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2019年09月14日

小熊英二が日本の30年を総括 何が変わり何が変わら無かったのか?




 小熊英二が日本の30年を総括 何が変わり何が変わら無かったのか?



           〜AERA dot. 9/14(土) 17:00配信〜


 




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 日本社会は激変したと云うイメージとは裏腹に「変わら無かった事も有る」と語る小熊教授 2019年8月9日 ブックファースト新宿店

 
 〜歴史社会学者の小熊英二・慶応大学教授が、4カ月連続の著書刊行を記念し講演会を開催。著書『日本社会のしくみ』(講談社現代新書)や『私たちの国で起きていること』(朝日新書)で書かれた事を中心に日本の30年に付いて話した小熊教授。今、ノリにノッてる小熊教授の生トークを聴こうと満員の会場は熱気に包まれた。講演会の様子を特別に公開する〜


 どうも皆さん、お出で頂きまして有難う御座います。小熊英二です。「30年で変わった事、変わら無かった事」と云うお題を頂きました。最初は、日本社会はどの様な人々に依って、どの様な生き方で構成されて居たのかに付いて3類型で説明します。後半は、日本社会の変化が政治にどう影響して居るのかに付いて話します。

 『日本社会のしくみ』では、日本社会を「大企業型」「地元型」「残余型」と云う3つの生き方を仮定して分析します。

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               正規・非正規・自営業の推移グラフ

 大企業型と云う生き方は、中堅以上の企業に新卒で採用され、定年迄勤める生き方です。安定した雇用と比較的高い賃金が保障されて居ますが、大卒者が多く都市部に住んで居る事が多いので、教育と住宅ローンにお金が掛かります。
 正社員で雇われた人だと厚生年金を貰えます。厚生労働省のモデルに依ると、夫が40年以上中堅以上の企業に勤め妻が専業主婦で在った場合月額22万円です。これが総務省の家計調査に有る高齢無職2人世帯の月額支出27万円に比べると月5万円少ない。5万円×12カ月で年60万円、それが95歳迄の30年間だと約2000万円の貯金が必要だ、と言って大騒ぎに為りました。

 ソモソモ、厚生年金の支給額は1973年に現役世帯の60%を目途としました。1973年時点の男性の平均寿命は71歳。大体その位で死ぬと云う事を前提に制度設計して居たのですが、95歳迄生きると為ると問題が生じます。試算するのは大変難しいのですが、大企業型は2017年に国民の約26%と私は推計して居ます。国民の約4分の1です。

 それ以外の人達はどうして居たのかと云うと、自営業とか農林水産業とか地元の小企業等で働いて居た。これが2番目の「地元型」です。所得が高く無くても、持ち家が有り地域に定住して居れば、隣近所から野菜やお米を分けて貰ったり、子供の世話を頼めたりで現金支出は少なくて済む。
 国民年金は20〜60歳迄毎月保険料を納めたとしても受給額は6万円台です。夫婦2人で12万円。平均ではもっと少無いでしょう。都市部で有れば月6万円では生きて行けません。只、今言った様に持ち家や畑があり、食糧を隣近所から分けて貰えたり、長男夫婦が同居したりと云うモデルで有れば、月6万円でも暮らせると考えることは可能です。
 国民年金は1950年代末に作られた制度でしたが、元々自営業者は年を取っても働くのが前提の制度で、言わば「飽く迄補助」と云う認識でした。

 こう云う制度的な枠組みの中では、持ち家と地域の相互扶助がある「地元型」でも無く、安定した雇用と収入がある「大企業型」でも無い人は貧困に陥る可能性が高い。これが3番目の「残余型」です。私の試算では「大企業型」が26%「地元型」が36%位で、単純計算では「残余型」が残りの約4割と考えられます。

 残余型の所得は恐らく平均的に低いだろうと思います。只全員が低いかと言えば必ずしもそうでは無い。ベンチャービジネスや小企業の社長で、安定はして居ないが相当な収入があると云う人も居るかも知れません。色々な人が居ます。とは言え、概して年金は低いだろうし国民年金である事が多く、持ち家の無い人も居るでしょう。
 と為ると、残余型は大企業型と地元型の双方のマイナス面を抱え込んでしまう事に為る。国民年金で月5〜6万円、持ち家無し、地域ネットワークが無くて支出も多い・・・これではとても生きて行けません。この人達は、日本の制度の想定外だった人々と言えます。

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 正社員の割合は減って居ない

 過去35年間を見ると、実は「大企業型」は減って居ない事が判ります。俗に、非正規雇用の比率が4割近くに為ったと言われるのは、正社員が減ったからでは無く、労働者全体の中に占める非正規雇用の人が増えたと云う事です。
 非正規雇用が増えてその比率が上がって居るのは事実ですが、正社員が減って居ると云うのは必ずしも正しくありません。マクロ的に観ると、正規従業員はバブル期に増えてその分が2000年代前半に減りましたが、差し引きで云うと1980年代から殆ど変わって居ません。

 では非正規雇用が増えた分、何処が減って居るのかと云うと、自営業と家族従業者です。自営業が成り立た無く為って非正規雇用が増えて居る。これが30年間の一番大きな社会的変化の一つだと私は見て居ます。
 極端な事を言うと、上の方は安定して居て下の方がドンドン不安定化して居る。これは、所得が低くとも地域の相互扶助がある「地元型」が減り、孤立した状態で所得が低い「残余型」が増えて居る傾向であるかも知れません。だとすると、社会全体に取って相当不安定な事が起きる可能性があります。
 詰まり、正社員は1980年代から総数が変わって居ない。正社員の中でも恵まれた層である「大企業型」の比率も、全就業者の26%前後でこれも1980年代から変わって居ない。これが30年間で変わら無かった部分です。

 一方で自営業が減り、地方でも都市部でも地域社会が衰退し、非正規雇用が増えて居る。そして恐らく、所得が同じ程度で有ったとしても、地域や家族の相互扶助が無い分、貧困に陥り易い人が増えて居る。これが30年間で変わった部分です。

 30年前でも、終身雇用で右肩上がりの収入の有った人は上層の2割か3割で、社会の多数派では無かった。30年前に比べて社会が不安定に為ったとすれば、上の2割か3割が減ったからでは無く、下の7割の内実が、自営業から非正規雇用に変化して来たからだと言えます。

 日本の高齢者は昔から働いて居た

 先程言った様に、夫が中堅以上の大企業に40年勤め年収514万円をキープし続けた場合、夫婦2人で月22万円です。この人達が95歳まで生きる為には2000万円が必要だと云うので有れば「大企業型」の26%以外の人達はどう為るのか。勿論7割以上の人達はもっと働か無きゃいけ無い。
 とは言え、これは今に始まった事では無く、日本の高齢者は昔から働いて居た。国民年金だけで生きて行け無いのは昔も今も変わりません。但し、昔は自営業で働く人が多かった。農業や自営商店に定年は無いので、日本の高齢者労働力率は昔から高く、働く高齢者は決して珍しい存在では無かった。

 処が現在、自営業が減って来て居る。と云う事は、恐らく非正規雇用の高齢者が増えて居ると想定されます。農地が有って持ち家が有れば、国民年金でも遣って行けます。しかし、借家で非正規雇用の高齢者は、国民年金では貧困に陥り易く為ります。
 1970年代後半に一億層中流と言われた時代でも、国民の多数派が大企業正社員だった訳ではありません。1億総中流で無く為った、と云うのは3割程度の大企業正社員の雇用が揺らいだからでは無く、残りの7割を支えて居た「地元型」の安定性が減って来た為だと考えられます。

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 人口減には必然的な理由がある 

 ココから先は『地域を廻って考えたこと』(東京書籍)に書いた事に沿って話します。色々な地域を回って考えたのは「必然性が有るから人が居た」と云う事です。貧しいのを我慢して、只愛郷心だけでその地域に留まって居たのでは無い。何処の地域でも、ヒトとモノとカネの流れが有り、そこに人が住む必然性がある地域には人が集まり、必然性の無い地域は人が減る。これは洋の東西を問いません。

 では何故、過つての日本では地方の人口が多かったのか。実は自治体の出して居るデータを観ると、1945年から人口が急増して1955年迄が人口のピークと云う農山村が多い。これは戦争で都市部の産業が壊滅し、食料が無く為って、農山村に人口が移動したからです。1950年代初め迄は、都市部より農山村の方が食料に困らず豊かだった。
 そして1955年位から都市部の復興が起き、食糧難が解決された事で、農山村では一気に人口が減って行く。但しその減り方は、敗戦後に増えた分が元に戻ったと云う程度です。詰まり過つての農山村に人口が多かったのは、戦争とそれに伴う疎開があったからと云うのが一つの理由です。

 もう一つ、戦争中は外交関係が途絶して居るから貿易が出来ませんでした。敗戦後の占領下で貿易は占領軍の管轄下で自由では有りませんでした。1951年にサンフランシスコ講和条約を結び、国際社会に復帰して、1955年にはGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に日本も加わる事が出来る様に為ったのですが、1960年代前半迄は貿易制限が多かった。
 その為、色々なものを国内で調達するより他無かった。戦前、中国から輸入して居た鉄鉱石や銅は、敗戦後の時期は、国内鉱山で賄って居ます。日本の炭鉱業も敗戦から1950年代がピークでした。木材価格が非常に高かった時期でもあり、林業も1950年代には盛んでした。木材輸入が出来無かった上、戦災復興や高度成長の為に木材需要が高まったからです。

 この時代は「丸太1本切り出せば1カ月遊んで暮らせる」と云う話サヱ有ったと言います。今地域を巡ると杉林だらけなのは、こう云う敗戦直後から1950年代迄に、山の雑木林を切って植えた事が一因です。こう云う時代に、鉱山町や農山村の人口が多かったのは或る意味で当然です。
 他にも、過つては人口が多くて今は過疎地に為って居る地域には、昔の交通要衝地が在ります。例えば江戸時代の街道には、一日歩いて着ける場所毎に宿場町が在りました。又鉄道や自動車が発達する前は、海運が中心だったので、海運拠点として栄えた地域も在りました。しかしそう云う地域は、現在では人口が減って居ます。

 人口配置の歴史を見ると、農山村は1950年代半ばに人口ピークを迎えた所が多い事が判ります。高度成長期に人口が急激に都市部に移動しますが、1973年の石油ショックで都市部が不況に為り、人口移動の流れが止まります。
 地方に公共事業で仕事が増えた事もあり、1979年には「地方の時代」という言葉が流行りました。地方都市は、1980年前後が人口がピークの処が多い様です。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の設定は1980年代前半です。アレは、その時期が人口ピークだった地域の物語なのかも知れません。

 それからバブル期には又都市部への移動が多く為り、バブルが終わると又人口移動が止まります。しかし1990年代後半に為ると、景気の良し悪(あ)しに関わらず、都市部への人口移動が定常化します。それは先に述べた様に、自営業が急激に減って非正規雇用が増えて来た時期と重なります。地域社会の在り方、地域に定住すると云う意味そのものが、変質して来た時期とも言えるかも知れません。
 更に2000年代に為ると、地域に依っては人口減が顕著に為り「ゆるキャラ」とか「B級グルメ」と言った過疎化対策がブームに為って行きます。公共事業に対する視線が厳しく為り、実際に予算も削られて居た時期で、昔とは違う地域振興が模索されて居た時期でもありました。

 こう観て来ると、過つては地域には理由があって人が住んで居たのであって、今はその理由が無く為ったから人が減って居る、と云う側面があるのが判ります。だからと言って、戦争と食糧難と貿易制限の時代に戻ると云う訳にも行きません。地域振興と云う事を考える場合には「過つてその地域には何故人が多かったのか」を考え、更に「その地域が現代に於いてどんな新しい役割やポジションを担えるのか」を考え直すと云った視点が必要かも知れません。

 尚、地方移住がブームと言われます。その総数は判ら無い部分も多いのですが、2009年から2014年に掛けて地方移住者が4倍に増えたと云う調査があります。(毎日新聞・NHK・明治大学地域ガバナナンス論研究室)注目すべき流れですが、この調査によれば2014年度で総数1万1735人ですから、1億人レベルの人口問題を解決すると云う様な数ではありません。
 国道交通省や内閣府の調査でも、移住したいと云う願望を持つ人はそれ為りに多いけれども、直ぐ実行したいと云う人は少無い様です。移住者への関心が高まる事に依って、地域社会への注目が増えたり、新しい交流が生まれたりするのは好い事です。しかし、移住で国家レベルの人口問題を解決すると云うのは、聊(いささ)か筋違いの期待かも知れません。

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 「格差問題」の本質を見え無くさせたもの

 ココからは『平成史 完全版』(河出書房新社)に書いた話です。中央メディアの論調は「大企業型」のリアリティーに規定され勝ちです。例えば、2年前に『定年後』と云う新書が売れましたが、定年後に「生き甲斐」の為に働く事を考える様な人は少数派です。
 新卒から定年迄同じ会社に勤め続ける人も、定年後に年金だけで暮らせる人も3割前後しか居ないからです。しかし、そう云う人達が一番本を買う層ですし、大手メディアや官公庁に勤めて居る人だったりします。そう云う人達は、必ずしも下7割を含めた日本社会全体のリアリティーに詳しい訳ではありません。
 ですから、大手のテレビ局や新聞社に勤めて居る人達のリアリティーで日本社会を語ると、現実とズレて来る事が多く為ります。

 その好例が、格差問題です。1990年代末頃、大企業正社員に「成果主義」やリストラが導入されると云う話が注目されました。これはこれで重要な問題ですが、日本社会全体で云えば上3割の部分の話です。処が、それが日本社会全体の問題、詰まり「統計的にジニ係数が増えて居る」「非正規雇用が増えて居る」と云う話と混同されて語られました。

 そして、非正規雇用が増えて格差が拡大して居るのは大企業正社員が減った所為だ、と云った語られ方がされました。しかし実際には、こうした見方は必ずしも正確ではありません。非正規雇用が増えた分自営業が減って居ると云った現実が捉えられ無かった。
 それは「日本社会の不安定化」は「大企業正社員の不安定化」とイコールなのだ、ソモソモ日本の大部分の人は終身雇用で停年迄務めるものなのだ、と云う色メガネで社会を見て居たからなのかも知れません。

 又教育問題では、1999年に『分数が出来無い大学生』と云う本がベストセラーに為りました。これは大学、しかも所謂「偏差値」が高い大学の教授達の共著ですから、教育界の「いちばん上の部分」の話です。処がそう云う危機感と教育困難校の学級崩壊とが「日本の教育の危機」として、混同して語られ勝ちな傾向もありました。
 流石に2010年代に為ると『定年後』と『下流老人』は別の本として売れる様に為りました。この点は、2000年代迄の様に、日本社会の中の違う部分の現象を区別せずに語って居たのとは違うと言えます。「上級国民」「下級国民」と云う表現も出て来て居る様です。それだけ、階層社会が固定化して居ると云う認識が広まって来たとも言えるかも知れません。


 




 自民党が強い訳では無い
 
 政治の話に関心のある人も居ると思います。ココからは『私たちの国で起きていること』と『平成史 完全版』に書いた事に為ります。自民党の党員は1990年代から減って居ます。ピーク時の1991年に547万人居たのが、2012年に73万人迄減りました。政権奪回して2018年には110万人迄回復させましたがピーク時には到底及びません。

 これは何故か。此処まで見て来た様に、これだけ地域社会が弱体化して自営業が減って来れば、町内会、商店会、自治会が高齢化・衰弱化して機能し無く為るのは当然の事です。又2005年に郵便局を民営化した時、自民党の党員がゴッソリ減って居ます。詰まり旧来型の日本のシステムの基盤と、自民党員の多い部分は、ホボイコールと言えます。そこが衰弱すると自民党も衰弱する。
 それでも自民党が選挙に勝ち続けて居るのは、棄権する人が増大して居るのが大きな一因でしょう。1999年に公明党と連合して以降、自民党は公明党の協力と、野党の分裂・棄権の多さの為に援(たす)けられて居ます。

 2000年代以降、自公合わせて約3割の有権者が固定的に得票して居ます。より正確に言うと、日本の有権者は2000年代以降、約1億人で定常的です。人口は余り変わって居ないから約1億人で判り易いですね。そして自公合わせて、2000年以降のどの国政選挙も、ホボ2600万から2700万票を獲得して居ます。
 2005年の所謂「郵政選挙」は例外ですが、後はドンな事件や議員の失言があっても殆ど変わりません。大雑把に言って有権者の約3割です。

 一方で、所謂リベラル系の政党を全部足して約2000万票と云うのも2012年以降はホボ変わりません。民主党が立憲民主党と国民民主党に分裂したり、れいわ新選組が出来たりと色々ありますが、それ等と社民党・共産党等を足した得票はホボ2000万です。これは全有権者の約2割です。

 この状態で、投票率が50%で在れば、5割棄権・3割自公・2割リベラル系と為ります。この構図のママだと基本的に自公は安泰です。2012年以降の国政選挙は、全て投票率は50%台以下です。尚、維新とか「みんな」とかN国とかは、選挙に依って波がありますが概ね全部足して300万から800万位の得票数です。
 2009年に民主党が勝った時は、投票率が70%まで上がり、野党が選挙協力をしました。こう為ると、棄権3割・自公3割・野党4割と為って、民主党を中心とした政権が出来た。でもこれは、投票率が7割に上がら無いと難しい。投票率が5割では不可能です。

 では自民党が強いのかと云うと、総得票数は伸びて居ません。旧来型の基盤、詰まり自営業が減って地域社会が不安定化して居るのですから、増える理由が見当たら無い。しかし、棄権が多い上に野党が分裂して2000万の中で食い合って居る状態なので、少ない票数でも勝って居る。
 尚若い人に自民支持が多いと云う話も有りますが、アレは自民支持が多いと云うより「支持政党無し」が多くて野党支持が少無いと云う方が正確です。例えば支持政党無しが6割、自民支持が3割、野党支持が1割なら「政党支持の中では自民が75%」と云う数字に為る。
 ソモソモ若い人は投票率が低いので、全投票数の中で観れば、自民支持が多少比率的に多くとも余り全体の押し上げに為って居無い。

 それでは、どうしたら投票率が上がるのか。過去の事例から云うと、投票率が上がるのは、二大陣営対立に為った時です。2005年の郵政選挙や、2009年の政権交代選挙の様に、争点のハッキリした二大陣営の選挙に為ると関心が上がり棄権が減る。
 それに対して、投票率がガクンと落ちるのは新党ブームの時です。1990年代半ばと2010年代がそうでした。数え方にもよりますが、1993年から2000年には33の新政党、2012年以降で25の新政党が出来ました。そんなに離合集散を繰り返したら、普通の有権者はトテモ覚え切れ無い。当然、投票率は下がります。

 毎日ニュースやネットを調べて居る様な人は別ですが、大抵次々と新政党が出来ると投票率は下がる。ソモソモ、3年後に有るのかどうか判ら無い政党には投票したく無い人も多い。こう云う状況で投票するとすれば、昔から在って10年後も在るだろう政党、詰まり自民党に為り易いでしょう。

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 弱まる社会的ネットワーク

 サテ、結論です。ココ30年の変化と云うのは「地元型」が減って「残余型」が増えた。しかし「大企業型」は余り変化が無い、と云うのが私の見立てではあります。
 政党は、町内会や労働組合に組織されて居る人を重視し勝ちです。そう為ると「残余型」は社会保障制度だけで無く政治からも漏れ落ちる。そうで無くとも制度の隙間に当たる存在ですから、困って居る人が多いで在ろうと推測出来ます。

 しかし、少なくとも2000年代迄は、そうした変化に気付く事に遅れました。それは「大企業型」が日本社会の典型だと云う固定観念を、社会全体に投影して語ってしまって居たからと言えます。こうした認識を、変えて行く事が必要でしょう。
 又投票率が下がって居るのは、政治に対する無関心だけで無く、地域的なネットワークや労働組合等社会的なネットワークの弱体化が原因に為って居ると思います。確かにSNSは発達して居るけれど、フェイス・トゥ・フェイスのネットワーク、職場や地域のネットワークが弱って居る。面と向かって話さずに、ネットだけで言い合って居たら、分極化が起きるのは何処の世界でも同じです。

 これ迄日本は、農林水産業や商業等の自営業が、先進国の中でもトテモ多い国でした。その為「地元型」の地域ネットワークに寄り掛かって、社会保障の充実や政党政治の活性化をサボって来たと云う側面があります。地域や家庭で互助して居れば福祉は少なくて済むとか、地域関係で得票すれば政策を語ら無くて好いとか、そう云う形で遣り過ごして来た。企業福祉に頼るとか労働組合の選挙動員に頼るとかも、同様だったと言えます。

 これからは、それでは遣って行けません。社会そのものの足腰が弱って居る。これからは、その現状を把握した上で、対策を考えて行か無ければ為りません。ナカナカ簡単に答えが出るものではありませんが、今日の話がご参考に為れば幸いです。どうも有難うございました。


                  以上


 



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共産党の「野党連合政権」構想 どの様に進むか その2


 

 紙屋研究所 2019-07-23 えっ「野党5党派で政権交代を目指す」!?



 




 前回からつづく


 (2)財源の大きな方向性

 次に財源の大きな方向性に付いての確認が必要だ。国民はこの事を気にして居る。そしてそれは健全な心配だ。野党は夫々なりに対案を出して居るが、問題は、それを一致した方向性の合意に出来るかどうかだ。
 例えば、国民民主党の政策と云うのは、経済政策を見ると僕などは可なり納得出来るし、僕が選挙に出た時に打ち出した政策と凄く近いなと思って見て居たが(家賃補助とか家計第一とか)財源論で急に不安に為った。「こども国債」の発行だからだ。

 今合意されて居る「共通政策」には「所得、資産、法人の各分野に於ける総合的な税制の公平化を図る」しか無い。この辺りは大企業・富裕層への課税方向を明確にする等のもっと確りした確認が居る。
 例えば立憲民主党(枝野幸男)は次の様な踏み込みをして居る。「過去最高の利益を挙げて居る企業が法人税を十分に払って居ない。法人の所得税、金融所得、こうした処へ確りと課税をして、先ず払える人から払って頂く」しかし国民民主党は必ずしもそうではあるまい。そこはどうするのか。

(3)安全保障はメインでは無いが不安を解消すべき

 先述の通り、野党共闘は元々「安保法制廃止・立憲主義の回復」から出発して居るので、遂それをメインに打ち出したく為るが、しかし「国民が強く望んで居る事」との関係ではメインとは思われ無い。勿論、政権構想の中にはキチンと入れる必要はある。飽く迄「食いつき」問題である。
 但し、安全保障分野は、野党に対する国民の「不安」の中心点であり、メインに打ち出す話とは別に、その不安を払拭出来る様に確りと原則を確認して置く必要はある。例えば、共産党は安保条約廃棄や自衛隊解消・違憲論は取ら無い事を既に明確にして居るが、その事を再確認すべきだろう。

 しかし、それだけでは十分では無い。国民が本当に心配して居るのは、松竹伸幸等が指摘して居るが、自衛隊や安保をキチンと運用出来るかどうかなのだ。例えば核兵器禁止条約一つとって観ても、核抑止力論への賛否が絡んで来るので、野党内で合意が出来無ければ、新たに出来る野党連合政権はこの条約を批准をし無い事に為る。そこを国民に説明出来ねば為ら無い。

 「安保条約廃棄をしない」とは安保条約を「凍結」する事だが、「凍結」とは動かさ無い事では無く、現政権(安倍政権)と同じ運用をすると云うことだ。新政権内で合意出来る改善(例えば思い遣り予算の削減など)はすれば好いが、それすら合意に為ら無い場合は、安倍政権と同じ方針で運用する事を正直に国民の前に言って置く必要がある。只、共産党は前々からそのことは言って居る。
 安保条約の問題を留保すると云うことは、暫定政権としては安保条約に関わる問題は「凍結」する、と云うことです。詰まり安保問題に付いては、
 (イ)現在成立して居る条約と法律の範囲内で対応する
 (ロ)現状からの改悪は遣ら無い
 (ハ)政権として廃棄を目指す措置を取ら無い、こう云う態度を取ると云うことです。「現在成立して居る条約と法律の範囲内で対応する」とは安保条約を使うと云うことである。


 




 (4)戦略が合意出来無いなら変え無い事も

 安全保障に限らず、合意出来無いものは変えては行けないのは当然である。しかし、仮に野党内の合意が出来ても、問題によっては戦略(大きな方向)が合意出来無い場合には、悪戯に動かすべきでは無いものもある。例えば年金問題はその一つだろう。
 共産党はマクロ経済スライドの廃止を掲げ、財源論として高額所得者優遇の保険料是正等を掲げた。これに対して立憲民主(枝野)は次の様に述べて居る。「年金制度は、どう云う制度に変えて逝くにしても、幅広い与野党の協議が必要。志位さんのおっしゃって居る提案は、未だ我々は精査出来て居ませんが、一つのアイデアだと思っている」

 飽く迄検討課題に過ぎ無い。国民民主も同じだろう。詰まり、未だこれは合意では無いのである。「共通政策」の中にも年金は無い。だとすれば、年金は動かさ無い方が好い。年金の様なものは、野党として共通して確認出来るビジョンが有るなら切り替えても好いと思うが、中途半端な部分合意で動かすのは確かに余り好く無いからである。
 動かさ無いと云うことは、マクロ経済スライド即ち共産党の云う「減る年金」を野党連合政権に為っても続けると云うことだ。

 金融緩和も同じである。野党内でこれをどうするかに付いて合意が出来無ければ、黒田金融緩和の方向は続けるしかあるまい。勿論、共闘は一致点に基づいて行うものだから、一致出来無いものを無理に一致させることは出来無い。
 しかし、上記の4点に付いては原則をどうして置くか好く確認し無ければ、国民の不安には応えられまい。超具体的に言えば、テレビ討論で安倍にツッコミを入れられるのは間違い無い。

 総選挙は政権を選択する選挙に為る側面を必ずもつ。それは決して遠く無い。そうだとすれば、政権合意を作って国民に示し、それに基づいて小選挙区の統一候補を決め、活動を浸透させて行くことを考えると、残された時間は余りない。
 共産党も入れて協議を開始すると決めたのなら、一早く協議に入るべきだ。勿論「れいわ新選組」も基本方向に合意出来るなら、一緒に遣って行った方が好い。1回では変わら無いかも知れない。だが、先ずは政権協議を始める事だ。




 以下は余談。今回の参院選挙で僕が自分の直接関係する選挙区以外で注目して居たのは、高知・徳島選挙区の松本けんじであった。松本は元々共産党候補であったが、野党統一候補と為って、合意に依って無所属と為った候補である。それが今回40%得票したのに正直驚いた。「共産党出身」でも、統一候補として此処まで遣れるんだと云う意味でなのだが、それだけでは無い。
 演説は(音楽の)ライブに似た処があり、好い演説には、人が立ち止まったり振り向いたりする。中身だけで無く、声質とか口調とか見た目とか、そう云う総合的なもので決まる。僕はネットで見ただけだったが、演説が僕好みなのだ。こう云う感じで訴えたいものである。


               以上


 




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共産党が「野党連合政権」の構想を掲げ各党に働きかけ その1




 共産党は、自公政権に対し真摯に対立して来た過去があるが、具体的な政権構想には消極的だった感がする。立憲や国民民主党が、仲間内で色々マトまらぬ中、上位2党を差し置いて第三党の共産党が積極的に仕掛けて来た感じだ。果たしてその結果はどう為るのか・・・手始めに「れいわ新選組」の山本代表と会談し合意したが・・・これに関連した記事をご紹介したい。

 
 共産党が「野党連合政権」の構想を掲げ各党に働き掛け その1


 


 

 紙屋研究所 2019-07-23 えっ「野党5党派で政権交代を目指す」!?

 これホントに言ったの?

 立憲民主党の枝野幸男代表は21日夜、野党共闘に付いて「3年前に(参院選で)初めてこう云った形を取った時よりは、色々な意味で連携が深まって居ると思っている」と評価した。その上で「この連携を更に強化して、次の総選挙では確りと政権選択を迫れる様な状況を作って行きたい」と述べ、立憲民主、国民民主、共産、社民、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の野党5党派で政権交代を目指す考えを示した。

って云うか、直接それを示す文章が無いけど「野党5党派で政権交代を目指す考えを示した」って云う含意で解釈して好いの?嫌、批判して居る訳じゃ無くて、これはなかなかスゴいことだと思う。共産党が加わっての政権協議が始まれば、それは歴史的なことだ。
 今回の選挙は改憲に必要な3分の2を割らせたし、野党共闘をした1人区で3年前とホボ同じ10の区で勝利した。それはそれで大事な成果である。只、現状では限界がある事も確かである。自公を少数に出来て居ないのだから。何故か。

 前からずっと言って来た事だけど、安倍政権が続いて居る一番大きな原因は、野党側が「政権」と云う形のオルタナティブを示せて居ないからだ。有る意味で、安倍首相が言う「安定か混迷か」「当選したら又バラバラ。アノ混乱の再現」と云う野党批判には「道理」がある。
 それが出来て来なかったのは、野党内に「共産党が入った政権」を嫌がる向きがあって、話が進ま無かったのである。(故に2017年総選挙直前に「共産党外し」をして野党共闘を壊す「希望の党」騒動が起きたのだ)処が、今回の枝野の言明は額面通りで有れば、これを乗り越えるものだ。画期的。素晴らしい。

 野党は、先ず「共通した代替の政権像」を示せて初めて政権交代の第一歩を踏み出せると思う。逆に云うと、これが示せて居ない段階で「若者が安倍支持をするのは……だからで〜」とか「リベラル・左派がしょうも無いのは……だからであって〜」的な意見に余り過剰に付き合う必要は無い。(勿論、聞くべき点はあるし、それはそれで参考にして改善すれば好いとは思うが、囚われ過ぎ無い方が好い)そんな事より、先ず政権合意を作る方が先だ。確かな代替案が見え無いから安倍政権支持が続く事が主要な問題であって、示せれば状況は変わると思う。

 参考 野党4党1会派と市民連合による政策協定 

 2019年5月29日、市民連合は、野党4党1会派と、参議院選挙での政策に付いて「誰もが自分らしく暮らせる明日へ」から始まる以下の要望書を掲げた。

 1.安倍政権の憲法「改定」取り分け第9条「改定」に反対、改憲発議そのものをさせ無い為に全力を尽くす
 2.安保法制、共謀罪法等安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止
 3.膨張する防衛予算、防衛装備に付いて憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全と云う観点から他の政策の財源に振り向ける
 4.沖縄県名護市辺野古に於ける新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行う。普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進める。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守る。国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作・分断を止める
 5.東アジアに於ける平和の創出と非核化の推進の為に努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開する
 6.福島第一原発事故の検証、実効性のある避難計画の策定、地元合意等の無いままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指す
 7.毎月勤労統計調査の虚偽など、行政に於ける情報の操作、捏造の全体像を究明し、高度プロフェッショナル制度等虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止する
 8.2019 年 10 月に予定されて居る消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野に於ける総合的な税制の公平化を図る
 9.この国の全ての子供、若者が、健やかに育ち、学び、働く事を可能とする為の保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充する
 10.地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500 円」を目指し、8 時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消する。これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活出来る様に公営住宅を拡充する
 11.LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現する
 12.森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立する。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討する
 13.国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築する 以上

 これに続いて「この要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、共に全力で闘います」として、政策協定に調印(署名)した参加者は、
 立憲民主党・枝野幸男代表 国民民主党・玉木雄一郎代表 日本共産党・志位和夫委員長 社会民主党・福島瑞穂副党首 社会保障を立て直す国民会議・野田佳彦代表 以上 参考


 




 実は、今回の参院選で、市民連合を通じた「共通政策」は合意されて居る。「未だ具体的では無い」と云う意見も有るとは思うが、これは、自民党・公明党が政権を奪取した時の政権合意と比べても、具体性にそれ程遜色があるとは思え無い。
 しかし、これは政権合意では無い。飽く迄もこの選挙での候補者が今後6年間どう活動するかと云うことの縛りでしか無いのだ。しかも、前述の通り、野党に対する「混迷」「バラバラ」と云う安倍・自公の批判には一定の「道理」があり、国民の意識(不安)が反映して居る事は確り見て置くべきで、細かい事をアレコレ詰めるのでは無く、次の様な原則や戦略方向がキチンと確認されて置くべきだ。

(1)政権の戦略・イメージ
(2)財源の大きな方向性
(3)安全保障はメインでは無いが不安を解消すべき
(4)戦略が合意出来無いなら変え無い事も


(1)政権の戦略・イメージ

 先ず、政権の戦略・イメージである。要は、松竹伸幸が指摘する「どう云う未来を見せられるか」問題だ。元々野党連合政権は「安保法制廃止・立憲主義の回復」から出発した。言わば「暫定的政権」「緊急避難的政権」が議論のスタートだった。詰まり「基本政策は全然一致し無いけど、安保法制を無くし、現憲法下での集団的自衛権の行使を再び禁じる迄兎に角戻すと云うことで緊急避難的に政権作ろうぜ」と云う性格の政権(構想)だったのである。

 しかし、最早そう云う緊急避難的政権を取り敢えず作ろうと云う話では無く為って居る。「安倍政権に代わる政権をどう作るか」って云う話に発展して居るのだ。だとすれば、それは既に経済、外交・安全保障、民主主義等全般に渉る「本格政権をどう作るか」と云う議論で無ければ為ら無い。
 「共通政策」は消費税増税中止等を盛り込んで居て結構問題の根幹に触れて居るものの、一体その野党連合政権は何を目指して居るのか(ドンな日本を作ろうとして居るのか)は今ひとつである。それを国民に判り易く示さ無ければ為ら無い。

それは一言で言えば、国民民主党が掲げている「家計第一」詰まり、安倍政権が大企業サイドの歪んだ成長を追求して居るのに対して、野党政権側は、分配と持続的成長を対置する…等の方向では無かろうか。「薔薇マーク」キャンペーン等が指摘する様に、経済に付いての戦略方向を鮮明にしてそこをメインにした政権イメージを示すべきだと思う。
 市民連合との「共通政策」で言えば「消費税増税中止・原発再稼働中止・改憲中止の緊急政権」的な打ち出しに為ってしまうかも知れないが(この3テーマは勿論国政上の根幹を為す政策だから、決して瑣末なもので無い事は確かだが)、狭い左翼業界はそれで良くても一般国民からはそれが一体どう云う日本を目指して居る政権であるのかは判り難い。

 只、これだって単純には行くまい。何故なら、安倍政権は曲がり為りにも「最低賃金のアップ」「幼児教育の無償化」「大学の無償化」「相対的貧困率の改善」等を進めて居るからだ。勿論それへの批判はある。が、未だ政権を担当して居ない側が、その批判を込みで説得的な対案として示せるかどうかが次の問題なのだ。

 「一致点にもとづくことが大切であって、無理に政権イメージまで共有させる必要はない」という意見もあろう。もちろん「一致点にもとづく共闘」という原則を壊す必要はないし壊してはいけない。しかし、政権が何を目指すのかというイメージが簡単かつ効果的に伝えられない場合は、自公を超える評価を得ることは難しいのもまた事実ではないだろうか。できればそこまで進んで欲しい。


 その2につづく


 





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北朝鮮が、短距離ミサイル開発に舵を切った「恐ろしき真意」




 北朝鮮が、短距離ミサイル開発に舵を切った 「恐ろしき真意」


          〜現代ビジネス 9/13(金) 6:01配信〜


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 〜今年5月以降、日本海に向けて連続してミサイルと見られる飛翔体を発射して居る北朝鮮。その軌道と飛距離・飛翔体を分析すると、これ迄のミサイル発射とは明らかな違いがある。その違いには、日本の防衛上、決して看過出来無い北朝鮮の意図が現れて居ると云う〜


 5月以降の相次ぐミサイル発射の異常な多さ

 北朝鮮は本年に入り、5月4日から9月10日までの約4ヵ月間で10回、少なくとも20発以上の短距離弾道ミサイル(北朝鮮が大口径ロケットと呼称するものを含む)を発射した。夫々の報道を取りまとめると以下の通りである。

 発射日  ミサイルの種類×弾数   距離(km) 高度(km) 発射機(車両)

 ・5月4日  イスカンデル改等×2+α  240    60    装輪式
 ・5月9日  イスカンデル改×2     420    50    装軌式(クローラー)
 ・7月25日 イスカンデル改×2    600    50    装輪式
 ・7月31日 大口径多連装ロケット×2 250    30    装軌式(クローラー)
 ・8月2日  大口径多連装ロケット×2 220    25    装軌式(クローラー)
 ・8月6日  イスカンデル改×2     450    37    装輪式
 ・8月10日 北朝鮮版ATCMS×2    400    48    装軌式(クローラー)
 ・8月16日 北朝鮮版ATCMS×2    230    30    装軌式(クローラー)
 ・8月24日 大口径多連装ロケット×2 380    97    装輪式
 ・9月10日 大口径多連装ロケット×2 330    60    装輪式

 ※距離は最長距離、高度は最高高度


 これを見ると、本年5月以降の北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は、ミサイルの種類もさる事乍ら、発射方法も様々なバリエーションで行われて居る事が窺える。一般報道では、米韓合同軍事演習等への対抗措置だとか、韓国に対する示威行動であるとか、プロパガンダ的側面が強調されて居るが、北朝鮮に取ってこれは飽く迄副次的な効果であり、この様な反響とは裏腹に真の目的は、飽く迄戦術的な攻撃性能を向上させると云う事にあると考えられる。

 様々な発射バリエーションが意味する事

 先ず、夫々の飛翔体の種類を見ると、一つにはロシアの短距離ミサイル「イスカンデル」又は、それを元に北朝鮮が開発した「KN-23」 (米国等にはそう呼称されて居る)がある。これ等は、発射機(車両)等から少なくとも2種類(軍事パレードで確認されたものを含むと3種類)が確認される。
 次に、大口径の誘導型多連装ロケット(北朝鮮の発表。短距離弾道ミサイルと実質的に同等)である。このロケットも発射機等から少なくとも3種類が存在すると見られる。
 最後に米陸軍が保有するATCMS(Army Tactical Missile System)に酷似した新型の短距離弾道ミサイルであり、発射機を含むこれ等全ての短距離弾道ミサイル又は大口径ロケットの種類は少なくとも6種類に及ぶものであった。

 更に、発射形態に付いても、飛翔体毎に最適軌道による発射や、高度を低く抑えたディプレスト軌道、更にその中でも高度帯を変化させて発射する等、個別にミサイルやロケットの保有する機能を確認する為、飛翔形態を様々に変えて発射してデーター取り等を行ったものと考えられる。
 9月10日に発射された大口径多連装ロケットは、8月24日に発射されたものと同じタイプのものと見られるが、北朝鮮の報道写真(発射機の状態)から判断すると、3発が発射された模様である。
 韓国国防部は確認された2発の内1発は地上に落下した可能性があると発表して居る事から、3発射出した内1発乃至は2発が失敗に終わったものと思われる。又、1発目と2(又は3)発めの発射時(1発目から約20分後)の発射機の屹立角度が変化して居る様に見られる事から、異なる軌道(高度帯)で飛翔させようとした可能性がある。

 これまでの一連のミサイル発射の中でも、特に注目すべきは7月25日に発射された「KN-23」と見られる短距離弾道ミサイルである。この日のミサイルは、最高高度50qと云うディプレスト軌道で600q飛翔して居る事から、これを最適軌道で発射させた場合には1000q近く迄到達する可能性があると推測される。
 最大射程が1000qだとすれば北朝鮮の南東部から発射すれば、静岡県以西の(南西諸島を除く)日本の西半分までが射程圏内に入る事に為る。又、8月24日の発射を除き、全てが最高高度60km 以下と云う弾道ミサイルとしては低い高度帯(ディプレスト軌道)で発射して居るのは、イージス艦やイージス・アショア等の(中間飛翔段階に於ける)ミサイル防御(MD)システムである「SM-3」の迎撃高度(70km以上)を回避する狙いがあるものと考えられる。
 加えて、今回のミサイルやロケットが全て軌道変更可能な誘導型であった事から、低い高度帯の空気抵抗を利用する等して、より効果的に軌道変更させる事で迎撃ミサイル等による防御網の突破や、発射地点の攪乱を企図しようとして居るものと見られる。

 詰まり、北朝鮮は短距離弾道ミサイルの発射に付いて、トランプ大統領からお墨付きを貰ったのを良い事に、新規に開発したミサイルやロケットの発射試験を加速度的に実施して居ると云う事なのである。しかも、今回の一連の飛翔体の殆どは初確認の短距離弾道ミサイルや大口径多連装ロケットであり、北朝鮮は米国との非核化協議の過程で、核実験や中・長距離弾道ミサイルの開発を(表面的には)凍結しつつ、一方で短距離弾道ミサイル等に関しては重点的にその開発を促進して居る事が明らかと為った。
 尚、8月の10日と16日に発射されたミサイルに付いては、米国製ATCMSの本体部分の設計が韓国の短距離弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)-2」に流用されて居る事から、その技術が韓国から流出した可能性が十分に考えられる。


 




 金正恩の賭け

 北朝鮮は、一昨年まで核実験と長距離弾道ミサイルの開発に重点的に取り組み、既に核弾頭の小型化と長距離弾道ミサイルの技術までは手中に収めたと推測される。しかし、今までの発射実験の分析等から、戦略兵器であるICBM(大陸間弾道ミサイル)に不可欠な技術である「核弾頭を目的地まで運搬する再突入体」の完成には未だ至って居ないと見られて居る。
 詰まり、米国は北朝鮮が宣伝するICBMは戦略兵器として未完成であるとの認識の基に、現時点で「核及びミサイル(ICBM) 」の開発を止めさせれば、米国本土に到達する核兵器は保有させずに済むと踏んで、昨年6月の米朝首脳会談に臨んだのである。

 この会談で、米国のトランプ大統領は金正恩委員長から「対話が続く間は、核実験や弾道ミサイル発射は行わ無い」との約束を取り付けた。そして、今年2月に行われた2回目の米朝首脳会談で協議が決裂した後、米国との交渉が中断して居るタイミングで、5月4日に北朝鮮は突如「防御部隊の火力打撃訓練」と称して、金正恩の立会いの基に多数の多連装ロケットに交えて新型短距離弾道ミサイルの発射に踏み切ったのである。

 5月4日に北朝鮮が短距離弾道ミサイルの発射に踏み切った理由は大きく二つあったと考えられる。一つは、「進展しない米朝交渉に関して米国へ揺さ振りを掛ける為」であり、もう一つは「戦術ミサイル(短距離弾道ミサイル等)の開発と実用化を進展させる為」である。

 前者の理由に関しては、新型の短距離弾道ミサイル(イスカンデルの改良型)の中でも射程距離の短いタイプのものをディプレスト軌道で発射して飛距離を抑制し「防御の為の訓練」に見合う様同日発射した多連装ロケットと到達距離を同レベル(240km)にして米国への刺激を極力抑制しようと意図したものと考えられる。
 なぜならば、この発射にトランプ大統領が憤慨して「金正恩は約束を破った」と息巻く事態に為れば、更なる制裁の恐れからミサイル発射のハードルが高く為り、本来の目的である後者の「戦術ミサイルの開発と実用化」に支障を来す事に為るからである。

 詰まり、金正恩は「トランプ大統領は弾道ミサイルで在っても(戦術ミサイルの範疇に入る)短距離ミサイルならば許容するだろう」と云う賭けに出たのである。そして、金正恩の賭けは見事に的中し、トランプ大統領は「短距離ミサイルは問題視しない」と明言した。
 かくして、北朝鮮は戦術ミサイルの開発と実用化に拍車を掛け、現在に至るまでの一連のミサイル発射へと繋がったのである。

 米朝の非核化協議は長期化を覚悟

 北朝鮮がこのように戦術ミサイルを重点的に開発装備し始めたのには、米国との協議の過程で戦略兵器(ICBM)の開発中断を余儀無くされた事以外に、どの様な戦略的意図があるのだろうか。

 先ずその背景として、北朝鮮は米国との「朝鮮半島における非核化協議」の長期化を覚悟して居ると考えられる事がある。北朝鮮は協議が開始された当初より一貫して「段階的非核化」を求めて来た。これに対して、2回目の米朝首脳会談でトランプ大統領は、一挙に全面的且つ完全な解決を意味する「ビッグディールの法則」に拘り、協議は物別れに終わった。
 しかし、本年6月の電撃的な板門店における「米朝首脳会合」の後、7月9日に米国務省が「今月に再開される見通しの米朝協議に先立ち、北朝鮮が非核化に向けたプロセスの初期段階として核プログラムを凍結することに期待を示す」とのコメントを出し「段階的非核化」に応じる様なシグナルを北朝鮮に送ったのである。

 詰まり、トランプ大統領は、核合意を一方的に離脱して強硬政策をとり緊張関係にあるイランや、貿易問題や台湾情勢等で対峙する中国との関係にかんがみて「北朝鮮に対しては多少妥協してでも、この際、米側に取り込んだ方が国益に適う」と判断して居る可能性があると云うことなのであろう。
 そして、一方の北朝鮮も敏感にこの情勢を読み取って米国との協議に応じる姿勢を示しつつ、今後の交渉を優位に進めるべく、米側に揺さ振りをかけながらその出方を見極めようとして居るものと推察される。

 このような現状において、北朝鮮はこの交渉が段階的に長期化する事を見越し、協議が継続して居る間は米国の脅威が低減するだけでは無く、アワヨクバ主要な核施設の閉鎖や核査察の受け入れ、ICBMの廃棄等を条件に「核が残ったママの段階で米朝間で平和条約が締結される事も可能である」との期待を抱いて居る、というより寧ろ交渉をその様な方向に持って行こうとして居るのではないかと考えられる。


 




 米国の脅威低減で北朝鮮は戦術核ミサイルの保有へ

 米国から北朝鮮の現体制が平和条約によって保証され、米国の脅威が激減したとしても、北朝鮮にとっての脅威は決して米国だけでは無い。中国やロシアは、北朝鮮が米国と友好関係に為れば様々な圧力を掛けて来るであろう。因みに、ロシア機が竹島領空を侵犯した7月23日、中国とロシアの爆撃機が朝鮮半島東側の日本海で共同パトロールと称する示威活動を行ったが、韓国や日本と同様に北朝鮮も自国の鼻先で行われたこの様な活動に対して強い懸念と不快感を抱いて居るものと思われる。
 特に中国は、韓国から米軍が撤収する様な事に為れば、朝鮮半島全体を自らの影響下に置く事を企図して(米国離れする)韓国を取り込み「北進統一(韓国が北朝鮮に武力侵攻して韓国主導の統一朝鮮国家を建設するもの)」を嗾(けしか)ける事も考えられる。北朝鮮は挟み撃ちに遭えば一溜りもないであろう。

 北朝鮮は、この一連の短距離弾道ミサイル発射について、国連等で「定例の軍事演習で自衛の手段」であると強調しているが、これはアナガチ嘘では無い。北朝鮮にとっての自衛手段は、実質的に核とミサイルに頼って居るからだ。
 そして、北朝鮮にとって脅威の対象から米国を除けば、残るのは、周辺国である韓国、中国、ロシア、そして日本である。と考えれば、北朝鮮がもし短距離弾道ミサイルに核弾頭を搭載すれば、十分な抑止効果が期待できると云うことである。

 なぜ為らば、今回発射したミサイルの最大射程が1000kmに及ぶ事を考慮すると、韓国は「全土」中国は「北は哈爾浜(ハルビン)、西は北京、南は南京に及ぶ全域」ロシアは太平洋艦隊司令部がある「ウラジオストック」から東部軍管区司令部が所在する「ハバロフスク」まで、日本では「南西諸島を除く、静岡県以西の西半分全土」がその射程圏内に入るからだ。
 その破壊力と相手に与える心理的影響力を考慮すると、北朝鮮は戦術核ミサイルによって戦略兵器と同等の抑止力を得ることになる。

 したがって、北朝鮮がICBMやSLBM(潜水艦発射長距離弾道ミサイル)といった戦略(核)兵器の開発技術を留保しつつ(陰では開発を継続し)、米側との協議が完全に決裂しない限り、短期的には短距離弾道ミサイルの能力向上(射程距離の延伸や被撃墜能力、弾頭の大型化やペイロードの増強など)を図り、この短距離ミサイルにいつでも核弾頭を搭載できるようにしておくことは、戦略的に妥当な行動であるということになる。

 そして、何よりも北朝鮮にとって魅力的なのは、短距離弾道ミサイルならば最適軌道で発射しても大気圏外に出ることがないので、北朝鮮にとって技術的ハードルの高い「再突入体」の装備が不要であるという点である。





 

 今後、日本はいかに対応するべきなのか 

 それでは、わが国としては、このような北朝鮮の戦略に対して、どのような戦略で対応するのが適切なのであろうか。

 まずその前提として、国家にとって脅威となる対象国を評価する場合、その脅威の度合いは、我に対する軍事的(攻撃)能力と政治的意図の相乗効果によって判断されると云うことを頭に入れて置く必要がある。たとえば、米国は北朝鮮を破壊する程の軍事的能力を保有するので、これに政治的意図が加われば、北朝鮮にとって米国は甚大な脅威となる。
 しかし、「(米国に)攻撃する意図が無いに等しい」と為れば、その意図が変化しない限りにおいて、北朝鮮に於ける米国の脅威は殆どないという事に為る。そして、その意図の証明は、国際条約などによって担保される。即ち、脅威を低減する為には、相手の軍事的能力を削ぐか又は政治的意図を無くさせる(延いてはその両方を追求する)様に努力することが求められるのである。

 先ずは、軍事的に脅威を低減する為の手段について考えてみよう。相手の軍事力を削ぐというのは、(我を含む)何れかによる打撃等によってその軍事力がダメージを受け無い限り実現し無い事なので、軍事的には相対的に我が方が優位に立つことによって、結果的に相手の能力を低下させることが有効となる。
 それは、こちらが「相手を圧倒するような攻撃能力を有する」か、乃至は「相手の攻撃を無効化できるほどの防御能力を有する」かと云うことである。我が国の場合、専守防衛と云う原則に立脚すれば、この防御能力に頼ら無ければ為ら無い。

 北朝鮮の今回の新型短距離弾道ミサイルを見る限り、その構造からそれぞれのミサイルにおける弾道の軌道変更は限定的なものと見られ、航空自衛隊が保有する(ミサイル迎撃型の)ペトリオット(PAC-3)で迎撃は可能であろうと考えられる。
 しかし、逆の言い方をすれば、これらのミサイルに対して我が国が現有する弾道ミサイル防御(MD)システムは全体としてその機能を発揮せず、唯一有効なのがこのペトリオットシステムだけと云う事に為る。しかし、このシステムは飽く迄終末段階での迎撃システムなので、拠点防空には有効であるものの、攻撃目標の選定も発射弾数もコチラの防御に対して圧倒的に有利な北朝鮮の戦術ミサイルに対しては、とても防御が覚束ない。従って、軍事的に優位に立つ為には、その発射源を減殺する(攻撃)能力に頼らざるを得無いという事に為る。

 詰まり、我々は自衛権の行使を米国頼みにするのでは無く、我が国独自に北朝鮮の発射母体(発射機など)を反撃可能にする(兵器)システム等を早期に構築しない限り、軍事的には自力で北朝鮮の脅威を低減するすることは出来無いのである。

 では、もう一つの「政治的な意図」という側面から考えてみる。そもそも「北朝鮮が他国を攻撃する意図が何処から生じているのか」と言えば、それは彼らが言うように「自衛の為」であろう。彼らの言う「自衛」とは、現在の金正恩体制を存続させる為の「自衛」である。
 この体制を物理(軍事)的にも、社会(政治)的にも破壊しようとすれば、彼らはそれに対して躊躇なく攻撃を実行に移すであろう。これは、北朝鮮が一貫して主張して居る事であり、米国に対しては「体制が保証されるの為らば、自衛の為の核(兵器)は必要無く為る」との意思表示によって現在の非核化交渉が始まって居る。

 これらを鑑みると、わが国が北朝鮮による「攻撃の意図」を低減する為には、米国と歩調を合わせて北朝鮮の「体制保証」を前提に、朝鮮半島の非核化を目指して国交正常化へと進むしか無いであろう。そして、日朝間の最大の懸案である「日本人拉致問題」も、この交渉の過程で解決を目指すことに為るのであろう。
 結言すれば、日朝間においても首脳会談等を通じて「日朝協議を始め無い限り、政治的な意図の軽減は図れ無い」と云うことである。

 今後、わが国は、政治面においては米朝協議の進捗を見極めながら、米国と足並みを揃えて北朝鮮との交渉再開を早期に実現させると共に、一方で、軍事面においては、前述したように「北朝鮮の戦術兵器に対処できるような(自衛の範囲における)反撃能力とこれを有効にする監視・情報システムの構築に注力する」というのが、最も有効な対応であると思われる。
 


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             ジャーナリスト 鈴木 衛士氏


                  以上


 



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