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2017年05月24日

【BIRDMEN(バードメン)】マンガ 感想&あらすじ SFを織り交ぜて子供の苦悩と成長を描いた青春ジュブナイル

週刊少年サンデー。2013年33号から連載中。既刊9巻
作者:田辺イエロウ
他作品:結界師



あらすじ

変わらない日常、何一つ思い通りにならない人生、煩わしい人間関係、なにもかもに不満を抱きながら陰鬱とした毎日を送っていた中学3年生の烏丸英司。

ある日、唯一の友人である鴨田樹真と学校をサボって公園に行くと、そこで2人は都市伝説として有名な“鳥男”を探していた海野つばめと鷺沢怜に出会った。

その帰り、4人を乗せたバスが転落事故を起こし、命に関わる大怪我を負ってしまう。助けも望めない絶望的な死への恐怖のなか、烏丸たちの前に黒い翼を生やした1人の“鳥男”が現れ――「死にたいか・・・生きたいか・・・どっちだ?」と問われた4人は「生きたい」と望んだことで、彼の助けによって奇跡的に生還を遂げる。

あの事故で鳥男に命を助けられたことがキッカケで、自分の身体まで鳥男のような変化が現れ出した烏丸。同じ状態に陥っていた3人と共に、彼らの運命は予期せぬ方向へと向かっていく。
変わるはずのなかった日常。しかし、少年たちは手に入れた。世界を、運命をも変える手段を――。

主要登場人物

・烏丸 英司(からすま えいし)
主人公で語り部。区立天空台中学校の3年生。目つきが悪い少し小柄な男子。何の変哲もない日常に不満を抱き、世の中に対して冷めた態度をとっていました。ネガティブな思考に陥りがちな根暗ですが、気が強くて超負けず嫌い。頭の回転は非常に速く、思慮深さと同時に思い切りの良い判断力も併せ持っています。
バス事故で命の危険に晒されていたところを鳥男(鷹山)に救われたことがきっかけで、鴨田・海野・鷺沢たちと共に鳥男と同様の体質に変化。チームの司令塔的ポジション。名前バレ防止のためにつけたコードネームは「ブラック」。「先導者(ベルウェザー)」の能力に覚醒。
自分たちの未来のために世界を変えることを決意し、仲間たちと日本を飛び出して世界へ。

・鷹山 崇(たかやま そう)
もう1人の主人公。未だ謎多いキーキャラクター。区立天空台中学校の3年生。ツンツン頭が特徴の男子。バス事故に遭い危険な状態だった烏丸たちを救った鳥男。言葉足らずで表情の変化が乏しく、リアクションも薄いのでいろいろ分かりづらい。
幼い頃に海外旅行へ出かけた際に乗っていた飛行機が事故に遭い、そこで謎の女に救われ鳥男になりました。普段から鳥男として人助けをしており、人の役にたつことに執心している所があります。コードネームは「レッド」。覚醒していないにも関わらず「繋げる者(リンカー)」としての能力を持ち、将来「超越者(トランセンダー)」になりうる資質を持つ。

・鴨田 樹真(かもだ みきさだ)
烏丸にとって数少ない友人。区立天空台中学校の3年生。高身長でスキンヘッドが特徴の男子。強面の見た目とケンカの強さから不良と思われていますが、実際は根がポジティブで行動力もある人の良い単純バカ。元々は烏丸をいじめてたグループにいましたが、ターゲットが自分に移った際に彼に助けられたことで友人になりました。烏丸は鴨田にとって憧れのヒーロー的存在。
コードネームは「グリーン」。「不死者(ライフスティーラー)」の能力に覚醒。考えることが苦手なうえに基本は能力によって不死なので、誰よりも前に出て戦うことが多い。

・海野 つばめ(うみの - )
烏丸たちとは別の中学へ通う女の子。人懐っこい明るい性格で、誰に対しても分け隔てなく接する子。母と小学生の弟、そして治療中の父親がいます。鷺沢とは小学校のとき通っていた熟が同じで仲良くなりましたが、恋人ではありあません。鷹山に仄かな恋心を抱いています。
コードネームは「ブルー」。父親が危篤に陥ったことで人間とセラフを繋げる「繋ぐ者(リンカー)」の能力に覚醒。

・鷺沢 怜(さぎさわ れい)
区立天空台中学校の3年生。裕福な家庭で育った爽やかイケメン。掴み所のない性格。人当たりが良く誰にでも優しく見えるが、周囲の人たちをよく観察して合わせてるところがあり、あまり本音は出しません。芸術家を目指していた兄が自殺した過去を持つ。烏丸たちと一緒にいることは新しい兄弟が出来たみたいで楽しいと思っています。
コードネームは「ホワイト」。人の真意を見抜く「詐欺師(トリックスター)」の能力に覚醒。

・龍目直之(たつめ なおゆき)
東都大理工学部生物学科準教授。進化生物学者。42歳。専門知識のある信用できる協力者を探していた烏丸たちが抜擢した学者。戦隊ヒーローモノで言うところの“ハカセ役”。以前、深夜のホテル街で女に刺されて倒れていたところを鷹山に助けられた経緯を持つ。鷹山曰く、問題行動が多くてやたら大人げなくてとにかくしつこくて諦め悪いけど良い人。烏丸たちの以来を快く受諾し、研究と共に彼等の良き相談相手となりました。マッドなところもありますが、研究よりも烏丸たちの安全を優先する良識人。

・アダム・フォックス
巨大科学機関「EDEN」のエージェント。22歳。EDEN内でも上位に入る頭脳を持った天才。実はEDENが作ったデザイナーベビーADAMU型のクローン人間で、クローンであるがゆえに寿命が短い。本名「AU−G−1153」。自分の内に数人の人格を有しています。目的のためなら手段を選ばない非常な面を持つが、セラフを通して「次の世界」を見たいという願望を持っていて、それを叶えてくれそうな烏丸たちを守るためにEDENを抜けました。



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感想・見所

青春の苦悩を抱えながら何の変哲もない日常を過ごしていた少年少女たちが、ある出来事を通じて世界すらも変えうる力を手に入れたことで、否応なく変わり行く非日常の世界で求める世界を掴もうとする姿を描いた物語。
少年少女の苦悩・成長・変化を描いた青春ジュブナイル巨編。他にも、「SF」や「バトルアクション」や「変身ヒーロー」など、複数の要素を併せ持った作品。
作者はアニメ化もされた人気漫画『結界師』で有名な女性漫画家・田辺イエロウ。作品の内容からしてずっと男性だと思ってたんですけど、女性だったんですね。

ジュブナイル―「少年期の」「少年少女の」という意味を持つ英語。本来は10代を対象にした小説ジャンルなわけですが、青春時代ならではの苦悩や葛藤が描かれていて、大人が見ても考えさせられたりちょっと切ない気持ちになる印象がありますね。
ジュブナイル作品をあげるとしたら、私がまず思い浮かぶのは映画『スタンド・バイ・ミー』。それから児童文学の『トム・ソーヤの冒険』や、『ドラエモン
今回紹介させていただく『BIRDMEN』は筒井康隆さんの『時をかける少女』と同様に、ジュブナイルにSF要素を加えた作品で、少年漫画でありながら大人でも楽しめる内容になっています。

変わるはずのなかった世界で「翼」を手に入れた主人公と仲間たち

何一つ思い通りにならない日常に対し、自分はどこへも行けないし変えることもできないと思い込んでいた主人公・烏丸英司。世間に対して冷めた態度をとっていますが、其の実ため込んだ苛立ちと不満を心の内で叫びまくっています。
あまりいないタイプの主人公ですね。極端にひねくれてる主人公は最近ちょくちょく見受けられますが、斜に構えたひねくれ者だけど根っこの部分はそうでもなく、友達はほとんどいないけど別に嫌われてるわけでも疎まれてるわけでもない。頭の回転は速く、客観的に物事を捉えることもでき、仲間思いでちょっと可愛いところもある周囲からいじられがちな男子中学生です。
他の子たちも、漠然とした不安や焦燥感、何も変えられない閉塞感、向き合えずにいた過去の出来事、家族との関係など、一概には括れない青春の苦悩を抱えながら日々を過ごしています。そして、どうすることもできないと思いながらも、自分の世界を変えてくれる確かな形もない”何か”を求めていたりしますね。
そんな彼らが生への渇望と共に手に入れたのが「翼」。自分の力で「飛ぶ」手段を手に入れたことで、彼らの見る世界は大きく変わっていきます。これは、主人公を含めたタイプの異なる5人の、そしてまだ殻を破れずにいる子たちの成長譚が描かれています。

少しずつ解き明かされていく“鳥男”の秘密

しっかり作り込まれた設定も魅力のひとつ。なかなか壮大ではありますけど説明はそれほど難しくないので理解はしやすいかと。
本作一番の謎はもちろん「鳥男(バードマンorセラフ)」。主人公たちに力を授けた鷹山ですらほとんど何も分かっていなかったことから、最初はみんなで試しながら少しずつ理解していくという手探り状態でした。まあでも、鳥男に関しては未だ謎だらけで完全には解明されていないほど複雑なので、このように読み手が登場人物たちと同じように理解を深められるのはありがたく、そして何より楽しいです。
5人は「鳥部」なるものを結成して実験を繰り返し、戦隊ヒーローもので言うところのハカセ役に当たる龍目准教授も仲間に引き入れ、さらに接触を図ってきたEDEN関係者を利用するなどして、少しずつ鳥男の謎や自分たちが置かれている状況の全容に近づいていきます。
主人公の能力「先導者(ベルウェザー)」をはじめ、他の「繋ぐ者(リンカー)」や「不死者(ライフスティーラー)」など、謎の解明だけではなく様々な能力を見れるのもワクワクさせてくれる要素ですね。

非日常へ変わりゆく中で鳥男(女)へ成長していく少年少女たち

ジュブナイル作品といっても色々ありますが、私の印象では子供から大人へと成長する段階で抱えている苦悩や葛藤に対して、子供たちがどう向き合うのかを描いてる作品が多いと思います。この作品でも「子供たちの成長」はメインテーマと言っても差し支えないですね。しかし、ここで描かれていのは大人への成長ではなく、「人類を超えた新たな存在」への成長。
ただし、決して理解できないものではありません。確かに直面する問題は私なんかでは計り知れない巨大なものばかりですが、強さを手に入れる過程と何かを変えたいと思う姿、大人や社会への反発、自らの成長に対しての葛藤など、それは子供が大人へと成長するなかで誰しもが抱いてきたものばかり。このような共感が生まれるからこそ、大人にも好まれる作品になっているところが大きいと思います。
また、鳥男たちは「テレパシー」で繋がっているのですが、この結び付きが強まるほど既存の人間社会から離れていく様子も伺え、このことから他者や社会との繋がりについても結構考えさせられます。

最後に

というわけで、子供が人間から人を超えた存在になる成長譚を描いた『BIRDMEN』でした。内容は大人でも楽しめるというより、大人向けの少年漫画でしたね。ストーリー、絵、キャラクター、演出、どれも素晴らしいのですが、惜しいのは月1連載なので続きが気になるのにコミックだとなかなか読めないことですね。
かつて多くの人が1度は思ったであろう「空を自由に飛んでみたい」、「ここではないどこかへ行ってみたい」、「なんか力が欲しい」といった願望や、漠然とした将来への不安。それらを見事に組み込んである内容と展開を覗かせ、あの頃を思い起こさせてくれるノスタルジーな気分にも浸かれる作品だったと思います。
謎の解明やこれから物語がどう展開されていくのか、そして主人公たちは何を選択していくのか、非常に面白い作品ですので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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