2021年10月29日
日本経済が「大復活」する為の足った一つの方法
岸田も枝野も何故か言わ無い・・・
日本経済が「大復活」する為の 足った一つの方法
10/29(金) 7:32配信
総選挙の「分配合戦」がヤバ過ぎる・・・
文章 中原 圭介 経済アナリスト 10-29-10
岸田も枝野も語ら無い事が在る・・・
Photo/gettyimages 10-29-1
与野党が10月末の衆議院議員選挙に向けて〔分配〕と云う名の経済政策で競って居ますが、極めて無責任な大盤振る舞いを約束して居ると云わざるを得ません。自民党の公約では、数十兆円規模の経済対策で現金給付を行い、個人や事業者に手厚い支援をするとして居ます。立憲民主党も年収1千万円以下の個人を対象に、所得税を1年間免除すると云います。
しかし、両党ともどの様に経済を〔成長〕させる道筋を描いて居るのか、明確に示す事が出来て居ません。当然の事乍ら、新型コロナで大きな打撃を受けた低所得や非正規雇用の人々への手厚い支援は必要不可欠ですし、出来るだけ早く支援するのが望ましい事は論を待ちません。
問題なのは、与野党が選挙でのアピール材料として、支援の不要な人々にも「お金を配る」と約束して居る事です。例えば、新型コロナの感染拡大が収束に向かえば、旅行・飲食等のサービス消費は自然に回復して行くでしょう。現金給付にしてもGo To関連の補助事業にしても、優先すべき政策か如何かは大いに疑問を感じます。
自民党の岸田総裁も立憲民主党の枝野党首も「成長と分配の好循環」と云いますが、分配をしただけでは成長力が高まら無いし、成長力を高め無ければ分配する原資は確保出来ません。特に現金給付は一時的なものなので、その一部が消費に回るだけで需要をその時だけ押し上げるに過ぎ無いのです。
日本経済が「伸び無い」のにはワケが在る
賃金は下がり続ける一方 Photo/gettyimages 10-29-2
アベノミクスが齎(もたら)した日本経済の最大の歪は、過度な円安や2度の消費増税に依って国民の実質賃金が大幅に下がってしまった事です。実質賃金が増え無い事には、将来への不安が消えず消費が増える訳が在りません(参照記事『衝撃! 日本人の賃金が「大不況期並み」に下がって居た』)
ソモソモ日本がGDPをアメリカ並みに成長させる事が出来無いのは、2008年をピークにして〔人口減少〕が続いて居るからです。時が経過するに連れて人口減少が加速度的に進み、推計では2050年の人口は今よりも3000万人近く減少すると云うのですから、GDPの規模が右肩上がりに成長して行くと云う夢想は捨て去った方が好いでしょう。
そう云った意味では、日本には「GDP」よりも〔1人当たりGDP〕を伸ばす事を主眼とした経済政策が必要不可欠です。
現状では日本の1人当たりGDPは韓国に抜かれてしまって居る有り様ですが、何れにしても、働き手の「ひとりひとりが成長して、稼ぐ力を高める」と云う視点が求められて居るのです。
その為には、国と企業が協力して〔スキル教育(学び直し)〕を広く普及させる事が最善の策だと思います。寿命が延びて個人が生涯で働く年数が長く為る中で、学生時代に修得した知識やスキルだけではビジネス環境の変化に対応し切れ無く為ります。そう為れば、スキル教育への需要が大いに高まって行く筈です。
結構簡単に出来ちゃう「スキル教育」
候補者の遊説に集まった人々 賃金はどうやったら上がるのか?Photo/gettyimages 10-29-3
アメリカやイギリス等の先進国では、高所得の人々程教育やスキル習得の機会に恵まれて居るので、それが更に高収入を齎し長い人生を豊かに生きる事を可能にして居ます。その反対に、低所得の人々程教育やスキル習得と云った機会が少無い為に、人生を通して低い収入に甘んじる事に為り、年を取るに連れて低い収入の仕事も無く為って行く悪循環が生まれて居ます。
日本はアメリカ等の状況を反面教師として、国策としてスキル教育の普及に取り組み、一人一人の働き手を応援すると云う仕組みを構築するべきです。幸運な事に、ITやAIが発達して居る社会では、新しいスキルを身に付け様とする意欲を持って居れば、意外に早く習得して働く事ができる環境が整いつつ在ります。
今から10年前だったら、1つのスキルを身に付けるのに5年~10年の時間を要しました。しかし、今ではITやAIが広く普及して居るので、何をしたらスキルを身に付けられるのかが明確に判ります。
本気で取り組むので在れば、スキルの取得期間も3年に短縮する事が十分に可能です。 更にVR(仮想現実)やAR(拡張現実)が一層普及すれば、モッと短期間にスキルが身に着く様に為るでしょう。
3つの分野の専門家に為れる
スキルが在れば仕事に困ら無い Photo/gettyimages 10-29-4
テクノロジーの進化に依って、人生で幾つもの異なるジャンルの仕事をして、年を取っても稼ぎに困ら無い世界が訪れ様として居ます。数年後、私達は今よりも個人の趣向に合わせて多彩な分野のスキルを学ぶ機会に恵まれて居る筈です。だからコソ、現時点で有するスキルとは別に、その周辺の新しいスキルを会得する事が大切に為るのです。
例えば、1つのスキルで専門家の領域に3年で到達出来れば、9年掛ければ3つの分野の専門家に為る事が出来ます。その結果として、私達は元々持って居るスキルを中心に、関連が深い専門性を高める事が出来るばかりか、過つてより多角的な視点を持った専門家に為る事が出来るでしょう。
無論、これ迄のキャリアやスキルを捨て去って、心機一転、全く別の分野の専門家に為る事も出来ます。その場合には出来る限り、自分が好きな事や関心が在る分野を選ぶ様にするのが良いでしょう。
人はどのような分野で在っても、好きな事や関心が在る事に付いては熱意を持ち上達は早く為る。好きな事を仕事にする幸運に恵まれれば、それだけでも人生は十分に楽しいものと為るでしょう。
日本人が自信を取り戻す為に
政治家は「勉強しろ」とは言わ無い Photo/gettyimages 10-29-5
今後、私達に取って重要に為るのは、様々な事柄に興味や好奇心を持って接する事が出来るか如何かです。自分は何に向いて居るのか・何が本当に遣りたいのか・・・それを見付ける事の方が最優先事項に為るでしょう。
と為れば、大学に入る前からキャリア教育が必要に為って来ます。日本では若年失業率が先進各国に比して低いものの、過去30年に渉って入社後3年以内に離職する新卒社員は3割程度で高止まりして居ます。
日本でも高校生からキャリア教育を始めれば、企業と学生のミスマッチは減るでしょう。高校生が卒業する時には「コンな仕事がしたいから、大学ではコンな勉強をしたい」と考えられる様に為る事が理想です。
私がスキル教育の重要性を説くのは、スキルを高めて働き甲斐が在る仕事を出来る様に為れば、人生に自信を持つ切っ掛けに為るばかりか、将来に対して明るい見通しを持てる様に為るからです。
「賃上げ」より大切な事が在る
企業任せでは賃金は上がら無い Photo/gettyimages 10-29-6
自民党の岸田総裁は「賃上げに積極的な企業に税制で支援する」と訴えて居ます。しかしそれだけでは、一人一人の生産性は高まら無いので、将来に対する不安を取り除く事は出来ません。残念ながら、実の在る形で働き手が豊かに為って行くと云う発想が欠けて居るのです。
近年の国の一般会計では、公共事業費が6兆円を超えて推移して居るものの、建設業界の人手不足からその内2兆円程度の未消化が続いて居ます。仮に公共事業費を4兆円台に減らして、恒久的に2兆円をスキル教育に使う事が出来れば、若者から高齢者まで希望する全ての人々の成長に役立つ筈です。
国はスキルを身に付けたい人に対して、全額補助に近い形でスキル習得を支援する。その一方で、スキルを身に付けた人は国に対して、どのスキルを身に付けて何処の企業に就職して(どんな自営業をして) どの程度の収入を得て居るのかデータを提供する。
国はそのデータを活かして、より好い仕組みを作り上げて行く・・・と云ったアウトラインでは如何でしょうか。
バラマキよりも、今すべき「足った一つの事」
「定年」と云う考え方も無く為ろうとして居る Photo/gettyimages 10-29-7
真に持続的な成長を生み出す為には、一人一人が付加価値の高い仕事をして、その対価として賃金が持続的に上がって行くと云う道筋しか在り得ません。
自らの所得が長期的に上がる見通しが立てば、人々は自然と消費を増やして行くので、経済の好循環も生まれて来るでしょう。日本が経済成長と格差縮小の二兎を追うにはそれしか無いと思います。尚、スキル教育に付いては拙書『定年消滅時代をどう生きるか』で詳しく述べて居ます。興味が在る方は是非ご覧ください。
中原 圭介 経済アナリスト 10-29-9
〜管理人のひとこと〜
安倍晋三政治と彼の経済政策であるアベノミクスの終焉・・・云わば官僚を縮み上がらせ恐怖政治を強いた〔忖度政治〕が終わろうとして居るのか、それともその種は未だに生き続けて居るのか?・・・政治の器とトップを変え無い限りその悪習は断ち切れ無いかも知れ無い。
アベノミクスの失敗は現状を観れば誰にも等しく理解できるが、それを如何に是正し立ち直る為の施策がハッキリしない。その為に今回の政権選択選挙が在るのだと思いたいのだが、又もや国民の低投票率で自公政権を生き返らせば、この時点で日本は終わるかも知れない。野党は一致し、何とか最後まで足掻いて欲しいものです。
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