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2018年09月03日

「ゲームシナリオのためのファンタジー事典 知っておきたい歴史・文化・お約束110 」感想

◆ゲームシナリオのためのファンタジー事典 知っておきたい歴史・文化・お約束110  感想

「ゲームシナリオのためのファンタジー事典」のダイジェストを兼ねた感想です。
内容に興味を持った方はぜひ本を手に取ってみてください。



■ファンタジーの元は3つの時代の混合
創作のファンタジー世界はおおよそ次の3時代を混合して組み立てられています。

・古代ローマ帝国
紀元前1~5世紀がモデル
帝国と帝国以外(蛮族、バルバロイ)の対立
人とモンスターの対立に似ている
ファンタジーの強い帝国イメージはローマ帝国の影響を受けている
----
・中世ヨーロッパ
5〜15世紀がモデル
古代の知識が失われ、領土を巡る対立、支配階級による搾取、人々の生活が不安定だった時代
失われた古代文明の設定はこの時代の影響を受けている
----
・近代ヨーロッパ
16~18世紀
ルネッサンスにより科学が発展、文明の高度化、銃が登場した時代
剣と魔法の混在した文明はこの時代の影響を受けている
----

3つの時代を組み合わせるとその隙間に矛盾も生じるのですが、そこを補完しているのがオリジナル設定。
多くの場合は魔法なり魔導技術の役割となるわけですね。
これは後述で触れます。

■JRPGのルーツは指輪物語
JRPGのルーツはJRRトールキン氏の指輪物語にあるとのこと。
映画「ロードオブザリング」の原作です。

同作品の影響でTRPG「D&D(ダンジョン&ドラゴンズ)」が生まれ、D&Dをテレビゲームに落とし込んだのがウルティマ、ウィザードリィ。
それら海外作品の長所を抜き出したのがドラゴンクエストという流れです。

【ゲーム語りの基礎教養:第一回】初代ドラクエはRPGへの逆風の中に生まれた
http://news.denfaminicogamer.jp/column03/game-gatari01
文量多めなのでさらっと読むには適していませんが「編集」という考え方は必見

名作のルーツを知り引用することは、世界観の共通化とも言えます。
ドワーフ、エルフ、ホビットといえば、ちびっこのおっさん、色白の細目細耳、すばしっこい若者とそれぞれイメージできます。
映画ロードオブザリングでは、魔法使いがめっちゃ近接戦闘していましたけど、それはそれとして。

ファンタジーの基礎を抑えておくと、有名作品のお約束を抑えられるので便利です。
また古典だけでなく、最新のRPGの当たり前も抑えておくと、幅広い層に訴求できるかもしれませんね。

■設定構築のヒントは現実世界や史実にある
本書で重要として挙げられているのが「架空の存在にリアリティをもたせる」ということ。

たとえば魔法。
機械が万能ではないように、名作の架空設定には使用条件、制限が定義され、読み手にわかりやすく伝えています。
ドラえもんがどの家庭にもいたら、のび太君の優位性がなくなってしまい、物語が成立しないように、架空の設定/能力には破綻しない理由が必要。

魔法のような技術を等価交換という一言でわかりやすくルール化し、作品のテーマに組み込んだのが「鋼の錬金術師」。
リアリティを考える際は、わかりやすさもポイント。

モンスターについても同じ。
対立する理由はなにか。
対立して、彼らが得るものはなにか。
かれらはどこからやってきたのか、など。
実は同じ人間だった、という話は定番ですが効果的などんでん返しですね。
人の歴史は争いの歴史とも言われるように、世界史は設定の宝庫です。

このように、ひとつの架空設定に対して現実世界を参考に「なぜか」「なにか」を繰り返して、背景を組み立てることがリアリティに繋がるのではないかと考えます。
現実世界の歴史が参考になるのは、史実には説得力があり、それを人と共有しやすいからなのでしょうね。

■現実世界のつまらなさを空想アイディアで味付けする
先は架空設定に対して、現実世界や史実を足す考えを書きました。
ここではその逆で現実世界に対して架空要素を足すというもの。
右辺と左辺の入れ替えです。

現実の中世世界(5~15世紀)は封建制により、各領地に関所が設けられ、通行税が課せられ、移動にデメリットが多かったのですね。
領主に力が集まり国王の影響力が弱かった、そんな時代。

冒険者が旅をしにくく、国王はお触れも出せないような背景ではファンタジーで冒険活劇はできません。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/封建制

このつまらない現実世界を打破するツールが架空要素。
魔法文明を持ち込み、動きをつけることで王道ファンタジーの基礎が成立しています。
現実モデルの世界設定の場合は何を足して変化をつけるか。

現実世界のジャンヌダルクは英雄と評される一方、悲劇としても見ることができます。
もしも〜(if要素)を足して、特別な力をもっていて難を逃れていたとすれば、革命をテーマにした物語になりますね。

■所見
これまでファンタジーに特化した資料集はあまり読んでいなかった私。
「なんとなく」で構成された自分の知識とのギャップを実感できました。

自分の知識が広がる分、作品の言葉や挙動にも影響が及ぶわけで、この方面に力を割くのは非常に価値のある取り組みだと思います。

これと同じことを感じたのが昨年のラノゲツクールMV作品の制作に伴う、シナリオの勉強。
シナリオも世界設定も、力を注いで自分の作品が面白くなるとは限りません。
けれど知っているからこそできる演出、面白さ、深みが生まれることはあります。
何事も基礎は大切ですね。

歴史に興味関心があり、ファンタジーの創作に役立てたい方にオススメの一冊です。
作品で言うとタクティクスオウガ、ベイグラントストーリー、FFT、ラストレムナント、ファイアーエムブレム、戦場のヴァルキュリア、といった史実を感じる世界観が好きな方には向いていると思います。
資料探しの参考になりましたら幸いです。

次は同シリーズのクトゥルフ版を読みたいと思います。
posted by tabirpglab at 13:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム
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