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2018年06月22日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】沈黙の戦艦 / Under Siege

記事一覧TOP > 映画ブルーレイリスト > 【ブルーレイ映画ソフトレビュー】沈黙の戦艦 / Under Siege



本作は「沈黙」シリーズの第一弾であり、ワーナーのブルーレイ第一弾でもあります。
また、ワーナーのDVD第一弾でもありました。(たしか・・・)
ワーナーの看板ソフトというわけです。
その後、スティーヴン・セガール主演映画はほぼ全てに「沈黙のxx」とタイトルが付けられますが、本作の本当のシリーズは2部作です。
役名の「ライバック」シリーズと言えば判りやすいかもしれません。
続編は、「暴走特急(Under Siege 2)」です。
そのあとに制作された「沈黙の断崖(Fire Down Below)」は、沈黙シリーズ完結と宣伝やパッケージに記載されていたので、3作目かと思っていましたが、ただの誇大広告でした。
作品を見たら、役名がジャック・タガートと違っていましたので、無関係とすぐにわかりましたが・・・。

当時、「ダイ・ハード3」が豪華客船を舞台とした脚本で進行していましたが、本作が先に公開されたため、NYの陸上を舞台とした脚本に変更されたことは有名ですね。
DVDが発売された頃は、まだレーザーディスクやVHSビデオが同時販売されていた頃でもあります。
レーザーディスクは、TVサイズとワイドスクリーンの2種類があり、どちらもスクイーズなしのレターボックスでした。
音声もDolby Stereo(2ch)でした。
DVDになって、Dolby Digital5.1ch音声と、スクイーズ画面になって、かなり感動したことを覚えています。

またこの頃のブルーレイ販売時期は、HD DVDも同時発売されていた時期でもあります。
その後、「日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ」が2014年に発売され、音声がDTS-HDMA5.1chになっていることを知り、また購入してしまうわけです。
なお、この日本語吹き替えブルーレイと通常版の比較をしていませんので、レビューはまた別の機会になりますが、あまりクオリティは変わっていない印象です。
比べながら視聴すると違いがあるのかもしれませんが・・・。

管理人は、渋谷パンテオンの大画面で視聴したことで、お気に入りの作品となり、その後、全てのメディアに投資してきました。
その結果、画質と音質の悪さに翻弄される結果になった作品でもあります。



コピーライトマーク 1992 Warner Brothers Productions, Ltd., Regency Enterprises VOF and Studio Canal+. All rights reserved.


ブルーレイ評価

映像66.jpg音質77.jpg






ソフト情報



■リリース:
 バージョン:ブルーレイ通常版
 発売:ワーナー ブラザース ジャパン
 時間:102 min
 レーティング:R(日本) / R-15(米国)
 制作年:1992年
 発売日:2006年11月23日

■映像:
 コーデック: VC-1 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 1.85:1(ビスタサイズ)

■オーディオ:
 英語:Dolby Digital 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)
 日本語:Dolby Digital 2.0ch 48kHz 24bit(ロッシー)

■字幕:
 日本語、英語、吹替え用日本語

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:約21Mbps

■撮影カメラ:
 パナフレックス・ゴールド

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:
 35mmフィルム
 DI(Digital Intermediate):なし
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 Continental Film Laboratories(フィルム)
 テクニカラー(フィルム)

■音響:
 Dolby Stereo (4 channels)

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Chicago Audio Works(プロダクション・サウンドサービス)
 SoundStorm(サウンド編集)

■制作背景
・制作予算:約35億円 /100円換算
・世界興行収入:156億円 /100円換算
・撮影:アメリカ(アラバマ、ハワイ、カリフォルニア)

■賞:
3つの賞を受賞し、3つの賞にノミネート、うちアカデミー賞の音響部門2部門にノミネートしています。



キャスト情報


■監督:
アンドリュー・デイビス / Andrew Davis

■出演者:
スティーヴン・セガール / Steven Seagal
トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones
ゲイリー・ビジー / Gary Busey




映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

初期2KテレシネのDVDマスターと同じビデオ画質





ブルーレイ映像マスタ



映画マスターは、パナビジョン・パナフレックス・ゴールドで撮影された35mmフィルムです。
この当時は、アナログ時代でDVDもありませんので、DIもありません。
そうすると、フィルムのマスターが全てになります。

ブルーレイのマスターは、DVDと同じ初期2Kテレシネのビデオ(テープ)かと思われます。
レーザーディスク、DVDと同じ悪い部分が変わってません。
ブルーレイでの違いは解像感とコントラスト、輝度にあたりになるかと思います。
ブルーレイ化にあたり、初期リリースであるため、VC-1のコーデックで、HD-DVDと同じかと思います。
とにかくビデオの悪い部分はそのままで、色に透明感がなく、色が混濁しています。
吹き替え追加収録版も所有していますが、画質はほぼ変わらない印象です。
もし、4K Ultra HDがリリースされる際には、新しくフィルムスキャンから行ってほしいものです。


解像感


2Kレベルはあり、120インチ画面でもボケることはありません。
ただし、地デジレベル以下の感じで、初期2Kテレシネの限界を感じます。
DVDをSDから2Kアップコンバートしたようなレベル感です。


ノイズ感


暗いシーンが多いため、ビデオ映像では限界があります。
よくあるVHSビデオや初期DVDのアナログ的なノイズ感があり、パッと見で、画面全体の混濁感を感じるはずです。
白や光は濁っていて、主に水色と薄い緑色にかぶり、赤茶色にふちどりがあったりします。
暗部ノイズとしては、赤茶色に混濁し、ザラザラしています。
これはフィルムグレインにも偽色が乗っているためです。
テレシネが原因かと思います。
また、デジタルノイズも結構あり、DVDと似ています。
輪郭補正が目立ちます。


鮮度感


輝度が低く、暗いシーンでは、暗部がベタっとしていたり、黒浮き気味だったり、安定しません。
何と言うか、全編で逆光撮影したように、被写体が暗いです。
また光に色が乗って、かぶりがあるため、透明感とは無縁です。
90年代のレンタルビデオ映像風です。


階調性・コントラスト


ブルーレイではDVDよりもコントラストは、向上していますが、ほんの少しです。
階調性もビデオ風のため、立体感はほとんどありません。
暗いシーンでは、暗部がモヤつくため、見通しが悪いです。


カラー


色数もビデオ並です。
DVDよりはほんの少し色が多めで、純度が上がっていますが、あくまで比較の問題です。
総じて、色は少なく、ビデオを見ている感じです。
元々、暗いシーンが多いためと、色温度が高めの撮影環境だった関係もあると思います。
テクニカラー社のカラーでもあり、あっさりしています。




音声クオリティ・レビュー総評



【音質】

アカデミー賞ノミネートのサウンドミックス






ブルーレイ音声マスター



映画マスターは、アカデミー賞の音響部門2部門にノミネートされているほど、当時としては優秀だった音響です。
映画館でも観ましたが、F/A-18 ホーネットの飛行音や戦艦の砲撃音など、当時としては芯のある迫力の音声だったのを覚えています。
本作制作時には、Dolby Digitalなどのマルチ音声がないため、音はマイルドなものが多かった時代ですが、本作はなかなか鋭い音響ですごいと思ったものです。
そういう時代背景もあり、音響は記憶の中で美化されている気もしますが、それにしてもブルーレイではそういう良さはあまり感じられません。
DVDを最初に見た時は、映画館ほどではないにしても、Dolby Digital5.1chの鋭い音響に感動したものです。
ブルーレイは、DVDとはほぼ変わっていない印象です。
これは映像と同じで、音声のマスターもDVDと同じだと思います。
DD5.1chのロッシーであることからもわかります。
俗に言う、DVDの焼き直しと同等(ちょっとは違いがありますが)の仕上げと言えます。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジはDVDレベルで、本作はDVD時代からそもそも広くありません。
バランスは取れていて、高域も低域も普通にあります。
音量レベルは低いので、心配になるほど、他のブルーレイに比べボリュームを上げないと迫力が出ません。


瞬発力・量感(キレと強さ)


瞬発力そこそこあり、要所ではミリタリー音響が楽しめます。
聴きどころは、やはりF/A-18 ホーネット、20mm機関砲のキレと芯のある音だと思います。
ヘリの爆発音なども90年代らしいのですが、迫力ある音に仕上がっています。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
台詞はさらっとしていますが、音量は適切で聞き取りやすさを重視していると思います。

SE音:
現代的な音数はありませんが、クッキリした音作りです。
基本的には細かい音はあまりなく、要所に注力している作りです。
本作の制作年を考えますと、良く作り込んでいると言えそうです。

音楽:
サントラは、比較的ボリュームが大きく、本作の最大音量もこのサントラあたりになります。
ただ、要所で使っていることや、芝居部分ではうるさくない作曲をしているので、使い分けが出来ています。
包囲感を使ったサントラの配置です。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


アカデミー賞のサウンド部門に2部門もノミネートされていますので、優秀なのだと思います。
またヘリの音も優秀で、厚みのある音でサラウンドも活躍します。
銃声は、いかにも90年代の銃声で、初期ダイ・ハードと似ています。
ヘリや戦闘機の音はちゃんと作り込んでいるので、そっちの印象が強いと思います。
90年代としては優秀ですが、ちょっと物足りない印象です。
DVDやブルーレイの音声は似ていて、新しく作った音声ではないので、4Kが出る場合は、映像と同様、ちゃんと作って欲しいものです。
オリジナルは、4chで制作されているわけですから、リミックスするのは難しくないと思います。


サラウンド(移動感含む)


初期DVDと同じマスターを使用していると思われますが、サラウンドはちゃんとしています。
もちろん、DVD初期のレベル感ですので、フロント中心のマルチチャンネルではあります。
要所とサントラでサラウンドする配置です。
サラウンドスピーカーで鳴り分けるような作りではなく、全体的に包囲する感じです。



クオリティ・レビュー詳細



★総合クオリティ     :72点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


★映像クオリティ     :66点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 解像感        :74点
 ノイズ感       :61点
 鮮度感        :63点
 階調性・コントラスト :70点
 カラー        :61点




★音声クオリティ     :77点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 ダイナミックレンジ  :70点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :70点
 (キレと強さ)
 情報量        :68点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :73点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :80点
 (移動感含む)




レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png
クオリティレビューは、あくまで管理人が感じたことや調べた範囲の事柄であり、記載していることが全て正しい情報とは限りません。
ご容赦下さい。
映画のマスターに関する記述はこちらです。

demonstration-767983_100.jpg【全般】

映画のマスターについて考える





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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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