による拾い上げ、アキシャル像で病変の同定のprimary 3D読影。
*解説:日本で散見される腸管展開像VGPは、欧米では一切読影に使用されていません。
精度検証されていない画像での読影は相当ハイリスクであることに注意が必要です。
精度検証済みの読影で病変を見逃した場合はしょうがないといえますが、
もしVGPで見逃したらいろいろと厳しいことになると思います。
・大腸CT検査で6ミリ以上の病変が指摘された場合には、
同日に大腸内視鏡検査を実施する。
さすがですね〜。
患者さんの負担を考えると理想です。
別の日にやることになれば、腸管洗浄剤を再度服用しなければいけないし、
病院にもまた来なければなりませんから。
以上が記載されています。
世界の最新の検査方法といってよいでしょうね。
ご参考にしてみてください。
長くなったので、今日はこのあたりにしておきます。
続く〜〜
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27552558
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
◆ラインコミュニティ「CTC Academy」の参加募集◆
メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
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