野球と神様なんてね

　9月10日、18歳以下の野球世界一を決める「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の決勝戦が台湾の天母野球場で行われ、侍ジャパンU-18代表は台湾と対戦。先制を許す苦しい展開でしたが、4回に小技と機動力を絡めて逆転に成功。2対1で勝利し、悲願の初優勝を果たしました!!



◆　決勝戦
9月10日（日）19:00 　台湾 1 - 2 日本

日本　｜000｜200｜0｜＝2
台湾　｜100｜000｜0｜＝1

　試合は初回から動く。1回表、最速156キロを誇る相手先発の孫易磊から四球と犠打、緒方漣（横浜）の安打と盗塁で1死二、三塁のチャンスを作るも、4番の武田陸玖（山形中央）が空振り三振、5番の丸田湊斗（慶應義塾）がファーストゴロに抑えられて得点できず。
　すると、その裏に先発の前田悠伍（大阪桐蔭）が安打と犠打、暴投でピンチを招くと3番の柯敬賢にセンター前に弾き返されて先制。それでも続く4番、5番から連続三振を奪い、最少失点に留めました。

　その後は孫と前田の投げ合いが続きましが、4回に代表結成時から大切にしてきた小技や機動力を駆使した攻撃が実ります。
　先頭の緒方が四球で出塁し、武田が犠打を決めて緒方を二塁に進めると、続く丸田は「自分の判断で」と警戒の薄い一塁側へのセーフティーバントを試み、一度はアウトの宣告も確信のあった丸田がビデオ判定を求め、これにベンチも応じて審判団に要求。すると判定は覆りセーフに。
一、三塁にチャンスが広がると��中一樹（聖光学院）がスクイズを敢行。これが成功して同点となるだけでなく、相手三塁手が一塁へ悪送球しボールは外野を転々。三塁手が投げた時点で、空いていた三塁へ走り始めていた一塁走者の丸田は俊足を飛ばし、一気に本塁を陥れて逆転に成功しました。

　初回に先制こそ許した前田でしたが、今大会3試合目の登板で「今日の調子が一番良かったです」という抜群の調整能力で2回以降は抑えていき、ストレートと変化球を丁寧に投げ分けて凡打の山を築きました。
　逆転以降はスクイズ失敗などで追加点を奪えず、最終7回は味方の失策で先頭打者を出し、相手の応援のボルテージは最高潮に達っするなか、それでも「甲子園でもアウェイの空気を感じて投げたことはありましたし、焦ることなく冷静に投げられました」と動じず後続を抑え、最後の打者をセカンドゴロに抑えると両手を突き上げ歓喜の輪の中心に吸い込まれました。


　胴上げ投手となった前田悠伍は悲願の世界一に「やっぱりすごく嬉しいですし、最後アウトとった時は初めて世界一を実感できたというか、本当に１番嬉しい時間でした」と話しています。

　そして試合後には個人賞も発表され、緒方漣内野手（横浜）がMVPに選出されるなど、“4冠”に輝きました。
緒方は日本代表の二塁手としてチームを牽引。主に3番を任され、打率.542（24打数13安打）で大会首位打者に輝き、11得点も大会トップ。さらに二塁手のベストナインに選出されました。

日本代表では他に、8日のプエルトリコ戦で5回参考パーフェクトを達成していた東恩納蒼投手（沖縄尚学）が先発投手のベストナインに選出されています。


　高校の日本代表としては今回が８度目の出場となったＵ１８Ｗ杯。過去３度決勝に進出するも準優勝に終わっており、４度目の挑戦で快挙を達成。

今年3月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）に続き、世界屈指の精鋭を相手に確かな強さを見せつけた日本。本当に優勝おめでとう!!
若きサムライたちのさらなる飛躍を期待しています!!