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2023年12月17日

コラッツ予想(その23) 偶数と奇数

「コラッツの大木」のグラフを眺めていて、ある事に気がついた人もいるかも知れません。

 それは、このグラフでは、偶数の数と比べて、明らかに、奇数の数が少ない、と言う事です。

 何しろ、偶数の方は倍数の数列まで有るのに対して、奇数は分岐点の接続部の形でしか登場しないのです。偶数の数列の中に一つ置きに分岐点があるとは言っても、やはり、奇数は偶数の半分しか存在していません。いや、分岐のない偶数の数列や、分岐の発生が頭からじゃない偶数の数列もありますので、実質上、奇数は偶数の半分以下しか出てこないのであります。

 偶数と奇数は常に同数だと思っていた人たちには、これは奇妙にも感じられた事でしょう。

 しかし、ほんとは、不思議でも何でもないのであります。
 むしろ、コラッツの数式の計算においては、奇数より偶数の出現率の方が高い事は、「コラッツ予想(その3)」の段階ですでに指摘されておりましたので、「コラッツの大木」のグラフ内での結果(奇数より偶数が多い)も、そもそもが、予測されていた事実だったのです。

 そして、奇数より偶数の数の方が倍以上に多かったとしても、その事自体は、なんら問題ではありません。なぜならば、数字の数は無限だからです。いくら、偶数が先にいっぱい登場してしまったとしても、一足早く、偶数が種切れしてしまうような事もないのです。一方で、奇数だって、その出現率がいかに低かろうと、遅れて、いつかは、必ず、偶数の数に追いついているのであります。

 だから、コラッツの数式とは、ただ単に、偶数と奇数の配分のバランスが悪かった、と言うだけの話なのでした。

 いや、意外に、そのような言い方が間違いであり、むしろ、自然界の数字の配分とは、コラッツの数式のように、奇数より偶数の方が多いと言うのが、正しい関係であったのかも知れません。

2023年12月15日

コラッツ予想(その22) 数字の住所

 過去のコラッツの数式の数列のグラフの形が進化系統樹に例えられるのでしたら、「コラッツの大木」のグラフの方は、「区画整理された地図」に比喩してみてもいいでしょう。

 よって、「コラッツの大木」で書き上げた数列は、ただの数字の羅列などではなく、次のような文章でも説明する事ができます。(前述の12の数列を例にします)

1」「1から2」「2の倍数(2、4、8、16)」
「16から5、10へ分岐」
「10から3、6へ分岐」「6の倍数(6、12)」
12


 つまり、数字の住所(座標)です。偶数の道路や奇数の曲がり角を通過していく事で、任意の数字が配置されている場所にまで辿り着ける訳です。いわば、これは、県とか郡とか番地みたいなものです。

 ちょっと頑張って、あの27の場所(座標)を、「コラッツの大木」で探してみましょう。

1」「1から2」「2の倍数(2、4、8、16)」
「16から5、10へ分岐」「10の倍数(10、20、40、80、160)」
「160から53、106へ分岐」
「106から35、70へ分岐」
「70から23、46へ分岐」「46の倍数(46、92、184)」
「184から61、122へ分岐」「122の倍数(122、244、488、976)」
「976から325、650へ分岐」「650の倍数(650、1300)」
「1300から433、866へ分岐」「866の倍数(866、1732)」
「1732から577、1154へ分岐」「1154の倍数(2308、4616、9232)」
「9232から3077、6154へ分岐」
「6154から2051、4102へ分岐」
「4102から1367、2734へ分岐」
「2734から911、1822へ分岐」「1822の倍数(1822、3644、7288)」
「7288から2429、4858へ分岐」
「4858から1619、3238へ分岐」
「3238から1079、2158へ分岐」
「2158から719、1438へ分岐」
「1438から479、958へ分岐」
「958から319、638へ分岐」「638の倍数(638、1276)」
「1276から425、850へ分岐」
「850から283、566へ分岐」「566の倍数(566、1132)」
「1132から377、754へ分岐」
「754から251、502へ分岐」
「502から167、334へ分岐」「334の倍数(334、668、1336)」
「1336から445、890へ分岐」「890の倍数(890、1780)」
「1780から593、1186へ分岐」
「1186から395、790へ分岐」
「790から263、526へ分岐」
「526から175、350へ分岐」「350の倍数(350、700)」
「700から233、466へ分岐」
「466から155、310へ分岐」
「310から103、206へ分岐」「206の倍数(206、412)」
「412から137、274へ分岐」
「274から91、182へ分岐」「182の倍数(182、364)」
「364から121、242へ分岐」「242の倍数(242、484)」
「484から161、322へ分岐」
「322から107、214へ分岐」
「214から71、142へ分岐」
「142から47、94へ分岐」
「94から31、62へ分岐」「62の倍数(62、124)」
「124から41、82へ分岐」
「82から27へ分岐」「27


 とまあ、相変わらず、数字の量こそ多いのですが、こんな感じの座標で書き表わせる訳です。こちらの方が、ただの数字の列記よりも、その経路がずっと思い浮かべやすいんじゃないかと思います。

 そして、これだけ長い内容であっても、「コラッツの大木」のグラフの中には、すっぽりと収まってしまうのであります。この27の数列に限らず、実際には、コラッツ予想のありとあらゆる確定数字が。

2023年12月10日

コラッツ予想(その21)

 従来のコラッツの数式の数列は、全て、「コラッツの大木」のスタイルでも表示できる事になります。

 簡単な例として、12の数列を「コラッツの大木」の形で表現してみましょう。12の数列とは、次のようなものでした。

12、6、3、10、5、16、8、4、2、1

 これが、「コラッツの大木」のグラフに当てはめると、こんな感じになります。

1
2
4
8
16、5、10・・・
・   3
・   6
・   12
    ・
    ・


 つまり、奇数の数字にぶつかる度に、直角に曲がっていく訳です。あえて省略しましたが、「・・・」には、倍数の数列が無限に続いていく事になります。
 そして、この形の数列は、すっぽり、「コラッツの大木」の中にはまり込んでしまうのであります。

 この12の数列だけではありません。実際には、コラッツの数式の数列は、全部、「コラッツの大木」の中に組み込む事ができるのです。

 いや、これまで提示されてきたコラッツの数式の数列の数々の方こそが、正確には、「コラッツの大木」の一部に過ぎなかった、と考えるべきだったのかも知れません。

2023年12月04日

コラッツ予想(その20) 私が一番言いたかった事

 さて、ここで、私には、ささやかな疑問があります。

 それは、前回、私が「コラッツの大木」の命名したグラフが、過去に誰かによって作成された事はなかったのか?、という点です。
 何しろ、数学シロウトの私だって思いつくようなグラフです。専門家の数学者でしたら、とうてい、とうの昔に閃いていても、おかしくないような気がするのであります。
 しかし、wikipedia の「コラッツの問題」の項目を見ても、この「コラッツの大木」と同じ形のグラフは掲載されていませんでした。また、ネット検索で「コラッツ予想」を引いてみても、「コラッツの大木」そっくりのグラフの画像は出て来ないのであります。

 私の調べ方が、ちょっと大雑把で、荒すぎるのかも知れません。
 でも、「コラッツの大木」のグラフは、従来の進化系統樹のようなグラフと比べてみても、はるかに、全体の整合性が取れていますし、色々な法則性も見出す事ができるのです。だから、もし、過去にこのグラフ(コラッツの大木)がすでに書かれているようなのでしたら、当然、あちこちで頻繁に引用されているのではないか、とも思えるのであります。

 無力で浅学な私では、この世に存在する「コラッツ予想」に関する、あらゆる論文や研究書を漁って、その内容を理解する事は、とても出来そうにありません。そこで、もし、「コラッツ予想」に詳しい方が、私のこの駄文を読んでいまして、それで、「コラッツの大木」そっくりのグラフの過去の例をご存知のようでしたら、それを私にも教えて頂きたい次第なのであります。

 万が一、「コラッツの大木」が、すでに「コラッツ予想」の研究で使われているようでしたら、私のこれまでの思いつきも、やはり、シロウトの無知の産物に過ぎなかった、と言う事になるでありましょう。

 もっとも、とりあえず、現時点では、そのへんの確認が取れていませんので、ひとまずは、「コラッツの大木」は完全に私オリジナルの新しいグラフだと言う事にして、説明の方を進めていきたいと思います。

2023年12月03日

コラッツ予想(その19) コラッツの大木

 しかし、それだけでは終わらないのです!

 前回は、新たに、10の倍数の数列を展開してみた訳ですが、この10の倍数の数列からも、17、69などの奇数の分岐が発生しました。
 そうなりますと、これらの分岐した奇数(17、69・・・)からも、34、138・・・などの偶数の倍数の数列が新しく伸びていく事になるのであります。

 これらの新しく登場した偶数の倍数の数列も、2や10の倍数の数列みたいに、さらに延長させていく事が可能です。さらには、これらの数列から、またまた、新たな奇数の分岐や、そこから伸びる偶数の倍数の数列が発生する事になるのであります。

 まさに、私が提示したグラフでは、このような数字の連鎖が、ひたすら、永遠に続く事になるのです。そうやって、巨大に膨れ上がる事によって、どんどん、違う数字も巻き込んでいくのであります。

 そして、数字は無限に存在しているのです。だから、このグラフの拡大も、どこまでも終わる事はありません。えんえんと伸びていき、全ての数字を組み込んで、なおかつ、特定の規則性は守った上で、巨大化していくだろうと考えられるのであります。

 この仕組みを、私は、木の伸び方に例えてみたいと思います。

 偶数の数列が、木の幹や枝です。奇数木の芽になります。

 まずは、2の倍数の数列という、太い幹があります。そこから、5や21や85といった、奇数の芽が生えているのです。これらの奇数の芽は、となって伸びていきます。10や42や170といった偶数の数列の枝を形成していくのです。10や170などの数列の枝は、奇数の芽をつけて、さらに沢山の数列の小枝を生やす事になります。それらの小枝も、さらに孫枝を生やし、孫枝からも新たに枝が伸びて、これが無限に繰り返される事によって、巨大な数列の木が成長していく事になるのです。

 私は、このグラフのことを、仮に「コラッツの大木」と呼ぶ事にしたいと思います。

2023年11月30日

コラッツ予想(その18)

 ここで、ひとまず、16、5の先に発生した10の倍数の数列に注目したいと思います。この10の倍数の数列だけを切り取って、縦に並べてみますと、こんな感じになります。

5
10、3
20
40、13
80
160、53
320
640、213
1280
2560、853




 お気付きになったと思いますが、この形は2の倍数の数列にそっくりです。と言う事は、すなわち、この横に突き出た奇数たち(3、13、53、213・・・)からは、さらに右方向へと数列が伸びていく事になります。

5
10、3、6、12、24、48、96・・・
20
40、13、26、52、104、208・・・
80
160、53、106、212、424、848、1696・・・
320
640、213、426、852、1704、3408・・・
1280
2560、853、1706、3412、6824、13648・・・




 そして、この右に伸びた数列からは、さらに奇数の分岐が発生する事になるのであります。

コラッツ分岐2.png

 もはや、説明の必要もないかも知れませんが、奇数の分岐の仕方は、2の倍数の数列の時と、まるで同じなのであります。それぞれの数列の奇数の並び方が「4倍して+1」の法則にのっとっている点も同じです。

 そして、2の倍数の数列と同じなのは、この10の倍数の数列だけの話なのではありません。
 2の倍数の数列の横には、10以外の偶数の倍数の数列もありました。すなわち、42の倍数の数列、170の倍数の数列、682の倍数の数列・・・などなどです。そして、実は、それらの全てに、10の倍数の数列と同じことが言えるはずなのであります。つまり、それぞれの数列が、数列の途中に奇数の分岐点を持っていて、その分岐の仕方のルールは全て同一らしいと考えられるのであります。

2023年11月28日

コラッツ予想(その17)

 現在作成中の、コラッツの数式の新しいグラフは、明らかに、グラフ全体に通用する規則性を持っています。

 そして、そうだとしますと、以前に「コラッツ予想(その13)」で判明しました、2の倍数の数列における法則が、実は、その他の奇数の倍数の数列にも当てはまるのではないか、と言う発想も浮かんでくるのです。

 例えば、5の倍数の数列からは、「3、13、53、213・・・」の分岐の奇数が発生しました。これらは、計算してみますと、なんと、しっかり、「4倍して+1」の法則にのっとって、並んでいるのであります!

 5の倍数の数列だけではありません。85の倍数の数列も、341の倍数の数列も、5461の倍数の数列も、どれもが、「4倍して+1」の法則に従って、分岐の奇数が並んでいる訳なのであります。

 恐らく、グラフ内の数字をもっと増やしてみて、他の奇数の倍数の数列などを調べてみたとしても、きっと、同じ結果が得られる事でしょう。

 このコラッツの数式の新しいグラフでは、奇数の分岐の仕方に関して言いますと、統一して、「4倍して+1」の法則が適用されているようなのであります。

 本来でしたら、ここで、実際に大きな数も含まれているグラフを作成してみて、具体的に、この事を確認すべきなのでしょうが、今のところ、私は、そこまでして、この部分を証明する気はありません。最終的な大きなグラフを書く作業は、優秀な計算専門のコンピューターにでも任せておけばいいからです。

 それよりも、私の方では、この新しいグラフの構造を、もっと詳しく追求していきたいと思っています。と言いますのも、このグラフには、まだまだ、さらに新しい要素を付け加えていけるからです。

2023年11月27日

コラッツ予想(その16)

 前回の最後に出来上がったグラフを、再録しておきます。

コラッツ分岐.png

 いかがでしょうか。どうやら、横に伸びた数列につきましても、一定の法則に従って、分岐が発生しているようなのであります。

 分かりやすく、横の数列の最初の奇数の数字だけを抜き出して、並べてみましょう。

1
5
21
85
341
1356
5461


 最初の「1」は、実質上、縦にある2の倍数の数列と同じものです。それを踏まえて、これらの数列のそれぞれの分岐の仕方を表記してみますと、

1   3番目の数字から、一つ置きに分岐
5   2番目の数字から、一つ置きに分岐
21   分岐なし
85   3番目の数字から、一つ置きに分岐
341   2番目の数字から、一つ置きに分岐
1356  分岐なし
5461  3番目の数字から、一つ置きに分岐

 とまあ、三種類の分岐パターンが、順番に繰り返されているらしいのが、分かるのです。

 もちろん、これは、本当でしたら、もっと沢山の長い数列を作成してみて、それらを実際に検分してみてから、断言すべき結論なのでありましょう。
 しかし、庶民用のパソコンの計算機で、このグラフの巨大なものを作るのは、かなりの労作業であり、あまりにも不向きです。それに、この結論はほぼ確定のはずなのであります。さらには、なぜ、こんな分岐パターンのループになっているのかも、よおく調べていけば、論理的にも説明できるのではないかと思われます。

 つまり、私が今作成している、コラッツの数式の新しいグラフとは、そこまで、ち密な計算が全体に行き渡っており、一貫した法則性によって構築されているグラフなのであります。

2023年11月25日

コラッツ予想(その15)

 前回までの解説で出来上がったグラフが、こちらです。

1
2
4、1、2、4・・・
8
16、5、10、20、40、80、160、320、640・・・
32
64、21、42、84、168、336、672、1344・・・
128
256、85、170、340、680、1360、2720、5440・・・
512
1024、341、682、1364、2728、5456、10912・・・
2048
4096、1365、2730、5460、10920、21840・・・
8192
16384、5461、10922、21844、43688、87376・・・




 2の倍数の数列の時も、横から奇数の分岐が発生しましたように、この右へと伸びている、それぞれの倍数の数列からも、当然のごとく、分岐した奇数が存在している訳です。

 書き足しますと、こんな感じになります。

コラッツ分岐.png

 目ざとい人でしたら、これだけを見ても、ハッとしたかも知れませんが、少しずつ順番に解説していきたいと思いますので、ここで、いったん、次回へと続きます。

2023年11月23日

コラッツ予想(その14)

 ここで、前回の解説で作ったグラフを、あらためて、提示しましょう。

1
2
4、1
8
16、5
32
64、21
128
256、85
512
1024、341
2048
4096、1365
8192
16384、5461




 コラッツの数式を理解されていれば、すぐにピンときてくれると思いますが、この横に突き出た奇数の数字たちも、このまま、右の方向へ、倍数の数列になって、伸びていく事になります。

 書き足しますと、こんな感じです。

1
2
4、1、2、4・・・
8
16、5、10、20、40、80、160、320、640・・・
32
64、21、42、84、168、336、672、1344・・・
128
256、85、170、340、680、1360、2720、5440・・・
512
1024、341、682、1364、2728、5456、10912・・・
2048
4096、1365、2730、5460、10920、21840・・・
8192
16384、5461、10922、21844、43688、87376・・・




 言うまでもなく、これらの奇数の数列も、どこまでも大きく、無限に続いていきます。

 正確には、これで、(各奇数の右隣にある偶数の)10、42、170、682、2730、10922・・・の倍数の数列も、全て、コラッツ予想の確定数字にと加わった事となるのです。

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