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2019年09月30日

叩かれる程信者を増やす「MMT」の怪しい魅力




 叩かれる程信者を増やす「MMT」の怪しい魅力


           〜プレジデントオンライン 9/30(月) 15:15配信〜


        9-30-10.jpg

 7月都内で行われたケルトン教授(中央赤い服)の講演に集まった、松尾匡氏(ケルトン氏の右隣)・浜田宏一氏(その隣)・飯田泰之氏(左隣)等日本の経済学者や研究者  筆者撮影







 日本経済の有り方がMMT理論の正しさを証明

 「MMTがココ数十年主張して来た事が正しいと立証して呉れた」

           9-30-11.jpg

              ステファニー・ケルトン教授
 
 7月に来日したニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授はこう話す。MMT(Modern Monetary Theory現代貨幣理論)とは、独自の通貨を発行出来る国は、低インフレが続く限り無制限に国債を発行出来ると云う主張。米国で論争を巻き起こして居るが、ケルトン教授は今の日本経済の有り方が、その理論の正しさを証明して居ると云う。        
 
 「れいわ新選組」はMMT支持を鮮明にした

 米国を中心に突然巻き起こったMMT旋風。民主党左派のアンドレア・オカシオ・コルテス議員が旋風を巻き起こす原動力と為ったが、それ以上にこの旋風の裏には財政緊縮派(主流派)が主導する経済が大きな壁にブチ当たって居ると云う現実がある。

       9-30-12.jpg アンドレア・オカシオ・コルテス議員

 2015年1月、ギリシャで急進左派連合と右派の独立ギリシャ人による連立政権が樹立された。新政権はEUの財政緊縮路線に反旗を翻(ひるがえ)し、大幅な赤字予算の編成を訴えた。この動きを封じ込めたのがEUの盟主とも云うべきドイツとフランスを中心とした主流派。
 押さえ込まれたとは言え、ギリシャの連立政権が提起した積極財政論が、燻って居た反緊縮派に火を点けた。イタリアでは極右の「同盟」と左派の「5つ星運動」が手を結んで連立政権を樹立した。この政権は内部対立から遂最近瓦解したが、左翼と右翼が手を結んだ裏には反緊縮で、EUに一矢報い様とする政治的な思惑があった。

        9-17-25.jpg

 安倍一強で政局に波風ひとつ立た無い日本。立憲や国民等既成野党の支持率は低迷したママだ。そんな野党を尻目に「れいわ新撰組」が反緊縮にMMTを結び付けて政界に波紋を巻き起こした。
 「れいわ新撰組」は参議院選挙では予想外の票を獲得、重度身体障害者2人を国会に送り込んだ。選挙公約は@消費税廃止A奨学金チャラ(徳政令)B全国一律最低賃金1500円等、兎に角分かり易い。財源としてMMTを受け入れ「新規国債の発行」を容認した。これによって大胆な財源の投入が可能に為り、公約のアピール度が高まった。

 ちなみに立憲民主党の選挙公約は「立憲ビジョン2019」5つあるビジョンの第1は「ボトムアップ経済ビジョン」ここでは暮らしから始まる経済成長がテーマ。第2は「多様性ビジョン」個人の可能性が芽吹く社会へ、第3が「エネルギー・環境ビジョン」原発ゼロを実現し新エネ・環境立国を掲げて居る。
 何れも理念先行気味で、一見しただけでは何を言いたいのか判ら無い。「消費増税凍結」も掲げるが、代替財源は「金融所得課税や法人税等を見直し、税の累進性を強化して公平な税制へ転換します」と歯切れが悪い。

 政権を狙う左派勢力に取って鬼門は、政策の裏打ちと為る財源をどうするかだ。立憲民主の様に金融所得への課税や法人税の見直しを掲げるのは簡単だが、実現可能性と為ると途端に怪しく為る。その点国債の増発は分かり易い上に、取り敢えず有権者の負担も伴わ無い。そこにお墨付きを与えたのがMMTである。政策を訴えたい野党には渡に船とも云うべき理論だ。






 「ばら撒く」キャンペーン

        9-30-7.jpg 立命館大学の松尾匡(ただす)教授

 「れいわ新撰組」は国債発行を容認する事によって財源論をクリアした。代表を務める山本太郎の経済ブレーンは、立命館大学の松尾匡(ただす)教授である。松尾は日本を代表するマルクス経済学者。左翼系経済学者に付き纏(まと)う悲壮感は無く、明るく楽しく経済成長の必要性を説く学者だ。
 その松尾は「薔薇マークキャンペーン」を主宰して居る。緊縮財政に反対し積極財政への転換を求める政治運動だが、その一環として賛同する野党の政治家に薔薇マークのスタンプを贈呈して居る。ちなみに「薔薇マーク」は財政資金を「ばら撒(ま)く」に引っ掛けた造語。松尾らしいネーミングだ。
 
 薔薇マークキャンペーンでは4月の統一地方選挙や7月の参院選挙で、野党候補者に「反緊縮の経済政策」を掲げる様に呼び掛けた。具体的には消費増税の凍結・社会保障や福祉への大胆な財政資金の投入・最低賃金の引き上げ・公共インフラの拡充等。財源は国債である。
 ヨーロッパを初め世界中で今反緊縮キャンペーンが勢い付いて居る。欧州では右派と左派が連携してEUの緊縮財政路線に反旗を翻そうとして居る。来年に大統領選挙控える米国では、バーニー・サンダース上院議員を初め民主党左派が積極財政主義への転換を主張して居る。

         9-30-8.jpg サンダース上院議員

 サンダースは社会民主主義者を自称する民主党左派の政治家。その経済政策の顧問を務めて居るのが、ステファニー・ケルトンNY州立大学教授だ。ケルトン教授こそは、MMT推進派の第一人者である。国債を財源にすれば選挙で訴える政策の幅が大きく広がる。
 その教授と長年に渉って親交を温めて来たのが松尾である。ギリシャの元財務大臣を務めたヤニス・バルファキスとも親交がある。世界中の左派が反緊縮で手を結ぼうとして居る。

 新星オカシオ・コルテス議員の登場
 
 米国では主流派の新自由主義、或はリフレ派に対抗する経済理論としてMMTが頭角を現して来た。主流派はこの理論を「クズだ!(garbage)」(ブラロックのラリー・フィンクCEO)と批判するが、元を辿ればケインズに源を発する列記とした経済理論の一つ。
 MMTはこれ迄理論としては知られて居たものの、注目を集める事は殆ど無かった。それを政治の表舞台に押し上げたのは、昨年の中間選挙でNY州から民主党候補として立候補、弱冠29歳の最年少で下院議員に当選したアンドレア・オカシオ・コルテス(AOL)議員だ。

 ヒスパニック系の彼女は当選間も無い今年の2月、気候変動対策法案を仲間の議員と一緒にまとめた「グリーン・ニューディール」と呼ばれるこの法案は、環境対策に要する莫大な財源を国債で賄おうとして居る。
 政治家が政策を掲げる以上、財源を明記する義務がある。オカシオ・コルテスは莫大な財源の調達手段としてMMTを容認したのである。巨大な財政赤字を抱える米国で、新たな国債の発行と云う主張は一般的には理解され難い。だが同氏は財政赤字を積み増しても、必要な対策は遣るべきだと主張する。
 この辺は保守の中でも右寄りで、思想や理念で対立するトランプ大統領と相通じるものが有りそうだ。財政の健全性より経済成長や国民生活の向上を優先しようとする。思想信条は違っても、考え方は似て居る。欧州で左派と右派が連携を強める根拠もココに有る。






 主流派が批判すればする程増える賛同者

 オカシオ・コルテスの主張に、真っ向から異論を唱えるのは寧ろ主流派の人達だ。リベラリストの代表とも云うべきローレンス・サマーズ元財務長官はMMTを「フリーランチ」と感情的に批判する。その上で「MMTには重層的誤りがある」と理論そのものを否定。前FRB議長のジャネット・イエレンも「MMTは超インフレを招くものであり、非常に誤った理論だ」とサマーズに同調する。

 ココに挙げたのはホンの一例に過ぎ無い。何れも現在の米国や世界経済に大きな責任を有して居る主流派の官僚や学者・経済人である。この人達はミルトン・フリードマンの流れを汲む新自由主義或はリフレ派を代表するエスタブリッシュメントである。
 そんな人達がポッと出のオカシオ・コルテスの主張に怒りを込めて反論する。主流派が批判すればする程MMTの賛同者は増える。

 日本も事情は同じだ。麻生財務大臣・黒田日銀総裁等主流派はこの理論を「異端」として排除して居る。財務省は7月に開かれた経済財政審議会への提出資料の最後に「MMTについて」と云う4ページの説明文を潜り込ませた。この資料は世界中の有識者の反論や批判を集めたもので、さり気無く反MMTの雰囲気作りに精を出して居た。
 既成野党も今の処目立った動きを示して居ない。そんな中で「薔薇マーク」運動と「れいわ新撰組」が組んで、反緊縮の政治運動が芽吹いたのである。八方塞がりの世界経済。先行きの不透明感は強まる事は有っても弱まる事は無い。主流派から強烈なバッシングを受けるMMT。だが、叩かれれば叩かれる程支持者が増える。何やら宗教戦争の様な雰囲気を醸し出し始めて居る。

 欧米と異なり日本では保守派が推進役

 日米を初めドイツ・フランス・英国等主要先進国は、今保守派が中心と為って政権を担って居る。そして政権を担う主流派は、どの国も新自由主義をベースに緊縮財政を貫き、経済成長は金融政策に大きく依存して居る。
 MMTが飛び火した日本。安倍政権も例外では無い。消費増税で財政再建を図り、異次元緩和でデフレ脱却を目指して居る。だが、一向に成果が上がら無い。そんな中で安倍政権に近い保守派が、MMT推進のエンジン役を担い始めて居る。保守派と目される人々は、デフレ脱却と経済成長を実現する手段としてMMTを称揚して居る。

       9-30-9.jpg 藤井聡(さとし)京都大学教授

 第一人者は安倍内閣で官房参与を務めた藤井聡(さとし)京都大学の教授で、同大のレジリエンス実践ユニット長を務めて居る。安倍内閣ではアベノミクスのアドバイザーを務めた。
 7月にケルトン教授が来日、記者会見や講演を行った。この時の主宰者の一人が藤井である。立命館大学の松尾や経済評論家の三橋貴明等と組んでケルトン招聘(しょうへい)で主要な役割を担った。

    9-30-13.jpg 経済評論家の三橋貴明氏
 
 元経済産業省の官僚で、経済評論家の中野剛志は理論面でMMT普及を担う第一人者。『富国と強兵』と云うタイトルの大著がある。政治家では自民党参議院議員の西田昌司、若手では「日本の将来を考える勉強会」の代表である衆議院議員の安藤裕等が居る。

          9-30-17.jpg 衆議院議員の安藤裕氏

          9-30-14.jpg 経済評論家の中野剛志氏

 藤井はこの「勉強会」の講演(2017年4月)で「今日のテーマは二兎(財政再建と経済成長)だが、二兎では無い。成長すれば自ずと財政は再建される」と述べて居る。レジリエンスな公共投資を主張する藤井は、この頃既にMMTによる積極財政論を考えていた節がある。

        9-30-15.jpg 自民党参議院議員の西田昌司氏

 自らはリフレ派でありリバタリアン(※1)と自称する駒澤大学准教授の井上智洋もユニークな存在だ。AIの進化によって人間は労働所得が無く為り、ヘリコプターマネーやベーシックインカム(BI)(※2)が必要に為る時代が来ると説く。

        9-30-16.jpg 駒澤大学准教授の井上智洋氏

 その井上は、積極財政派としてMMTと重なる部分がある。安倍政権はデフレ脱却を経済政策の1丁目1番地に据えながら、一方でデフレ政策そのものである消費税を引き上げると云う矛盾を犯した。リフレ政策である大胆な異次元緩和と、これを否定する消費増税の推進。二兎を追った結果として、日本経済に再びデフレの足音が忍び寄ろうとして居る。

 (※1)個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する政治思想・政治哲学の立場に立つ人のこと。
 (※2)全ての国民に生きるのに必要な最低限の金額を支給すると云う制度。


 




 積極財政主義への転換を模索する動き広がる

 そんな中で、反緊縮派(左派)と保守派(右派)がMMTを通して結び付こうとして居る。これにリバタリアンやBI主導者が加わり、積極財政への転換を模索する動きが水面下で広がり始めた。異次元緩和を推進した日銀にも政策的な手詰まり感が漂い始め、主流派であるリフレ派の主張も微妙に揺れて居る。

 財政均衡主義を頑(かたく)なに貫いて来たあのドイツで、気候変動対策として赤字国債を容認する動きもある。表舞台では米中の貿易戦争が華々しく火花を散らして居る。その陰に隠れて目立た無いものの、積極財政路線への転換を模索する動きがチラホラ散見される様に為って来た。
 今の処参加者は右と左のマダラ模様。この先大きな動きに為るのか、線香花火で終わるのか、先の事は判ら無い。只、新自由主義に牛耳られて来た経済政策の世界に、MMTと云う異論が国際的に広がりつつある事は間違い無さそうだ。
 (文中敬称略)


           松崎 秀樹(まつざき・ひでき)ジャーナリスト

1950年長野県生まれ 74年慶大卒 時事通信社入社 東証、日銀、大蔵省等担当 98年経済部次長、解説委員等を経て2009年6月取締役 13年7月からフリージャーナリスト ブログ「ニュースで未来を読む」運営 著書に共著『誰でもわかる日本版401k』(時事通信)今年1月には塩田良平のペンネームで初の小説『リングトーン』(新評論、著)を出版

     ジャーナリスト 松崎 秀樹    以上














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