アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2022年02月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
ヨリちゃんさんの画像
ヨリちゃん
プロフィール

広告

posted by fanblog

2018年07月27日

ガダルカナル撤退 もう一つの手記 その3


 その3

  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル AVALANCHE COMP27.5(アヴァランチェコンプ) 27.5インチ マウンテンバイク

価格:80,481円
(2018/8/20 00:31時点)
感想(0件)



 9.生と死との間 

 人間の運命と云うものは一寸先は闇である。その日(12月28日)は、大隊命令を伝えるべく中隊拠点へ急いで居た。私の前を一人の兵隊が歩いて居た。一中隊拠点近くに来た時、その地点はジャングルの切れ間に為って居て急に明るく為る処である。敵の最も接近して居る地点で危険地帯であり昼間は殆んど往来し無い事に為って居た。
 しかし急ぎの命令であるので危険を承知の上で足速に通過せんとした処、轟然一発物凄い砲音がしたので、思わず地上に身を伏せると、今迄私の10米(メートル)先きを歩いて居た男の姿が見え無い。好く見ると辺りの笹の葉の一面に真赤な血痕が散って居るのが見えた。直撃弾を受けたものと見えて一片の肉切れさえも無い。完全に昇華してしまったのである。

 何処の兵隊であるのか分ら無い。何とも云えぬ恐怖の一瞬であつた。運命は紙一重である。私が今少し進んで居たら私が遣られたかも知れぬ。
 又或る日は夜明け前に頭上の樹の先きで砲弾が炸烈してバラバラと破片が落ちて来た。未だウツラウツラして居た時であったから気にもせず仮眠して居ると、辺りが明るく為ってからU上等兵が壕の中へ入って来て「壕の上の土に大きな穴があいて居る、中へ破片が入って居る」と云って私の両脚の間を探して居たら、土の中から直径20糎(センチメートル)位の破片が見付かった。

 丁度私は両足を開いて壕の壁に背を持たして眠って居たらしく気が着か無かったが、頭上の蓋を破り両足の間に落下したのだ。若し両足を接するか重ねて眠って居たら足を遣られ、出血多量で即死する処であった。膚に粟を生ぜしむる気持であった。  
 又、或る時は私の居る所より5米先に艦砲の直撃弾が落下、そこで仮眠して居た一中隊の兵隊が首を切断されて即死したのを目撃した。又、或る時は撤退途中でグラマン2機に発見され、50米位の高さより機銃掃射を1時間近くも受け、椰子の木の廻りを何十回と無くグルグル廻って弾を避け命拾いした事もある。機上から身体を乗り出して射って来る姿は全く憎らしい程であった。
 
 私は幾度と無く生命の危険に晒されたが不思議と死な無かった。負傷もし無かった。全く僥倖と云う外は無い。ガ島では敵弾で即死しなくとも、病に冒される事、負傷する事は死に直結して居た。医療施設や医薬品が欠乏して居たのでそれ等の者に対して十分なる治療が行われ無い。
 又栄養失調に陥って居るので自力で恢復する事も困難である。恨みを呑んで、幾千、幾万の将兵が彼の地で死んだか判ら無い。
 
 病気も複雑なものは多い。マラリヤ、脚気、大腸炎の3種である。通常ならば容易に治し得るものであるが、この為に命を落した者は数知れぬ。高温で湿気も多く着替えも無く着た儘のゴロ寝で、これで健康に好い筈が無い。僅かの期間であれば兎も角100日と云う期間は余りにも長い。  
 私は汗の着いたシャツは例え水洗いでも汗気を取った。無精は行かぬ、適当に運動も必要だ。唯壕の中に居ては脚気と為る。生きる為の智恵は必要だ。誰も助けては呉れ無い。自分の事は自分で守るより仕方が無い。
平常健康な者程早く死んだ。特に郡部出身者に多かった。
 健康を過信したのと少量の米だけの生活は体力を維持出来無かったのであろう。私は小食であったから、それ程体力的衰弱を事更気付か無かった。しかしもう撤退が1週間遅かったら、完全に参ってしまって居たであろう。既に脚の動きが鈍く為りつつあったからだ。

 

    10.発狂の兵 

 私の同年兵で、Kと云う一等兵が居た。喇叭(らっぱ)兵であつた。彼の喇叭は余り鳴った事が無い。お世辞にも上手とは言えず、彼の喇叭の音を殆んど耳にした事が無い。南方作戦で喇叭の必要性は無い。喇叭に拠って士気を鼓舞すると云う役目は最早や無い。
 今記憶に残って居るのは屯営に居る時の起床の勇ましい音、食事の時に於ける忙し気る音、就寝の嫋々(じょうじょう)たる音である。
 
 Kは頭の廻転も動作も敏捷と云う方では無かったので喇叭兵に廻されたものと思うが、何時も無精髭を生やし、ボソボソとものを云い余りパッとしない男であった。しかし女の事と為ると目を輝かし、得意の話術を振るうには驚かされた事が屡々(しばしば)ある。人間何かの取柄はあるものと感心したものである。  
 その彼が連日マラリヤの高熱に魘され遂に頭が狂ってしまったのだ。ガ島では2・3人入れる程の横穴を掘ってその中で対陣して居たのであるが、彼の壕の他の者は戦死してしまい一人と為ってしまった。彼が発狂してからはN衛生兵が附添って居たが、一日中監視して居る訳では無い。

 或る夜「敵の軍司令官より晩さん会に招待されて居るので、行って来る」と云って敵陣の方ヘドンドン歩いて行くのだ。慌てたN衛生兵は必死に為ってこれを止め、一晩中一緒に居て介抱してその夜は事無きを得たが、それから日為らずして彼の姿は見え無く為ってしまった。
 恐らく頭が狂って居たので敵、味方の区別が出来ず、敵陣の方へ出掛け敵弾に当って戦死したと思われるが、その消息は不明のままである。考えて見れば、何時もブツプツと不平そうな顔をして居た彼がこの様な結末に為ろうとは哀れとも悲惨とも云い様が無い。

  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル AVALANCHE EXPERT27.5(アヴァランチェエキスパート) 27.5インチ マウンテンバイク

価格:124,416円
(2018/8/20 00:33時点)
感想(0件)


 
 又同じ同年兵のM兵長の死も悲惨であった。彼は頭の切れる方であったが一寸陰険な処があり、戦友間では余り評判の好い男では無かったが、成績は良かったので早く兵長に進級して居た。私は彼とは余り心を割って話さ無かったが、彼もマラリヤに冒され頭が狂ってしまったのだ。あの怜悧な男が発狂するとは想像も着か無い事だ。
 或る夜、三抱えもある大きな木が斜めに倒れて居たのを登って行く男がある。5・6米位登ったかと思うとドスンと云う音がしてその男が落ちて来た。それがM兵長である。何の為にこの真暗な夜に倒木に登るのか。常人は及ばざる行動である。頭が完全に狂って居たのである。

 頭が狂うと人間は淋しく為るものとみえて真夜中に私の枕下に幽霊の如く佇んで居た事が一再ならずあり、その都度目覚めて慄然とした事があった。
 発狂すると間も無く死ぬ。M兵長も発狂してから1週間か10日位で死んだと思う。精根尽きて朽ちるが如く倒れて死んで居たのを或る朝発見した。その遺体の上に若干の土を被せて遣ったが、臭気が甚しく逃出して山の上の方へ移ったが、弾が烈しく落下するので又元の所へ戻って撤退する迄そこに居た。臭気も数日後には気抜けしてしまう。こちらも無表情に慣れるものである。
 
 勇ましい発狂の兵も居た。スコールが降ると「滝の白糸でござい」と大きな声で喚き「〇〇大夫演ずる水芸」宜しき動作をする派手な手合も居た。この様な元気な発狂者は2・3日中に死んでしまう。消耗が甚しいからであろうか。
 何万と云う蛆が集って居る屍体が彼方、此方に放置され、発狂の兵が擬態を演じ、骸骨の如き兵隊が戦野に餌物を求め歩く姿は全くこの世の生地獄だ。鬼気迫るものがありこれが帝国軍人の慣れの果てかと思うとゾッとする思いである。
 
 戦争の冷酷非惨極まれりと云うべし。軍の首脳部は掛かる状態がガ島に於いて毎日続けられて居た事を知って居たであろうか。敢て目を覆うて居たのであろうか。全く救いの無い六道である。

  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル SANCTION EXPERT(サンクションエキスパート) 27.5インチチューブレス フルサスペンションマウンテンバイク

価格:429,840円
(2018/8/20 00:34時点)
感想(0件)



 11.デマと謀略
 
 この様な戦場にはデマが飛ぶものだ。1日も早く苦しい状態から脱出しようとする願望であろう。
 
 「ニュージョージヤ島に日本軍の飛行場が完成し、ガ島の制空権は日為らずして日本軍の掌中に入る、そう為れば食糧も豊富に搬送されるであろう」と云うニュースだ。飢えて居る兵隊に取って食糧は何よりの切実な慾求である。このニュースは直ちに全線に伝播した。  
 しかし幾日経っても友軍機の1機も飛んで来ない。その中に飛行場は完成直前敵機の襲撃により壊滅したと云うのだ。果たして遣られたものなのか、或いは始めからそんな事は無かったのか。未だにその詳細は知らぬ。兎に角ガッカリした事だけは確かだ。
 その次は、新鋭部隊が救援に赴いて居るから、近く前線交替があり我々は休養出来ると云うニュースだ。これは飛んでも無いデマで、これを信用した者は殆んど居ない。唯夢寝の間の浅はかな願いとして語られ、早く内地の温泉で静養したいと云う事は何人の胸にもある思いであろう。それがこんな心にも無いデマと為ったものであろう。
 
 私が一番困ったのは食糧の欠乏もさる事ながら、50日以上も煙草を喫った事が無い事だ。1日5・60本位喫って居た私に取ってこの事は死ぬより辛い事であった。止むを得ず枯葉を紙で捲いて度々喫ったが咽喉が遣られてしまいシャ枯れ声と為った事を憶えて居る。
 この様な生活の中にも「生きれるだけ生きよう」と云う気持だけは失わ無かった。絶望した時もあったけれども常に心の灯を消しはし無かった。
 
 敵機から宣伝のチラシをバラ撤いて行く。樹上に引掛って居るのを見ると、三色刷の奇麗な印刷物である。表は投降文である。「お前達は軍閥に躍らされて居るのだ。お前達の家族は内地で酷い生活を強要されて居る。お前達は何の為に斗って居るのか。速かに無益な抵抗を止めよ。内地に帰りたく無いのか」そして裏には過つての平和の時代に於ける一家団欒の風景が画入れで印刷されて居る。
 望郷の念を掻きむしる様な文章であり戦意を喪失させる事甚しいものがある。軍は直ちに焼き捨てる様命じて居たが、コッソリ読んで居る兵は数多く居た。しかしこれに拠って日本軍の士気は些かも衰退を見せ無かった。投降が死に繋がって居る事を知って居たからである。ガ島では敵は未だ虫の息とは言え生きて居る日本兵を戦車の下敷にした事を伝え聞いて居た。
 
 後で聞いた事であるが、ガ島で捕虜に為って終戦後帰還した者が数名あると云う事であるが、それは恐らく戦斗中の捕虜で無く、我が軍がガ島より撤退した後に乗船し損なった者が捕虜と為ったものでは無いかと思う。
 戦斗中投降した者の話は聞か無い。動け無い者は自決したし、生命のある限り戦って死んだのだ。少なくとも撤退の時迄投降者は全然無かったと思う。

  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル SANCTION ELITE(サンクションエリート) 27.5インチ フルサスペンションマウンテンバイク

価格:386,640円
(2018/8/20 00:34時点)
感想(0件)



   12.脱走 

 ガ島の戦斗態形がどう為って居たかは我々兵隊には判るべくも無かったが、右翼のアウステン山に第二大隊、中間の見晴台に第三大隊、歩兵団司令部、その後方九〇三高地に第三八師団司令部、左翼の境台に第一大隊、その後方に連隊本部、最左翼の海岸線に近い所に第二師団が居たものと思われる。
 
 我が第一二中隊は第一大隊の指揮下にあって、境台の左翼に対陣して居たのである。昭和17年暮から同18年頭初に掛けては戦線は膠着し、唯敵が連日定期的に射つ銃弾の響のみがジャングル内に木霊して居た。その間にも弾に斃れ、病に冒され、栄養失調で幾多の兵士が毎日毎日死んで行った。
 
 1月10日過ぎから、敵は急激に攻勢に転じて来た。T少尉は第一小隊の指揮を執って居たが、或る日敵弾の為右眼を遣られ前線を退がる事に為った。
 そうすると当然上席の下士官であるK軍曹は第一小隊の指揮を代わって執らざるを得無い。しかしその任務は重く危険度も高い。K軍曹は下士候の出身ではあるが、凡そ小隊を指揮する気魄も能力も無い。唯兵隊では損だと云う功利的な気持から下士候を志願し辛うじて下士官に仕官したに過ぎず、平常から部下の信頼感は全然無く部下を指導教育すると云う念にも欠けて居た。
 小隊長が前線を退るとその夜、敵弾の音もし無いのに、遣られたと左腕に自ら包帯をして中隊長にも報告せず勝手に前線を離脱して後方へ逃走してしまった。そして大隊本部の所に居た私の所に朝早く立寄り、食糧を求めた。

 しかし前線から何の連絡も無いが、一応給与する事はしたが、その午後私は大隊本部附近の警備に就く事を命ぜられ、各隊の残党を引連れて分哨に行く事に為った。そこで私はU一等兵に、K軍曹は危険な奴だから絶対壕を離れるなと命じて分哨に出掛けて行った。
 処が翌朝帰ってみるとK軍曹の姿が見え無い。U一等兵に開くと、昨日水汲みに行った留守中に何処へ行ったか分ら無く為ったと言う。急に不吉な予感に襲われて壕の中を覗くと、昨日あった中隊用の食糧が見当たら無いし、雑嚢(ざつのう)に入れてあった200円ばかりの金も無くI軍曹の遺品である軍刀も無い。
 テッキリ奴に遣られたと地駄んだ踏んだが後の祭りであった。後方地区ではバットやほまれ(煙草の名)が1箇10円位で闇取引されて居る事を聞いて居たので、我々が使いものに為ら無いと思って居た軍票が結構役に立って居たらしい。
 
 私が分哨から帰って間も無く、中隊からK軍曹を知らないかと言って来た。話を聞くと、自ら拳銃で自分の腕を射ち卑怯にも前線を脱走した事が判明した。私は直ちに連隊本部に連絡を取り、取押方を求めたが、1日違いで更に後方に逃げたらしい。その後杳としてその消息は判って居ない。
 ガ島戦では撤退する迄上陸部隊は一兵たりとも島を出られ無かったから、撤退する時他の部隊に紛れ込んで逃帰ったらしい。酷い奴があったものだ。

  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル PALOMAR ALLOY27.5(パロマーアロイ) 27.5インチ マウンテンバイク

価格:38,685円
(2018/8/20 00:35時点)
感想(0件)



 前線では血潮を流して戦って居るのに、この国賊は悠々と後方の何処かに潜んで居たのだ。取押えられたら軍法によって銃殺刑に処せられたであろう。先にも触れたが、岡部隊の残党を笑え無い。終戦後私は名古屋で見掛けた様な気がするが私の錯覚であったかも知らぬ。あの様な精神では碌な生き方は出来ぬ。
 戦いは悲惨で、無情この上も無かったが同じ戦場にあった者は共に苦しみ、共に生き、共に死んで行ったのである。この意味において私は彼を許す事が出来ない。
 
 彼の小隊の兵士はその後数日を出ずして敵の猛攻の前に全員戦死してしまったのである。時に1月14日の事である。彼が前線に残して来た部下は全員戦死したが、何れも国難に殉じ壮烈な死を遂げた。死して尚余栄ありと云うべく、彼は生きて汚名を曝したのである。
 人間は義を重ずる事に世って生の価値がある。徒らに死を恐れ、況んや前線に部下をしてその帰趨する所を迷わしめる様な事は断じて許され無い処である。

 つづく

 

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル PANTERA COMP(パンテラコンプ) 27.5インチ マウンテンバイク

価格:106,704円
(2018/8/20 00:36時点)
感想(0件)



  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル SENSOR COMP(センサーコンプ) 29インチチューブレスレディ フルサスペンションマウンテンバイク

価格:311,040円
(2018/8/20 00:36時点)
感想(0件)



  

【2019年先行注文限定1000円オフクーポン】GT(ジーティー) 2019年モデル VERB COMP(ヴァーブコンプ) 27.5インチ フルサスペンションマウンテンバイク

価格:138,240円
(2018/8/20 00:37時点)
感想(0件)







この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7936424
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。