野球と神様なんてね

　2024メジャーリーグはポストシーズンに突入し、いよいよワールドチャンピオンを目指す激しい戦いが行われていますが、ここでは2024年のレギュラーシーズンを終えた、日本人選手たちの個人成績に注目します!!

★　MLB 2024年レギュラーシーズン
　　　　　日本選手を個人成績から振り返る〜!!

◆　大谷 翔平（ドジャース）

159試合　打率.310　54本塁打　130打点　59盗塁　OPS1.036

　右肘手術からリハビリを進めているドジャース・大谷（30歳）は、打者に専念した1年。メジャー史上初の「50−50」を達成するなど本塁打と打点の二冠を獲得。

また各種指標では、本塁打54、打点130、塁打数411 (メジャー23年ぶりの400超え) 、得点134、出塁率.390、長打率.646、OPS1.036、長打数99、ISO.336、AB/HR（本塁打1本にかかる打席数）11.78、WAR 9.2など、少なくともこれだけのリーグNo.1指標を残し、伝説級の1年となりました。
惜しくも3冠王は逃したものの、イチローが保持していた日本選手最多盗塁56 も更新。移籍1年目でチームのリーグ優勝にも貢献し、自身初のポストシーズン進出も決めました。


◆　鈴木 誠也（カブス）

132試合　打率.283　21本塁打　73打点　16盗塁　OPS.848

　メジャー3年目のカブス・鈴木誠也外野手（30歳）は、オープン戦から好調。右腹斜筋の損傷で負傷者リスト入りするまで、打率.305と好成績。復帰後もコンスタントに成績を残し、7月27日のロイヤルズ戦ではメジャー通算49本塁打を放ち、城島健司を抜いて日本選手歴代4位に浮上。また、9月11日のドジャース戦では、2年連続20本塁打を達成。日本選手では松井秀喜、大谷翔平に次ぐ3人目で、右打者では初の快挙。そしてOPSはリーグ８位にランクインする好成績となりました。


◆　吉田 正尚（レッドソックス）

108試合　打率.280　10本塁打　56打点　２盗塁　OPS.764

　2年目となったレッドソックスの吉田正尚外野手（31歳）は、今季主にDHを任されましたが、前半戦で左手親指の付け根を痛め長期離脱。復帰した 6月の月間打率も.204と低迷。7月は.333、8月は.326と徐々にリズムを取り戻しましたが、昨年の15本塁打、72打点には及ばず、チームもポストシーズン進出を逃しました。


◆　今永 昇太（カブス）

29試合　15勝３敗０Ｓ　防御率2.91　173回1/3　174奪三振

　メジャー1年目のカブス・今永昇太投手（31歳）は15勝3敗と大車輪の活躍を見せました。
4月に5戦4勝するなど開幕ダッシュに成功し、その後も安定した投球を披露。15勝はナ・リーグ3位、防御率2.91は3位で、登板試合ではチームが23勝6敗という抜群の成績を残しています。
メジャー1年目の日本人投手の15勝は、12年のダルビッシュ有（当時レンジャーズ＝16勝）、16年の前田健太（当時ドジャース＝16勝）に次いで、07年の松坂大輔（当時レッドソックス＝15勝）と並ぶ3位タイ。また、メジャー1年目の日本人左腕では02年の石井一久（当時ドジャース＝14勝）を抜いて単独トップ。そして日本選手としては 5人目の新人王受賞なるかにも注目が集まります。


◆　菊池 雄星（アストロズ）

32試合　９勝10敗０Ｓ　防御率4.05　175回2/3　206奪三振

　開幕をブルージェイズで迎えた菊池雄星投手（33歳）は、7月末にアストロズに移籍。登板した試合でアストロズが9連勝するなど、10試合で 5勝1敗と安定感ある投球を披露。石井一久を抜き、日本投手の左腕としては単独トップとなるメジャー通算40勝目を記録。また、日本人左腕としては初めてシーズン200奪三振も記録するなど(最終的に206奪三振＝メジャー全体で8位)、本来の実力を発揮しました。



◆　山本 由伸（ドジャース）

18試合　７勝２敗０Ｓ　防御率3.00　90回　105奪三振

　メジャー1年目のドジャース・山本由伸投手（26歳）は、初登板となった3月21日のパドレス戦で1回5失点の乱調を見せたものの、その後安定。4、5月で5勝を挙げるなど、NPBで3年連続投手4冠に輝いた本来の実力を発揮しました。
しかし6月15日のロイヤルズ戦で右肩腱板損傷となり、負傷者リスト入りしてリハビリに専念し、9月10日のカブス戦で先発復帰。同28日のロッキーズ戦では、119日ぶりに今季 7勝目をマーク。ポストシーズンで勝利に貢献する投球が期待されます。


◆　ダルビッシュ 有（パドレス）

16試合　７勝３敗０Ｓ　防御率3.31　81回2/3　78奪三振　パドレス・ダルビッシュ有投手（37歳）は、今季 自身2年ぶり4度目の開幕投手を務めました。
そして5月19日のブレーブス戦で野茂英雄、黒田博樹に次いで3人目となる日米通算200勝を達成。
その後、左脚付け根の張りや右肘の炎症に悩まされ、「家族に関する個人的な事情」で制限リスト入りするなど、復帰は9月までずれ込みました。それでも復帰後に2連勝し、9月27日のダイヤモンドバックス戦では黒田博樹に並ぶ日米通算203勝目を挙げています。


◆　松井 裕樹（パドレス）

64試合　４勝２敗０Ｓ　防御率3.73　62回2/3　69奪三振

　メジャー1年目のパドレス・松井裕樹投手（28歳）は、開幕からメジャーでプレーし、チームに不可欠な存在となり、リリーフ投手として、勝ちパターンにつなぐ役割を全う。
メジャー移籍1年目での60登板は日本投手では歴代7人目で、9月は出番が少なかったものの、それでもチームのポストシーズン進出に貢献しました。


◆　前田 健太（タイガース）

29試合　３勝７敗０Ｓ　防御率6.09　112回1/3　96奪三振

　タイガースに移籍した前田健太投手（36歳）は、開幕当初は先発登板したものの、6月中旬から救援に転向。救援投手が先発した試合で長いイニングを任され、本来の力を発揮。
先発では17試合で2勝6敗、防御率7.42だったものの、救援投手では12試合で1勝1敗、防御率3.86をマークしました。


◆　千賀 滉大（メッツ）

１試合　１勝０敗０Ｓ　防御率3.38　５回1/3　９奪三振

　2年目となったメッツの千賀滉大投手（31歳）は、右肩の張りで開幕には間に合わず、7月に入り、実戦登板をこなすと、メジャー昇格して7月26日のブレーブス戦に先発。6回途中2安打2失点、9奪三振で日米通算100勝目となる今季初勝利を挙げました。しかし、6回に左ふくらはぎを痛めて緊急降板し、その後負傷者リスト入り。9月にはメジャー昇格の見通しが立っていたものの、上腕三頭筋の張りを訴えてシーズンを終えました。


◆　上沢 直之（レッドソックス）

２試合　０勝０敗０Ｓ　防御率2.25　４回　３奪三振

　レッドソックス傘下3Aウースターの上沢直之投手（30歳）は、9月に右肘痛を発症し、シーズンを終えました。昨オフ、日本ハムからポスティングシステムを利用して、マイナー契約でレイズに移籍。開幕直前にレッドソックスに移籍し、メジャーは2試合に登板して0勝0敗、防御率2・25。マイナーでは20試合に投げ、5勝4敗、防御率7・63でした。


◆　藤浪 晋太郎 (メッツ マイナー)　

　メジャー登板なし

　メッツ傘下3Aシラキュースの藤浪晋太郎投手（30歳）は、今季メジャー登板はなし。
メッツに移籍した今季は、オープン戦から制球難に苦しみ 3Aに降格。5月には右肩痛発症でリハビリに時間を使い、7月にはメジャー40人枠から外れ、事実上の戦力外通告を受けていました。マイナーでは、33試合に登板して1勝2敗1セーブ、防御率5・94でした。


　以上、日本選手の1年を成績から振り返ってみましたが、やはり大谷翔平（ドジャース）が前人未到の「50本塁打＆50盗塁」を達成するなどの活躍で沸き上がった24年シーズンとなりました。

また、鈴木誠也（カブス）もキャリアハイの21本塁打を放ち、OPSはリーグ８位にランクインする好成績をマーク。
投手陣では、カブス・今永昇太投手やパドレス・松井裕樹投手など1年目から好成績を残すなど実力を発揮。
菊池雄星（アストロズ）はメジャー全体で８位の206奪三振をマークし、山本由伸（ドジャース）やダルビッシュ有（パドレス）も存在感を示しました。

　一方で、ケガに泣いたメッツの千賀滉大投手や、力を発揮できなかったメッツ・藤浪晋太郎投手、レッドソックス・上沢直之投手など「明と暗」がくっきり分かれたレギュラーシーズンでした。